化学物質管理説明会を開催しました。【笠岡労働基準監督署】
笠岡労働基準監督署は、平成28年10月25日、管内の化学物質を取り扱う事業場を対象に、「化学物質管理説明会」を開催しました。(参加者は39名)
まず、笠岡労働基準監督署担当官から、近年の化学物質に関する労働安全衛生法や関係政省令の改正について説明しました。
近年、国の化学物質のリスク評価により、多くの化学物質が特定化学物質あるいは特別有機溶剤に指定され、規制が強化されました。その中には、エチルベンゼンなど塗料に幅広く含有しているものもあります。
メーカー等から交付される安全データシート(SDS)を確認の上、該当する化学物質が含有されている場合には、速やかに対応する必要があります。
続いて、本説明会の共催団体である岡山産業保健総合支援センターの横溝浩産業保健相談員からは、コントロールバンディングを使った化学物質のリスクアセスメントなどについて説明がありました。
化学物質のリスクアセスメントは、労働安全衛生法の改正により、平成28年6月1日より、義務化されました。
リスクアセスメントとは、化学物質やその製剤の持つ危険性や有害性を特定し、それによる労働者への危険又は健康障害を生じるおそれの程度を見積もり、リスクの低減対策を検討することをいいます。
その危険又は健康障害を生じるおそれの程度を見積る手法としては、マトリックス法、コントロールバンディング、個人ばく露濃度を測定する方法など様々ですが、その中で、中小企業向けで比較的簡易とされるコントロールバンディングの手法を主に説明されました。
コントロールバンディングとは、化学物質を取り扱う作業ごとに、「化学物質の有害性」、「物理的形態」、「取扱量」の3つの要素の情報から、リスクの程度を4段階にランク分けし、ランクに応じた一般的な管理対策を示すほか、一般的に行われる作業については、より具体的な実施事項を示すことができるツールで、厚生労働省ホームページの「職場のあんぜんサイト」に支援ツールがあります。
横溝相談員は、その支援ツールである「化学物質のリスクアセスメント実施支援ツール」を、安全データシート(SDS)のデータにより実際に操作しながら説明されました。
リスクアセスメントの対象となる化学物質は、安全データシート(SDS)の交付義務対象である640物質です。過去に対象となる化学物質に対しリスクアセスメントを実施したことがない事業場は、速やかにリスクアセスメントを実施することが望まれます。