熱中症予防の緊急要請について【笠岡労働基準監督署】
■熱中症予防の緊急要請を行いました
このところ連日猛暑の日が続いており、また、気象庁の1か月予報でも本年8月は気温の高い傾向が予測されていることから、職場における熱中症の発症リスクはかなり高いと思われます。すでに笠岡労働基準監督署管内におきましても本年度熱中症による休業災害が発生しているところです。こうしたことから、職場における熱中症予防対策を適切に講じていただくため、8月3日、当署署長から下記団体の長あて、各事業場において熱中症予防の取組について緊急点検を行っていただくよう要請しました。
熱中症は適切な対策を講じることによって十分防ぐことのできる災害です。また、仮に発症した場合でも、体を冷やすことによって体温の上昇を抑えつつ、すみやかに医療機関に受診させる等迅速・適切な対応を講じることによって症状の重篤化を防ぐことは可能です。
各事業場におかれましては、適切な対策を講じることによって、熱中症の未然予防を図っていただきますようお願いいたします。
●向かって左から順に、建設業労働災害防止協会岡山県支部笠岡分会、一般社団法人岡山県労働基準協会
笠岡支部、陸上貨物運送事業労働災害防止協会岡山県支部笠岡分会 への要請の模様
【要請事項】
次の事項について緊急点検し、問題があれば改善を図ってください。
1 暑さ指数を活用しているか
2 休憩場所を整備しているか
3 計画的に、熱に慣れ、環境に適応するための期間を設けているか
4 のどの渇きを感じなくても、労働者に水分・塩分を摂取させているか
5 労働者に、透湿性・通気性の良い服装や帽子を着用させているか
6 日常の健康管理など、労働者の健康状態に配慮しているか
【要請先】
建設業労働災害防止協会岡山県支部
笠岡分会長
井原分会長
矢掛分会長
浅口分会長
(井笠建設業協会会長・副会長)
陸上貨物運送事業労働災害防止協会岡山県支部
笠岡分会長
井原分会長
一般社団法人岡山県労働基準協会
笠岡支部長
【参考資料】
熱中症予防対策について(岡山労働局HP)
環境省熱中症予防情報サイト(環境省HP)
熱中症を防ごう!(パンフレットPDF950KB)
熱中症を防ぐために(リーフレット、PDF782KB)
「ストップ!職場の熱中症」 (リーフレット、PDF184KB)
熱中症予防チェックリスト(PDF137KB)
■熱中症の現状について
環境省による「熱中症環境保健マニュアル2014年3月改訂版」によると、
「熱中症による死亡数は、1993年以前は年平均67人ですが、1994年以降は年平均492人に増加しています。これは、夏期の気温が上昇していることが関連しているとみられます。これまでで最も暑かった2010年は1,745人(男940人、女805人)でした。」とあり、次のグラフが示されています。
年次別男女別熱中症死亡数(1968年~2012年)(厚生労働省人口動態統計より中井作図)「熱及び光線の作用」
(T67)による死亡数を集計 ※環境省ホームページより転載
上記は厚生労働省の人口動態統計の対象となる我が国全体の死亡者数であり、労働者のみに係る数ではありませんが、このグラフのとおり、直近20年位で極端に増加しており、昭和40年代や50年代とは明らかに状況が異なっています。
熱中症はもはや現代における災害といってもいい程の大きなリスクの一つであって、熱中症予防への対応の必要性は近年急激に増大していると言えます。
次に、熱中症による全国の労働者の死傷者は次のとおりです。
このうち岡山県の死傷者数は、平成24年8件、25年12件、26年8件となっており、県内労働者数の全国に占める分布に比しても少なくはありません。屋外だけでなく、屋内作業でも発症しています。
また、笠岡労働基準監督署管内でも平成27年7月になって屋外作業中の労働者の熱中症による休業災害が発生しています。
こうした中、総務省消防庁ホームページによると、本年7月になって熱中症による救急搬送者数が急増しており、また、気象庁が7月30日に発表した「全国1か月予報」(8月1日から8月31日までの天候見通し)によると、<特に注意を要する事項>として、「北・東・西日本では、期間の前半は気温がかなり高くなるところがあるでしょう。」とされ、また、西日本については向こう1か月の平均気温は「高い」「平年並み」を合わせると80%の予報となっています。
※総務省消防庁ホームページより抜粋
依然として厳しい猛暑が続いており、職場において熱中症の発生が危惧される状況です。適切な対策が必要であることをご理解ください。
【参考資料】
平成26年「職場における熱中症による死亡災害の発生状況」を公表します(厚生労働省HP)
この記事に関するお問い合わせ先
労働基準部 健康安全課 TEL : 086-225-2013