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無期転換ルールと特例について
Ⅰ.労働契約法の無期転換ルールについて
有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、労働者の雇用の安定を図るため、平成24年8月の労働契約法改正(第18条第1項)により、いわゆる「無期転換ルール」が定められました。
同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合に、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換します。
通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する(更新する場合を含みます。)有期労働契約が対象です。平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は、通算契約期間に含めません。
1年契約を更新している場合、平成30年4月1日以降に無期転換申込権が発生します。無期転換が円滑に進むよう、無期転換後の労働条件の整備をお願いします。
なお、厚生労働省では、無期転換ルールの周知や無期転換制度の導入促進を支援する「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」を開設しているほか、無期転換ルールの導入手順やポイント、導入事例などをまとめた「無期転換ルールハンドブック」を作成しておりますので、ご活用ください。
◆「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」(厚生労働省ホームページ)
◆「無期転換ルールハンドブック」(厚生労働省ホームページ)
※無期転換を避けるための雇止めは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありません
無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありません。
いわゆる雇止め法理を規定する労働契約法第19条(※)の適用対象となるものであることにも、ご留意ください。
また、有期契約の終了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、雇止めをすることは許されない場合もありますので、慎重な対応が必要です。
※雇止め法理(労働契約法第19条)とは・・・?
有期労働契約は、使用者が更新を拒否したときは、契約期間の満了により雇用が終了します。これを「雇止め」といいます。雇止めについては、労働者保護の観点から、過去の最高裁判例により一定の場合にこれを無効とする判例上のルールが確立しています。「雇止め法理」とは、このルールを指すものです。雇止め法理は、労働契約法第19条において条文化されています。
<参考>労働契約法(抄)
(有期労働契約の更新等)
第19条有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。
一当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
二当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。
→「安心して働くための「無期転換ルール」とは(1.11MB; PDFファイル)
Ⅱ.無期転換ルールの特例について
1.高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者及び定年後引き続き雇用される有期雇用労働者に対する特例
特例の対象者 | |
(1) 「5年を超える一定期間内に完了することが予定されている業務」に従事する高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者 | |
(2) 定年に達した後引き続いて雇用される有期雇用労働者 | |
特例の効果 | |
(1)の者 「5年を超える一定期間内に完了することが予定されている業務」に従事している期間(期間の上限は10年)は、無期転換申込権が発生しません。 | |
(2)の者 定年に達した後引き続いて雇用される期間は、無期転換申込権が発生しません。 |
特例の適用を受けるためには、適切な雇用管理に関する計画((1)の場合は第一種計画、(2)の場合は第二種計画)を作成し、都道府県労働局長の認定を受けることが必要です。
特に第二種計画の申請が増えておりますので、提出書類を掲載しておきます。ご参照ください。
【第二種計画の認定申請のために必要な書類】
第二種計画認定・変更申請書(下記①)と添付書類(下記②及び③)は、それぞれ原本と写しの合計2部を提出してください。写しは認定通知書等の交付時にお返しします。
① 第二種計画認定・変更申請書
② 第二種特定有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)の特性に応じた雇用管理に関する措置が分かる資料
(例)
・ ハローワークに提出した「高年齢者雇用状況報告書」(高年齢者雇用推進者が選任してあるもの)の写し
・ 計画対象第二種特定有期雇用労働者に対する配置、職務、職場環境に関する配慮を実施していることが分かる資料
③ 高年齢者雇用安定法第9条の高年齢者雇用確保措置を講じていることが分かる資料
(例)
・ ハローワークに提出した「高年齢者雇用状況報告書」の写し
・ 就業規則(定年、継続雇用制度を定めた規定)等の写し
④ 返信用封筒(認定等通知書一式の郵送を希望する場合。配達状況が確認でき対面受け取りが可能な簡易書留、レターパックプラス等でお願いします。)
認定の申請先は、本社を管轄している都道府県労働局の雇用環境・均等室(部)です。
第二種計画の特例の適用(認定)を受けた場合には、事業主は労働契約の締結・更新時に特例の対象となる継続雇用の高齢者に対しては、定年後引き続いて雇用されている期間が無期転換申込権が発生しない期間であることを書面で明示することが必要です。
→労働条件通知書(下線部分の記載が必要となります)(22KB; MS-Wordファイル)
2.大学等及び研究開発法人の研究者、教員等に対する特例
無期転換申込権発生までの期間が10年になります。
特例の対象者等、詳細はリーフレットをご参照ください。
無期転換ルールに関する詳細は厚生労働省のホームページをご参照ください。