働く人が性別により差別されることなく、かつ、働く女性が母性を尊重されつつ、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することは、わが国が将来にわたって経済社会の活力を維持していく上で、ますます重要な課題となっています。
(1)概要
男女雇用機会均等法では、募集・採用、配置・昇進等の雇用管理の各ステージにおける性別を理由とする差別の禁止や、婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等が定められています。
(2)各項目ごとの留意点
b)配置・昇進
c)賃金
男女雇用機会均等法では、事業主に対して、職場におけるセクシュアルハラスメント防止対策の措置が義務付けられているとともに、平成29年1月1日からは、上司・同僚からの職場における妊娠・出産等に関するハラスメント(いわゆる「マタハラ」)防止対策の措置が義務付けられました。
実質的な男女均等取扱いを実現するためにはポジティブ・アクション(※)の取組が必要です。
また、ポジティブ・アクションには、個々の労働者の能力発揮を促進するだけでなく、企業にも様々なメリットがあります。
職場における男女格差の実態を把握し、女性の活躍推進や、格差解消に向けてポジティブ・アクションの取組を進めていきましょう。
※【ポジティブ・アクションとは】
固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、「営業職に女性はほとんどいない」「課長以上の管理職は男性が大半を占めている」等の差が男女労働者の間に生じている場合、このような差を解消しようと、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組をいいます。男女雇用機会均等法第8条においては、男女の雇用機会均等・待遇確保の支障となる事情を改善するための措置(
「男女差別禁止指針」第2の14に掲げるポジティブ・アクション)については、男女差別に当たらないとされています。
労働者数301人以上の大企業、国・地方公共団体は、女性活躍推進法に基づき、(1)自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析、(2)その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表、(3)自社の女性の活躍に関する情報の公表を行わなければなりません(令和4年4月1日からは101人以上の企業も義務化)。
また、行動計画の届出を行い、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良な企業については、申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができます。認定を受けた企業は、厚生労働大臣が定める認定マークを商品などに付することができます。
・女性活躍推進法の改正について
令和元年5月29日、女性活躍推進法等の一部を改正する法律が成立し、令和元年6月5日に公布されました。
改正内容は以下の通りです。
a) 一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大
一般事業主行動計画の策定・届出義務及び自社の女性活躍に関する情報公表の義務の対象が、常時雇用する労働者が301人以上から101人以上の事業主に拡大されます
(施行:令和4年4月1日)
b) 女性活躍に関する情報公表の強化
常時雇用する労働者が301人以上の事業主は、情報公表項目について、
(1)職業生活に関する機会の提供に関する実績
(2)職業生活と家庭生活の両立に資する雇用環境の整備に関する実績
の各区分から1項目以上公表する必要があります
(施行:令和2年6月1日)
c) 特例認定制度(プラチナえるぼし(仮称))の創設
女性の活躍推進に関する状況等が優良な事業主の方への認定(えるぼし認定)よりも水準の高い「プラチナえるぼし(仮称)」認定を創設します
(施行:令和2年6月1日)
労働者数301人以上の大企業は、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出・公表・周知が義務付けられています(令和4年4月1日からは101人以上の企業も義務化)。
宮城県内に本社がある企業が一般事業主行動計画を策定した際には、宮城労働局雇用環境・均等室に届け出る必要があります。
行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍に関する取組の実施状況が優良な企業については、申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができます。
宮城県内に本社がある企業の認定の申請は、宮城労働局雇用環境・均等室で受け付けています。
自社の女性の活躍に関する情報公表や、行動計画の外部への公表の際、厚生労働省「女性の活躍・両立支援総合サイト」内の「女性の活躍推進企業データベース」をご活用ください。