有限会社古川急送
(所沢市)

名称 有限会社古川急送
所在地 所沢市
労働者数 12人
業種 運送業
代表者職氏名 代表取締役 古川 秀晴
取組内容 【取組のきっかけ】
 平成5年の創業以来、安全管理・危機管理を徹底し、建築資材の輸送を主たる業務として、良質のサービスを提供・提案することで、お客様から信頼される企業を目指している。その実現において、社員各人が自律性と自発性を発揮し、お客様満足度向上により、働きがいを満たすことで、社員だけでなくその家族も夢と誇りの持てる企業であることも重要と考えている。
 
 
【取組の内容】
・働き方改革や改善基準告示を意識して、数年前から取引各社に運賃の値上げを交渉し、単純に仕事量を増やすのではなく、労働生産性を考慮した体制整備に努めてきた。
・その結果、やむなく取引先を見送ったケースもあり、時期によって繁閑差が生じた。業務量が少ない月には、労働者に対して最低保証給を支給する一方で、忙しい月であっても時間外労働は60時間を超えないよう調整している。
・荷主に対しては一方的に価格交渉するだけではなく、荷積み・荷下ろしの時間短縮・業務効率化のため独自に開発した箱型の荷台(以下「ARKER」と記載。)(※)を活用した輸送により、荷主である建設機材のリース会社、配送先の建設会社、運送会社各々の労働者の労働時間短縮を提案している。
※「ARKER」(アーカー)
・独自に開発し、商標登録及び特許を取得した箱型の荷台で、専用の車両本体に搭載して輸送し、納品先で車両本体から分離することで、資材等を積載した状態のまま納品が可能。
・側面の扉が4枚の観音開きでフルオープンとなり、地面から40cmに設置して荷積みができるので、効率的かつ安全に作業が可能。
・上部はオープン構造なので、クレーンでの揚重もできる。

  
【取組の結果】
・有給休暇の年5日の取得義務を確実に履行するために、年初に各労働者に5日連続の取得日を割り振っている。この段階で決めた取得日はあくまでも目安で、実際の取得日は変更も可能としているが、有給休暇が取得しやすい雰囲気が定着してきた。
・労働者にとって働きがいのある企業を目標としてきた結果、長年継続的に勤務してくれるドライバーもいるし、若い世代の労働者も順調に採用できている。


【企業コメント】
 ・代表者自身が過去にドライバーとして働いていた際の経験を踏まえて、自社の労働者が安心して働ける環境整備は不可欠と考えている。使用する車両の自動車保険を万全の内容とするのは当然のこととして、車両を実際に運転するドライバーの心身の健康には特に配慮している。拘束時間や休息時間を順守したゆとりある運行計画の調整、法定健診の確実な受診に至るまで、しっかりと管理するのが経営者の役目と認識している。
・そのための手段となる「ARKER」は自社だけではなく、建築資材の輸送を中心とした運送業界全体のインフラとしての普及を目標としており、関連する業界全体の時間外労働削減・休暇取得の促進に繋がるツールとして期待している。将来的には、国内だけではなく、同様の問題を抱えている海外での展開も視野に入れている。

 

 


 
コンサルタントからひと言  働き方改革による時間外労働の上限規制を制約と捉えることなく、かつては過重労働が前提と思われていたドライバーの働き方が、ワーク・ライフ・バランスのとれた充実した働き方に変わる時代になると前向きに受け止めていらした代表者様のお話が印象的でした。

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