(保健衛生業)職場での腰痛に待ったをかけましょう!【笠岡労働基準監督署】
休業4日以上の職業性疾病のうち、職場での腰痛は6割を占める労働災害となっています(全国)。特に高齢者介護などの社会福祉施設での腰痛発生件数は大幅に増加しています。
笠岡労働基準監督署管内においても、腰痛による休業災害のうち保健衛生業の占める割合を過去5年ごとに見てみると、平成13~17年、平成18~22年の各5年間がともに13%だったものが、同平成23~27年には54%と急増しています。
当署におきましては、これまでも社会福祉施設を対象とした労務・安全衛生管理の講習会の開催などによって腰痛防止対策について周知を図ってまいりましたが、一層の徹底を図っていただく必要があります。
社会福祉施設対象の労務・安全衛生管理講習会の様子
(笠岡労働基準監督署 平成28年1月27日開催)
各事業場におかれましては、下記をご参考の上、労働衛生管理体制を整え、腰に負担の少ない介助方法などをとっていただき、この憂慮すべき腰痛災害多発状況に待ったをかけていただきますようお願いします。
※以前の指針を平成25年6月に改訂し、適用範囲を福祉・医療分野における介護・看護作業全般に広げ、腰に負担のない介助方法などが加えられています。
● 指針の主なポイント
【労働衛生管理体制】
職場で腰痛を予防するには、労働衛生管理体制を整備した上で、作業・作業環境・健康の3つの管理と労働衛生についての教育を総合的・継続的に実施することが重要
また、リスクアセスメントや労働安全衛生マネジメントシステムの考え方を導入して、腰痛予防対策の推進を図ることも有効
★腰痛予防のための労働衛生管理体制の整備
○作業管理 ⇒ 作業方法、作業手順、体制など
○作業環境管理 ⇒ 照明、床面、作業スペースなど
○健康管理 ⇒ 腰痛健診、腰痛予防体操など
○労働衛生教育 ⇒ 腰痛予防のための教育・指導
【作業管理】
■省力化
リフトなどを積極的に使用する
■作業姿勢、動作
前屈姿勢、中腰など不自然な姿勢を避ける
■作業の実施体制
作業する人数、作業内容、作業時間、福祉用具の割り当てなどを検討する
腰に過度に負担のかかる作業は、身長差の少ない2名以上で行う
■作業標準の策定
作業標準を策定し、定期的に見直す(新しい機器や設備を導入した場合も)
■休憩・作業量、作業の組合せ
適宜、休憩時間を設け、姿勢を変える。夜勤や交代制勤務、不規則な勤務 については、昼間の作業量を下回るように配慮し、適宜、休憩や仮眠が取れるようにする
【作業環境管理】
■作業する場所の床面
できるだけ凹凸や段差がなく、転倒やつまずきが防止できるものとする
■照明
足もとや周囲の安全が確認できる照度とする
■作業空間、設備の配置など
作業に支障がないように十分に広い作業空間を確保する
作業の姿勢、動作が不自然にならないよう、機器や設備を適切に配置し、 椅子や作業台・ベッドの高さを調節する
【健康管理】
■健康診断
介護・看護作業を行う作業者を配置する際には、医師による腰痛の健康診 断を実施する(その後は定期的(6か月以内に1回))
健診結果について医師意見を聴取し、必要に応じて作業体制・方法等の改 善を図る
■腰痛予防体操
ストレッチを中心とした腰痛予防体操を実施する
【労働衛生教育】
腰痛予防のための労働衛生教育を実施する
※参考ホームページ
○ 厚生労働省:職場における腰痛予防の取組を!(「職場における腰痛予防対策指針」を改訂[平成25年])
○ 岡山労働局:社会福祉施設(介護事業)における労働条件の確保・改善と労働災害防止についてのお願い(事業者、管理者等の皆様へ)
※参考資料
1 職場における腰痛予防対策指針及び解説(PDF:1,011KB)
職場における腰痛予防対策指針及び解説(続き)[参考1~9](PDF:11,836KB)
2 社会福祉施設を運営する事業主の皆さまへ 介護・看護作業による腰痛を予防しましょう[PDF:711KB]
3 腰痛予防対策講習会テキスト(介護従事者向け) [PDF:7,550KB]
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この記事に関するお問い合わせ先
労働基準部 健康安全課 TEL : 086-225-2013