管理監督者の範囲(労働時間の例外)

  

監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)について、労働基準法は労働時間・休憩・休日の規定を適用しないと定めています。(労働基準法第41条第2号) 管理監督者とは「一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきもの」と解釈されます。なんらかの役職名さえあれば管理監督者として割増賃金の支払いが免除されるわけではありません。  

銀行本店の調査役補やファミリーレストランの店長がここでいう管理監督者にあたらないとした次の裁判例があります。

1. 欠勤・遅刻・早退をするには、事前或いは事後に書面をもって上司に届出なければならず、正当な事由のない遅刻・早退については、人事考課に反映され場合によっては懲戒処分の対象ともされる等、通常の就業時間に拘束されて出退勤の自由がなく、自らの労働時間を自分の意のままに行いうる状態など全く存しないこと・・・部下の人事及びその考課の仕事には関与しておらず、銀行の機密事項に関与した機会は一度もなく、担保管理業務の具体的な内容について上司(部長、調査役、次長)の手足となって部下を指導・育成してきたに過ぎず、経営者と一体となって銀行経営を左右するような仕事に全く携わっていないこと。」から管理監督者に当たらないとしたもの

(昭和53.3.28静岡地裁判決、昭50年(ワ)第234・308号)


2.ファミリーレストランの店長について、コック等の従業員6、7名を統制し、ウエイターの採用にも一部関与し、材料の仕入れ、売上金の管理等をまかせられ、店長手当月額2、3万円を受けていたとしても、営業時間である午前11時から午後10時までは完全に拘束されて出退勤の自由はなく、仕事の内容はコック、ウエイター、レジ係、掃除等の全般に及んでおり、ウエイターの労働条件も最終的には会社で決定しているので、管理監督者にあたらないとしたもの

(昭和61.7.30大阪地裁判決、昭和60年(ワ)第2243号)

【厚生労働省HP】
※ 多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について

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