特定化学物質障害予防規則等の改正(DDVPおよびクロロホルムほか9物質に係る規制の追加)
平成26年11月1日施行(一部に経過措置があります)
厚生労働省では、事業場において労働者が有害物にさらされる(ばく露)状況を把握するため、「有害物ばく露作業報告制度」を設けています。この報告に基づき、リスク評価を実施し、労働者に重い健康障害を及ぼすおそれのある化学物質については、必要な規制を実施しています。
今回のリスク評価の結果、「クロロホルムほか9物質」とジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイト(DDVP) についても規制が必要とされましたので、労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則、特定化学物質障害予防規則を改正しました。
1.クロロホルムほか9物質を有機溶剤から特定化学物質へ移行
※クロロホルムほか9物質は、これまで有機溶剤の中に位置づけられていましたが、発がん性を踏まえ、今回の改正により、特定化学物質の第2類物質の「特別有機溶剤等」の中に位置づけられるとともに、特別管理物質になりました。
これらの物質を使用して有機溶剤業務を行う場合には、これまでの化学物質の発散を抑制するための設備の設置、作業環境測定の実施、特殊健康診断の実施、作業主任者の選任などの有機溶剤中毒予防規則に基づく措置に加え、健康診断や作業環境測定の結果、作業の記録などを30年保存することが義務付けられました。
※クロロホルムほか9物質とは
・ クロロホルム
・ 四塩化炭素
・ 1,4- ジオキサン
・ 1,2- ジクロロエタン(1,2-ジクロルエタン、別名二塩化エチレン)
・ ジクロロメタン(ジクロルメタン、別名二塩化メチレン)
・ スチレン
・ 1,1,2,2- テトラクロロエタン(1,1,2,2-テトラクロルエタン、別名四塩化アセチレン)
・ テトラクロロエチレン(テトラクロルエチレン、別名パークロルエチレン)
・ トリクロロエチレン(トリクロルエチレン)
・ メチルイソブチルケトン(MIBK)
2.ジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイト(DDVP)を特定化学物質に追加
ジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイト(DDVP)が、表示対象物質、特定化学物質の特定第2類物質に位置づけられるとともに、特別管理物質になりました。
DDVPを含む製剤の成形、加工又は包装業務を行う場合には、新たに、化学物質の発散を抑制するための設備の設置、作業環境測定の実施、特殊健康診断の実施、作業主任者の選任などが義務付けられ、健康診断や作業環境測定の結果、作業の記録などを30年保存することが必要となります。
詳しくは、平成26年11月の特定化学物質障害予防規則・作業環境測定基準等の改正(DDVPおよびクロロホルムほか9物質に係る規制の追加)(厚生労働省HPへリンク)