生産性の向上
■生産性とは・・・
「生産性」は、一言でいえばモノやサービスなどの価値をどれだけ少ない労力や資源の投入によって効率的に生み出しているかという指標です。
「生産性」にはいくつかの種類がありますが、一般的には、「付加価値労働生産性」のことを指します。
この「付加価値労働生産性」とは、労働者1人あたり(または労働者1人が1時間あたり)、どれだけの付加価値を生み出したかという数字です。
■「働き方改革」の推進のためには「生産性の向上」が重要
「働き方改革」には9つのテーマがありますが、そのうち最も重要なのは「長時間労働の是正」です。
しかし現在は人手不足状況ですので、増加する業務量に対応するために新たな従業員の採用をすることが困難な場合があり、それを既存の従業員の残業で対応するために「長時間労働の是正」が困難になってしまう傾向があります。
このような中で「長時間労働の是正」を図るためには、一人ひとりの従業員が短い時間で効率よく従来以上の成果をあげること、つまり「生産性を高めること」が重要になります。
■どのようにすれば生産性を高められるか
生産性を高める方法はいろいろな方法がありますが、業種・職種や各企業によって取り組みやすい方法に違いがあります。
よく用いられる方法として、業務の分析を通じたムダなプロセスの見直しや売り上げの向上を図る方法がありますし、業務を効率化するための機器・システム・IT・AIを導入する方法や、労働者一人ひとりの能力の向上を図る方法などいくつものアプローチの仕方があります。
生産性の向上を図る場合、生産性向上の取り組みを成功させた他社の好事例が参考になります
■生産性向上の取り組みのための法律・ガイドライン・マニュアル
■生産性向上の取り組みに対する支援策
1.助成金
(1) 生産性向上を図った場合の助成金
生産性向上と事業場内最低賃金アップをした場合に助成されます。
非正規労働者の賃金アップをした場合に助成されます。
人事管理制度の整備により生産性向上と賃金アップ等をした場合に助成されます。
(2) 生産性向上を図った場合の割増
企業が生産性を向上させ生産性要件を満たした場合に、一部の労働関係助成金の助成額又は助成率が割増されます
生産性を向上の一定の基準に合致しない場合でも、企業のメインバンクから経営内容について一定の評価(事業性評価)を受けると割増対象となります
「生産性向上支援訓練」は、企業や事業主団体に在籍する従業員を対象とした、企業の生産性向上に必要な生産管理、品質管理、原価管理、物流、IoT、マーケティング等に関する知識やスキルを習得するための訓練です。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のポリテクセンターに設置された「生産性向上人材育成支援センター(生産性センター)」が、専門的な知見やノウハウを持つ民間機関等に委託し、企業・団体のニーズや課題にあわせてオーダーメイドで実施します。
中小企業者が、自社の経営力を向上させるための計画(経営力向上計画)を作成し、国の認定を受けると、税制や金融面での支援を受けることができます
・経営サポート「経営強化法による支援」 (中企庁)
中小企業等経営強化法に基づく認定や支援の内容・手続きについてまるわかり
生産性を高めるための機械装置・ソフトウェア・器具備品・建物附属設備等を取得した場合に、「固定資産税の軽減」「即時償却または税額控除(中小企業経営強化税制)」を受けることができます
(2) 融資・債務保証
経営力向上計画に基づく事業に必要な資金について、「商工中金による低利融資」「中小企業信用保険法の特例」「中小企業投資育成株式会社法の特例」「日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジット」「中小企業基盤整備機構による債務保証」「食品流通構造改善機構による債務保証」を受けることができます
4.「生産性向上特別措置法」に基づく各種支援
政府が、2020年までを「生産性革命・集中投資期間」として、我が国産業の生産性を短期間に向上させるために必要な支援措置を講じる趣旨で2018年6月6日に施行した「生産性向上特別措置法」では、1.プロジェクト型「規制のサンドボックス」制度の創設、2.データの共有・連携のためのIoT投資の減税等、3.中小企業の生産性向上のための設備投資の促進について規定しています。
市町村の判断により、新規取得設備の固定資産税が最大3年間ゼロに
販路開拓、新商品開発、IT活用、創業・起業、事業継承、資金繰り、海外展開、デザイン、補助金活用など経営相談に無料で対応(宮城県商工会連合会)
■生産性の現状分析と今後の施策の方向性
経営の現状と課題、経営力向上を図るための基本的な考え方、目標とする生産性向上の方法等が、各業界ごと「事業分野別指針」として示されています
「事業分野別指針」が策定されていない事業分野については、「基本方針」を踏まえて経営力向上計画を策定するよう示されています
生産性向上に向けた各企業の取り組みの現状や、経営者の意識について分析されています
■生産性に関する各種データ
・労働生産性の国際比較 ((公益)日本生産性本部)
日本の時間当たり労働生産性は、OECD加盟36カ国中20位となっています(2017年)
・日本の生産性の動向 ((公益)日本生産性本部)
我が国の生産性の状況に関する年度単位のレポートです
・産業別月次生産性統計 ((公益)日本生産性本部)
生産性の状況を産業別に毎月の推移で確認することができます
・鉱工業産業別労働生産性指数 (厚生労働省)
生産性の毎年の動向を産業別に指数で示しています
・法人企業統計調査 (財務省)、 企業活動基本調査 (経済産業省)
企業統計から企業の生産性の状況を読み取ることができます
・宮城労働局(雇用環境・均等室)TEL(022) 299-8834
全般
・宮城労働局 助成金コーナー TEL(022) 299-8063
労働関係助成金
・東北経済産業局 TEL(022)-263-1111
中小企業等経営強化法に基づく支援、補助金
・独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
宮城職業能力開発促進センター TEL(022) 362-2253
生産性向上支援訓練
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