平成17年度第1回大阪地方労働審議会議事録

1 日 時
  平成17年11月17日(木) 午前10時~12時

2 場 所
  KKRホテル大阪(大阪市中央区馬場町2-24)

3 出席者
  (1) 委 員
    公益代表
  江﨑 丈
  佐野 久美子
  國井 和郎
  西村 多嘉子 
  小嶌 典明
労働者代表
  川口 清一
  服部 和美
  阪田 弘美
  吉田 功 
  中世古 幸治
  脇本 ちよみ
使用者代表
  小野 幸親  山本 憲治
  (2) 事務局
   
局長
総務部長
労働基準部長
職業安定部長
需給調整事業部長
雇用均等室長
総務課長
会計課長
企画室長
労働保険徴収課長
労働保険適用課長
労働保険事務組合室長
監督課長
労働時間課長
安全課長
労働衛生課長
賃金課長
労災補償課長
職業安定課長
職業対策課長
雇用保険課長
需給調整事業第1課長
需給調整事業第2課長
  新島 良夫
  荒木 祥一
  藤井 龍一郎
  永田 敏明
  浅野 浩美
  峯岸 とも子
  新川 静男(欠席)
  坪田 秀治
  森下 芳光
  平岡  浩
  長谷川善久
  大谷  隆
  高井 吉昭
  平野 武文
  井上 貴志
  黒田 順司
  中西 一裕
  堀江  章(欠席)
  大野 克巳
  岡村 公人
  三宅 憲碁
  桑畑 憲三
  吉井 靖雄

4 議 題
  (1) 会長の選挙
(2) 会長代理の指名
(3) 部会委員の指名
(4) 平成17年度労働行政の運営状況について
(5) その他

5 議 事
 
○森下企画室長 
     ただ今から、「平成17年度第1回大阪地方労働審議会」を開催いたします。本日、会長が決まるまでの間、事務局が議事を進行いたします。私は、総務部企画室長の森下でございます。どうぞご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 本日の資料は、事前に送付しておりますが、追加資料として、本日、若者の人間力を高めるための国民運動のキックオフイベント「若者フォーラム2005」、「労災保険に未加入の事業主に対する費用徴収制度強化について」というリーフレットを机上配付しております。このほか、お手元に本日の会議次第、出席者名簿、配席図をお配りしております。お確かめください。
 それでは、まず、新島大阪労働局長からご挨拶を申し上げます。
 
○新島局長 
     おはようございます。浅野前局長の後任の新島でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。会議の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 日ごろから労働行政の運営に関しまして、格別のご協力をいただいております。厚く御礼を申し上げる次第でございます。本日は、各委員におかれましては、大変お忙しい中、審議会にご出席いただきまして、ありがとうございます。また、10月1日付をもちまして、委員への就任をお願いしたところ、快くお引き受けくださいまして、重ねて御礼申し上げます。
 前期に引き続き就任いただいた委員の皆様方におかれましても、これまで同様、よろしくお願いを申し上げますとともに、また、今期より新たにご就任いただいた委員の皆様方におかれましては、労働行政の運営に関しまして、ご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
 最初に、先日、報道されたところでございますけれども、会計検査院の検査に関しまして、ご報告を申し上げたいと思います。ご案内の通り、会計検査院が実施をいたしました平成16年度の決算検査報告書におきまして、大阪労働局を含みます25の地方労働局で適正を欠いた経理処理があったという指摘を受けたところでございます。国民の信頼を損ねる結果になったということに関しまして深く御詫びを申し上げますとともに、今後、再発防止はもとより、会計・経理の適正な執行に万全の体制で臨みたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、管内の景気動向でございますけれども、日銀の大阪支店の11月管内金融経済概況によりますと、輸出、設備投資ともに増加ということで、緩やかに改善を、雇用失業情勢につきましても緩やかに改善をしているという中で、個人消費も増加をしているということで、全体的には緩やかな拡大を続けているとされております。
 雇用失業情勢につきましては、のちほどまた詳しく申し上げますが、大阪の9月の有効求人倍率が1.06倍、昨年度(16年度)の平均が0.88倍ですから、かなり改善をしてきているという状況でございます。
 失業率を見ますと、近畿ブロックの失業率が9月5.1%、16年に比較しますと0.5ポイントほど改善をしております。ただ、全国平均が4.2%ですから、まだ全国に比べますと、近畿ブロックはかなり厳しい状況が依然として続いているのではないかと見ております。
 それから、いわゆる賃金不払いあるいは解雇等を中心とします労働相談あるいは申告の件数でございます。これも依然として高水準にあり、労働災害につきましても、長期的に減少傾向にはあるものの、まだ約1万人の方が被災をされているという状況にございます。
 加えまして、アスベストによる健康障害、これは大きな社会問題となっておりますが、大阪労働局といたしましては、アスベストの暴露防止措置の徹底、あるいは退職者を含めた石綿作業従事者の健康管理、あるいは被害を受けられた方への迅速な補償について、全力で取り組んでいるところでございます。
 こうした状況の中で、大阪労働局といたしましては、行政が取り組むべき課題ということで三つの課題を設定しております。
 一つは、厳しい雇用失業情勢下におけます雇用の安定、それから労働条件の確保・改善ということでございます。第ニに、健康で安心して働ける環境の整備。第三に、少子・高齢化の進行と多様な働き方への対応ということで、この三つの課題を設定いたしまして、17年度の行政の方針にとりまとめて、今、運営及び推進を行政運営しているところでございます。本日、これらの運営方針につきまして、これまで上半期の状況、それから今後下半期の展望についてご報告をいたしまして、ご審議をいただくということにしております。
 厳しい社会情勢、経済情勢の中で、やはり効率的かつ効果的に行政運営をしていくということが大事だと思っております。
 委員の皆様方から忌憚のないご意見を賜りたいと思っております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
○森下企画室長 
     それでは、議事に移る前に、委員の皆様をご紹介します。お手元の資料1をご覧ください。「大阪地方労働審議会委員名簿」を配付しております。この名簿順に出席委員をご紹介したいと思います。
 まず、公益委員でございます。江﨑委員です。
 
○江﨑委員 
     江﨑です。よろしくお願いいたします。
 
○森下企画室長 
     國井委員です。
 
○國井委員 
     國井でございます。よろしくお願いします。
 
○森下企画室長 
     小嶌委員です。
 
○小嶌委員 
     小嶌と申します。よろしくお願いします。
 
○森下企画室長 
     佐野委員です。
 
○佐野委員 
     おはようございます。よろしくお願いいたします。
 
○森下企画室長 
     西村委員です。
 
○西村委員 
     西村でございます。よろしくお願いいたします。
 
○森下企画室長 
     続きまして、労働者代表委員をご紹介させていただきます。川口委員でございます。
 
○川口委員 
     川口でございます。よろしくお願いします。
 
○森下企画室長 
     阪田委員です。
 
○阪田委員 
     阪田でございます。よろしくお願いいたします。
 
○森下企画室長 
     中世古委員です。
 
○中世古委員 
     中世古でございます。よろしくお願いします。
 
○森下企画室長 
     服部委員です。
 
○服部委員 
     服部でございます。
 
○森下企画室長 
     吉田委員です。
 
○吉田委員 
     吉田です。どうぞよろしくお願いします。
 
○森下企画室長 
     脇本委員です。
 
○脇本委員 
     脇本です。よろしくお願いいたします。
 
○森下企画室長 
     続きまして、使用者代表委員のご紹介をさせていただきます。小野委員でございます。
 
○小野委員 
     小野でございます。どうぞよろしくお願いします。
 
○森下企画室長 
     山本委員です。
 
○山本委員 
     よろしくお願いいたします。
 
○森下企画室長 
     次に、本日の欠席委員でございますが、公益代表委員では綿貫委員でございます。使用者代表委員では、栗原委員、谷本委員、松元委員、宮川委員でございます。
 以上の方々が、委員にご就任されております。
 本日出席しております大阪労働局職員につきましては、本日配布しました出席者名簿で紹介に代えさせていただきたいと思います。
 本審議会は、お手元の資料2「厚生労働省組織令第156条の2」に基づき設置されておりまして、資料3「地方労働審議会令」において、その組織などが規定されています。また、審議会の運営等につきましては、資料4の「大阪地方労働審議会運営規程」が定められています。
 次に、会議の公開についてご説明します。
 大阪地方労働審議会運営規程第5条の規定に基づき、本審議会は、原則として、公開の会議とし、また、同規程第6条第2項の規定により、その議事録についても公開することとなっています。
 今年度より、議事録に発言者名も記載することとしたいと考えておりますので、ご了承下さい。
 なお、審議会の公開の具体的手続きに関しましては、資料6の「大阪地方労働審議会傍聴規程」に定められておりまして、本日の審議会につきましても、この規程に基づき、開催の周知を行いましたが、傍聴の申し込みはありませんでしたので、この旨、ご報告します。
 次に、本日の委員の出席状況、定足数との関係につき、ご報告申し上げます。
 本日は公益代表委員5名、労働者代表委員6名、使用者代表委員2名、計13名の委員のご出席をいただいております。地方労働審議会令第8条第1項の規定によりまして、本審議会が有効に成立しておりますことをここにご報告申し上げます。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 議事の第1は、会長の選挙でございます。地方労働審議会令第5条の規定により、「公益を代表する委員の内から委員が選挙すること」と規定されております。ご推薦いただき、選出するということでいかがでございましょうか。
 
○服部委員 
     新任の私が言うのも何でございますけれども、前会長である國井委員に会長をお願いしたいなというふうに思いますけど、いかがなものでしょうか。
 
○森下企画室長 
     ただ今、「國井委員に会長を」というご推薦がございましたが、國井委員に会長に就任していただくことにつきまして、ご異議はございませんでしょうか。
 
((「異議なし」の声あり)

○森下企画室長 
     ありがとうございました。それでは、國井委員に会長にご就任いただくこととします。
 以後の議事の進行につきましては、國井会長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
 
○國井会長 
     私は、当審議会に平成15年の10月から関係させていただいておりますが、当審議会は大阪の労働行政全般という非常に広範な範囲につきまして、審議が行われております。そこでの会長ということですから、極めて大役でありますけれども、せっかく皆さんにご推薦いただいたし、委員の皆さん方はそれぞれご経験豊富でいらっしゃるので、なんとか務めさせていただくよう努力させていただきたいと思います。
 皆さんとともに忌憚のない意見を交換し合いまして、労働行政の推進のために意見を申し上げていきたいと思いますので、委員の皆さんにはどうぞご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、本日の議事録の署名委員を指名致します。
 大阪地方労働審議会運営規程第6条第1項には、「議事録には、会長及び会長の指名した委員2名が署名する」ということとなっております。従いまして、公益代表委員からは私、労働者代表委員より脇本委員、使用者代表委員より山本委員を指名致しますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の第2でございます。
 地方労働審議会令第5条第3項の規定によりまして、会長代理の指名をします。会長代理に佐野委員をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 
○佐野委員 
     よろしくお願いします。
 
○國井会長 
     次に、議事の3「部会委員の指名」に移ります。
 本審議会は部会が設置されておりまして、その部会に所属する委員を会長が指名することになっておりますが、この点につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。
 
○森下企画室長 
     地方労働審議会令第6条第1項の規定に基づきまして、本審議会に部会を置くことができるということになってございます。
 資料5の通り、現在、部会は労働災害防止部会、家内労働部会、港湾労働部会の三つの部会が設置されております。
 最低工賃専門部会につきましては、家内労働法第21条第1項の規定によりまして、最低工賃の決定又はその改正の決定につきまして、諮問があった場合に、その都度、設置されることとなっておりまして、現在は設置されておりません。
 地方労働審議会令第6条第2項において、「各部会の委員は会長が指名すること」と規定されております。
 「各部会には必要に応じて臨時委員が指名されること」となっております。臨時委員は、地方労働審議会令第2条第2項、第3条第2項及び第6条第2項の規定に基づきまして、労働局長が任命をいたしまして、会長がその所属する部会を指名するということとされております。
 次に、各部会の人員構成について説明します。
 最初に、家内労働部会の人員構成について説明します。
 家内労働を取り巻く環境の変化が著しく、委託者・家内労働者数の激減、近年の審議状況及び全国の家内労働部会の構成状況等から判断しまして、家内労働審議会当時からこれまで続いております公労使各5名の合計15名から各3名の合計9名とするということとしたいと考えております。
 部会に属すべき委員については、審議会委員からこれまで通り公労使1名ずつ、3名を会長に本日ご指名いただき、臨時委員については公労使2名ずつとしまして、臨時委員については部会の開催の必要が生じた時点で労働局長が任命した臨時委員から会長が指名することとしたいと考えております。
 次に、労働災害防止部会は公労使各3名、合計9名。
 港湾労働部会につきましては、公労使各5名、専門委員3名、合計18名ということになってございます。
 以上でございます。
 
○國井会長 
     ただ今、部会につきまして事務局からご説明がありました。家内労働部会については人員構成を変更いたしまして、臨時委員につきましては部会開催の必要が生じた際に指名することとしたいといった内容でございますが、これに対しまして、ご意見・ご質問はありますでしょうか。
 ご意見・ご質問がないようでしたら、事務局提案のとおりとさせていただいてよろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)

○國井会長 
     それでは、部会委員の指名を行いたいと思います。
 指名に当たりましては、委員の方の経歴、これまでの状況などを考慮して指名させていただきたいと思いますので、事務局のほうで用意している名簿を配付していただきます。よろしくお願いします。
 3枚の資料を配付していただきました。
 まず、労働災害防止部会につきましては、公益代表委員からは江﨑委員・小嶌委員・佐野委員、労働者代表委員からは川口委員・中世古委員・吉田委員、使用者代表委員からは松元委員・宮川委員・山本委員を指名させていただきたいと思います。
 次に、家内労働部会につきましては、公益代表委員には西村委員、家内労働者代表委員には脇本委員、委託者代表委員には山本委員をそれぞれご指名させていただきたいと存じます。
 そのほかの公労使それぞれ2名の委員は、先ほど事務局からご説明がございましたように、何らかの議案を審議する必要性が生じた場合に、局長が任命した臨時委員の中から指名させていただきたいと考えております。
 次に、港湾労働部会でございますが、これにつきましては、公益代表委員には綿貫委員を指名させていただきたいと思います。公益代表委員の他の4名は臨時委員の方になるということであります。労働者代表委員と雇用主代表委員は全員臨時委員の方になります。
 このように、この名簿通りに指名させていただきたいと思います。
 また、港湾労働部会につきましては、このほか専門委員が専任されることになっております。
 ここで、専門委員について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。
 
○森下企画室長 
     専門委員につきましては、地方労働審議会令第2条第3項、第3条第4項及び第6条第2項の規定に基づきまして、本審議会の同意をいただいた上で、労働局長が任命し、会長がその所属する部会を指名するということとされています。
 
○國井会長 
     それでは、港湾労働部会の専門委員につきましては、従来通り、大阪市港湾局長、近畿運輸局次長、大阪府港湾局長の3名としたいと思います。
 名簿にありますように、近畿運輸局次長の福代倫男さん、大阪府港湾局長の小川謙二さん、大阪市港湾局長の奥田剛章さんの3名にお願いすることとして同意させていただいてよろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)

○國井会長 
     ありがとうございます。
 それでは、近畿運輸局次長の福代倫男さん、大阪府港湾局長の小川謙二さん、大阪市港湾局長の奥田剛章さんが専門委員となる件につきましては、本審議会として同意することといたします。
 続きまして、議事の4「平成17年度労働行政の運営状況について」でございますが、この点につきまして、事務局からご報告をお願いしたいと思います。
 
○荒木総務部長 
     行政運営方針の運営状況につきましてご説明させていただきます。
 お手元の資料7が平成17年度の行政運営方針です。7ページ以降が本年度の大阪労働局の重点施策ということで示されております。
 資料8が大阪労働局の重点対策の運営状況で、上半期の行政運営方針の運営状況についてまとめたものです。基本的にはこの資料8に沿いましてご説明をさせていただきます。
 最初に、労働基準行政の重点施策です。労働基準行政の重点施策につきましては、大きく4点あります。これに加えて、先月の26日、特別国会におきまして成立いたしました労働安全衛生法等の一部を改正する法律、これについても簡単にご説明させていただきます。
 最初に、資料8の1ページ目、エのところです。
 「賃金不払い、解雇事案等に関する的確な対応」というところで、申告の受理の状況が4月から9月の間1,853件で、昨年の同期に比べますと3.4%の減少となっております。
 しかしながら、相談受理状況につきましては33,432件で、昨年よりも1.7%上回っている状況です。
 また、相談で多くを占めるものが、いわゆるサービス残業、賃金不払残業についての相談でありまして、これにつきましては賃金不払残業総合対策要綱に基づきまして、各種の取組みを推進しているところです。
 資料10‐3をお開き下さい。
 この11月は「賃金不払残業解消キャンペーン月間」です。11月23日に「賃金不払残業解消キャンペーン月間の取組み」ということで無料の相談ダイヤル(フリーダイヤル)を設置することとしております。全国一斉の無料相談ダイヤルを開催いたします。
 当日におきましては、近畿の2府4県の労働局の担当者が大阪労働局に集まりまして、朝の9時から夕方の5時までフリーダイヤルによる労働時間の適正管理や賃金不払残業について、労使間のご相談に応じることにしております。
 資料の8の1ページの大阪府内の事業所で働く方に適用される最低賃金ですが、平成17年度の大阪府の最低賃金につきましては、最低賃金審議会委員のご尽力により、地域別最低賃金・産業別最低賃金ともに審議を終え、産業別の最低賃金5業種が今月末の発効を残すのみとなっています。
 1ページのオ「最低賃金の適正な改正」で、大阪府の最低賃金は時間額で708円で、10月1日にすでに発効しております。産別最賃につきましては、上の1から3番、塗料・電機・機械、これについては10月31日発効でございます。残りの非鉄から自動車・同付属につきましては今月の30日発効になっています。
 今後は、この最低賃金につきまして、関係方面に広く積極的に広報して参ります。
 労働時間の関係ですが、資料10‐6をご覧下さい。
 「大阪における労働時間の状況」ですが、全国の労働時間1,840時間に対しまして、大阪は1,843時間で、従来、大阪が全国をずっと上回っていたわけですけれども、平成16年度は全国とほぼ同じ数字になったところでございます。
 全体の労働時間数は全国並みになったということですけれども、「就業形態別労働時間の推移」を見ていただきますと、パートタイム労働者については1,100時間ぐらい、1,174時間という水準ですけれども、一般労働者は、平成16年は2,000時間を超えているという状況になっています。
 年休の取得率の状況につきましても、大阪は平成4年は57.1、平成5年は68.7ということでかなり高い水準だったわけですが、平成16年については40.9ということで、取得率が段々減少している状況です。その一方で、下の「大阪における裁量労働制の採用状況」にありますように、専門業務型の裁量労働協定の届出数がこのように右肩上がりで増えているという状況です。
 こういう中で、現在の労働時間の状況につきましては、仕事と生活の調和のとれた働き方を可能とするための環境整備が大きな課題になっております。
 資料の10‐5をお開き下さい。
 こういうことから長期休暇についてのセッションということで今月の9日にイベントを開いているところです。「先進企業のリフレッシュ休暇やボランティア休暇の導入状況」についてのセミナーを開催しました。
 「労働者の安全と健康確保対策の状況」です。資料10‐9をお開きください。
 労働災害による死傷者につきましては、長期的には減少傾向で推移をしております。しかしながら、未だに約1万人の方が被災をされているという状況です。
 死亡者数につきましては、近年は90人前後で増減を繰り返しておりましたけれども、昨年は過去2番目に少ない87人となりました。しかしながら、本年におきましては、逆に増加傾向で推移しています。
 平成17年の死亡災害の受理状況の平成17年9月末現在の表が資料10‐9にございますが、全産業では死亡者数が69名となっております。前年同期では63名だったわけですので、6名の増加になっております。
 業種別に見てみますと、特に建設業が23名で、昨年より6名の増加となっております。それから、商業が10名で、昨年3名ですので7名の増加となっています。
 次のページですが、それではどういった事故が多いのかということになりますけれども、「交通事故(道路)」が21名で、非常に増えているという状況です。特に商業においてはここが7名ということで、交通事故での災害が増えている状況となっています。
 こういう状況の中で、大阪労働局としましては、第10次労働災害防止計画に基づいて災害防止計画に取り組んでいます。具体的には「大阪危険ゼロ・先取運動」により、3大死亡災害であります「墜落・転落災害」、「挟まれ・巻き込まれ災害」、「交通労働災害」について、お手元の資料10‐8のリーフレットのとおり、「労働災害全国ワースト1を返上するために」について、スローガンを「めざそう!職場の危険ゼロ 育てよう 安全文化の都市・大阪」と掲げて取り組んでおります。死亡者数が昨年に比べ増えているところですので、今後、また安全対策についても取り組んでいく必要があろうと思っています。
 それから、資料10‐11「大阪労働局管内事業場の平成16年の一般定期健康診断の結果」です。
 健康の確保ということが重要な課題となっておるわけでございますけれども、平成16年の健康診断の有所見率は、大阪は45.9%となっています。全国の47.6%に比べますと低いわけですが、近年、大阪でも上がってきているという状況です。
 特に最近増えておりますのが、職場においての疲労や強いストレスを感じている労働者が増えているということです。そういう割合が6割を占めています。過重労働によります健康障害の問題、心の健康の確保が行政の重要な課題となっています。
 こういうことから、今年度は職場におけるメンタルヘルス対策あるいは過重労働による健康障害の防止対策に取り組んでいます。
 それから、最近大きな社会問題になっております石綿の使用建築物の解体工事、これにつきましては、本年7月に施行されました「石綿障害予防規則」に基づいて作業者への健康面への配慮、それから、大阪府や市町村とも連携をいたしまして、近隣の住民に対する影響にも十分配慮した飛散防止対策の徹底を行っているところです。
 続いて、労災補償対策です。資料10‐15をお開き下さい。
 「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の労災補償状況」、いわゆる過労死についての労災補償の状況です。
 平成16年度の請求件数が、105件となっています。15年度が94件ですので、かなり増えている状況です。その認定も37件で、15年度よりはさらに増えている状況です。今年度(17年度)はまだ途中ですが、すでに請求件数は昨年のほぼ半分となっています。それから、認定件数も18件です。
 資料10‐16「精神障害事案等の労災補償状況」です。
 いわゆる過労自殺等の問題を含むものですが、16年度の請求件数が72件で、15年度の57件より大幅に増えています。それから、認定件数も16件で、またさらに増えています。今年度に入りましても請求件数が34件、それから認定件数が2件となっています。
 次のページは、石綿による「中皮腫・肺がんの労災補償の状況」です。
 平成15年度までは、認定件数は一ケタ台だったわけですが、16年度に入りまして25件で大幅に増加をしています。こういう労災補償につきましては、多くの場合、認定の調査・判断に相当の時間を要しているところですが、被災労働者の救済ということで、できるだけ早く行政として結論を出して、保険給付の迅速・適正な処理に努めることとしております。
 資料10‐13は、先月26日に参議院の本会議において成立した「労働安全衛生法等の一部を改正する法律」の概要です。
 法律としては4本の法律がございます。
 一つが、労働安全衛生法の一部改正で、(1)「危険性・有害性の低減に向けた事業者の措置の充実」ということでありまして、具体的には(1)「危険性・有害性に係る調査・低減措置を拡充するとともに」ということで、事業者の自主的な取組みを促すということのために、機械等にかかる事前の届出義務を免除するような規制緩和を行っているところです。それから、(2)「過重労働、メンタルヘルス対策の充実」ということで、一定時間以上を超える時間外労働を行った労働者を対象に医師による面接指導の義務付けを行っているところです。
 大きい2番が「労働者災害補償保険法の一部改正」で、いわゆる複数就業者の事業所間の移動、あるいは単身赴任者の赴任先の住居と帰省先の住居間を移動している場合、これを労災保険法の通勤災害保護制度の対象に新たに加えたということです。
 大きい3番が「労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正」でありまして、有期事業にかかる保険料のメリット増減率を現行±35%を±40%にするというものです。
 大きい4番目が「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部改定」でありまして、労働時間短縮促進法を今回廃止しまして、法律の名前を「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」という名前に改めるとともに、労働時間短縮促進法の中では、年間総実労働時間1,800時間を政府目標ということでやっていたわけですけれども、労働者の健康と生活に配慮したものということで、個々の労働者に配慮した時間設定に改めていくというものです。これにつきましては、資料10‐13のいちばん下の行に書いてありますように、来年4月から法が施行されるというものでして、政省令、指針等はこれからですが、来年の施行に向けての準備を重ねていきたいと思っております。
 以上が、労働基準関係でございます。
 続いて、職業安定行政の重点施策、最初に雇用失業情勢です。これにつきましては、資料10‐19をお開き下さい。
 最近の失業雇用情勢については、第1表が「完全失業率・完全失業者数の推移」ということで、近畿の失業率は9月で5.1%となっています。全国が4.2%ということで、0.9ポイント近畿のほうが高いという状況になっています。
 大阪の状況については3カ月ごとに出ておるわけですけれども、4月から6月の状況についてが直近のものです。これは5.8%ということで、近畿の中でも大阪はさらに失業率は高いという状況です。
 これに対しまして有効求人倍率ですが、大阪9月は1.06倍です。全国が0.97倍ですので、求人倍率は全国平均よりも高いという状況です。
 求人はあるけれども失業率の改善が今一歩という状況は、いわゆる雇用のミスマッチが生じているのではないかということです。資料8の5ページにお戻りください。
 ハローワークにおきまして、的確な求人・求職をマッチング、適合させることを目指しておりまして、就職件数は4月から9月で74,693件となっています。前年同期比に比べますと、1.1%の減ですが、「求人の開拓」ということで求人件数を3万件、それから求人数は65,222件ということで確保しているところです。
 特に、求人につきましてはフォローアップが大事でありますので、本年4月にはハローワーク梅田の出先機関として、事業主支援のための「ハローワーク事業主支援コーナー」を設けて求人内容の的確な把握に努めております。
 それから、求職者サービスも充実させる必要があることから、資料8の5ページのイ「早期再就職の緊要度が高い求職者に対する個別支援」については、就職支援センターを府内の5カ所に設けております。支援の開始者が5,782人ということで、そのうち就職された方が4,427人です。就職率を8割程度を確保するという目標を運営方針に掲げておるところですが、現在のところ76.2%という状況です。
 それから、6ページ目「求人者に対するフォローアップ」ですが、せっかくいただいた求人をマッチングできないということではいけないわけで、フォローアップが大事だということでございまして、充足されない求人につきましては33,486件あったわけですが、フォローアップをして、ほぼ100%のフォローアップ率となっているところです。
 それから、求人においては事業所はいろんな年齢制限をかけている場合があるわけですが、この年齢不問求人の割合を高めていこうというのを目標といたしております。大阪におきましては9月31.2%ということで、全国の38.6%に比べますとまだ低いわけですけれども、運営方針では35%の目標を掲げておりますので、この目標の達成のために今後また努力して参ります。
 続いて、その6ページの(2)「民間や地方公共団体との共同・連携による就職支援」についてですが、昨年度から、1年以上に渡って求職活動をされている長期失業者を対象としての就職支援を民間事業者に委託することをやっております。昨年度は大阪だけの求職者が対象でしたが、今年度からは京都・兵庫・奈良を含め大阪圏ということで、対象者選定をしているところです。平成17年度第3四半期大阪圏の合計で1,950人を対象にした取組みをやっているところです。
 それから、地方公共団体の無料職業紹介事業に対する支援ということで、和泉市あるいは大阪市への支援もやっております。
 それから、労使ならではの支援の取組みということで、連合大阪と関西経営者協会にお願いいたしております大阪府地域労使就職支援機構においての取り組みについても、引き続きお願いしているところです。
 それから、「市場化テストのモデル事業の実施」でございます。
 市場化テストのモデル事業については、大阪におきましては若年者版のキャリア交流プラザを実施しております。35歳未満の若者の求職者を対象としまして、登録制で求職者の状況に合わせてセミナー、ガイダンス、経験交流等の職業紹介事業を含んだ就職支援を行っております。
 この業者につきましては、競争入札を行いまして9社の入札がありまして、そのうちの1社の学生援護会に現在委託をして実施しております。すでに支援の開始対象者が448人という状況です。
 それから、
(3)「良好な雇用機会の創出 ア地域における雇用創造の支援」7ページ目の3行目「地域提案型雇用創造支援事業の促進」です。
 八尾市、貝塚市、枚方市、堺市、東大阪市に事業の取り組みをお願いしているところです。
 その次の段「地域創業助成金」です。貝塚市、八尾市、東大阪市、和泉市、大阪市、堺市、枚方市、各市におきまして地域独自の重点分野、雇用の創造に貢献する分野を設定していただいて、そういう分野の創業をしていただく事業者に対する助成金を今年度から設けております。助成金の申請件数は、「52件」となっています。
 雇用機会の創出に係る各種助成金の活用については、労働移動支援助成金、雇用調整助成金、受給資格者創業支援助成金、特定求職者雇用開発助成金があります。その下に試行雇用奨励金ということで、若者や中高年など、なかなか正規雇用に結びつかない方について、一定期間トライアルで雇ってもらって、その際の奨励金を出すというものです。これについては1,051件で、昨年より若干増えている状況です。
 それから、(4)「雇用保険制度の安定的な運営」ということですけれども、本審議会でも私立学校教員の適用状況については何度もご指摘をいただいているところです。教員の加入校の数については42.7%という状況になっています。残りの学校につきましても、来年の5月までには全員入っていただくということでやっているところです。
 雇用保険受給者への積極的な再就職の促進について、所定給付日数3分の2以上を残して再就職した割合については12%となっています。目標15%程度ですので、さらに後半に向けて取り組みをしていきたいと思っています。
 (5)が「民間等の労働力需給調整事業の適正な運営の促進」で、派遣業、請負業の状況です。7ページの「新規許可届出の件数」ですが、職業紹介事業は、有料が116件、無料職業紹介事業が3件、労働者派遣事業の一般が260件、特定が275件です。トータルの数で申し上げますと、職業紹介事業については1,050事業所、それから派遣事業所については3,391事業所で、派遣法、職業紹介関係の法律が改正されまして、順調にこういった業者の数も増えてきているというところです。そういう業界がどんどん増えている状況の中で、職業紹介責任者の講習や派遣元の責任者の講習についてもきっちり取り組んでいるところです。
 資料の10‐20、平成17年10月から12月「労働者派遣請負適正化キャンペーン」を実施しています。派遣業、請負業については、大阪府内だけの問題ではないということで、近畿2府4県協力して、この3カ月間重点的なキャンペーンを行っているところです。
 派遣先や請負事業主を対象としたセミナーの開催あるいはその集中的な事業主指導、を行っていまして、安定行政だけではなかなかできない部分もありますので、労働基準行政とも十分な連携を取りまして、適正な事業運営を行っています。
 それから、資料の10‐21「新規学校卒業者の求人・求職の状況」です。
 平成18年3月卒業の高等学校の卒業生につきましては、求人倍率のいちばん下のところですが、2.46倍です。昨年の9月が、ちょっと上のほうになりますけれども、1.83倍ということで、0.79倍ポイント増えている状況です。内定率につきましても55.5%ということで、昨年が47.6%ですから、これもアップをしているという状況です。
 こういう状況で、高校生にもかなり明るい兆しが見えてきているところですけれども、依然としてフリーター、ニートの問題がございます。
 これに対しましては、若者を引っ張り込む、若者に対しての国民運動というものが必要になろうかというところでして、資料の10‐22、「若者の人間力を高めるための国民運動」を実施していいます。「きみのチカラ、みらいのチカラ。」という、29歳の方のキャッチフレーズを採用しました。それから、シンボルマークは、円い太陽を背に飛び出していくイメージのものを作っています。
 若者のやる気をより引き出していこうということで、本日、お手元のほうにも「キックオフイベント」の資料としてご用意をさせていただいているところです。
 続いて、資料8の9ページ、(7)「高年齢者の雇用対策」については、65歳までの雇用確保の措置についての事業主の個別指導も取り組んでいるところです。
 資料8の10ページ「障害者の雇用対策の推進」、障害者の雇用率の達成に向けた組みをしているところです。
 資料8の11ページ「安心して働ける雇用環境の整備」、特に17年度におきましては、(10)のエ、生活保護受給者等に対する雇用対策の推進ということで、福祉事務所と連携を十分取り、生活保護を受けなくても済むような形で、働けるようにということでコーディネーターによる支援をやっています。すでに272人の方に支援を進めておりまして、就職で50件を出ているという状況です。
 以上が、安定行政の関係でございます。
 続いて、雇用均等行政の状況です。均等行政につきましては、今年の4月に育児介護休業法が改正されまして、それが施行されたという状況です。11ページのいちばん下、相談件数が4月から9月「2,284件」で、昨年の同期に比べますと、77%の増加となっています。
 また、次世代法が完全施行されたということで、一般事業主の行動計画策定等届の状況が1,168企業となっています。
 資料10‐25をお開きください。
 300人を超える企業数が1,200大阪にはありますが、企業の届出数につきましては1,076件となっていまして、届出の割合が89.7%、全国では12,450の300人企業に対しまして、84.4%となっています。さらに今後この届出が100%に到達するようにやっていきたいということです。
 以上が、次世代の関係でございます。
 それから、資料10‐24をお開きください。
 「均等法における相談の状況について」は、今年の9月末現在で863件です。その多くがセクシュアルハラスメントの関係で、421件です。
 以上が、均等行政の関係です。
 資料の8の13ページ「労働保険の適用徴収業務の重点施策」ということで、本年は労働保険の未手続事業の一掃対策が重点施策です。平成16年3月19日に閣議決定されました規制改革民間開放推進3カ年計画におきまして、職権の積極的行使による未手続事業の一掃対策が盛り込まれたところです。大阪労働局としては、職権による成立手続件数について「100件」という目標を設定して取組んでいます。
 お手元に今日新たにお配りしました「費用徴収制度の強化」という資料も用意しています。これまで未加入の場合には40%の割合でしか費用徴収をかけていなかったわけですけれども、一定の場合には100%取るということで、こういう制度も今年から、この11月からスタートしたところです。
 最後に、「個別労働関係紛争解決制度の状況」ですが、資料10‐26をお開きください。今年の上半期の個別紛争制度の運用状況です。
 相談コーナーに寄せられた件数が44,737件で、昨年度に比べますと3.4%増えております。それから、そのうちの民事上の相談の件数が8,750件で、昨年に比べて2.5%増えているという状況です。労働局長における助言・指導の状況は155件で、若干減ってはおるわけですけれども、紛争調整委員会によるあっせんは270件で、昨年に比べれば47.5%の大幅増となっています。
 個別労働紛争解決制度については簡易・迅速・無料・非公開・任意ということが、本制度の特徴ですのでこれを活かした解決を進めて参ります。
 以上が、上半期の運営の状況です。
 最後に、資料11「今後の労働力人口の見通し」についてですが、
 2004年が6,642万人の労働力人口だということですが、ほぼ10年後の2015年、これについては今後少子化が進むということで、その次の棒グラフで6,237万人になります。410万人労働力人口が減ってしまうということです。
 ただ、各種の対策を講じることによって、300万に増やせるのではないか、高齢者の就業支援ということで50万人増やす、それから、仕事と家庭の両立の支援ということで170万人増やして、それで若者を働く場に入れるということで80万人増やす。そういうことをすれば、6,535万人の労働力人口ということで、110万人の減少にとどまるということです。
 さらに、2030年、何も対策を講じない場合には5,597万人になってしまうわけですけれども、このまま各種の対策を講じることによって6,109万人くらいの労働人口になり、530万人の減少にとどまるということです。
 さらに、上の段に書いてありますように、労働生産性の向上を図れば、現在以上の経済の成長率の維持は可能ということです。
 今後、高齢者あるいは女性の活用、それから若者を働く場に引っ張っていく対策、今後はこういうことが労働行政に課せられた課題だと思っておりますので、またご審議のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
 
○國井会長 
     ありがとうございました。
 以上のご説明につきまして、ご意見・ご質問等ございましたら、積極的にご発言をお願いしたいと思います。ご発言いただく際には、挙手をしていただきまして、私が指名させていただきますので、マイクをお持ちになった上で、ご発言をお願いいたします。どちらからでも結構ですが。
 
○江﨑委員 
     よろしいですか。
 
○國井会長 
     はい、どうぞ。
 
○江﨑委員 
     アスベストの労災補償状況の関係でちょっとお尋ねをしますけども、今年度は認定件数15件ということでよろしいでしょうか。
 例えば、これまでに出てきております認定の中身で、どういう職種の方が多いのか。
 もう一つは、かなり時間がたってから発生するという、非常に厄介なことだと思いますので、そういう何かその難しさといいますか、課題みたいなものがございましたら、それを教えていただきたい。そして、それに対してどういう対応をしようされておられるのか、そのへんをちょっとお尋ねしたいと思います。
 
○藤井労働基準部長 
     ただ今、江﨑委員からご質問のあった件についてですが、まず認定状況。先ほど総務部長からご説明しましたのが、16年度まででございますけども、本年度に入りまして9月までの数字でございますけれども、石綿による肺がんの関係で20件請求がありました。中皮腫については84件、かなり多くの請求がございます。調査等、時間を要することもありまして、肺がんについては3件の認定、中皮腫については12件の認定です。
 業種についての分布でございますけれども、だいたいそういう製造業。かつてそういうことを扱っていたというようなことで、製造業が大半でございます。
 今ご指摘のあったように、遅発性疾病であるわけでありまして、30年、40年経って発病するということになりますと、過去の作業歴の確認について非常に困難な面があるわけでございます。例えば、事業所に記録がないとかいうこともあります。それから、同僚の方々からの証言等々いろいろあるわけでありますが、かつての健康保険、療養の記録であるとか、いろんなことで事実確認をしているわけでありますが、ただ、肺がんなり中皮腫の症状が出たというだけ、全面的に救済するということについてはちょっと難しいわけです。
 昨日いろいろ検討の状況がテレビでも報道されておりましたけども、新しい立法は別として、現在の労災保険法での枠組みから言いますと、認定基準というものがございますし、そういう要件を満たさないといけんないというようなことで、迅速に努めつつ、努力はしておりますけども、いろいろな事実確認の関係でちょっといろいろと困難性が多いと、こういうわけであります。
 しかしながら、これだけ社会問題になっておりますし、被災者あるいは家族の方のご心情も考慮して、できるだけ早くそういう隘路も克服しつつ、迅速な認定に努めているというところでございます。
 以上ですが、よろしいでしょうか。 
 
○江﨑委員 
     かなり全体的に言えば、アスベスト対策というのはかなり後手を踏んだという感じがどうしてもしますので、是非そのへんをよろしくお願いをしたいと思います。
 
○國井会長 
     他にご質問・ご意見等ございますでしょうか。はい、どうぞ。
 
○佐野委員 
     すみません、今のご報告にストレートに結びつくかどうか分かりませんが、それから前回にも私が申し上げたことになるわけですけれども、非常に大きな点をご質問をして、ここではお答えはいただけないだろうと思いながら申し上げます。
 男女雇用機会均等法がつくられて以来の、労働法制は労働者にとっていいほうに向かっているんだろうかという疑問をずっと持っております。
 これは私の弁護士としての経験、直接の仕事ではないんですが、あるとき、いわゆるメガバンクの一つに交渉ごとがあって行きました。それで、銀行業務の時間外に、午後3時以降に行って1時間ほど話をして、帰るときに行内を見て、もちろんある支店でのできごとですけれども、見まして、対応してくださったのはその銀行の課長さん。私と一緒に行った弁護士が、「ここには行員はどれぐらいいるんでしょう?」という質問をしました。そうしましたら、その方が「いや、よく分かりませんね。」と。「この銀行の正式の社員が10名ほど。あとは全員派遣社員です」というお答えでした。
 それで、そのときは時間外でもありましたので全員席についている状態ではなかったんですが、その後、その仕事の決着のためにもう一回行きました。それは時間中に行きました。そうしましたら、要するにオープンの部署で仕事をしている社員とか、銀行で仕事をしている人がざっと40、50人いました。それで、もっと上のほうで隠れている人も数えればどれくらいいるんだろうかと思いましたけれども。
 「この現実というのは、ほんとに恐ろしいことではないか」という実感を持って帰ったんですけれども、その後いろいろ気をつけておりますと、かなりのところが派遣社員で占められているという現実を目にします。私のやっております弁護士事務所でも、派遣社員でもって事務員をまかなっているという事務所もかなりあると聞いております。
 そうしますと、打ち合わせに、もちろん事務員が打ち合わせに立ち会いませんけれども、やはり「顔を知っている」とか「電話して声で分かってくれる」とか、そういうつながりがないとなかなかスムーズな話もできない、という。他の事務所に行ったある人からの感想として聞いたわけですけれども。
 この現実は日本の労働法制の、やはり非常にまずいところを出しているんじゃないかと。そのことが、ひいては働く意欲を喪失させる一つの要因になっているんではないかと、そのようなことを非常に実感するこの頃の感想なんですね。
 これを、今、「どうしてくださいますか?」という大阪労働局のこの会議において申し上げても仕方がないかもしれませんけれども、こういう声があるということは、やはり本省に届けていただきたい。さらには、行政のほうで何とかしていただきたい。それが、やはりこのところのたくさんの働かない若者をつくる要因であるということを知っていただきたい。
 それから、男女雇用機会均等法というのは「女性にも平等な働く場を」という理想の下につくられたはずですけれども、そのような法制の犠牲者はやはり女性であるというその現実をやっぱり知っていただきたいと思うんですね。それで考えていただかないと、日本の労働市場というのは、これは大変なことになるんじゃないかと私は恐れております。
 ここにおいでになっている労働者委員の方は、皆さん大きな企業の労働組合を取り仕切って来られた方でいらっしゃるでしょうし、あるいは、使用者側委員も大きな企業のトップの方でいらっしゃいます。公益委員というのは、どちらかと言えば、自由にものを考える立場の人間が集まっていると思いますけれども、そういう人からはひょっとしたら考えられないような問題が末端の労働者の場で起こっているという現実を、どうか労働局、厚生労働省の方に見ていただきたい。その上で労働法制の見直しを、大きな見直しをしていただきたい。
 これは今日申し上げて「はい」という答えではないと思います。しかし、それをやはり本省が取り上げていただかないと、とても大きな社会全体を変える力にはならないと思います。こういう声があるということを、どうぞお伝えいただきたい。
 これは私だけの感想かもしれませんが、一人でも少数者の声があれば、それは大事にしていただきたいというふうに思っております。
 
○國井会長 
     どうもありがとうございました。
 局のほうからは、どなたか。はい。
 
○新島局長 
     今ほど佐野委員からかなり大きな問題提起がありました。
 日本の労働法制、戦後間もなく労働基準法等の形でスタートしたわけでございます。当時はある意味では経済成長というものを前提にそのルールを徹底していくということでありましたが、最近、特にこの10数年、非常に産業構造も変わってきておりますし、何よりも大きいのは、やはり経済のグローバル化の中で日本の産業がどういうふうにこれから活動していくのかというようなことも背景にあろうかと思います。
 そういった中で、ある意味では、働く立場から言えば、多様な働き方をいかに仕組んでいくかと。それから、雇う側から言えば、どういった組み合わせでもって労働力を確保していくかということの結果として今のような法制になってきているんではないかというふうに思っています。
 ご指摘のように、この労働法制の見直しの方向がいいのか、悪いのかということはなかなか判定は難しいと思いますけれども、労働行政としては、ある意味では働く方々の利益を保護するという観点から、やはり一定のルール化をしていくべきであるということで派遣法なり各法制ができているわけでございます。
 特に最近は、何といいますか、集団的な労使関係に基づく設定がなかなか難しい状況になっておりますので、今、厚生労働本省ではそういった働き方についてのルールづくりということで、労働契約法制の見直しというようなことも出ておりまして、今度の国会では無理でしょうけども、テーマに上がってきているわけでございまして。
 そういった中で、この多様な働き方と働くことについてのルール、これを労使間できちっと守れるようなものを設定していくという方向で進んでいくんだろうと思います。
 雇用という問題につきましては、やはり産業というものと切り離しにはできないということでございますし、特に先ほど総務部長が説明いたしました一番最後の資料にございましたが、これから労働力人口が減っていくという中で、安易に即戦力という形で、安易な労働力の確保ということを考えますと、中・長期的に見れば産業界にとって人材の枯渇という問題も生じます。そういった観点から、やはりこれから労働力が減っていくということを前提に能力開発なり、あるいは就業の人の量を増やしていくという方向でも対策が必要だというふうに思っております。
 今ご指摘いただいたような問題意識、我々は当然持って仕事を進めていかなければいけないというふうには思っておりますが、いろいろなご意見をまた我々も本省に伝えて考えていきたいというふうに思っております。
 
○國井会長 
     どうもありがとうございました。はい。
 
○脇本委員 
     今、佐野委員のほうからおっしゃっていただきましたこととちょっと関わります。
 最後にですね、資料の11で「労働力人口の見通し」ということで非常に大きな資料をいただきました。2030年に向けてですね、こういう形で労働力人口が変更していくのではないかという一つの示唆をいただいている中で、やはりこのままでは労働力人口の減っていくばかりでは持続可能な社会にはならないという点ではみんなが一致をしているところですし、そこでどういうふうに労働力人口をきちっと確保していくのかという点では、ある意味、非常に女性の働き方、それから若者へのアプローチというのが大きな課題だということはすべての認識は同じだというふうに思うんです。
 そういう意味で、特に女性の労働力人口をどう確保するかという点から言えば、やっぱり大きな点では、「多様な働き方」というふうに今局長のほうもおっしゃいましたけれども、多様な働き方を、確かに言葉としては非常にいいわけですけれども、この多様な働き方をほんとに果たして、じゃあ、女性の働く側が主体的に選び取れているかというと、そうではないというのが今の実態ではないかというふうに思います。
 基本的には辞めざるを得なかったり、出産や妊娠、育児等でやっぱり辞めざるを得なかったり、再就職をした場合には労働条件の悪い、賃金の安い結果的にパートタイム労働や派遣労働ということにならざるを得ないというのが今の実態かなというふうに思っています。
 そういう中では、やはりこれだけグローバル化が言われていますし、そういう意味では、労働法そのものを国際基準に則った規約、法規が必要ではないかという意味では、大きな見直しも含めて、労働法制についての見直し等も含めた形の取り組みは絶対に必要ではないかというふうに思っているところです。
 ただ、今ご報告をいただきました中で言いましたら、資料の10‐25あたりで、次世代育成支援対策推進法ができまして、それについての事業主の行動計画が義務付けをされておりますけれども、義務付けられています301人以上の企業数についても9割程度しか届出が出ていませんし、それから、この9割の届けの中身も、ある意味ではこの法では「内容等についても届ければいい」ということで、内容等についての十分な把握と、それからそれについての規制も十分かけられていないような実態がありますから、ある意味では、この届出ておられる企業についての詳細なきちっとした、ある意味では後追いといいますか、これ以後ですね、どういう取組みが果たしてなされているかという実効性の問題も含めて、労働局としては十分見極めていただきたいという要望と。
 それから、やはり300人以下の企業数についても、92は届出をされておりますけれども、非常にまだまだ少ないというふうに思いますので、この義務付けられてはおりませんけれども、この300人以下の企業なんかで働いておられるところについては、特にそこには多くの女性も働いていますし、必要とされている方がたくさんおられるという視点でいえば、300人以下という企業数についても、企業に対しても十分な働きかけを行っていただきたいというのを思うところです。
 連合なんかに寄せられます相談も、例えば資料の10‐24もですね、ある意味ではその「機会均等法に関わる相談事例」「育児・介護休業法に関わる相談状況」の中を見ましても、特に育児・介護休業法に関係しては一部改正がされまして期間労働者にもこの育児・介護休業法が取れるということになったことに基づいて相談が増えているというふうに思うんですけれども。やはり、実際にはなかなかこれは徹底もされておりませんし、最初の育児・介護休業法の中でも、例えば6カ月更新や3カ月更新を繰り返していても、実質一般の労働者と変わらない場合については育児・介護休業法については取れるということになっているはずですけれども、3カ月・6カ月という更新の繰り返しの中では、「取りたい」と言った途端に契約更新を打ち切られるとかですね、そういうこともたくさん多発をしておりますし、そのへんでの相談も寄せられているところです。
 ですから、そういう意味では、この法そのものがあってもその法が十分に機能していないという点では労働局の役割は大きいというふうに思いますし、そのへんでの機能を充実させていただくということとともに、本当にその法律が働く者にとって主体的に選び取れるような形になっているかどうかという点での検証はぜひともしていただきたいということは重ねてお願いをしておきたいなというふうに思います。
 
○國井会長 
     ありがとうございます。そしたら、どうぞ。
 
○峯岸雇用均等室長 
     ただ今、脇本委員のほうから何点かご要望といいますか、労働局への対応についてのご意見をちょうだいいたしました。
 まず、次世代法の関係でございますけれども、301人以上の届出状況。9月末現在89.何パーセントという状況でございますが、今、昨日現在でお蔭様をもちまして95%強という状況になっております。まだまだ100%にいたってない状況でございますので、できるだけ早期に100%達成に向けて精一杯努力してまいりたいというふうに思っております。
 まず、この301人以上のところの今後の取り組み、その進捗状況等についての問題でございますけれども、この301人以上の企業の中で認定を予定しているという企業が今のところ20%ほどでございます。従いまして、労働局といたしましては、この301人以上のところで届出のあったところにつきましては、これから認定に向けた取組みについてお勧めをするというような働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、300人以下の企業につきまして、まだまだ届出状況というのは義務がかかっているわけではございませんので少のうございますけれども、届出の義務がないから行動計画策定しなくてもいいというものではもちろんございませんわけですので、今後、できれば年内のうちに300人以下について再度策定に向けた取り組みについての周知啓発を図ってまいりたいというふうに考えております。
 それから、育児・介護休業法の関係でございますが、期間雇用者に関する相談状況でございますが、上半期を見てみますと、対前年同期に比べますと、若干でございますが減少傾向にございます。しかしながら、私ども均等室のほうにも期間雇用者の方からの育児休業取得に関する相談が寄せられているところも事実でございまして、こういった寄せられた相談に対しましては、私どもといたしましては、事業主のほうに育児・介護休業法の周知徹底を図り、この期間雇用者が適用の対象となるというふうに判断した場合については、取得に向けた取り組みについて指導をさせていただいているという状況でございます。ご指摘のように、未だまだこの育児・介護休業法も大阪府内にくまなく周知徹底を図っているという状況にはないというのもご指摘の通りかと思っております。
 今後、この育児・介護休業法の周知徹底につきましても、あらゆる機会を捉えまして、周知徹底を図るよう努力を努めてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
 
○國井会長 
     はい、ありがとうございました。ほかにご意見ございますでしょうか。
 先ほどの佐野委員のご発言の関連ですが、個別紛争のところでですね、個別紛争であっせん事案として上がってくる事件というのは様々ですけれども、個人的な経験で言えば、派遣社員と言われる人たちの女性の割合というのが印象的には多いかなと思ったりします。
 個人的な経験を一般化することはできませんけれども、やはり破綻ケースとして出てきているものでありますので、それを分析していただくと何らかの。先ほど佐野先生がおっしゃったようにですね、今後の施策に資料となるようなことがあるのではないかと。
 やはり、ある意味で事業者側に有利な解決ができるチャネルというようなことが現実に行われているのではないかと思いますね。そういったことも踏まえていただければと思ったりしました。
 ほかにご意見ございますか。どうぞ。
 
○山本委員 
     ちょっと質問と意見と一つずつなんですが。資料8の9ページの「高年齢者雇用対策」のところなんですけれども。
 来年の4月から改正高齢法が施行されるということで、来年4月から62歳までということに引き上げということが必要になってくるわけでございますけれども。その中で、事業主の個別指導ということで5,507社、訪問指導数4,610社ということですが。これはお差支えのない範囲でけっこうですが、どういうふうな内容の指導をされていらっしゃるのかということについてお教えいただきたいというふうに思います。
 その下に、私どものほうが事業委託を受けてプロジェクトを実施しておるわけですけれども、そのプロジェクトと関連をしつつ、一方では私ども独自に来年4月の法施行のスムーズな移行に向けて、法の趣旨を尊重しつつも必ずしも全員の方を雇用するということが難しい状況の中で、どういう基準をつくるかということについて早い段階から労使で十分話をしていただきたいということで、それのためのいろんなセミナーですとか資料ですとかマニュアルといったものを活用しながら、この10月から来年1月にかけて集中的にいろんな活動をしておるわけでございますけれども。
 大変企業の関心は高うございますので、特に大手から中堅のところについてはかなり進みつつあるような印象もございますけれども。これからはむしろ中小企業のところが「まだやらないかんのかな」というふうなところで思って、「実際に取り組まないかん」と感じていらっしゃらないところもかなりあるように個人的には感じておりますので。
 私どもとしても、引き続きPR等をしていきたいと思いますが、局のほうでかなりの会社数を回っていらっしゃいますので、そのへんについてお教えいただきたいということが1点目でございます。
 それから、先ほど脇本委員からお話がありました次世代法の関係なんですが、実は均等室のほうから「推進センターをぜひ関経協でやってくれ」というお話が昨年ありまして、一応お受けしております。
 「一応」と言いますのは、特に行政のご趣旨は十分尊重しつつ、使用者団体としてあるいは企業の実際の経営の立場からどういうふうな形であれば取り組みが可能かというふうな意味も込めまして、昨年以降、説明会なり、個別のご相談なり等々しておるわけでございますけれども。
 その中で、当面は301人以上については義務付けをされたということで、いろんな会合等でぜひそのあたりのところを早い段階で届出いただきたいということでお願いしております。
 ただ、これは正直言いまして、内容については問われないということですので、その出された結果がどうだということについては私どもとしてはあまり行政の方から入っていただくということについては如何かなという気はいたしております。将来的にはどうかという問題はございますけれども。
 むしろ、労使の話の中で、どういうことであればきちっとやれるのかという、そのあたりのところが大事かなと。計画は計画ということでもちろん大事なんですが、実際やれなければ結局法の趣旨に沿わないということになろうかと思いますので。
 私は、ある意味では、些細なことであっても、まずその取り組みを開始をすると。それを10年間の中でわが社ではここまで上げるんだというそういう取り組みが必要ではないかなというふうな気がいたしておりますので。「私どものほうでは」というか、私のほうにご相談に来られた場合には、そういう形でのご相談・アドバイスをさせていただいておるところでございます。
 いずれにしましても、少子化が非常に進む中で、企業としても労働力確保ということは大変大きな課題になるわけでございますので、私どものできる範囲のところ、もちろん均等室のほうといろいろご相談をさせていただきながらしていきたいというふうに考えておりますが。
 ちょっと先ほどの意見についての私の私見でございますけども、以上でございます。
 
○國井会長 
     ありがとうございました。局のほうから。
 
○永田職業安定部長 
     高齢者の雇用確保措置の進捗状況でございますけども、そこに書いてございますように、一応5千あまり対象事業所数がございます。現在、9月末現在で約5割、300人以上はもう少し上がっているかと思いますが。安定所の窓口の状況や指導を回っている状況では、現在約7割まで進んでいるんじゃないかなということでございます。
 それから、今の個別の指導の内容は、はじまった当初は一般的な指導啓発でありますとか、法の趣旨でありますとか、そういったものでしたが、今現在につきましては来年4月の施行ということで個別の部分で、かなり質問が多いということでございまして、例えば、労働条件の問題でありますとか職場環境の問題でありますとか、個別の案件で相談が出ておるということで聞いております。
 それと労使の基準ということで、設定基準につきましては、パンフレットをもちまして、順次、指導を行っておりまして、個別指導に当たっております。
 それから、社団法人大阪府雇用開発協会の高齢者雇用アドバイザーもおられますので、そのへんとの連携も取りながら、順次、進めているところでございまして、来年4月には法違反のないようにやっていきたいと思います。
 それから、中小企業の問題で、現在、高齢者雇用状況報告書を50人以上の企業から取っておるわけでございまして、それ以下の事業所につきましては、関経協さんでありますとかいろんな団体を通じまして啓発は当然やっておりまして、それによってかなり浸透しているんではないかなと思っております。
 あとは個別にご相談があれば乗っていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 
○國井会長 
     どうもありがとうございました。
 
○峯岸雇用均等室長 
     先ほど山本委員のほうからご指摘いただきました次世代法の関係です。山本委員ご指摘の通り、この次世代法の行動計画につきましては、それぞれの企業の中で取り組みが可能なものから具体的な行動計画として策定をしていただくという趣旨のものでございまして、行動計画の内容について私ども行政が関知するものではないというスタンスに立っているのはご指摘の通りです。
 先ほど申し上げました認定の考え方でございますけれども、行動計画を策定をして、その行動計画の期間内に行動計画の内容に基づいて、それぞれの企業で様々な取り組みをしていただくわけですけれども、そのそれぞれの企業が行動計画に表しました具体的な取り組みを円滑に進めていただくために、私どもとしてはこの認定という一つのシステムがある意味では有効なものではないかというふうに考えております。
 ご案内のように、この認定は具体的な行動計画に基づいてその実行期間内にそれがどれだけ実行されたかというものを自らの企業の中で検証していただくというような仕組みになっているわけでございますので、そういった円滑な取組みを進めていただくために私どものほうからのお勧めとして、認定についての取組みをお勧めしていきたいというふうに考えているところでございます。
 以上です。
 
○國井会長 
     はい、どうもありがとうございました。ほかに何かございますでしょうか。
 なければ、ちょっと資料10‐16についてですね、素人的なご質問をさせていただきたいんですが。
 先ほど、総務部長のご説明の中で、企業内での精神的なストレスの問題に対する対応の重要性についてご説明があったかと思います。これが重要であるということは、この2、3年、この審議会でも取り上げられた問題でありますので積極的に推進していただきたいんですけれども。
 この資料によりますとですね、これは精神障害の事案での労災補償の認定その他ですけれども、申請件数につきましてですね、認定件数がそう大きな数字ではないというように思うのですが、申請の中には様々な申請がありますので、適正に認定なさっているとは思いますけれども、暦年の傾向を見ましても、それほど差が。どうも読み足りないですけれども。このあたりですね、やはりこういった労災認定の件でも、時間とそれから労力の点も含めてご検討いただいたらと思いますが。
 この数字にとやかく文句を言うわけでないですけれども、何か厳しすぎないのでしょうかということで、素人談義で申し訳ありませんが。
 よく世間で「労災がダメだったので、裁判に出たらOKになった」という事件が報道されたりしますので、ちょっと危惧を申し上げたい。はい、どうぞ。
 
○藤井労働基準部長 
     精神障害事案というのは、昔からもけっこうあったわけですが、かつては、特に精神障害というよりも自殺の問題でけっこう課題になっていたわけです。
 自殺そのものというのは労災保険法の中にも規定がございまして、故意にそういう保険事故を発生させた場合は支給しない、つまり、当事者個人の恣意的な行為が介在しているからということで、かつてはそういうことで大体不支給にしておりました。
 ところが、一部そういう故意の介在を許さないような、ものすごい過酷な条件であって、発作的に行うというようなことがけっこうありました。そういう場合、いわゆる災害的・事故的に起こるようなものだけを認定しておりました。
 ところが、いろいろ経済環境の変化とかいろいろ医学的な進歩もあって、必ずしも自殺というものは故意に、昔の武士の切腹のようなそういう典型的なものを考えていてもおかしいと。ましてや、そういう状態になられる方というのは、家族がおられようが、生活があろうが、とにかく状況を脱したいので死ぬことが唯一の救いだというような特殊な精神状況になられるようでございます。なぜ分かるかと言いますと、未遂で終わったお方に聞いたら、そうであったということがよくあるわけであります。
 それで、これはあくまで自殺のことというよりも、その前段階の精神障害ということに着目して、今の労災補償ではまさに精神障害そのものを補償するということで、自殺はその一部だということです。
 要は、そういう精神障害にかかられた方から言えば、もうほとんどの方が会社事業上でのそういう業務からかなりの負荷を受けてなったんだということを言われており、また家族の方もそう言われるわけです。突然ふさぎ込んで、ものも言わなくなって、寝られないとか行きたくないとかということで。そうすると、因果関係論の世界では条件関係といいまして、まさにそうなってそうなったということになります。
 従って、ほかに原因があるわけではないので、なぜ認めてくれないんだろうかというご批判がありますが、医学的にかなり難しいのが、同じ負荷を受けても各個体によって個人差があるということです。同じストレスでも、各人によって受ける度合いが違うということです。
 そういうことを客観的にどのように評価するかということが、斉一的な労災行政で難しいわけでありまして、そこはいろいろ検討の結果、医学的専門家の方に集まっていただいて、いろんな場合を集めて、それが完全だというわけではないんですけども、負荷の尺度を設定して、「こういう場合であれば、だいたいその方はこれだけの負荷を受けるであろう」という基準を考えたわけです。
 それで、それが大きな負荷であれば、いかに個人差があろうとも、それはもう個人差を凌駕して「これは業務の影響があるであろう」とこういう判断をすると。中には職場における負荷だけではなくて、家庭の問題もあるかもしれない。介護の問題とか、病気の問題とか、子どもさんの教育の問題とか、あるいは金銭的な問題とか、多種多様のストレスがありますので、それが相まってそういう結果になるので、必ずしも業務だけが原因ではないということもあります。
 こういうのを全て調査して、総体的にこちらの方の度合いが大きいということで、複数の方の専門家の方のご意見もお聞きしつつ、業務が関与した度合いがかなり大きいということで、決して厳しいつもりじゃないんですけども、従来に比べれば格段に緩和をいたしまして救済に努めているところでございます。
 従って、認定の隘路といたしましては、会長のおっしゃるように、いろいろ問題といいますか、結局は江﨑委員がおっしゃったような石綿の問題と同じように、調査をどうするかと。ものすごく個別のことを調べなきゃいかんということがありまして、いろいろ苦労しているわけでありますが、石綿と同じように本人をはじめ家族の方のご心労も心得ておりますし、できるだけ労災保険法の趣旨に沿った認定に努めているというわけであります。
 また、今後、状況によってそういう取扱いが是か非かという論議もありましょうし、できるだけ迅速適正に処理に努めてつつ、まずは救済の観点からもそのへんを詰めているというわけでございます。
 以上です。
 
○國井会長 
     どうもすみません。
 個別具体的な処理の方向について云々ということを申し上げたのではなくてですね、その精神的ストレスに対する取組みというのが重要だという中で、やはり制度の運用についても、アスベストの場合にかなり政府としても早めに手を打ってやっておられるという流れの中で対応というのが、行政の対応というのは決まっておると思うんですけれども、やはり何か制度としてそういった方向性に沿うような制度運用ということをお考えいただければありがたいかなという趣旨の意見でありまして、個別的な判断、業務関連性と民事上の因果関係との視点の違いというのは承知しておりますので、その点についてとやかく文句を言っているわけではありませんので、ご理解いただきたいと思います。
 ほかに何か。はい、どうぞ。
 
○山本委員 
     労働時間の関連の件ですが、資料10‐2の。
 近畿ブロックの賃金不払残業に関する是正結果の資料がございますが、こちらのほうのですね、実はお伺いしたいのは、賃金不払残業につきましては兼ねてから企業のほうで、労働局、あるいは監督署あるいは監督官との間での運用上でのズレといいましょうか、そのへんのところを指摘されることがあるわけですが、そういう中で、そういうものを極力小さくしていくためのいろんな取組みをぜひお願いしたいということで、この審議会でも以前に私が発言したことがあろうかと思うんですが。
 今日その近畿ブロックの資料をまとめて出していただいているんですが、これは単純にまとめられただけなのか、あるいはそういうものをきっかけにして近畿ブロックの労働局としては賃金不払残業問題についてこういうふうなことについてやっていこう、あるいは企業のほうから出てきておるいろいろな希望・要望等についてもこういう考え方でやっていこうというふうなことなどを話をされる機会を持っていらっしゃるのか、いらっしゃらないのかということについてちょっとお伺いしたいと思います。
 以上です。
 
○國井会長 
     はい、どうぞ。
 
○藤井労働基準部長 
     ただ今の山本委員のご質問は、資料10‐2の資料の関連でございます。
 近畿ブロックのひとくくりで資料を作っておりますけども、これは行政の組織上、近畿地方、三重県は除いておりますけど、そういう一つの近隣の経済的な一体性の中でたまたまこの6局についてまとめてあるという、こういうことであります。
 それで、先ほど総務部長から説明がありましたように、例えば、来週の勤労感謝の日のフリーダイヤル相談にしても、フリーダイヤルであれば、和歌山県からかけても京都からかけても大阪につながるというような感じで、この近畿の特質を考えて、まとまって行動するということとしているわけでありますが。そういうことで、特にこの問題について、全国的な問題でありますので、近畿独自という特別の姿勢や取り組みがあるわけではありません。まさに、非常に交通の便のいい近畿ということに着目して、まとまって行動しようと、こういうことで資料もまとめたわけでございます。
 それで、この100万円以上云々というようなとりまとめなども全国的な指標に合わせているわけでありまして、これは全国ベースでの発表にもあります。
 今後、行政としても、やはり大阪の事業所でも兵庫から通っているとか、京都、奈良から通っているとか、まさに府県単位で完結しているような状況ではありませんので、まさに広域的な意味での施策が必要だということで、こういうふうなことにしているわけであります。
 行政の方針につきましては、依然として相談も多くございますし、まだ沈静化という状態には至っていませんし、労働団体の方でも別途取組みをされているかもしれませんし、また不払残業とは別の時間外労働の協定の問題も昨日、一昨日と報道もされておりました。ということで、そういう問題が沈静化するまで、全国的なレベルで引き続き関係者のご協力を得ながら是正に努めていきたいと考えております。
 
○國井会長 
     どうもありがとうございました。
 これで予め用意いたしました議題は終わったというように感じますが。ほかに何かご意見・ご質問等がありましたら、この際ですからご発言をお願いしたいと思います。
 ご意見・ご質問等も出尽くしたようでありますので、これで本日の審議会を終了させていただきます。
 委員の皆さんにはご協力ありがとうございました。
 ここで出ました意見を踏まえて、素晴らしい行政を展開していただきましたら、この上ない幸せだと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
 
問合せ:大阪労働局総務部企画室
TEL:06-6949-6050

 
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