平成23年度第1回

 

大 阪 地 方 労 働 審 議 会

 

議  事  録

 

 

 

1 開催日時 

      平成23年10月20日(木)午前10時から正午

 

 

2 開催場所

      K K Rホテル大阪 2階 星華の間 

           (大阪市中央区馬場町2-24)

 

3 出席者 

(1)委員 

    公益代表 

          奥 林  康 司  委員 

          小 嶌  典 明  委員 

          石 田  信 博  委員 

          岩 本  洋 子  委員 

          川 島  紳 明  委員 

          服 部  良 子  委員 

    労働者代表 

          今 宮  正 信  委員 

          稼 勢  一 弘  委員 

          佐 伯  昭 子  委員 

          多 賀  雅 彦  委員 

          中 村  義 男  委員 

    使用者代表 

          重 田  正 年  委員 

          島 岡  秀 和  委員 

          立 花  佳 枝  委員 

          藤 原  幸 則  委員

 

(2)事務局 

    局長   西 岸  正 人 

    総務部長   村 松  達 也 

    労働基準部長   辻    知 之 

    職業安定部長   黒 田  一 明 

    需給調整事業部長   名 田    裕 

    雇用均等室長   荒 川  あや子 

    企画室長   鈴 木  博 司

 

4 議題

 

(1)会長の選出 

(2)会長代理の指名 

(3)部会委員の指名 

(4)平成23年度労働行政の運営状況 

(5)その他 

 

 

5 議 事

 

○鈴木企画室長 

 定刻となりましたので、ただいまから平成23年度第1回大阪地方労働審議会を開会いたします。 

 本日、会長が選出されるまでの間、事務局が進行させていただきます。私は企画室長の鈴木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 

 資料は事前に送付させていただいておりますが、本日、追加で机上配付させていただいているものとしまして、会議次第、配席表、それから厚生労働組織令ほかの関連規程の抜粋の3点でございます。 

 それでは、開会に当たりまして西岸労働局長からごあいさつを申し上げます。

 

○西岸局長  

 おはようございます。大阪労働局長の西岸でございます。  

 今年度の第1回目の大阪地方労働審議会の開催に当たりまして一言ごあいさつ申し上げます。  

 皆様方におかれましては、日ごろから労働行政の推進につきましてご支援、ご協力を賜っておりますこと、まずこの場をおかりして御礼申し上げます。 

 また、大変ご多用の中、本日の会議にご出席賜りまして、重ねて御礼申し上げます。 

 当審議会の委員の任期としては本年9月末をもちまして任期満了でございましたので、10月1日付で皆様方に委員のご就任をお願いしたところ、ご快諾いただきまして、感謝しております。  

 前期に続きましてご就任いただきました委員の皆様方におかれましては、引き続きよろしくお願いするとともに、今期から新たにご就任いただきました委員の皆様におかれましても、労働行政に関しましてご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いしたいと思っております。 

 経済情勢の全国的な状況で見ますと、政府が先般10月の月例経済報告を出しておりますが、若干弱い感じで、景気は依然として厳しい中で、依然引き続き持ち直しているものの、そのテンポは緩やかになっているという基調判断になっております。 

 大阪の状況を申し上げますと、有効求人倍率につきましては、このところ、2年ほど前の状況からだんだん上がってまいりまして、8月で0.65となっております。上がってはおりますが、0.65というのは3分の2でございますので、物理的にも3人に2人しか仕事がないということになっておりまして、厳しい状況でございます。今のところ、強く状況に出ているわけではありませんが、円高の進行等もございまして、そのような危険も懸念されており、今後の雇用情勢、労働市場につきまして引き続き注視をしていかななければならないと思っております。 

 前期からご就任いただいている皆様方におかれましてはこの春にご審議いただきました運営方針でございますが、運営方針におきましても大阪労働局といたしましては、「誰もが健康で安心して働ける元気な大阪」をスローガンにいたしまして、基準行政、安定行政、均等行政の3行政を連携強化して一体として、この難しい状況、情勢の中で打破していこうと思っております。 

 本日は、運営方針を作成いたしまして半年ほど経ち、中間報告ということで運営状況、我々の業務の進捗状況をご説明させていただきまして、ご理解いただくとともに、皆さんの忌憚のないご意見を頂戴して、年度後半に向けまして行政運営に役立ててまいりたいと思っております。何とぞよろしくお願い申し上げます。 

 簡単でございますけれども、会の開催に当たりまして私からのあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

○鈴木企画室長 

 次に、委員の皆様のご紹介をさせていただきます。 

 お手元の資料1-1に審議会名簿をお配りしております。この名簿順に委員の皆様を紹介させていただきたいと思います。  

 まず、公益代表でございますが、  

石田委員です。  

 岩本委員。 

 奥林委員。 

 川島委員。 

小嶌委員。  

 服部委員。 

 続きまして、労働者代表でございますが、 

今宮委員。  

 稼勢委員。  

 佐伯委員。  

 多賀委員。 

 中村委員。 

 平岡委員は本日ご欠席なさっております。 

 続きまして、使用者代表でございますが、 

小野委員は本日欠席なさっております。 

 重田委員。 

 島岡委員。 

 立花委員。 

 藤原委員。 

 堀田委員は本日ご欠席なさっております。 

 なお、本審議会はお手元にお配りしている厚生労働省組織令に基づき設置されておりまして、地方労働審議会令においてその組織等が規定されております。 

 また、審議会の運営等につきましては、大阪地方労働審議会運営規程が定められております。 

 また、会議の公開につきましては、運営規程に基づき、本審議会は原則として公開されることとなっておりまして、その議事録につきましても公開することとしております。議事録につきましては、発言者のお名前も記載させていただきますので、ご了承いただきたいと思います。 

 なお、本日の審議会につきましては、傍聴の申し込みがなかったことをご報告いたします。 

 続きまして、本日の委員の出席状況をご報告いたします。 

 本日は、公益代表6名、労働者代表5名、使用者代表4名の計15名の委員のご出席をいただいておりますので、地方労働審議会令第8条第1項の規定により、本審議会は有効に成立しておりますことをご報告いたします。  

 それでは、議事に入りたいと思います。 

 議事の1つ目は会長の選出でございます。 

 地方労働審議会令の規定により、会長は公益代表委員のうちから委員が選挙すると規定されております。委員の皆様の間でご推薦いただき、ご選出いただくことでいかがでしょうか。

 

○岩本委員 

 もしよろしければ、引き続き、経験者の奥林先生にお願いできたらと思いますけれども、いかがでしょうか。 

 

○鈴木企画室長 

 ただいま岩本委員から奥林委員に会長をというご推薦がございましたが、奥林委員に会長にご就任いただくことについて異議ございませんでしょうか。 

 

(「異議なし」の声あり) 

 

○鈴木企画室長  

 ありがとうございます。それでは、奥林委員に会長をご就任いただくことになりましたので、以後の議事の進行につきましては奥林会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。 

 

○奥林会長  

 ただいま会長に選出していただきました奥林と申します。前期に続きましてこの大役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。  

 この審議会と申しますのは、大阪府の労働行政全般につきまして審議する場というふうに認識しております。その責任の重大さも痛感する次第であります。微力ではございますけれども、皆さんのご協力によりまして、この職責を果たさせていただきたいと思っております。  

 大阪府の労働行政につきましては、大阪府の産業労働政策審議会というのがございまして、そこで仕事をさせていただいております。そこでの経験とか知識などがこの場でもお役に立つことができるということで、大変うれしく思っております。  

 大阪の労働行政の推進に対しましてできるだけ努力し、同時に府民の勤労生活の向上ということにも努めてまいりたいと思っておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。  

 ただ、昨今の経済情勢でもありますので、労働行政につきましての非常に複雑な問題を抱えております。したがいまして、この審議会の場では、皆さんの忌憚のないご意見をいただくことによりまして、労働行政のより一層の向上と同時に、府民の勤労生活の向上に努めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。  

 それでは、きょうの議事でありますが、まず議事録の署名であります。議事録の署名につきましては私以外に2名の委員が署名することになっております。したがいまして、私のほかに、労働者代表から佐伯委員、使用者代表から藤原委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。  

 次に、議事の2の会長代理の指名というのがございます。会長代理の指名につきましては、小嶌委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 

 それでは、議事の3に移らせていただきます。議事の3は部会委員の指名ということになります。 

 本審議会には部会が設置されておりまして、部会に所属する委員を会長が指名することになっております。この点につきまして事務局のほうから説明をお願いいたします。 

 

○鈴木企画室長  

 地方労働審議会令に基づきまして、本審議会に部会を置くこととされております。  

 現在、労働災害防止部会、家内労働部会、港湾労働部会の3つの部会が設置されております。最低工賃専門部会につきましては、最低工賃の決定または改定の決定につきまして諮問があった場合には、その都度設置されるということになっておりまして、現在は設置されておりません。 

 以上の各部会の委員は会長が指名することと規定されております。また、必要に応じて臨時委員を労働局長が任命し、会長がその所属する部会を指名することとなっております。さらに、専門の事項を調査させる等、必要があるときには、専門委員を置くことができるとされており、本審議会の同意をいただいた上で労働局長が任命し、会長がその所属する部会を指名することとされております。 

 次に、各部会の構成員数についてご説明いたします。  

 労働災害防止部会及び家内労働部会につきましては、公労使各3名、合計9名としております。また、港湾労働部会につきましては、これまでどおり、公労使各5名、専門委員3名、合計18名による構成にしたいと考えております。  

 以上でございます。 

 

○奥林会長  

 以上の説明におきまして何かご意見がありましたら、ご発言をいただきたいと思います。  

 特に意見がないようですので、これから部会員を指名させていただきます。  

 まず、労働災害防止部会ですが、公益代表からは岩本委員、川島委員、小嶌委員、労働者代表委員からは今宮委員、稼勢委員、今日欠席ですが平岡委員、使用者代表委員からは重田委員、島岡委員、藤原委員を指名いたしますので、よろしくお願いいたします。  

 続きまして、家内労働部会ですが、公益代表委員には服部委員、労働者代表委員には多賀委員、委託者代表委員につきましては藤原委員にお願いしたいと思います。このほか、公労使それぞれの委員は、何らかの議案を審議する必要が生じた場合に、局長が任命した臨時委員から指名したいと思いますので、ご了解いただきたいと思います。  

 次に、港湾労働部会ですが、公益代表委員としまして石田委員、それから臨時委員として、皆さんのお手元の資料1-2に大阪地方労働審議会臨時委員名簿があります。その名簿のとおりに局長の任命が行われております。これら臨時委員を港湾労働委員に指名したいと思います。これによりまして、公益代表者、労働者代表者、それから雇用主代表者各5名ということになります。 

 また、専門の事項を調査する必要があるため置くことができるとされている専門委員につきましては、審議会の同意を得て、局長が任命することになっております。お手元の資料の1-3に大阪地方労働審議会専門委員名簿(案)があります。その名簿(案)のとおりに任命したいと思いますが、よろしいでしょうか。 

 

(「異議なし」の声あり) 

 

○奥林会長  

 ありがとうございました。それでは、本審議会として、これらの委員につきまして同意したということにさせていただきます。  

 局長の任命が行われることがありました場合には、この3名を港湾労働部会委員に指名いたします。  

 では、続きまして議事の4でありますが、平成23年度の労働行政の運営状況につきまして労働局から報告していただきます。 

 では、事務局、お願いいたします。 

 

○村松総務部長 

 それでは、まず私からご報告をさせていただきます。改めまして、私、総務部長の村松と申します。この7月29日付で着任をさせていただいておりますので、何卒どうぞよろしくお願い申し上げます。  

 まず、本日は、資料の2は今年度平成23年度行政運営方針でございまして、これに基づいて4月以降、事業を実施しておるところでございます。この4月から9月までの上半期の運営状況について、資料の3で取りまとめておりますので、これに基づきながら、ご説明をさせていただきたいと思います。  

 私からは総務部関連ということで、資料の3の30ページから、まず労働保険の適用徴収関係業務についてご説明をさせていただきたいと思います。  

 先ほど局長のごあいさつにもございましたとおり、今、経済情勢が依然厳しい状況にある中で、労働保険料の収納というのはなかなか厳しい状況にあるわけでございます。  

 22年度の徴収実績につきましては、97.44%ということで、前年度、21年度の97.06%から上昇に転じたところでございますが、全国平均の97.47%に比べますと、やや下回ったということで、これが全国平均を下回ったのは6年ぶりという、特に全国の中でも大阪は厳しい状況になっているというところでございます。  

 そもそも労働保険制度と申しますと、労働行政全体を支える財政基盤でございまして、その費用負担の公平性という観点からも適正徴収を最重点課題と位置づけて、前年を上回る収納率の維持向上を目指しているところでございます。  

 このため、あらゆる機会を通じて、事業主等に対して労働保険制度の理解を促進し、法令に従った自主申告・自主納付を指導してきているところでございます。また、高額滞納事業主や複数年度にわたり滞納を繰り返している事業主に対して差し押さえ等の強制措置も視野に入れながら、計画的な滞納整理を行っているところでありまして、延滞金や追徴金も含めた保険料の積極的かつ実効ある徴収活動に努めてきているところでございます。  

 さらに、雇用保険の加入漏れ等による労働保険の申告に不足が認められるような事業主に対しましては、算定基礎調査というもので実際に事業所に立ち入り、適切な労働保険料を納入していただけるような事務を推進しておりまして、その実施計画を適切に樹立し、そのもとで適正徴収に努めているところでございます。  

 さらに、労働保険の未手続事業一掃対策ということで、労働保険にご加入いただいていない事業所、事業主の方々がいまだ多数存在しているところでございまして、こうした未手続事業所の解消もあわせて図っていくことに努めているわけでございます。このため、強力な手続指導、職権行使ということで、局内関係部署、監督署、ハローワーク、さらには事務組合連合会など関係行政機関との連携のもとで、未手続事業場の把握、さらには、そうした事業場に対する解消に向けた職権成立、いわば労働局として職権に基づいて労働保険の契約を結ぶということですが、そうした形での積極的な適用促進を図っているところでございます。  

 このほか、年度更新の的確かつ円滑な実施ということで、労働保険制度の契約指導、申告書の法定期限内の自主申告・自主納付の徹底を図っているところでございます。  

 なお、組織体制の件について若干ご報告申し上げますが、本年10月1日付で、従来の労働保険適用課と労働保険事務組合室という1課1室をこの10月1日より労働保険適用・事務組合課ということで、適用促進について一体的に業務に当たるということで体制の強化を図っているところでございます。 

 続きまして、33ページで、個別労働紛争解決制度について実施状況を記載してございますけれども、個別労働紛争解決制度につきましては、労働局の企画室及び府内の14カ所に設けられております総合労働相談コーナーで受け付けているところでございまして、8月末までの間に4万9,830件の労働相談が寄せられ、前年と比較して4.1%の減少ということでございますけれども、依然として高水準であると認識をしているところでございます。  

 この中で、いわゆる民事上の、個別労働紛争と言われている相談につきましては1万58件ということで、これは前年と比較して6.5%ほど増加している現状でございます。また、労働局長による助言・指導件数につきましては、4月から8月末現在295件で、前年比8.1%増、あっせんの受理件数も227件で、前年と比べ13.5%増と依然として高い水準で推移しているところでございます。

 

 以上、簡単でございますけれども、総務関係については今申し上げたような実施状況でございます。どうもありがとうございます。 

 

○奥林会長  

 では、続きましてお願いいたします。 

 

○辻労働基準部長  

 労働基準部長の辻でございます。本日どうかよろしくお願い申し上げます。  

 私からは、労働基準行政に関係する運営状況につきまして、資料3では1ページから15ページまでございますので、ポイントのみご説明を申し上げます。 

 まず、1ページの冒頭に監督実施状況と司法処理状況を記載しております。この監督指導、それから司法処理につきましては、以下に記述をしております労働条件の確保・改善、それから最低賃金、労働災害、健康確保対策と、各項目に共通をする関係法令の履行確保を図るための労働基準行政の根幹部分の取り組みでございますので、冒頭にまとめて記述をしております。  

 府内の事業所に対しまして年度当初の計画により、定期的に監督指導を実施いたしましたものが3,579件、それから労働者の申告を端緒といたしましたものが1,348件など、合計で5,674件を実施しております。これはほぼ前年並みの実績となっているところでございます。  

 それから、刑事事件として検察庁に書類送検手続をとりましたのは、年累計で41件、前年度比で少し増加をしております。この司法事件処理につきましては、その性質上、1件当たりに相当多くの時間を要するということになりますので、必要に応じて大阪地方検察庁と事前に綿密な打ち合わせを行いながら進めているところでございます。  

 それから、申告処理件数は昨年に比べまして微減しておりますが、依然として賃金不払い、解雇に関する事案を中心に高水準で推移しておりますので、申告者の置かれた立場に配慮しつつ迅速な対応に努めているところでございます。 

 それから、(1)からが項目別の進捗状況でございます。  

 労働条件確保・改善対策につきましては、依然として長時間労働あるいは賃金不払残業といったことで多数の情報が寄せられていることも踏まえまして、長時間労働の抑制あるいは過重労働の防止あるいは労働時間管理の適正化による賃金不払残業の防止、そういうことで自主点検あるいは法令等を周知するための講習会、さらには問題が懸念される事業場への監督指導等を実施してまいりました。 

 2ページの次に(エ)になりますけれども、企業倒産により賃金未払いのまま退職を余儀なくされた労働者に対する未払賃金立替払制度につきましては、8月末までに企業数にして163件を認定しております。  

 それから、次、3ページの中小規模事業場に対する取り組みにつきましては、概ね規模30人未満の商業等の第3次産業を対象といたしまして、基本的な労働条件の枠組みを整備していただく、こういうことを狙いといたしまして、4月から8月末までに書類審査を中心といたしまして1,090件の監督指導を実施したところでございます。  

 少し飛びますが、5ページの真ん中、ウでございます。  

 働くルールについて使用者のみならず労働者、労働者にこれからなろうとされる方々に対しましても周知啓発を図る、こういうことが重要であるという考え方から、今年度からの取り組みといたしまして、新規学卒者等を対象としたセミナー、「就勝!セミナー」で職業安定課と連携いたしまして、ここにおきまして労働基準関係法令を中心に、労働関係とは何かとか、あるいは労働者性の考え方なりについても含めまして、労働契約締結時の留意点などについても周知啓発を図ってきたところでございます。  

 今後は、こうした取り組みを就職希望の中高生にも対象を拡大いたしまして、学校と連携して就職希望の学生さん方への法令周知といったことも進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 

 そのほか、労働条件の関係では、本年、3月11日の大震災に関連いたしまして、各労働基準監督署の窓口に震災特別相談窓口を設置いたしました。事業所からの休業手当等の労働基準関係法令上の取り扱いですとか労災補償はどうなるかと、こういった手続のご相談、問い合わせに対応したところでございます。  

 それから、次、6ページの最低賃金の関係でございますけれども、大阪府最低賃金、8月3日に大阪地方最低賃金審議会から7円引き上げ、時間額にしまして786円とのご答申をいただきまして、官報公示をした上で、9月30日から発効しております。この引き上げによりまして、大阪府内の生活保護費との乖離は一応解消できたということになったところでございます。  

 また、特定最賃につきましては、順調に現在審議を進めていただいているところでございまして、1028日の官報公示をもって7業種すべての改定が終了する予定となってございます。  

 なお、以前にご指摘をいただいておりました鉄鋼業の最低賃金につきましては、最賃審議会の公労使で審議日程をご協議いただきまして審議を進めていただきました結果、従来より約1カ月早く、11月3日に発効する予定となったところでございます。  

 現在、大阪府最低賃金の改正につきましては、関係機関等との協力も得まして広く府民への周知徹底を図っているところでございまして、十分な周知・啓発を図った上で、第4・四半期に最低賃金の遵守を重点とした監督指導を行いまして、履行確保に今後とも努めることにしております。  

 なお、最低賃金につきましては、引き上げによる影響を最も受ける中小企業に対する支援策といたしまして、本年度から実施しております経営面と労働面の相談支援事業でございますけれども、9月末時点での相談件数が112件、それから専門家派遣については48件となっているところでございます。  

 それから、次に8ページの下段になりますけれども、今年度から新たに看護師、夜勤を含む交代制を伴う大変厳しい勤務環境に置かれていると言われております看護師さんなどの雇用の質の向上のための取り組みを進めているところでございます。  

 医療関係の団体などと連携をいたしまして企画委員会を立ち上げまして、第1回目の会合を先般9月26日に開催いたしました。現状における課題や問題点を踏まえまして、今後につきましては好事例収集等も実施し、そういったことを踏まえまして研修会を第4・四半期に開催することとしています。 

 それから、9ページの労働災害の関係でございます。  

 本年9月末の労働災害の発生状況につきましては、死亡災害が34人、前年と同数になっておりまして、死傷災害は5,276人ということで、同月比で2.1%、わずかながら減少している状況になってございます。  

 前半におきましては、休業2カ月以上の重篤災害などを発生させた事業所に対しまして、再発防止の徹底と安全管理水準の向上のための現場指導について、8月末まででは696件の個別指導等を実施したところでございます。  

 それから、次に10ページでございますけれども、大阪危険ゼロ先取運動につきましては、本年度は墜落・転落災害、交通災害、フォークリフト災害、夏季の熱中症、この4つを重点として、それぞれの強調期間を設けて集中的にパトロール等あるいは周知啓発の推進をしてまいりました。  

 それから、安全衛生労使専門家会議につきましては、第1回目を5月18日に実施いたしまして、労使の委員の方々から貴重な意見を賜ったところでございます。  

 そのほか、東日本大震災に関連しましては、事業場やボランティアの方々を対象として、がれき処理に伴う災害防止ということでの講習会を開催いたしました。また、さらには復旧・復興工事における労働災害の防止の留意点、関西からも建設事業者が行かれておりますので、周知啓発を図ったところでございます。  

 それから、11ページが、労働者の健康確保の取り組みでございますが、その中のメンタルヘルス対策につきましては、昨年度から個別の事業所に対する指導、説明会等を行っているところでございます。 

 さらには、メンタルヘルス対策支援センターの利用促進を通じて防止対策の周知に取り組んでまいりました。  

 さらに、今月を健康確保キャンペーン期間と位置づけまして、メンタルヘルスに関する研修会あるいは相談会、その他の啓発活動を集中的に取り組んでいるところでございます。  

 最後、14ページの労災補償の関係でございますけれども、大変社会的な関心の高い脳・心臓疾患事案あるいは精神事案に関する労災請求と認定の状況について取りまとめて記述をさせていただいているところでございます。  

 本年度も引き続き、これらの労災請求、大変高水準で推移をしているところでございます。事案の性質上、業務上外の判定には大変時間を要しまして、調査あるいは取りまとめにも大変事務的に苦労しているところでありますけれども、引き続き迅速、適正な保険給付の実施に努めてまいりたいと考えているところでございます。  

 それから、あと最後に行政争訟の関係でございますけれども、4月以降の労災の審査請求件数、これは136件で、前年度期に比べまして、これもまた増加傾向で推移しているところでございますけれども、これらにつきましてもあまり長期に決定が及ばないよう迅速な処理に努めることとしているところでございます。  

 以上でございます。 

 

○奥林会長  

 どうもありがとうございました。  

 では、続きまして職業安定部長、お願いいたします。 

 

○黒田職業安定部長  

 職業安定部長の黒田でございます。  

 私のほうからは、職業安定部所掌の運営状況の主なものにつきましてご説明をいたしたいと思います。  

 平成23年度大阪労働局の重点対策の運営状況、資料3の16ページをお開きいただきたいと思います。  

 左上の2番、職業安定行政の課題と重点施策の(1)雇用のセーフティーネットの整備をご覧いただきたいと思います。 

 アにあります求職者支援制度の創設と担当者制による就職促進でございます。  

 ご案内のように、平成20年秋のリーマンショック以降、非常に厳しい雇用失業情勢を受けまして、いわゆる第二のセーフティーネットという施策が実施されました。雇用保険を受給できない方々に対しましてセーフティーネットといたしまして造成した基金を活用して、ハローワークが中心となりまして職業訓練や職業訓練期間中の生活保障を行う訓練・生活支援給付を行ってまいりました。 

 資料18ページの中段のウのところでございますが、(イ)に進捗状況を記載しております。この基金、緊急人材育成支援事業を活用した訓練を基金訓練と呼んでおりますが、今年度の4月から8月までで、受講あっせん者数が、そこに書いております1万6,004人でございます。定員充足率は69.4%という状況でございました。  

 また、訓練・生活給付金につきましては、ここにございますように、4月から7月の間で8,294人の申請受け付けを行っております。  

 この緊急人材育成支援事業につきましては、本年9月末をもちまして終了いたしまして、10月からは求職者支援制度が新たな恒久的な制度として開始をいたしております。本制度は、職業訓練により能力を身につけることによりまして、安定した就職を目指し真剣に求職活動を行う方のための制度でございます。受給要件、それから支給要件が厳格化されましたほか、受講者に対しましては受講中、受講後におきましてハローワークにおきまして担当者制によるきめ細かな就職支援を行っていくことにいたしております。このため、各ハローワークの窓口の体制を強化するとともに、本制度の円滑な運用を図るため、職業安定部内に求職者支援課を新しく設けたところでございます。

 

 この10月の開講分の状況でございますが、16ページに戻っていただきまして、右上に載せております。 

 10月5日に開講しておりますが、92コース、2,319人の定員のところ、1,927人の申し込みがあったところでございます。  

 次に17ページをお開きいただきたいと思います。  

 雇用維持確保に対する支援でございます。  

 景気の変動によりまして事業活動の縮小を余儀なくされた企業の休業等の雇用調整を行った場合、雇用費に対する支援を実施いたしております。大企業に対する雇用調整助成金、4月から8月までの支給決定件数は457件でございます。中小企業に対する中小企業緊急雇用安定助成金におきましては2万1,911件ということになっております。企業等の対象者数はピーク時よりは減少してきておりますが、今般、円高等の総合的対応策の先行実施ということで、10月7日から要件緩和をされております。我々といたしましては、その周知に努めておるところでございます。 

 続きまして、同じ17ページの中ほど、(2)のハローワークにおける的確な求人・求職のマッチングの推進でございます。  

 ハローワークで紹介した方の就職件数は、4月から8月までの総数で6万5,266件となっております。対前年同期比では4.3%の増加でございます。就職率は23.6%で、1.4ポイントの上昇となっております。非常に厳しい雇用失業情勢の中ではありますが、ハローワークの窓口のほうで精いっぱいマッチングに努めた結果であると、このように分析をいたしております。 

 続きまして、19ページをお開きいただきたいと思います。  

 ケで若年者の雇用対策の推進でございます。  

 新卒者支援につきましては、雇用を機軸とした経済成長を目指す新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策、この中で既卒3年以内の方々と新卒者の雇用対策が掲げられております。大阪労働局といたしましては、昨年に引き続きまして新卒者就職応援本部を地方公共団体、それから労働界、産業界、学校等の関係者の皆さんの参画を得まして、各機関が連携をいたしまして厳しい状況にあります新卒者の雇用対策を実施していくことといたしております。今年度につきましては、高卒では96%以上、大卒におきましては95%以上の内定率を目標として構築しているところでございます。  

 具体的な対策といたしましては、学卒ジョブサポーターによる個別支援、求人開拓を積極的に展開してまいりますとともに、新卒者就職実現プロジェクトの一環といたしまして、卒業後3年以内の大学等の既卒者を新卒扱いで雇用する企業に対しまして採用拡大奨励金、これは100万円でございますが、それから高校、大学等未就職者に対する奨励金といたしまして3年以内既卒者トライアル雇用奨励金、これは3カ月のトライアル雇用期間中に10万円、その後に採用すれば50万円といった助成金の内容でございます。これを活用いたしまして一人でも多くの既卒者の早期就職を図ってまいりたいと、このように考えておるところでございます。  

 また、新卒応援ハローワークは心斎橋にあります大阪学生職業センターとハローワーク梅田に設置いたしております。大学生を含めた既卒3年以内の方々に対しまして各種セミナーの開催や個別相談など、きめ細かな支援を行っておるところでございます。  

 加えまして、7月7日に、近畿2府4県の労働局に協力をいただきまして、近畿ブロック大学等就職フェア2011を開催いたしました。企業数205社、学生数2,798人が参加をされております。これら施策によりまして、新卒者の雇用対策に万全を期してまいりたいと、このように考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  

 続きまして、20ページのコのところの障害者雇用対策の推進についてでございます。  

 障害者の雇用の状況につきましては、平成23年度の目標といたしまして、就職件数で前年度実績以上の3,611件を目標に掲げております。8月末現在では就職件数は1,796件で、対前年同期比では10.5%の増加となっております。引き続きまして関係機関との連携、各種助成金制度の活用を図りまして、就職支援に努めてまいりたいと考えております。  

 また、雇用率達成指導につきましては、平成23年6月1日の障害者雇用状況報告の結果を踏まえまして、指導基準を徹底いたしていくようにいたしまして、企業トップ層への個別指導を中心にいたしまして集団指導や文書指導を実施してまいりたいと、このように考えております。  

 次に、21ページの下のサでございます。  

 子育てする女性等に対する雇用対策の推進でございます。  

 大阪労働局におきましては、子供連れでも安心してお仕事を探していただけますよう難波に大阪マザーズハローワークを設置いたしております。  

 また、地域の拠点といたしまして、府内5カ所のハローワークにマザーズコーナーを設置いたしております。子育ての女性の再就職支援に取り組んでおるところでございます。  

 次に、資料22ページをお開きいただきたいと思います。 

 中ほどにシの高齢者雇用対策の推進でございます。 

 高年齢者雇用安定法に定める65歳までの高年齢者雇用確保措置の導入につきまして、現行の義務年齢である64歳までの雇用制度未実施に対しまして、ハローワークにおきまして企業訪問等によりまして個別指導を行っております。早期の改善を図るとともに、希望者全員65歳以上まで雇用する企業の割合の向上、さらには70歳まで働ける企業の普及促進に向けまして周知啓発に取り組んでおるところでございます。 

 また、高年齢者の再就職の促進を図るため、シニアワークプログラム事業、中高年齢者試行雇用事業、それから各種支援制度の活用や関係機関との連携を図りまして対策を進めておるところでございます。  

 続きまして、23ページをお開きいただきたいと思います。 

 中ほどのス、外国人雇用対策の推進でございます。 

 外国人雇用対策に特化した大阪外国人雇用サービスセンターにおきましては、外国人求職者への就職支援のほか、政府の高度外国人材受け入れ施策の一環といたしまして、外国人留学生に対する就職ガイダンス、ビジネス・インターンシップ等、就職支援にも取り組んでおるところでございます。  

 また、外国人労働者の適正就労につきましては、6月の外国人労働者問題啓発月間におきまして、入管法の改正を含めた外国人労働者の適正雇用、労働条件の確保と不法就労の防止についてのセミナーを開催するなど、周知啓発を行っておるところでございます。 

 最後になりましたが、今年3月11日の東日本大震災の対応でございます。 

 被災により離職しまして大阪に転居してこられました方々に対まして、3月28日に各ハローワークに特別相談窓口を設置いたしました。きめ細かなマンツーマンでの就職支援を実施してきたところでございます。 

 また、厚労省の委員で構成をいたします「日本はひとつ」大阪しごと協議会におきまして、大阪の各機関が行う住宅・就労支援、生活情報等の被災地支援情報を収集、整理いたしまして、被災地に向けて発信をしてきたところでございます。 

 なお、先ほど説明いたしました7月7日の大学等の就職フェアにあわせまして、被災地の学生と近畿の企業との面接会を実施いたしました。宮城、岩手、福島各県から無料の就活バスツアーを組みまして、72名が参加をされております。このバスツアーに参加された学生で、5名の方が大阪の企業のほうで内定を受けられたというお話を聞いております。 

 それから、震災対応につきましては、今後とも「日本はひとつ」の意識を持ちまして被災者の就労支援に当たってまいりたいと、このように考えております。 

 以上が職業安定部業務の運営状況でございます。冒頭、局長のほうからもありましたが、まだまだ雇用失業情勢は非常に厳しい中ではございますが、足元を見据えて我々職業安定行政はこつこつと、一人でも多くの方を一日も早く就職させていきたい、このように思っておりますので、皆様方のご協力よろしくお願いをいたします。 

 私のほうからは以上でございます。

 

○奥林会長 

 ありがとうございました。 

 では、続きまして需給調整事業部長、お願いいたします。

 

○名田需給調整事業部長 

 需給調整事業部長の名田でございます。よろしくお願いいたします。 

 私からは、資料3の27ページ、労働者派遣事業等の適正な運営の確保というところにつきましてご説明を申し上げます。 

 労働者派遣法改正案につきましては、先の国会でも引き続き継続審議ということになってございますけれども、大阪労働局といたしましては、今年度も今ある法制度、こちらの周知徹底ということと、それから、今ある現行法に基づいたルールをきちっと守っていただくということで、的確かつ厳正な指導監督を引き続き実施していくということを最重点として取り組んでいるところでございます。  

 ここまで、今年度、具体的な進捗状況はこの資料に数字で出ているとおりでございますけれども、まずアの法制度の周知徹底につきましては、中ほどのところに「新規事業説明会」となっておりますけれども、やはり法制度の周知、事業者に対する周知徹底、これは指導監督を通じてというところはもちろんでございますけれども、新しく許可をとって事業を始める、人材ビジネスに新たに参入してこられるその段階できちっと押さえておく、正しい法制度の知識を確認していただくことは非常に大事だし、そこが効果的ということで、新たに許可を得られたところに集まっていただいて、説明会という形で確認を求めているものがこれでございます。 

 それから、働き手、あるいは、これから派遣労働者として働いてみようかという求職者の方、働き手の方にもきちっとルールを知っていただくということが大事だということでやっておりますのが労働者派遣セミナーでございます。こちらのほうにつきましては、8月までの実績が出ておりますけれども、9月から12月につきましては、大阪市内のハローワークで、非常に女性の方で派遣労働者として働いている方も多いということに着目をいたしまして、大阪市内のマザーズハローワークを設置してあるところを中心に、そちらの会議室のほうに私ども出張して、また労働基準監督署の協力も得まして、派遣法だけではなくて、労働基準法などの知識、また仕事探しの留意点ということも含めて説明をしているのがこの派遣セミナーでございます。 

 続きまして、指導監督でございますけれども、指導監督につきましては昨年度の実績につきましては、お配りしている資料の需-4にプレス発表資料をつけておりますけれども、平成22年度1年間では1,022件、これは職業紹介事業も含んだ数字でございますけれども、今年度も引き続き計画的かつ効率的にしっかり取り組んでいきたいと進めておりまして、この8月までのここに出ております数字は昨年度の実績を上回るペース、大体15%ほど上回っておりますけれども、そういった形で計画的に進めているところでございます。 

 それから、監督でございますけれども、手当たり次第にということではございませんで、きちっと計画を立てるということで、いろいろ情報が私どものほうに寄せられておりますので、それをきっかけにしていくということのほか、以前に指導監督に入って、法令違反などで是正をしてもらったところにつきましては、フォローアップとして、もう一度出かけてチェックをするといったような重点的な取り組みを行っているところでございます。 

 それから、行政処分の実施1社となっておりますけれども、今年の4月に無許可で労働者派遣事業をしていた事業者に対して、労働者派遣事業停止命令及び労働者派遣事業改善命令という行政処分を行っております。こうした処分につきましては公表しておりますので、法令違反をしている事業所に対する抑止効果、これもあるということで、今後とも重大な法令違反、また繰り返し法違反を行っている派遣事業主に対しましては行政処分も視野に入れた厳格な指導を行ってまいりたいと、そのように考えております。 

 それから、最後に、私どものほうで情報をいろいろ集めているところでございますが、派遣労働者の方を中心に苦情といいますか、私どものほうにご相談にお見えになることも多いわけでございますけれども、そういったご相談には真摯に耳を傾けまして、ご相談の中には監督署の関係、労働基準法とかに関係するようなものも多々含まれているんですけれども、じっくりお話をお聞きして、私どもで対応できるものはもちろんでございますが、均等法、ご相談の図式に沿った対応ができるように努めているところでございます。 

 私からは以上でございます。

 

○奥林会長 

 ありがとうございました。 

 では、最後に雇用均等室長、お願いいたします。

 

○荒川雇用均等室長 

 続きまして、雇用均等行政でございますが、男女の均等確保、パートタイム労働者の均衡待遇の実現、さらに育児・介護休業法、次世代法などの定着に努めているところでございます。  

 均等法をはじめといたします所管法の施行状況につきましては、お手元の資料、均等―1にまとめてございます。  

 均等法の関係につきましては、相談件数は若干増加の傾向にございます。内容的には、セクシュアルハラスメント、また妊娠など不利益取り扱いに係る相談が多く寄せられている状況でございます。 

 紛争の解決援助の申し立てでございますが、昨年度に比べますと、若干減少しております。このため、紛争の解決援助制度の一層の周知を図ることとしております。 

 また、表の中の4にございますように、性別による差別的な取り扱い事実が認められる企業に対しましては是正指導を実施しているところでございます。特に今年度は企業におきまして女性の採用、職域あるいは管理職の登用などについて男女間で格差が見られる場合には、その差の解消を目指すポジティブアクションの取り組みについて助言を積極的に実施しているところでございます。 

 続きまして、両立支援の関係でございますが、資料の2ページでございます。 

 昨年、改正がございまして、非常に多くの相談が寄せられましたが、今年度は相談件数が平年ベースに戻っております。また、改正法に新たに設けられました紛争解決援助の仕組み、こちらは着実に利用が進んでおりますので、制度の的確な運用に努めてまいります。 

 なお、育介法につきましては、従業員数100人以下の企業、こちらについては現在、育児のための短時間勤務制度など、法の施行が猶予されております。来年の7月からは義務づけとなりますので、法の内容につきましても周知徹底に努めているところでございます。 

 次世代法に基づく行動計画の届け出状況、資料の5ページでございますけれども、そちらは8月末現在の数値ですが、直近の数値を申し上げますと、本年の4月に計画の届け出が義務化されました101人から300人規模の企業の直近届け出率73.2%になりました。全国平均に対してはまだ低い水準にとどまっておりますので、積極的に指導を行っているところでございます。 

 計画を策定して一定の要件を満たした企業は、認定を受けて、「くるみん」というマークを表示して子育てサポート企業であることをアピールしていただくことができるわけでございますが、こちらにつきましては資料の均―4にお入れしてございますけれども、新たに「くるみん」を取得した企業を対象といたしました税制優遇制度が創設をされました。本制度についても周知を図りながら、「くるみん」マークの認定に向けた援助を進めてまいります。 

 次に、パートタイム労働につきましては、均―1の資料に施行状況をまとめてございますが、相談は減少傾向にございます。そうした中で、正社員への転換に係る相談が比較的多く寄せられているところでございます。また、労働条件の文書明示、正社員への転換の措置につきましては取り組みがおくれている企業も見られますので、指導などを行っているところでございます。 

 最後に、両立支援などの環境整備に取り組む事業主を支援するための助成金が整備されておりますので、ご紹介申し上げます。 

 均―2と3でございます。 

 まず、均―2の資料でございますけれども、両立支援関係の助成金でありまして、事業所内の保育施設の設置ですとか、あるいは中小企業における育児休業の取得の促進を支援するための助成金でございます。 

 また、均―3のご紹介の奨励金は、パートや有期契約の労働者の雇用管理の改善を図るための奨励金でございます。  

 いずれもこの秋から雇用均等室が支給を担当することになりましたので、雇用環境の一層の整備を進めるために、これら助成金の積極的な活用を促してまいりたいと考えております。 

 雇用均等行政、以上でございます。

 

○奥林会長 

 どうもありがとうございました。 

 たくさんの資料もいただいておりますし、事前に目を通しておられる委員もあると思いますので、資料全部含めまして、先ほどの事務局からの説明に対していろいろご意見をいただきたいと思います。どなたからでも結構ですが、いかかでしょうか。では、多賀委員、お願いします。

 

○多賀委員 

 連合大阪の多賀でございます。 

 大変多岐にわたっていますので、幾つか絞って教えていただきたい。 

 1つは最賃の件でありまして、786円ということで生保の乖離が達成できたということでした。しかしながら、この金額では私たちが求めているディーセントな働き方というところにまだ至っていないという認識をしていますし、さらには、それ以下で働かざるを得ない労働者が存在すること、未満率というような言葉がまだあるわけですから、そこをぜひ解消していただく取り組みの強化をお願いしたいということが1点であります。 

 また、それに関連して、中小企業支援施策という部分では労働組合も同じ思いでございますが、相談窓口をつくられておるということでございますので、実際にこういう機能をつくられたことが有効に機能しているかどうかの分析についてお教えいただければと思っております。 

 それと、2点目が求職者支援制度についてでありまして、これも私どもも求めていた制度ということで非常に評価をしているんですけれども、何分新しい制度でございまして、こういう制度ができたということを周知するためにどのようなご努力をされているか、周知方法についての現状について教えていただきたい。 

 それと、3点目、均等行政のところでありまして、ポシティブアクションの助言等の件数が、数カ月の間で既に昨年の数を上回っているということで、非常にアクティブな行動をされているというふうに思うんですけれども、その背景、なぜこんなに年間の数字を既に数カ月で上回るようなことになっているのかという点の背景について教えていただければと思います。 

 以上です。 

 

○奥林会長 

 ありがとうございます。以上3点ほど質問が出ております。事務局の方、よろしくお願いします。

 

○辻労働基準部長 

 まず、最低賃金の関係でございますけれども、今年度は、4月から9月までの監督指導、資料3の7ページになります。 

 最賃の主眼監督を実施しておりまして、前半で、「328件」となっておりますが、9月末まで336件ということで、違反率が6%になってございます。ご指摘のように、地域最賃も、それから産業別最賃のほうもかなり未満率が高くなっておりますので、産業別最賃につきましても重点的に実施したところでございます。それから、さらに、この1月、23年1月にも地域最賃を中心にいたしまして、これは597件の集合監督を実施いたしました。このときの違反率は10.6%でございました。 

 公労使でご答申いただきました最賃ですので、周知した上で、履行確保するということにつきまして、地域最賃、それから特定最賃のほうも含めまして、しっかりとやってまいりたいと思います。 

 それから、相談支援の関係でございますけれども、実績につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、これがうまく、せっかく設けました制度でございますので、さらにこの活用が図られるように、引き続き周知、PRに努めていきたいと思っておりますし、それから専門家派遣というのが48件、現在までにあるわけでございますけれども、例えば就業規則の改正見直しですとか各種助成金の活用について指導してほしいとか、あるいは賃金制度の見直しをしたいんだけれども、どうしたらいいんだとか、さらには、資金調達とかマーケティングとか、こういったことも含めての支援のご相談も幾つか来ているようでございますので、終わった段階での満足度というのを確認させていただきまして、また検証をした上で来年度につなげていきたいというふうに考えております。

 

○黒田職業安定部長  

 求職者支援制度についてお答えをいたしたいと思います。 

 この求職者支援制度は、ご存じのように、基金訓練からの移行でございます。この半年で申込者数1万4,700人という数字をいただいておりまして、それをクリアしていく、10月にスタートをしたわけでございます。10月に2,300人という数字で、先ほど申し上げました1,900人ほどということでございます。まだまだ、基金訓練では毎月大体3,000人ぐらいの応募がございましたので、若干減少しているかなという感じでおります。 

 広報につきましては、6月、7月、8月と、早い時期からマスコミ等もお願いをいたしまして広報してまいりましたし、ハローワークの窓口におきましては大きいパンフレット、ポスターもつくりまして、広報をしてまいりました。ただ、先ほど申し上げましたが、定員にいかない場合は、訓練をしていただいておる訓練施設に対しましても十分でなくなってくるということがありますので、きっちりと広報をしまして定員を守っていきたいなと、このように考えております。ご協力よろしくお願いをいたします。

 

 以上です。

 

○奥林会長 

 では、均等室長、お願いします。

 

○荒川雇用均等室長 

 ポジティブアクションの助言等の件数が大幅に増加しているという点につきましてのご質問をいただきました。 

 ポジティブアクションといいますのは、各企業におきまして制度としては男女差別的な取り扱いがないのに、実態として男女労働者の間で生じている格差、こういったものの解消に向けて企業において自主的に取り組んでいただく取り組みをいうわけでございます。 

 このポジティブアクションにつきましては、政府の目標といたしまして、これは子ども・子育てビジョン、あるいは昨年の12月に閣議決定されました第3次の男女共同参画基本計画におきまして取り組む企業の割合を平成26年、4割、40%を超えるという目標が立てられているところでございます。 

 現状を見ますと、これは昨年の調査でございますけれども、こういった取り組みを進めていらっしゃる企業の割合は3割弱という数字がございます。そうしたこともありまして、まだまだこのあたり、取り組みを積極的に進めていただくように企業に対する働きかけを行っていく必要があるということで、今年度は特に行政運営方針の中にも、そのあたりを重点項目の一つとして掲げているところでございます。  

 そうしたこともありまして、雇用均等室におきましては、年間を通じまして府内の企業をお訪ねして、雇用管理の実態についてお話を伺って、雇用環境の改善を目指すというふうな業務を行っております。その中で格差等が見られました場合には、積極的な取り組みについての助言を今までにも増して積極的に取り組んでおりますので、この結果が件数の増加につながっているかというふうにとらえております。 

 以上です。

 

○奥林会長 

 事務局も積極的に努力しておられるということのようであります。 

 ほかに。では、お願いいたします。

 

○中村委員 

 1点だけ、障害者雇用についてお聞きしたいと思うんですが、21ページに雇用支援あるいは税制上の優遇策とか、いろいろ書いておりますが、障害者が生き生き働く世の中を目指すべきだろうというふうに思っております。その気持ちは一緒だと思います。いろいろ特例子会社制度とかあるというのは承知しておるんですけれども、公共が、公共施設がもっともっと前向きにアクションを起こしていくべきではないんかなというふうに考えております。 

 例えば、1点は地下鉄駅の空きスペースというんですか、乗り降りが少ない若干もうからない駅もあると思うんですが、堺筋本町駅に障害者団体のショップができておるんですね。無償で提供しておるというふうに聞いております。例えば市役所とか区役所とか、公共施設の中で、空いた、もしスペースがあるようならば、そういった団体に例えば無償とか極めて低廉、安価で貸し出すとか、あと障害者の方を雇用したら、入札のときに、総合入札制度というか、そういったことを、安価だけではない入札制度も当然やっておられるというふうに思っております。 

 最後に、何が言いたいかといいますと、公共、そういった機関に指導といいますか、要請といいますか、どんどんそういった場所を提供していくような施策も考えていただいたらありがたいかなというふうに思っております。そういった状況についてお知らせください。

 

○奥林会長 

 では、事務局、お願いいたします。

 

○黒田職業安定部長 

 障害者雇用につきましては、日ごろからご協力ありがとうございます。 

 委員お示しの内容につきましては、また検討を進めてまいりたいと思います。ご存じのように、一般企業の場合は雇用率は1.8%なんですが、公共の場合はもっと高いわけでございまして、その率はほとんど一応クリアをしておりますが、正直申し上げまして、各市町村の教育委員会とかというのはまだクリアしていないところもあったんですが、何とか現在はほとんどの公共機関におきましての雇用率は達成をしている状況でございます。 

 委員お示しのように、障害者の雇用というのは我々の行政が率先をしてやっていかないといかない、おっしゃるとおりだと思います。ちょうど5年ほど前から我々といたしましてもチャレンジ雇用ということで、知的障害者を現場で雇用しておるわけでございますが、正直申し上げまして、最初、いけるのかなという状況でございましたが、知的障害者の方を実際雇って、職場で一緒に仕事をしていく中で、本当に理解が足らなかったなという状況で、反省をしております。そういったことをもとにしまして、委員お示しのとおり、公共が率先をして障害者雇用を進めてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。

 

○奥林会長 

 ありがとうございました。公共の施設が率先していろいろな改革を行っていく、特に障害者の雇用というふうなところではモデルになってほしいということだと思います。  

 ほかにご意見、ご質問等ございませんでしょうか。では、服部委員、お願いします。

 

○服部委員 

 ただいま中村委員からご質問が出されました障害者雇用に関して私も1つ教えていただきたいなと思うことがございますので、お願いいたします。 

 今回のご報告、報告書はさきにいただいておりまして、労働局は非常に積極的に取り組んでおられるのはよくわかりましたので、ぜひ、こういった現状について周知という意味での啓発、そういう先進的な事例が広く府民あるいは府民に限りませんけれども、皆さんに理解していただけるような啓発がもしされているのであれば、それを教えていただきたいなと思います。まだそれをされていないという状況であれば、今おっしゃったような先進的な事例を何かの機会にお知らせいただくと、よいのではないかと。 

 というのは、福祉の領域から申し上げますと、障害者の自立支援法の関係で、やはり障害者雇用の問題は大きな課題になっているのですが、なかなか現場では進みませんので、労働局のほうでそういった進んでおられる状況に関して広くお知らせいただく機会を今後設けていただきますとありがたいと思いますので、そのあたりの点についてもし何かございましたら、教えていただきたいと思います。

 

○奥林会長 

 では、お願いいたします。

 

○黒田職業安定部長 

 障害者雇用を進めていく中で、各ハローワークにおきましては企業専門の雇用指導官を配置いたしまして、毎年6月1日に6・1報告といいまして、その数字をここに掲げておるわけでございますが、被保険者数、被保険者がいてるところを必ず回って、企業のところで障害者の雇用率を全部報告させておるわけでございます。それで1.8%に満たないところにつきましては、集中的に、勧告を含め、指導に行っておるわけです。そういったことで一応、雇用率を上げていっておるわけですが、先生お示しのとおりに、こういった事例があるとか、そういうところにつきましては確かにちょっと弱いところだと思います。 

 あと、障害者雇用促進月間等々を通じまして、マスコミ等を通じまして、こういった事例がありますよということをもっともっと我々は発信していく必要があるだろうなと思いますので、今後、そうしてやっていきたいと思います。

 

○奥林会長 

 よろしいでしょうか。

 

○西岸局長 

 9月は全国的に障害者雇用促進月間という形で、例えば優良事業所とかについては表彰したりしておりまして、その点、労働局としてもいろいろ情報提供しておりますし、6月1日現在の状況というのを今まとめさせています。まとめまして、そのときに数字をご説明するとともに、あわせて、こういうことをやっていますよということ、これからこういう指導をしますということの中で、優良、いいところなんかも、こういうことをやっていますよというのをまた周知を、去年もやっておりますが、毎年やってまいりたいと思います。 

 我々の関係団体で高齢・障害・求職者雇用支援機構というところでも、いろんなうまくいった事例なんかをまとめたものがあるので、そのあたり、まとめているんですが、先生おっしゃるように、府民の方に十分伝わっていないかもしれませんので、そのあたり、現にまとめているものがあります、そのまとめている分がちゃんと目に触れられるようにまた機会を設けて周知をさらにやってまいりたいと思います。 

 やはり非常に、特例子会社とかを含めて、いい取り組みをしていっているところ、そういうものを見ていただきながら、他の事業所さんも、雇用率の制度もあり、法令違反ということもあるので、各事業所さんも非常に気にされているんですよね。なかなかいい、うまくいったという例を伝えないといけない。我々も個別の事業所に対してはこういう形でやってきましたけれども、全体的にそういう雰囲気が上がってくるように、いろんな機会を設けて、また周知等やってまいりたいと思っております。 

 

○奥林会長 

 はい。

 

○服部委員 

 今おっしゃったことに関して、ちょっと関連で、この場をかりてお礼を申し上げたいですけれども、先般、私どもの大学の学生がマザーズハローワーク等を見学させていただいて、非常によい機会をいただいたのですが、参考までにまた差し上げようと思っていますが、それらの学生からの、いろんな感想文が見られたのですが、そこで1つわかりましたのは、労働局の今回のご報告を含めて非常によくやっておられるのはわかりますし、それは、どちらかというと、極めて、働いている方ご本人たち、それから経営者の方々に対してはよく発信がなされているのですが、直接に関係がない若い世代とか、あるいは一般市民向けの発信をしていただきますと、それが広く障害者雇用を含めて、それからマザーハローワークですと、働く主に女性、お母さんの状況に関しての実情が伝わると思うんですね。 

 学生の非常に印象的な感想を1つご紹介しますと、どちらかというと、古い言葉で職安というのがございますが、すごく暗いイメージを持っていた、ところが、見学させていただいて、こんなふうになっているのかというので、非常に認識が改まったという感想が幾つか寄せられておりました。これは学校というのですか、教育の場でも、どちらかというと、古いイメージ発信しかできなかったところがございますので、実情はどんどん進んでいるところが、案外、行政の最前線が市民の方に伝わっていない側面がございますので、ぜひ多角的な発信をいただきますと、より意識啓発に資するのではないかなと思いますので、そのあたりのところ、障害者雇用に関してもぜひお願いをしたいというところです。 

 それが最終的に、むしろ側面から事業者の方たちの意識の向上にもつながっていくのではないかなと。経営者さんたちにはまずはなさっているかとは思いますし、労働組合さんにもよく伝わっていると思うのですが、現場で働いている方たち、それから広く府民、市民の方への発信をお願いしたいと思います。 

 以上です。

 

○奥林会長 

 はい。

 

○西岸局長 

 障害者だけではなくて、学生さんなんかについて、これは実は若年者対策でございますが、大学なんかにもハローワークというものを知っていただくこともあって、最近、学生職業センターが出かける学生センター事業といって、学校に伺って、いろんな相談も含めて、そこで学生さん、もちろん就職部の方とご相談した上でやらせていただいて、そこで知っていただいた方に今度ハローワークに来ていただくという形でやっておりまして、知っていただくことが大事だと思います。  

 特に大学生の場合、従来、学校で、あるいは自分でやるということだったのですが、なかなか厳しい状況の中で、やはり学校なりご自分で動くことができないところ、そういうのをハローワークを使っていただくことを含めて、特にここ2年ぐらい強化しておりますので、その辺を若い方にも知っていただくという形で、就職問題というのは一番、学生さんにとって大事なことなので、それを通じてハローワークの動きを知っていただく、そういう動きもやっているところでございます。

 

○奥林会長  

 よろしいでしょうか。 

 議長が発言するのはあまりよくないのかもしれませんが、若者とか学生の問題が出ましたので、私の経験を少しお話しさせていただきたいんですが、各大学に出向いていただいて若者の就職支援をやっていただいて、私の大学でもセミナーをやっていただいて、大変ありがたいと思っております。お礼申し上げます。 

 ただ、もう一つ、実は、留学生の就職活動の際に、就職部に資料を持っていって、こういうふうな活動をやっているので、ぜひ活用したらどうですかというふうに勧めますと、やはりハローワークでやってもらえることというのはかなり制約があるというのか、限界があって、本当に学生の状況にぴったり合うような、なかなか指導がしてもらいにくい、だから、逆に言えば、留学生なども積極的にセンターに来ていないというふうな話を聞きました。 

 そこから言いたいことは、学生とか、あるいは若者たちの需要とか気持ちとか、そういうことについてかなり知っていただいた上で対応していただく。つまり、悪く言えば、行政的な紋切り型の指導ということではなくて、もう少し突っ込んだ指導をしていただくと、学生なども気持ちが通じて、センターへ行ってみようか、ハローワークへ行ってみようかという気になるのではないか、そういう努力も行政の側では必要ではないかなというのをちょっと感じまして、この機会をかりてお伝えしておきたいというふうに思います。 

 何かその点についてご意見がありましたら、事務局のほうから。

 

○黒田職業安定部長 

 先ほどの留学生の関係ですが、今現在、大阪外国人雇用サービスセンターのほうで21年度からインターンシップを取り組んでおるんですが、21年度で50人、22年度で46人ということで、今年は上期が終わりまして、まだ20人ぐらいなんですが、留学生のインターシップを通じて早い時期から企業のほうにも理解をいただくといったような訪問事業をかなり活発に今後進めてまいりたいと考えております。

 

○奥林会長 

 留学生のインターンシップを地域でまとめてやるというのは非常に新しい試みですし、役に立つのではないかなと思います。ぜひ続けていただきたいと思います。 

 それでは、ほかに何か。お願いいたします。 

 

○藤原委員 

 関西経済連合会の藤原ですけれども、1点質問と、あともう一点、意見を申し上げたいと思います。 

 質問は、雇用促進税制についてです。 

 雇用促進税制について、この資料で計画の受理件数で「58件」とありますけれども、これは想定どおりなのか、想定より低いのかですね。それからまた、その58件の例えば企業さんの特徴、業種はこの業種が多いとか、あるいは企業規模はどうかとか、そういった特徴があるかどうかというところを伺いしたいと思います。 

 もう一点は意見ですけれども、雇用問題につきましては労働行政でコントロールできない、例えば先ほども言われた円高問題とか、あるいは昨今の電力問題、特に電力問題はこの夏、今後冬に向けて非常に大きな問題となっていくところでして、それは雇用に大きな影響を与えるというふうに懸念しております。その点、特に我々も企業ヒアリングして、中小企業さんの場合、今後、このまま電力不足が続いていった場合は、どうしても新規の採用の抑制とか雇用も抑制せざるを得ない、そういう声も聞いておりまして、そういった雇用問題の関係が、ほかの省庁あるいは政府内でしっかりもっと発言をしていただきたいと思っています。我々もいろいろ政府に申し上げていますけれども、そういう政策課題について雇用に影響を与える場合については、しっかり政府内に意見をお願いしたいと、そういうふうに思っています。 

 以上です。

 

○奥林会長 

 ありがとうございます。 

事務局、お願いします。

 

○黒田職業安定部長 

 ご質問の雇用促進税制でございますが、9月の末で現在242件でございます。先般、朝日新聞に出ました、非常に条件が厳しい、それから円高や欧州の財政危機などで大幅な新規採用を続ける企業は少ないのではないかと。初めての試みでございまして、どういった件数が出てくるかなというのも我々はっきりわからなかったわけですが、早い時期からリーフレットにつきましては6,150枚、それから大阪労働局のホームページにも掲載をいたしました。 

 それから、商工会議所の大商ニュース、これは4万部発行されておるんですが、そこにも載せていただきましたし、中小企業団体中央会にほうにもお願いをいたしました。また、労働保険事務組合、それから雇用開発協会、社保士協会等々の団体を通じて、こういう税制が新しくスタートいたしましたよということでお話を申し上げたわけですが、大企業につきましては10%の雇用人数ということですので、非常に厳しい数かなということ、その点がネックになっているのかなと思います。藤原委員のご質問にありました、どういった業種かというのは、この分析はしていませんが、中小企業がほとんどで、大企業は242件にほとんどございません。 

 初めての試みなので、雇用を促進していくという意味では、我々としては一つのツールということで考えておりますので、今後も業界団体を通じて普及していきたいと思っております。

 

○奥林会長 

 よろしいでしょうか。はい。 

 あと、ご意見として出ていました経済の発展のほうにいろいろ厚労省からも発言してほしいということにつきましては、またそれぞれの機会で発言していただいていると思いますので、今後とも継続していただきたいと思います。 

 ほかに。

 

○奥林会長 

 多賀委員、どうぞ。 

 

○多賀委員 

 1点だけです。 

 重点施策5ページのところの労働法令を新卒者にセミナーの中で教えていくという取り組みをされている、これは非常にいいことだなというふうに思っています。それと、また中高生にも今後拡大をするというようなことも計画されているということで、これも非常にいいことだなと思っていますが、現在やられているものの規模、どの程度の参加者でやられているのかを教えてほしいのと、今後、中高生にも拡大する場合の計画、そういったものがあれば、教えていただきたいということ、それから、この件に関しましては、労働界も含め、経済界も含め、結構就労前の若者に対していろんな取り組みをしていますので、もし連携をとってやれるようなことがあれば、検討していただければと思います。  

 以上です。

 

○奥林会長 

 では、事務局、お願いいたします。

 

○辻労働基準部長 

 「就勝!セミナー」のほうは、まず小さく産んで大きく育てるということで、4月以降、毎月1回、これまでに6回ないし7回ぐらいはやっておりまして、1回の参加者は20名ないし30名程というような状況でございます。 

 それから、あと中高生への取り組み、これからの取り組みになりますけれども、労働基準部から各学校に、そういった要請があれば、講師として行かせていただきますよといった連絡を差し上げておりまして、現在、実際に4校ぐらいから申し出がございますので、そういったところについて講習をしていきたいと考えております。

 

○多賀委員 

 新卒者、新規学卒の就活となりますと、中高生にも就活という中で労働法令を教えるということなんですか。

 

○辻労働基準部長 

 特に就活というよりも、中高生につきましては、我々の気持ちとしたら、就職を希望されている方を中心にということですが、必ずしも限定しているわけではありません。それは学校のほうからの要望に応じて労働基準法なり労働契約なり、そういった法令をわかりやすく説明させていただいてます。重点を置きつつも、特に区分けをしているわけではないということです。

 

○西岸局長 

 「就勝!セミナー」というのは、学生職業センターで、さっき言った新卒なり既卒学生さんに対するいろんな支援の中で、1カ月で四、五コマぐらい、例えば最初は面接の仕方、最後、模擬面接まで含めていろいろなこと、それを1カ月間受ければかなり、一度自信を失った学生さんも、もう一度就職活動できるだろうというところまで持っていくための一連のカリキュラムがあります。  

 その中で、昨年あたり、もう少し労働法令についてもやっぱり知っておくと就職活動なり、あるいは入ってから役立つというご希望があったものですから、一つ基準法令関係を入れて、就職活動をする段階でも企業のことをよくわかりながら就職活動したいということがあったので、そのご希望に応じてということです。もともとセミナーの形が2、30人ぐらいの範囲内でやっているものですから、学生職業センターに来ていただいてセミナーを受けようとされている方に対するという形で始めております。 

 中高生の場合は、どこまで広げていくか、今後の問題と思うのですが、いわゆる職業教育みたいなものについては別途、学校のほうに、高校生については伺って、いろいろな職業観だとか、そういうことについてのアプローチはしていますけれども、学校はそういうのを受け入れて、我々の話を聞いていただくというその仕組みの中で、希望をお持ちなら、そういう中に例えば法令について教えてほしいという話が出てくれば、受け入れますし、場合によってはそういうものを安定行政で回るときに、例えば労働法を聞きたいのがありますかということをもう少し、今の多賀委員のお話はいいと思いますので、その話を受けて、少し呼びかけてみて、もしあれば、お客さんということで対応するのを考えてみたいと思っております。

 

○多賀委員 

 連合大阪にも若い人からの労働相談が、いっぱいあるんですけれども、労働法令をほとんど知らないというケースがあります。基本的な考え方を多少知っていれば、こんなにもめなくて済んだだろうにというケースもいっぱいありますので、日本で働くことのスタンダードというか、考え方の基本をわかりやすい資料でメニューとしてきちんと入れていただくよう、ご努力をお願いしたいと思います。

 

○奥林会長 

 重要だと思います。教育現場におります者としましては、実は、キャリア開発とか、あるいはインターンシップとか、あるいは就職とかということについては非常に積極的に語るんですけれども、しかし、他方では労働者が法律によって守られていますよということについてはなかなかそこまで教えていないというのが実情のような気がいたします。そういうことを踏まえますと、就職と同時に労働者の側の権利なり、あるいは保護されている状況というのも同時に教えていただくと、勤労生活を向上させるという面では非常にいいのではないかなというふうに思いますので、この点も同時にご留意いただければ大変ありがたいと思います。 

 ほかにありませんでしょうか。 

 それでは、ほぼ議論も出尽くしたように思います。事務局の皆さんは本日出ました意見をこれからの労働行政に積極的に活用していただいて、的確な施策に反映していただくようにお願いしたいと思います。 

 議事の最後になりますけれども、その他ですけれども、事務局のほうからお願いいたします。

 

○鈴木企画室長 

 本審議会の公開手続についてでありますが、先ほどご説明いたしましたとおり、本審議会は原則として公開することとされており、その具体的な手続につきまして大阪地方労働審議会傍聴規程というものが定められております。 

 本日、机上配付させていただきました厚生労働省組織令ほかの資料の末尾2枚に傍聴規程及び傍聴規程の改正案というものを載せておりますので、ご覧いただきたいと思います。 

 傍聴申し込みの周知につきましては、現行では、第2条の規定によりまして、大阪合同庁舎第2号館掲示板への掲載により行っております。 

 なお、当局に設置されております大阪地方最低賃金審議会の公開手続について申し上げますと、傍聴申し込みの周知方法といたしましては、掲示板への掲示とともに、大阪労働局ホームページの掲載により行われております。 

 本審議会につきましても、末尾に添付しております改正案にお示ししているとおり、現行の掲示板への掲示に加えまして、大阪労働局ホームページへの掲載を行うことにつきましてご意見をいただければと思います。 

 以上です。 

 

○奥林会長 

 ありがとうございました。 

 ただいまの説明に対し、何かご意見、質問等はございませんでしょうか。 

 では、ないようですので、この審議会といたしましても、傍聴規程の第2条につきましては、現在の大阪の合同庁舎第2号館掲示板に掲示するということだけではなくて、それと同時に局のホームページに掲載して周知を行うというふうに変更したいと思います。これでよろしいでしょうか。はい。ありがとうございました。 

 それでは、予定しておりました議事がこれですべて終了いたしました。特にご発言等はございませんでしょうか。  

 では、ないようですので、きょうの審議につきましてはすべて終了させていただきます。長時間どうもありがとうございました。

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