平成24年度第2回大阪地方労働審議会議事録
1 開催日時
平成25年3月14日(木)午後3時から5時
2 開催場所
KKRホテル大阪 2階 白鳥の間
(大阪市中央区馬場町2-24)
3 出席者
(1)委員
公益代表
奥 林 康 司 委員
小 嶌 典 明 委員
石 田 信 博 委員
服 部 良 子 委員
労働者代表
明 知 友 紀 委員
今 宮 正 信 委員
多 賀 雅 彦 委員
松 本 昌 三 委員
使用者代表
小 野 幸 親 委員
島 岡 秀 和 委員
立 花 佳 枝 委員
留 目 壽 幸 委員
堀 田 義 高 委員
(2)事務局
局長 森 岡 雅 人
総務部長 村 松 達 也
労働基準部長 辻 知 之
職業安定部長 上 谷 博 彦
需給調整事業部長 名 田 裕
雇用均等室長 大 西 ふみ子
4 議題
(1)平成25年度大阪労働局行政運営方針(案)について
(2) 大阪府男子既製洋服製造業最低工賃及び大阪府タオル製造業最低工賃について
(3)その他
ア 一体的実施について
イ 平成25年度の大阪府雇用施策実施方針(案)について
ウ 大阪地方労働審議会港湾労働部会の開催状況について
5 議事
○企画室長 定刻となりましたので、ただいまから平成24年度第2回大阪地方労働審議会を開催いたします。
私は企画室長の鈴木と申します。どうかよろしくお願いします。
お手元の資料につきまして、説明させていただきます。会議次第、委員名簿、それから会議資料につきましては事前に送付させていただいておりましたが、会議資料の構成といたしましては、まず共通資料といたしまして行政運営方針関係で4点、それぞれ右肩に番号を振っております。また、各部室の資料といたしましては、それぞれ色紙を表紙といたしまして、タックシールを付してとりまとめております。本日は、追加資料等はございません。
それでは、奥林会長よろしくお願いします。
○奥林会長 皆さん、こんにちは。関西では、奈良のお水取りが終わりますと、もう春らしくなるというふうに言われていますけれども、まだ暖かくなったり寒くなったり、暑さ寒さも彼岸までということで、気候の変化が激しくて風邪を引いておられる方もよく見かけます。
今日は、平成24年度の第2回の大阪地方労働審議会ということになります。
それでは最初に、森岡局長からご挨拶をお願いいたします。
○森岡局長 本日はお忙しい中、この会議にお集まりいただきまして、ありがとうございます。奥林会長、小嶌会長代理を始めとしまして、委員の皆様には日ごろから労働行政の推進に、大変ご協力いただいていること、この場を借りましてお礼を申し上げます。
最近の経済情勢でございますけれども、政府が発表しておりますこの2月の月例経済報告によりますと景気は一部弱さは残るものの下げ止まっているとされておりますが、雇用情勢につきましては厚生労働省におきまして、現在の雇用情勢は緩やかに持ち直しているものの依然として厳しい状況にあると判断しているところでございます。
こういった中、大阪におけます雇用情勢につきましては、有効求人倍率はこの1月では0.85倍で、3カ月連続で上昇しておりますけれども、いまだにリーマンショック前の約1倍台までは回復してないという状況でございます。また近畿におけます今年の卒業予定者の大学生の就職内定率を見ますと、12月1日現在で77.1%でございまして、前年同期と比べると5.2ポイント改善されておりますけれども、依然として厳しい状況にあると考えております。
こういった状況の中で、政府におきましては日本経済の再生を最重要課題として掲げているところでございまして、経済再生に向けまして長引く円高、デフレの不況からの脱却、雇用の所得の拡大を実現するため、本年1月11日には日本経済再生に向けた緊急経済対策を閣議決定したところでございまして、日本経済再生に向けた施策を実施していく中で、厳しい雇用情勢の改善に取り組むとともに個人の可能性が最大限発揮され、雇用と所得の拡大をする社会の実現に向けて取組を進めていくということにしているところでございます。
こういった全体の動きの中で、大阪労働局におきましては労働行政に寄せられる期待に応えるべく、全力を挙げて各種施策を推進していくとしているところでございます。平成25年度の行政運営に当たりましては、「誰もが活き活きと安心して働ける元気な大阪」、これをスローガンに5つの目標を定めまして、基準行政、安定行政、均等行政の3行政の連携をさらに強化しまして、職員が一丸となってこの情勢を打破していこうと取り組んでいるところでございます。詳細につきましては、この後各部室長からご説明させていただきますので、よろしくご審議のほどお願いいたします。
本日はこの行政運営方針以外にも、最低工賃についての諮問、一体的実施及び平成25年度大阪府雇用施策実施方針案、それから大阪地方労働審議会港湾労働部会の開催状況についてご説明させていただきたいと思います。
本日は限られた時間でございますけれども、労働行政全般にわたりまして、皆様からの忌憚のないご意見を改めていただきますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○奥林会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日の出席状況につきまして、事務局からご報告をお願いいたします。
○企画室長 本日は、公益代表委員4名、労働者代表委員4名、使用者代表委員5名の計13名の委員の皆様にご出席いただいておりますので、地方労働審議会令の規定によりまして、本審議会が有効に成立しておりますことをご報告申し上げます。
次に会議の公開について、ご説明いたします。
大阪地方労働審議会運営規程により、本審議会は原則として公開することとされており、その具体的手続につきましては、同会傍聴規程に定められております。本日の審議会につきましては、この傍聴規程に基づき、開催の周知を行いましたが、傍聴の申し込みがなかったことをご報告いたします。
また、当該運営規程により、本会の議事録についても公開することとされております。議事録につきましては発言者のお名前も記載させていただきますので、ご了承よろしくお願いします。
以上でございます。
○奥林会長 はい、どうもありがとうございました。
では審議に入ります前に、前回の11月以降に審議会委員となられました方を紹介したいと思います。
配っております資料の中に、大阪地方労働審議会委員の名簿がありますので、それを見ていただきたいと思います。まず労働者代表委員からご紹介したいと思いますが、明知委員です。簡単にご挨拶をお願いします。
○明知委員 連合大阪から来ました明知と申します。前任者同様、よろしくお願いします。
○奥林会長 同じく労働者代表委員の松本委員です。お願いします。
○松本委員 こんにちは。UAゼンセン大阪支部の松本と申します。よろしくお願いいたします。
○奥林会長 ありがとうございます。では続きまして、使用者代表委員になられました留目委員、よろしくお願いいたします。
○留目委員 竹中工務店の留目です。よろしくお願いします。
○奥林会長 はい、ありがとうございます。
では次に、平岡委員と重田委員の辞任に伴う本審議会の労働災害防止委員会の指名ですけれども、地方労働審議会令第6条第2項において、部会の委員は会長が指名するということになっております。そこで労働災害防止委員会委員の労働者代表委員として松本委員を指名いたします。また使用者代表としまして、留目委員を指名いたします。よろしくお願いいたします。
それから議事録署名委員の指名をしたいと思いますが、私のほか労働者代表委員から、明知委員さん、お願いいたします。それから使用者代表委員といたしまして堀田委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、審議に移りたいと思いますが、議事にありますように、今日は「その他」を入れまして議題が3つあります。一応、議事進行の目安としまして、4時15分ぐらいまでを第1の議題の時間に使いたいと思います。それから4時35分までを第2の議題、その後4時45分ぐらいまでを第3の「その他」にしまして、最終5時に終了したいと思います。これはあくまでも目処でありますが、そのように進行したいと思いますので、ご協力をお願いいたします。
それでは第1の議案に移りたいと思いますが、資料を事前に配付しておりますので、事務局からの説明については簡単にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○総務部長 総務部長の村松でございます。
私から冒頭ご説明申し上げた後、各部室より、各施策についてご説明を申し上げたいと思います。
共通資料の1、2、3が関係の資料でございますが、1につきましては、来年度の行政運営方針の案、2がそのダイジェスト版ということであらましというものでございます。これら来年度の行政運営方針を作成するに当たって、今年度の取組状況をPDCAという形で、実際何を行い、それをどうチェックし、来年度にどう取組を進めていくかということを網羅的にまとめた資料が資料の3ということでございますが、時間の関係もございますので、共通資料の1で全体の概要を確認していきたいと思っております。
共通資料1の表紙をご覧いただけば、スローガン及び5つの目標が掲げてございます。スローガンにつきましては、今年度と引き続き「誰もが活き活きと安心して働ける元気な大阪」ということで、これを進めてまいりたいと思っております。柱書きのところにございますように、経済社会の活力の向上と地域の活性化に向けた雇用対策を推進するとともに、安心して働くことができる環境を整備するため、5つの目標として掲げ、職員が一丸となって取り組んでいくこととするということにしております。5つの目標はここに記載のとおりでございます。
1ページめくっていただきますと、大阪労働局が目指すものということで、先ほどの5つの目標ごとに、その具体的なメニューの主なものを列挙してございます。いわば来年度の大阪労働局が取り組む行政施策の全体像、主要な施策の一覧ということになります。
そしてもう1ページめくっていただくと目次となっておりますけれども、私からは第2の行政展開に当たっての基本的対応という部分と、第3のうちの総務部関係の部分を簡単にご説明申し上げます。
7ページをご覧いただきたいと思いますが、行政展開に当たっての基本的対応でございます。まず地域における総合労働行政機関としての機能を発揮するため、基準行政、安定行政、そして均等行政の各行政間の連携を図ることが重要であるということで、例えば大手家電メーカーを始めとした大量雇用変動事案に対応するため、引き続き局内関係部署及び監督署、ハローワークが連携を緊密に図りながら、把握と、的確かつ正確な対応を行っていくこととしております。
また、効率的かつ計画的な行政運営の推進ということで、計画的な行政運営、また簡素、合理化やコスト削減などに向けて各種取組に努めてまいります。
次に地域に密着した行政の展開をするということで、大阪の社会経済情勢の的確な実態把握に努めるとともに、地方自治体、労使団体等関係機関と積極的に連携するほか、積極的に広報を実施するといったことにより、労使はもとより国民、府民全体の労働行政に対する理解と信頼を高めるよう努めてまいりたいと思っております。
さらに保有個人情報の厳正な管理及び情報公開制度、個人情報保護制度への適切な対応を図るとともに、綱紀の保持、行政サービスの向上といった点についても、引き続き努めてまいりたいと思っております。
次に53ページでございますけれども、総務部関係の労働保険適用徴収業務についてでございます。労働保険制度につきましては、それ自体が労働者のセーフティネットであるとともに、セーフティネットである各種施策を推進する財政的基盤となるものであるということを踏まえ、費用負担の公平な確保等の観点から保険料の収納率の向上、そして未手続事業の一掃というものを重点施策として進めてまいります。
最後になりますが、55ページですが、個別労働紛争解決制度についてでございます。労働局及び府下の労働基準監督署に総合労働相談コーナーを設置しております。年間約12万件の相談が寄せられておりますが、いじめ、いやがらせ、非正規労働者の雇い止めなど、複雑な個別労働紛争が増加をしている中で、いわゆる労働問題のワンストップサービスの拠点として機能を発揮し、その迅速な解決を図るということとしております。
以上、総務部関係でございます。
このあと、第3のうちの各行政の重点施策についてそれぞれご説明を申し上げます。
○奥林会長 お願いいたします。
○労働基準部長 労働基準部長の辻でございます。説明させていただきます。
共通資料1の14ページからをご覧いただきたいと思います。
まず(1)の労働条件の確保・改善対策でございます。
雇用をめぐる状況が依然厳しい中で、まずは労働者からの申告、相談について優先的に迅速な対応を図ることとしております。それから依然として長時間労働あるいは賃金不払い残業などの情報等が多数寄せられているという現状も踏まえまして、監督官による監督指導につきましては、これらを中心に継続して取り組んでいくこととしております。
15ページになりますが、11月には過重労働解消キャンペーン(仮称)を実施いたします。この時期を捉えまして、労使当事者が時間外労働協定を適正に締結いただくよう、周知啓発に努めてまいることとしております。
また、改正労働契約法の周知につきましては、本年4月改正法が全面施行されますので、円滑施行が図られますよう、本省が作成予定の無期転換後の雇用管理に関する先進好事例なども活用しながら、引き続き周知に努めるとしております。
また労働法令につきましては使用者のみならず、労働者あるいは労働者にこれからなろうとする方々への周知啓発、さらには有期契約のパートタイマーなどの非正規労働者を多く雇用する企業を対象といたします労務管理セミナーを労働基準協会と連携して実施していくということにしております。
それから16ページになりますが、特定分野として柱立てをしております。自動車運転者、介護労働者、外国人技能実習生などの労働者につきましては、その勤務態様から生じる諸事さまざまな問題に着目をいたしまして、事業所管官庁などとも連携をしながら対策を講じていくこととしております。特に過労運転等が懸念されるバスやトラックなどの事業場につきましては、近畿運輸局との合同の監督監査や相互通報制度などの連携を含めて取組を強化していくようにしております。
次に17ページからは、最低賃金の運営についてでございますけれども、1枚おめくりをいただきまして、大阪府最低賃金につきましては平成19年から連続して大幅に引き上げられてきております。昨年の9月30日からは時間額800円に引き上げられたところでございます。次年度も金額改定等のご審議をいただきます大阪地方最低賃金審議会の事務局といたしまして、円滑な審議運営に万全を期してまいりたいと考えております。それから最賃額の周知、履行確保については引き続き努めてまいりたいと思います。さらには最賃の引き上げに大変影響を受ける中小企業への支援策としまして、経営課題と労務管理のワンストップ相談窓口を設置いたします。本年度は社会保険労務士会、それから堺と東大阪の経営者協会に委託して実施したところですが、次年度も活用促進を図っていくこととしております。
それから19ページのイでございますが医療分野の勤務環境の改善でございます。これまで病院勤務の看護師について取り組んでまいりましたが、来年度からは医師や、いわゆるコメディカルと呼ばれる医療従事者全般に枠を広げて取り組んでいきたいと思います。
それから労働災害防止の関係でございますが、昨年は大阪労働局管内で発生しました労働災害は、速報値で死亡災害が58件となっておりまして、これは前年と同数となる見込みでございます。休業災害につきましては平成19年以降、継続して減少してまいりましたが、24年は増加に転じる見込みとなっております。平成25年度からは国の第12次労働災害防止計画の初年度でもありますから、次年度におきましては労働災害の一層の減少に向けた対策を進めてまいりたいと思います。
現在、国の労働災害防止計画を踏まえた当局の5カ年間の推進計画を策定中でございまして、この推進計画では20ページになりますが、新たな啓発活動といたしまして、「ゼロ災・大阪『安全見える化運動』」を展開していくこととしています。さらには労働災害につきまして、増加している、あるいは減少が図られていない業種としましては、第3次産業でございます。さらには重篤な災害発生が懸念される建設業、製造業への対策を重点的に進めるといったことを盛り込む方向で検討をしているところでございます。
それから資料では基準の資料の6番をご覧いただきたいと思います。本年10月30日から11月1日までの3日間、大阪におきまして9年ぶりに全国産業安全衛生大会が開催されることになっています。大阪城ホールをメイン会場といたしまして、全国から1万人を超える労使関係者の方々が参加されまして、事例発表あるいは研究発表等が行われますので、こうした大会を盛り上げて大阪府内の安全衛生水準の向上を図りたいという狙いを持って、積極的に参加を呼びかけていくことにしているところでございます。
次に23ページにお戻りいただきまして、労働者の健康確保の関係につきましては、化学物質による健康障害防止対策、それからメンタルヘルス対策、この2つに重点をおいて取り組んでいくこととしております。アの化学物質による健康障害防止対策の推進につきましては、発がん性等の危険有害性に応じたばく露対策の徹底が重要でございますので、製造メーカー側に対しましては危険有害性情報を取り扱い事業者へ確実に伝達をしていただくということでの周知、指導を行うこととしています。さらに取り扱う事業場に対しましては、特定化学物質に関する法令等の遵守徹底を初めとした適切なばく露防止措置を指導していくということにしているところでございます。
メンタルヘルス対策につきましては、個別事業場に対する指導や支援センターの活用勧奨を行うほか、職場復帰支援についての研修会を開催するなどの取組を進めていくこととしております。
最後に26ページ、労災補償の関係でございますけれども、脳・心臓疾患事案あるいは精神障害事案など、業務上の認定調査に大変時間を要する請求事案も多数出てきておりますが、これらを含めまして引き続き標準処理期間内での迅速、適正な労災補償の実施といったことを進めてまいりたいと考えております。
それから(エ)の胆管がんの関係でございますが、府内の印刷工場で発生しましたこの問題の労災請求につきましては、当局調査に対する本省の検討会での結論を踏まえて適切に事務処理を進めていくことにしております。
それから最後に石綿の疾患につきましては、石綿救済制度のさらなる周知の徹底、労災補償給付制度あるいは特別遺族給付金制度の請求勧奨に努めてまいりたいと考えております。
以上が労働基準部の関係でございます。
○奥林会長 どうもありがとうございました。続いてお願いいたします。
○職業安定部長 職業安定部長の上谷でございます。それでは職業安定関係の重点施策についてご説明いたします。共通資料1の28ページをご覧ください。
まず、3(1)の現下の雇用失業行政を踏まえた職業紹介業務の推進につきましては、職業紹介に係る基本業務の徹底を図るとともに、マッチング強化の前提となる求人者、求職者サービスの質的取組の一層の充実、強化を図ってまいります。また求人事業主の信頼を得、継続的に求人を確保していくことがマッチング強化の基盤であることを念頭におき、求人充足サービスの充実、強化を図るとともにハローワークの全国ネットワークを生かし、局所の管轄を超えたマッチングの体制整備等の取組を推進してまいります。
次に、30ページの(2)若年者雇用対策の推進でございます。大学などの新卒者、既卒者に対する就職支援としまして、各ハローワークに配置したジョブサポーターを活用し、担当者制によるきめ細かな支援を行うほか、大学等にジョブサポーターの相談窓口を設けるなど、出張相談を強化いたします。また若者と中小企業とのマッチングを強化するため、若者の採用、育成に積極的な若者応援企業の周知や面接会の開催等を行い、若者の就職支援を推進いたします。フリーター等に対しましては、「あべのわかものハローワーク」を通じて、担当者制によるきめ細かな個別支援等により就職支援を行ってまいります。
非正規雇用の若年者の雇用安定及び職業能力向上の取組としましては、自社の正社員として雇用することを前提に実践的な職業訓練を実施する事業主に対し、若年者人材育成定着奨励金の支給などにより若年者の人材育成を推進いたします。
続いて、31ページの(3)高年齢者雇用対策の推進であります。高年齢者の就労促進につきましては、本年4月から施行される改正高年齢者雇用安定法に基づき、確保措置を講じていない事業主に対して、的確に助言、指導を実施するとともに高年齢者に対する就職支援を充実、強化し、各種助成金制度を積極的に活用してまいります。さらにシルバー人材センター事業の円滑な実施を図り、高年齢者の社会参加を進めてまいります。
続いて、33ページの(4)障害者雇用対策の推進であります。既にご承知のように本年4月から障害者の法定雇用率が民間企業におきましては、1.8%から2.0%に引き上げられるところでございます。一方で障害のある求職者は増加しており、障害者の就業に対する意欲は高まりを見せております。このような状況におきまして、障害者の雇用機会の拡大を図っていくためには、雇用率達成等の厳正な実施、きめ細かな職業相談、職業紹介、各種の雇用支援策等を効果的に実施していく必要があります。雇用率達成指導につきましては、4月からの法定雇用率の引き上げに伴い、新たに未達成となる事業主が想定されることから、重点指導対象を明確化し、効果的な指導を行ってまいります。
大阪労働局としましては、法定雇用率の引き上げを障害者のより一層の雇用拡大の機会として捉え、関係機関と連携しつつ、就職準備から職場定着までの一貫した支援を行うチーム支援の充実強化を図り、福祉、教育、医療から一般雇用への移行を促進するなど障害者の雇用促進に取り組んでまいりたいと考えておりますので、またご協力よろしくお願い申し上げます。
次に、36ページの(5)非正規雇用対策の推進であります。非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを総合的に支援するため、事業主の取組を促進する包括的な助成措置の積極的な活用を促すとともに、キャリアアップに関するガイドラインを周知し、実情に応じたきめ細かな相談を実施してまいります。また、ハローワークにおいて個々の求職者の実情に応じて、有期実習型訓練や求職者支援制度などへの積極的な誘導を図り、正社員としての就職を支援してまいります。
続いて、(6)子育てする女性等に対する雇用対策の推進につきましては、大阪マザーズハローワーク及び府内5カ所のマザーズコーナーにおいて子ども連れで来所しやすい環境を整備し、担当者制の実施等きめ細かな就職支援を行ってまいります。
続いて、少し飛びまして43ページの(12)の成長力を支える人材の育成についてであります。求職者、求人者の訓練ニーズを把握、分析し、独立行政法人高齢・障害者・求職者支援機構大阪職業訓練支援センター及び大阪府と情報を共有することにより、地域の人材ニーズに応え得る公的職業訓練の適切な設定に積極的な調整を行ってまいりたいと思います。また、雇用保険を受給できない求職者に対して求職者支援訓練を実施するとともに、訓練期間中の生活を支援するための給付金の支給や的確な就職支援計画の実施等により、求職者の早期の就職支援を行います。
続きまして、45ページの(13)地方自治体との連携による就職支援についてでございます。地方自治体からの提案をもとに、国が行う無料職業紹介と地方自治体が行う業務の一体的実施の取組につきましては、平成24年4月10日より大阪市との間において実施しており、本年4月1日より新たに堺市と、また大阪府とは9月からの実施を目指し、現在具体的な協議を実施中でございます。
次に45ページの下段でございますが、重層的なセーフティネットの構築でございます。生活保護受給者等を含めた生活困窮者を広く対象として、就労による自立を促進するため、福祉施策を担う地方自治体と雇用施策を担うハローワークとの連携強化を積極的に進めてまいります。特に福祉事務所等におけるハローワーク常設窓口の設置、訪問による予約相談の実施を重要課題として、生活保護受給者等に対する総合的な就職支援の充実を図ってまいります。
最後に、46ページの下段の(16)成長分野などでの雇用創出、人材育成の推進でございます。成長分野での積極的な雇用創出、人材育成、就職支援としまして、成長分野の事業展開、雇用管理改善、海外事業展開を担う人材確保、育成支援、求人求職のマッチング等を強化してまいります。また、日本再生人材育成支援事業を通じて、健康、環境、農林漁業分野等において、雇用する非正規雇用を含む労働者に対して、一定の職業訓練を実施した事業主や被災地復興のために必要な建設関係の人材育成を行った建設事業主を支援してまいります。
職業安定部からの説明は以上でございます。
○奥林会長 はい、ありがとうございました。
○需給調整事業部長 需給調整事業部長の名田でございます。資料は共通1の48ページ(21)としまして、職業安定行政の施策のうちの一番最後、労働者派遣事業等の適正な運営の確保ということで、私ども需給調整事業部の施策を書いております。こちらについて説明をいたします。
労働者派遣制度につきましては、労働力の需給調整を図るための制度ということで、一定の役割を果たしておりますけれども、派遣労働者が安心をして働ける環境を整えるということが課題となっております。こうした派遣労働をめぐる状況、現状というものを踏まえまして平成25年度におきましては、引き続き労働者派遣事業等の適正な運営を確保するということで、法制度の周知徹底、それから的確な指導監督、これを大きな柱として取り組んでいくこととしております。定期的な指導監督など、あらゆる機会を通じて法制度、関係法令の周知を行うこととしております。
48ページで、ア、イ、ウ、エの4つの柱立てをしておりますが、まずアの許可申請・届出事業者及び派遣労働者等への法制度の周知徹底でございます。許可申請、届出受理後の事業主に対しまして、説明会を開催しておりますが、こうした説明会を通じて法令の知識の周知にとどまらず、遵法意識の喚起というのを図ってまいります。また派遣労働者や、これから派遣労働者として働こうという求職者の方を対象に、労働者派遣セミナーを積極的に実施をいたします。
2点目、イでございますが、許可申請・届出に対する適切な調査確認でございます。事業を始めようとする事業者に対しまして説明会を開催するなど、適正な許可の申請、届出につきまして事前に周知の徹底を図るとともに、許可申請・届出受理後におきましては、提出された書類に基づきまして、それが許可の届出の要件を満たしているか、実地調査も含めまして適切な調査確認を行うこととしております。
3点目、ウでございますが、労働者派遣法、職業安定法の遵守徹底でございます。労働基準行政や他の労働局とも連携を図りながら、的確な指導を行うこととしております。指導監督の結果、法違反が明らかになった場合には、派遣労働者の雇用の安定を前提としつつ、厳正に対処するということには変わりはございませんで、特に法違反を繰り返す事業者に対しましては事業改善命令、あるいは事業停止命令等、行政処分も含めまして実効ある是正指導を進めてまいります。
なお、昨年3月の改正労働者派遣法の国会の議決に当たりまして衆参両院から、指導監督に際しては丁寧、適切な説明を行うよう附帯決議がされておりますが、大阪労働局におきましてもそのような対応を徹底してまいります。
4点目、エ、派遣労働者に対する積極的な支援等でございますが、派遣労働者等から寄せられる苦情、相談につきましても、労働基準行政ともよく連携をしながら、その声に耳を傾けまして雇用の安定が図れるよう対処をしてまいります。
需給調整事業部からは以上でございます。
○奥林会長 はい、ありがとうございました。
○雇用均等室長 雇用均等室長の大西でございます。よろしくお願いいたします。雇用均等室から、平成25年度の雇用均等行政について、ご説明申し上げます。資料は、共通1の運営方針の49ページ真ん中より少し下、4が雇用均等行政の課題と重点政策でございます。
(1)の雇用の分野における男女の均等確保対策につきましては、均等法の実効性の確保、これが最重要課題でございます。企業における雇用管理の実態を把握し、配置、昇進など性別による差別的取扱いなど法違反の事実が認められる場合は、迅速かつ厳正に是正を図ってまいります。また妊娠、出産などを理由とする不利益取扱いについては、個別な相談などにつきましては迅速、適切な対応をし、法の趣旨に沿った対応を徹底させてまいります。
次の50ページをご覧ください。下のほうにポジティブ・アクションに取り組む事業主に対する支援というところがございます。現在、局長が先頭に立ちまして、個別企業への訪問を行っているところでありますが、25年度も引き続き企業訪問を積極的に行い、女性の活躍状況などの情報開示につきましては、女性管理職の数など専用のサイトなどがございますので、そちらへの登録をお願いしていくということを積極的に働きかけてまいります。あわせてポジティブ・アクションについて他の企業の模範となる、そういった企業を広く公募し、均等推進企業表彰として表彰してまいります。
次に51ページ(2)の職業生活と家庭生活の両立支援対策の推進についてでございます。アの育児・介護休業法の履行確保、こちらが大きな課題になりますけれども、事業主に対する助成金の活用を促進しつつ、両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備を推進してまいります。(ア)の育児・介護休業法、次世代法までの確実な履行確保についてですが、育児・介護休業法に基づく指導につきましては昨年7月から100人以下の企業についても改正育児・介護休業法が適用されましたので、引き続き周知を徹底してまいりますが、特に中小企業における育児のための短時間勤務制度などについての規定整備、指導も進めてまいります。
次に52ページでございますが、エの次世代育成支援対策の推進についてでございます。雇用均等資料の一番最後に、次世代法に基づく行動計画の届出状況をお届けしておりますが、大阪における次世代法に基づく101人以上企業の行動計画の届出率が、25年1月末でございますが、98.8%となっております。25年度も引き続き、未届企業に対しまして、策定、届出を適切に行うよう指導してまいりますが、あわせて企業における次世代認定マーク、「くるみん」の取得促進に向けた援助を行ってまいります。
最後になりますが、52ページ(3)のパートタイム労働者の働きに見合った公正な待遇など確保対策でございますが、こちらはパートタイム労働法の施行を着実に行うということが非常に重要なんですけれど、あわせて53ページのウにございます均衡待遇に取り組む事業主の支援ということで、昨年、パートタイマーと通常の労働者との均衡待遇を進めるための職務分析、職務評価実施マニュアルがリニューアルされておりますので、これを活用して均等待遇のための具体的なアドバイスを行っていくなど、均等待遇に取り組む事業主を支援していきたいと思っております。
雇用均等室からは以上でございます。
○奥林会長 はい、ありがとうございました。
以上で事務局からの説明は終わりますが、今説明していただきましたのは行政の基本的な運営方針ということです。委員の皆さんには、まさに企業の現場でのいろいろな実情を御存じですし、またそこでいろいろな問題点を抱えておられると思いますので、ぜひ忌憚のないご意見をお願いしたいと思います。発言される場合には挙手をしていただきまして、マイクを持って行きますので、マイクでお話をいただきたいと思います。
どなたからでも結構ですが、いかがでしょうか。
では、多賀委員さんお願いします。
○多賀委員 連合大阪の多賀でございます。
25年度の行政運営方針ということで、非常に幅広い分野について前向きな取り組みをされていること、まず敬意を表したいと思います。その上で、先ほど会長からも現場の実態を反映した意見をと言われましたので、私どもも実施している労働相談の実例をもとに発言します。私どもの労働相談の特徴として、労働に関する法律についての知識不足に起因するものが非常に多くの比率を占めています。
特に、労基法15条の労働条件提示義務にかかわって、それが行われていないがために後々の紛争の原因になっているというようなケースが特に中小に非常に多く見受けられるということであります。ですから、この明示義務の問題について、もちろん周知はしてもらっていると思うんですが、義務違反について罰則があることも含めて、やはり指導の強化をお願いしたいということが1点目であります。
そして2点目が次世代の関係、行動計画の策定状況で100人以下が846社と出されているんですけれど、これは比率でいうと全体の何%ぐらいになるものなのかということを教えていただきたいと思います。
最後3点目ですが、全般を通してということであります。それぞれの施策について、資料を見させていただきますとPDCAで回していただいているということであります。そこから一歩進んで、代表的な指標を、例えば失業率でありますとか、障害者の雇用率とか、育休の取得率とか、女性管理職の比率とか、年次有給休暇の取得率とか、労災の発生率とか、幾つかの代表的な指標を示して、それに例えば5年間達成していくような目標を作って、それを大阪労働基準とか大阪モデルといったようなことを示して、それに向けて労使だけでなく行政も含めて、公労使で頑張っていくというやり方について提案します。それぞれのセクションでも目標を決めてやるんですが、全体としてそうした大阪で働く上での目標、こういう姿でということを示した上で目標達成に向けて頑張っていく。労使団体ももちろん協力するといったようなことができればいいんじゃないかなと、そんなことを考えています。
以上であります。
○奥林会長 ありがとうございました。3つの質問、提案を含む質問ということになっております。事務局から、それぞれの部局で回答をお願いします。
○労働基準部長 まず第1点目の労働条件の明示について、徹底をというご指摘をいただきました。労働基準の関係では、17ページの真ん中のカというところで、基本的な労働条件の枠組を確立・定着させるための指導の継続という柱立てをしておりまして、この部分というのはまさに今ご指摘いただきました労働条件の明示ですとか、あるいは就業規則も10人以上であってもなかなか作成されていないとか、そういったのが多々、中小企業においては見られますので、そういったところについて重点的に引き続き取り組んでまいりたいと思います。ご指摘のようにまだまだ不十分な点につきましては、私どもも十分認識しておりますので、そういったご指摘も踏まえながらしっかりやっていきたいと思っています。
○雇用均等室長 100人以下企業の864社が全体の何%かというご質問でしたが、この次世代法の適用の対象というのが企業単位で、事業所単位ではなくて大阪府内に本社のある、規模別に適用というのがなされているわけです。したがいまして、301人以上の企業1,369社、それから101から300人企業2,261社、これらにつきましては次世代法により行動計画策定が義務付けられているということで、そこは企業規模として、大阪府内の労働者数だけでなくて、企業として全国規模での労働者数まで把握しているわけなんですけれども、100人以下につきましては、数が多過ぎて把握できていないというのが実情でございます。したがいまして、これが何%なのかというご質問について、今ちょっとお答えできないという状況でございますので、申しわけありませんがご了解いただきたいと思います。
○総務部長 最後、3点目のお話についてでございますけれども、施策の目標についてはそれぞれ、まさに代表的なものとしまして、職業安定行政であれば就職率であるとか求人の充足率であるとか障害者の関係、高齢者の関係、さらに労働基準行政の関係では労働災害の発生状況など、大阪労働局として今年度、次年度どの程度の水準にするのかという目標設定は内部的にはしております。それを目標にその都度、施策の進捗状況をチェックするということで進めているところでございますけれども、現時点においては、それを公表して評価をいただくというところまではやっておりませんし、労使の皆様とそれを目指してという取組はしておりませんが、実質的に労使の団体の皆様と定期的に議論をさせていただく中で、我々の目標としているところの達成状況、進捗について議論をして、それに対してご意見をいただくよう、労使の皆様方に、その都度その都度申し上げているところでございます。まだもう少し改善する余地はあるのかなと思いますし、ご提案でございますので、来年度に向けてご相談させていただきたい、まさに議論をさせていただければと思っております。
○奥林会長 よろしいでしょうか。
○多賀委員 ありがとうございました。特に100人以下のところは義務化されていないということは知っております。ただ努力義務ということであります。努力義務だからよいということではないと思いますし、もちろんそういうことではなかったと思うんですけれど、100人以下のところで働いておられる方というのは結構数がいらっしゃいますし、そういうところになかなか法の規制がいってないという現実があることからすると、よりその部分への重点化ということをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
それと、最後のそれぞれの指標でということで、もちろん私ども労働団体と意見交換させていただくわけですけれども、残念ながら組織されている労働者というのは非常に少ない。8割以上の労働者は未組織ということになっているわけですから、なかなか意見交換をしても多くの働いておられる方の実情は直接的には届かないといったような実態を鑑みれば、やはりわかりやすくこういう目標で、こういう社会で、こういう働き方を目指していくんだということをアピールする一つの手法にはなるんじゃないかと思っております。
私どもの関係の連合東京というところでは既にそうしたものを、「東京労働基準」として示して目指していくという取組もございますので、紹介をさせていただきます。
以上です。
○奥林会長 ありがとうございました。数値目標というのは、PDCAサイクルを回す上では非常に見やすい手法でもありますので、今後検討していただければと思います。ありがとうございます。
ほかにどなたか。では堀田委員さん、お願いします。
○堀田委員 今、多賀委員から数値目標の話が出たので、事務的な質問で恐縮なんですが、この資料の中で数字が結構入ってないところがあります。ペンディングの数字が結構あるのですが、これはどうなるのでしょうか。その中で、数値目標で言うならば、例えば31ページにフリーター等の正規雇用化の促進ということで、これらの取組によりフリーターの正規雇用者数何人以上を目指すとか、ここの数字もペンディングになっています。また、例えば37ページ、子育てする女性等に対する再就職支援の充実で、重点支援対象者の就職率何%以上目指すとか、ここも数字が埋まってないですけれども、こういった関係はどうなっているんでしょうか。
○職業安定部長 ただ今の、このペンディングのところでございますが、私ども行政運営方針を立てていく中で、数値的な目標は、本省等の調整等もございましてそこを確定していく中で正式な数字を定めていくということでございまして、この時点でまだ具体的な数字が決まっていないとご理解いただきたいなと思います。ここは今後、きっちりと数字は定めて行政運営方針として取り組んでいくところでございますので、そのようにご理解いただきたいなと思います。
○堀田委員 ありがとうございます。ということは、一応ここの中で何人以上を目指すとか何%以上を目指すというのは、一応織り込んでいきたいという意思表示という理解でいいですか。
○総務部長 本省からの指示については、基本的に、やはり予算に裏付けされた施策でなければいけないので、現時点でまだ予算案はまさに審議の途上でございますので、そこの姿が見えてこないと実際それぞれの助成金やいろんな非常勤職員の相談員を何人雇うとか、そういうところが固まらないものですから、現時点では数字として固められないということだろうと思います。
○堀田委員 ありがとうございます。ただ共通資料1の3ページの労働力需給調整事業の実態の数字については、これは目標ではないので決まり次第教えてください。
○需給調整事業部長 こちらの需給調整のところは本省で集計をしておりまして、毎年この時期にはもう公表されているのですが、今年はちょっとどういうわけか集計がおくれているということでペンディングにしておりますが、公表され次第こちらも同様に数字を入れてまいります。
○奥林会長 ということで、数字目標というのは非常に具体的でわかりやすいし、独立行政法人なんかは常にこの数字を目標にしながら運営していますし、評価もしていますので、行政サイドとすれば数字目標を入れていただければと思います。ありがとうございました。
ほかに。お願いします。
○松本委員 2点ほどちょっと教えていただきたいんですが、外国人労働者の、特に技能実習生という区分につきまして、東日本大震災の前と後ではかなり数字が違っていると思うんですね。私の知る限りでは震災前は全国で20万人ぐらい、現在は十四、五万人ぐらいとお聞きしておりますけれども、大阪の現状について、震災前と現在の大阪の状況はどうなっているのかということと、大阪府内において地域とか業種とかに特徴があればお教えをいただきたいと思います。
それからもう一点は、労働災害のほうが増加傾向にあるということでございますけれども、よく対比するのが労働災害とそれから交通事故、それから自殺というふうなことで対比されますけれども、自殺はもう御存じのように行政、国をあげての対応で、3万人をかなり切ったということでございますけれども、労働災害が増加に転じている要因というのが、どういうことが想定されるのかというふうなことと、特に大阪で産業とか業種とか企業規模に特徴があるのかどうか、わかりましたらお教えいただきたいと思います。
○奥林会長 では、よろしくお願いします。
○労働基準部長 まずは2つ目の労働災害の増加要因のほうでございますけれども、前提として、労働災害については中期的に見ますと非常に減少しておりまして、交通事故とかとの減少の対比は今わからないのですが、今年は、それを上回るようなスピードで減少してきているのではないかなと考えておりますが、ここ3年ぐらい全国的な状況として休業災害が少し横ばいから上昇に転じております。大阪も先ほどご説明申し上げましたようにずっと下がっていたのですが、今年は若干増加に転じているという状況でございます。
1つは震災後のその復興需要ということで、関西においても、そういった需要が出てきていることも含めて景気が少し上向いているというようなことが増加要因になっているとは考えておりますが、業種別に見ますと、建設業とか製造業につきましては、製造業では前年比で2.4%の減少、それから建設業につきましては0.6%ですが、若干増加にとどまっております。
それに対しまして、いわゆる商業とか、保健、社会福祉施設などの保健衛生業などが非常に目立つところでございまして、商業につきましては5.5%の増加、それから保健衛生業は、10%増加しておりまして、3次産業全体では1.6%増加しております。
この3次産業につきましては、これまでなかなか掴みどころがない事故が結構多いということで、行政としても十分な対策をとりづらかった分野でございまして、今後、大阪で休業災害は、今も年間ですと8,000人ぐらい出ておりますけれども、そこをさらに下げるためには、やはりどうしても3次産業の取組を強化していく必要があるだろうと考えております。これは大阪も全国と同じような状況ですので、今回の第12次労働災害防止計画におきましても、そこを重点にやることとしておりまして、大阪もそういったことでの対策を進めてまいりたいと考えております。
○奥林会長 第1の外国人労働者につきましてはどうでしょう。
○職業安定部長 ちょっと震災前と震災後という形での比較の資料がないのですが、雇用対策法後に基づきまして、外国人を雇われたときの大阪において届け出された労働者の数ですが、22年度は3万5,604人、23年度は3万5,042人、それから24年10月現在でございますが、3万5,599人ということでございます。
それから、入国管理局のほうで、技能実習生の関係の数字が出ているのですが、これも22年と23年しか資料がないのですが、大阪におきましては、22年が3,226人、それから23年につきましては4,687人という数字しかちょっと把握できてございませんので、その点よろしくお願いいたします。
○奥林会長 そういう状況でよろしいでしょうか。
○松本委員 大阪の場合は外国人労働者の需要はここ3年ぐらいほとんど変わっておらないし、技能実習は反対に増加をしているということでございますので、全国的な流れよりは若干違うということが言えます。それともう一つは大阪で、地域とか業種とかに特徴はあるんでしょうか。
○職業安定部長 具体的にちょっと特徴とかまではわからないですね。
○奥林会長 松本委員さん、それでよろしいでしょうか。
それでは、ほかに。では、どうぞ。
○小嶌委員 関連する質問なんですが、労災のデータはあまり見たことがないんですけれど、高齢化が影響していないでしょうか。要するに非正規雇用を見ても、有期雇用を見ても、男性の場合、大体4割が60歳以上で占められている。それから生活保護のデータを見ても、高齢者世帯が40%以上となっています。商業、サービス業に多いということですが、その辺りも高齢者がかなり多いと思うので、今後はそういうデータもとっていただければと思います。
○奥林会長 事務局、何かありますか。では、お願いします。
○労働基準部長 年齢別も分析をしたものはございまして、ただ十分に書きこんでいません。その辺も次年度以降、また行政運営方針にも少し工夫しながらやっていく必要があるのかと思っておりますが、先ほど申し上げました第12次の大阪の労働災害防止の推進計画、5カ年間で進めてまいりますが、そこでは少子高齢化の影響というようなことで、少し書き込もうと考えております。
22年の労働者死傷病報告で分析しておりますが、20歳から29歳までの雇用者のうちのけがをした方の発生率、千人率ということでいきますと、2.03%となっておりまして、一方で65歳以上の雇用者で39万3,000人おられますが、そこでの負傷者数が1,748人ということで、千人率でいきますと4.45%。ということですから、やはり若い人と高齢者ではその発生率が約2倍以上違いまして、その高齢化というのが非常に大きな要因になっているということは、先生ご指摘のとおりだと思います。
○奥林会長 では、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、服部委員さんお願いします。
○服部委員 事前に資料をいただき拝読いたしました。ほとんどのことがその資料で網羅されておりますが記載されていないことを一つ申し上げます。それは大阪労働局の新卒応援ハローワークにより本学学生が複数名ご支援いただいていることです。この場を借りて改めてお礼を申し上げます。お礼を申し上げるとともに、併せて一つご質問させていただきます。
その質問は、若い人向けの啓発についてです。新卒応援のようにとくに若い方向けの啓発事業について本年の予定を教えていただきたいということです。あわせて均等行政についてもおたずねいたします。同じく均等行政の啓発事業についての実施予定について教えていただければと思います。その理由は、啓発事業が、労働に関するルールや労働法について市民府民が知るとてもよい機会となるということです。そうしたルールを知らないことが、働くときの様々なトラブルに遭遇することにつながります。
もちろん「なでしこ作戦」などすでにわかりやすい啓発事業がなされていることは存じております。その他にもあればご紹介いただければと思います。なぜ、それをおたずねするかというと、啓発事業は、イベント当日の参加者数による実績効果判定より、むしろポスター、ホームページなどが発信している情報による啓発効果の計り知れなさに注目したいと私が考えるからです。したがいまして、まだご予定が確定していないものも含め、若い方向け、均等行政に関する啓発事業のご予定などをご紹介ください。
○職業安定部長 若者ということでございますが、新卒者に関しましては啓発ということとは若干違うかもしれませんが、大学に行って補助的な相談を定期的にやっているジョブサポーターというのが大きな事業でございますし、また、大学を卒業する予定者に対しまして、この3月に実施した事業で、大学生の大企業志向から中小、中堅企業に目を向けていただこうということで、中小・中堅企業の魅力発見フェスタ2013を開催しまして、中小企業70社にご参加いただいて、学校のほうも41校ご参加いただいた中で学校のキャリアセンターと企業とのつながり、それから学生536名も参加しておりましたので、そういった中小企業というものについて、十分関心を持っていただいたと思います。
それから既卒の方、フリーターを中心でございますが昨年10月に「あべのわかものハローワーク」を開設いたしまして、こういう中には定期的にと申しますか個別指導をやっているところでございますが、セミナー等を毎回開催してございます。特に若い方で、非正規の方でございますと、どうも孤立感があるような形の中での就職活動になってございますから、同じような状況の方たちに対してグループワーク、「わかもの就活倶楽部」というグループワークをやっていく中で、お互いに意識を共有しながらより一歩前に行くという、そういった事業の中で若者に対する就職の意識啓発という事業をやっているところでございます。来年度も引き続いてこういう事業をやっていくところでございます。
○雇用均等室長 主として学生対象の啓発は均等室が中心というより、これは労働基準部や企画室が大学生の方たちに労働関係法令の周知をしていくというような取組をしている中で、各大学を訪問しているときに女性の活躍推進状況についてのポータルサイト、そこでさまざまな企業の活躍状況が見えるということを学生さんに周知していただきたいということで、大学のほうにお願いをしている、そういった取組をしております。
それから職業安定部が学生への説明会、学卒求人説明会をする際に、私どもは次世代の認定マーク「くるみん」についての周知のするためのアンケートを併せて実施しておりまして、その中で学生の方たちがどのくらい次世代にかかわる認定という制度を知っているか。それを知らなかったとしても、それを知ることによって仕事と子育ての両立がしやすい企業というのをどうやって判断していくかというようなことの情報提供をするということも、併せてやっております。
先日、2月28日にもそういったアンケートを実施したところですけれども、25年度は大体5、6、7月ごろに大学生あるいは高校生向けの説明会もありますので、そこでもそういった資料を配ってアンケートをしていくというようなことを考えているところです。
○服部委員 すみません。均等室長さんに追加してお尋ねいたします。学生向けだけではなく、企業にむけての啓発活動のご予定はいかがでしょうか。
○雇用均等室長 それは、一応集中的にピーアールする男女雇用機会均等月間が6月にあるんですけれども、そのときはさまざまな企業にダイレクトメールを送ったり、いろいろ新聞発表をしたりなどいろんな広報活動をしております。そのほかにもさまざまな会議あるいは各種会合、あるいはいろいろな経済団体などの広報紙あるいは自治体の広報紙などにも周知のお願いをして、いろんな機会になるべく知っていただくということはやっております。
○服部委員 ありがとうございます。今のお話で、安定行政とともに、均等行政においてもコンスタントな啓発が実施されていることがよくわかりました。ただ均等月間などに大阪労働局主催、ないしは共催の啓発事業のご予定はないと理解してよろしいですか。
○雇用均等室長 今、具体的にこういった事業なり説明会、イベントなどの計画というのはないんですけれども、いろいろな団体に共催できるような事業はないかということはお尋ねしているところです。それは例えば大阪府ですとか、そのほかの自治体などにもそういった働きかけをしております。
○服部委員 ありがとうございます。とてもよくわかりました。私の希望ですが、啓発事業が自治体で実施される場合はぜひとも大阪労働局も関わりながら、労働に関する情報発信いただけるようにお願いいたします。
もうひとつ、ホームページなどインターネットを通じた発信についてお願いがあります。近年スマートフォンの普及とともに、フェイスブックの利用がひろまっています。
まだ大阪労働局ですぐにはむつかしいかもしれません。しかし、近い将来をお考えいただき、厚労省ホームページへの誘導の糸口としてフェイスブックの利用などを厚労省も検討や準備をいただけるとよいと考えます。どうぞよろしくお願いいたします。
○奥林会長 ありがとうございました。実はきのう、高校の先生とお話ししていたんですけれども、入学試験の案内のパンフレットを見て、高校の先生がこれは文字が多過ぎると言われました。このごろの生徒はほとんど文字を読まないんですよと。絵にするか、あるいはウエブで説明するか、そういうビジュアルなものでしかなかなか理解してくれませんというような話も聞きまして、やっぱり世代が違うんだなというのを感じた次第です。若者を対象としたウエブ、広報活動であればそういうビジュアルなもの、あるいはウエブを使ったようなものがかなり最近では効果的じゃないかなと思いますので、またそのあたりも考慮していただければと思います。
○多賀委員 それに関連して、若者の話が出たので12ページのところなんですが、一番下段なんですけど、これ女子生徒に対してかなり辛辣に書いているんですね。今の就職内定率の厳しさの背景は、女子生徒の職業選択に対する固定的意識がというような書きぶりですが、これは何か分析があってここまで書かれているのかということを教えてほしいと思います。
○奥林会長 はい、お願いします。
○雇用均等室長 厚生労働省全体に、男女の賃金格差の研究会というのがございます。その中で賃金格差の大きな原因として、例えば勤続年数であるとかそれから職制ですね。役職についているかどうかということにあわせて、職域などについても出てきているわけです。で、これは、やはりさまざまな調査の中で女性と男性との職種の違いというのが、やはり明らかに出ておりまして、やっぱり女性は事務職が非常に多い。それから私ども企業を回っていてもいろいろお伺いすると、やはり技術系の企業などで技術職に女性を採りたいのだけれども、なかなか理系の女性がとれない、理系の女性が少ないなどといったご意見というのは、さまざまな企業で伺うところなんですね。
そういうことを考えますと、もうちょっと早い段階からの進路指導、あるいは就職教育というものの中で、将来のキャリアビジョンというか、将来にわたる職業生活をもっと女子生徒にも早い段階から考えさせていかなければいけないという気持ちが、こういう表現になったのかもしれませんけれど、厳しい気持ちではなくて私どもは女性を応援したい、女子学生、女子生徒を応援したいという優しい気持ちで書いているつもりですので、ぜひそこはご理解いただきたいと思います。
○多賀委員 お気持ちはわかりますけど、これを読む限りでは固定的な考え方にとらわれるというのは、やはり、今の働く社会の受け入れる側の課題もあるわけですから、何か女子生徒の固定的な考え方のみが、というふうにどうしてもとれてしまうので、少しご検討いただければと思います。
○雇用均等室長 はい。ご意見は十分踏まえて対応してまいりたいと思います。
○奥林会長 おそらく意図そのものは、全く同じだと思いますので表現のほうを少し工夫していただければというようには思います。
ほかに。では、お願いします。
○今宮委員 基幹労連大阪府の今宮でございます。労災の関係で少しお願いさせていただきたいと思います。
平成24年、5年ぶりに労働災害が増加に転じているということから労働災害発生件数を大幅に削減することが喫緊の課題であるということで、その対象として第3次産業あるいは陸運業のほうを指導していくということの説明を受けたところでございますけれども、こういったところの指導はお願いしたいところでございますし、もう一点は、やはり再発防止対策は本当にきっちりできているのかというところをチェックしていただきたいんですけども、なかなか全体をチェックするのは非常に難しいと思いますので、指導するときに本当にそういった一つ一つの災害事例に対して、災害防止対策を十分にできているんだろうなという指導をぜひお願いしたいと思います。
特に転倒災害、あるいは腰痛の対策。この辺は、非常に対策は難しいのは十分わかっていますけれども、対策は打てます。打てるんで、そういったところを本当に通してきちっと取り組んで対策をやっていく、やっていけるというような指導もぜひお願いしたいと思いますし、あわせてこの「安全見える化」、この運動、活動についても大変いい活動だと思うんですけれども、指導のしっぱなしになるんじゃなくてこれについても続けられているのかどうか、この辺のチェックも含めた指導をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○奥林会長 事務局のほうで何かレスポンスがあれば、お願いします。
○労働基準部長 個別に監督指導、あるいは個別指導という場合の1つのきっかけとして、労働災害が発生したときに、それについての指導をしていくというやり方もやっておりまして、それはそういったことがあったことに対して指導すると、非常に効果的であると思っておりますので、その辺、委員のご指摘も踏まえながら、引き続ききちっとやっていきたいと思いますし、「安全見える化」につきましては、全国でも大阪はオリジナルでやっておりまして、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○奥林会長 ありがとうございます。
この議題1について、他にご意見のある方はありますでしょうか。
ないようでしたら、時間の都合もありますので第1の議題につきましては意見の交換を終了させていただきたいと思います。ただ事務局のほうとしましては、平成25年度も大阪労働局の行政運営方針を今日の意見も踏まえて、しっかり策定していただきたいと思います。
それでは、第2の議題に移らせていただきます。事務局から説明お願いします。
○労働基準部長 大阪府最低工賃改正の取扱についてお諮りをいたします。
お手元の資料の基準7と基準8をご覧いただきたいと思います。
大阪府の最低工賃につきましては、現在4業種について定められておりまして、このうち資料7の男子既製服、それから資料8のタオルにつきましては第10次最低工賃新設・改正計画、これは内部的に作っておりますが、これに基づきまして今年度が改正検討の時期に当たっております。そのため今般この2業種につきまして、工賃改正を検討するための調査を実施したところでございます。調査結果について簡単にご説明させていただきますが、結論から申し上げますと審議会への改正諮問についてはいずれも見送るべきと考えておるところでございます。
それではまず男子既製服、資料7でございますがこちらから説明させていただきます。
大阪府内の14事業所、これは委託者名簿で把握している全数ということになりますが、通信調査を実施いたしまして13事業所から回答を得ております。このうち最低工賃が定められている工程につきまして委託している委託者は7、それから家内労働者数は196名というふうになっております。
全体調査から見ますと、家内労働者数は微増しておりますが、委託者につきましては減少傾向にあると考えております。
発注元からの受注量は減少、それから家内労働者への委託料はほぼ横ばいという状況になっております。また2ページの表3になりますけれども、受注単価、委託工賃単価はともに概ね変化なしという結果でございまして、受注量が減少して受注単価が横ばいの中で委託料、工賃額はなんとか維持しているという状況がうかがえるところでございます。
なおこの工賃を大阪の最低工賃額と比較しましたところ、概ね最低工賃額以上となっていることを確認しております。家内労働者についてですが、これは(6)に記しております。平均年齢は61.9歳、経験年数は平均10年、平均月収は3万4,000円強となっております。委託者からのご意見といたしましては、業界全体の長期的な落ち込み、震災、クールビズの影響などによって需要が大幅に低下しているといったことで、経営環境、経営状況は非常に厳しいといったことでございました。
一方で家内労働者からのご意見としては、現状には不満はないというご意見のほか、内職にも最低工賃があるということは知らなかったというご意見もございました。これにつきましては、今後より一層、最低工賃周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
それから、男子服関係の工業組合からのヒアリング結果からも同様に、組合員数の大幅な減少、低価格化による収益悪化、廃業者の増加と業界の置かれた状況は非常に厳しいといったところが伺えたところでございます。
次に、他局の改正状況についてですが、ほとんどの局が厳しい状況を勘案して改正諮問は見送りとなっている状況でございます。
1枚おめくりいただきまして、最後でございますがこれまでの男子既製服関係の改定状況でございます。昭和50年2月に新設をいたしまして、以後8回の改正が行われておりますが、平成17年5月改正以降は見送りとなっている経緯がございます。前回の平成21年度の調査では、やはり同じく生産量の減少あるいは輸入量の増加、あるいは販売価格の低下などによる減収などの現状、あるいは家内労働者への影響を勘案して諮問は見送ったという経緯がございます。
以上が男子既製服の経過でございます。続きましてタオルの関係、資料8でございますけれども、ご説明を申し上げます。
これも同様に大阪府内の48事業所、これは我々が把握しております大阪府内の全数ですが通信調査を実施いたしました。最低工賃を定めている工程、浴用タオルのヘム加工工程でございますけれども、これを委託している委託者は41でございまして、家内労働者は225名となっております。前回調査と比較いたしまして、委託者数は約20%、家内労働者数は約30%減少しております。発注元からの受注量、家内労働者への委託料は前回調査と比較しまして、ともに減少傾向にあることがうかがえるところでございます。
次のページの上の表になりますが、発注元からの受注単価が下がったというのが非常に多くて、家内労働者への委託工賃単価につきましては、大半が変化なしとなっております。受注量が減少し、受注単価も引き下げられる中で、工賃を維持しているという状況が伺われるところでございます。家内労働者につきましては(6)のとおりでございまして、平均年齢は67.4歳、1カ月平均月収は4万3,000円強となっているところでございます。
支払われる工賃単価につきましては71円から75円の間で設定している場合が一番多くて、最低工賃、大阪府の現在の最低工賃であります71円を下回るものが20ありました。平均でも69.39円という結果でございました。
なお、この最低工賃の71円未満と回答した20の委託者につきましては、改めて実地調査による確認をしましたところ、外注などで家内労働者には実際には委託していなかったという回答が10ありました。残り10の委託者のうち8委託者が、やはり71円を下回っていたという結果でございました。
こうした状況でございますが、委託者からのご意見といたしましては、受注単価の低下、原材料高で経営が厳しい、また外注がふえているという意見をいただいております。一方、家内労働者からは工賃については委託者には何も言えない。パート勤めにして時間給、時間当たりの金額が非常に少ない、とそういったものがございました。
次に4ページになりますが、大阪タオル工業組合からヒアリングをしたところ、この21年間に生産数量は5分の1に減少している。採算がとれず自主廃業しているのも少なくないということで、各種の統計調査等を見ましても、最盛期の3分の1、事業場数は半減ということで大量生産による輸入品も、業界の大変厳しい状況がうかがえるところでございます。
他局の改正状況についてですが、現在タオル最低工賃を設定しておりますのは、大阪のほかに愛媛局、この2局でございます。愛媛局におきましても、平成12年度に改正して以降、諮問は見送っているという状況でございます。
最後に、これまでのタオル最低工賃の改定状況についてでございますが、昭和48年3月に新設されまして、その後8回にわたって改正されてまいりました。平成10年2月の改正以降、諮問は見送りとなっているという経緯がございます。前回、平成21年度の調査におきましては、生産数量の減少から家内労働者も減少していること、海外製品の増加による業界全体の低迷といったことも理由に改正諮問を見送らせていただいているところでございます。
以上が調査結果の概要でございます。
今回は2つの調査結果につきましては、家内労働部会の公労使の委員の方々にご説明を申し上げておりまして、ご意見をお聞きいたしましたところ、広報周知や履行確保に、引き続いて徹底して努められたいと、こういう意見をいただいたところでございますけれども、工賃の改定につきましては当該業種の現在も厳しい経済状況、工賃支払状況等を勘案すれば、諮問を見送ることはやむを得ないというご意見をいただいたところでございます。当局といたしましては、こうしたご意見を踏まえながら、今回の改正は見送らせていただきたいと考えておるところでございます。どうぞご理解賜りまして、どうかよろしくお願いいたします。
○奥林会長 はい、ありがとうございました。
それでは、今の事務局からのご意見に対して委員の皆さんから何か、質問なりご意見がございましたらお願いいたします。
基本的には工賃の改正は、本年度については見送りたいという考え方でございます。既に実態調査をされ、その労使双方の意見も聞いておられた、あるいは他の地域での状況も踏まえた上での結論ということになっております。
はい、多賀委員さんお願いします。
○多賀委員 私は委員でいろいろと実情を聞かせていただいて、そういう判断に至られたということにおいて、止むを得ないという部分もあるんですけれども、やはり工賃があることを知らなかったという発言は重いと思いますし、さらには最低工賃を下回ってる実情があるということですから、そこの部分についての周知の徹底を改めてお願いしたい。せめて最低工賃を下回らない、未満率を無くしてしまうということについての指導の強化をお願いしたい。また次回の調査においては、ぜひ改善状況を報告していただけるようにということをお願いしておきたいと思います。
○奥林会長 事務局、いかがでしょうか。
○労働基準部長 最低工賃の周知ということにつきましては、現在もこういった調査をするときにも、最低工賃の一覧表を同封してお届けしているとか、あるいは家内労働安全衛生指導員という方がご一緒させていただいておりますので、そういった方に府内の委託者を巡回していただきまして、工賃についての額の周知、それから家内労働の委託状況の適正化といったことについてもお願や改善指導をさせていただいているところでございますが、周知についてはさらに一層進めてまいりたいと思います。
それと工賃につきまして、下回っているところが非常に多かったということでございますので、そこにつきましては、やはり法令違反ということになりますので、次年度におきましては個別に行政のほうから労働基準監督署を通じての指導を実施いたしまして、少なくとも最低工賃以上の支払いといったものについて、しっかりと指導をして、次回改定におきましてはできるだけそういった状況がないような形に努めてまいりたいと思います。
○奥林会長 そういうことで、よろしいでしょうか。
ほかにはありませんでしょうか。
それでは、今までのところの家内労働部会委員会の意見も踏まえまして、大阪府男子既製服洋服製造業及び大阪府タオル製造業の最低工賃の改定諮問は平成25年度は見送るということでご了解いただきたいと思います。ありがとうございました。
では、続きまして第3の議題でありますその他に移りたいと思います。
事務局から説明をお願いいたします。
○職業安定部長 職業安定部のほうから説明をさせていただきます。
まず一体的実施についてでございます。一体的実施につきましては、前回この審議会でも説明をさせていただいたところでございますが、まず現在、実施をしております大阪市との一体的実施につきまして説明いたします。しごと情報ひろば天下茶屋と、クレオ大阪西の2カ所で実施しておりまして、事業内容につきましては前回説明させていただいておりますが、1月までの取組実績について説明をさせていただきたいと思います。安定の資料7をご覧いただきたいと思います。
まず相談件数につきましては、天下茶屋におきましてはこの事業目標1万5,000件に対して1万2,493件となっております。クレオ大阪西におきましては事業目標6,000件に対して2,919件という状況でございます。就職件数についてでございますが、天下茶屋におきましては、事業目標1,000件という目標に対しまして、1月末現在で850件でございます。それからクレオ大阪西につきましては、事業目標500件に対して305件という状況でございます。
このうち、国の事業であるハローワークの事業で目標を設定してございまして、天下茶屋におきましては就職目標が国事業では800件という目標を立ててございまして、それに対しまして、数字が入ってございませんが、1月末までで732件でございます。またクレオ大阪西におきましては、国目標であります300件に対しまして248件という状況で、ほぼ3月末までに目標達成ができるという状況でございます。
一体的実施につきましては、毎年実績を評価し、翌年度の計画を策定するための運営協議会を開催することとされてございますが、今月21日に開催をする予定としているところでございます。
次に、4月から実施いたします堺との一体的実施について簡単にご説明させていただきます。
まず一体的実施にかかる経過でございますが、堺市におかれましてはこのアクションプランに基づく提案を、昨年5月31日に内閣府に提出され、厚生労働省職業安定局から、昨年7月31日付で受諾通知が出されてございます。なお開設日については4月1日ということで、現在最終的な準備を進めている状況でございます。場所でございますが、資料6に地図をつけてございますが、南海高野線堺東駅前の民間ビル、そこに博愛ビルと書いてございますが、そこの2階にありますさかいJOBステーションというところでございまして、堺市におきましては民間業者に委託して、従前より39歳以下の若者と女性を対象としたキャリアカウンセリングなどの各種サービスを実施しておられるところでございますが、そこにハローワークのコーナーを設置し、求人情報提供、職業相談、職業紹介、また、このさかいJOBステーション事業をサポートされている堺市内の事業所等からの求人の受付も実施をすることとしているところでございます。
なお、目標とする数値につきましては先週、3月7日に実施をいたしました事業運営協議会におきまして、就職件数1,800件と決定をし、このうちハローワークの就職件数は300件を目指すということとしたところでございます。この施設につきましては、ハローワーク堺や堺市役所からも至近の距離にございますので、労働局、ハローワーク堺と、堺市とこれまで以上に連携を強め、事業が相まって効果を発揮し、市民サービスにつながるように努めてまいりたいと思っております。
最後に大阪府との一体的実施でございますが、ここの経過を申し上げますと、大阪府におかれましては、一体的実施にかかる提案を昨年11月22日に内閣府に提出されまして、厚生労働省職業安定局から本年2月5日付で受諾通知が出されたところでございます。
提案内容は、天満橋にございますエル大阪、大阪府立労働センターでございますが、本館のOSAKAしごと館をリニューアルし、若者の就職促進と中小企業の人材確保支援を核に、ハローワークとの「一体的実施」を実施したいとするものでございます。本年9月から実施の予定でありますが、今後大阪府と具体的な協議を重ねて、府民や府内企業に支持していただけるような実のある一体的実施を展開してまいりたいと考えてございます。
なお、先ほど行政運営方針でもご説明を簡単にさせていただきましたが、生活保護受給者等の就労支援の強化のために、来年度から地方自治体の福祉事務所等にハローワークの常設窓口を設置することとしておりますが、この取組につきましても一体的実施の取組で実施をすることとされておりますので、実施状況等につきましては今後の本審議会の場でまた説明をさせていただきたいというふうに思っています。
一体的実施につきましては以上でございます。
続きまして、平成25年度大阪雇用施策実施方針等についてでございます。
平成25年度大阪府雇用施策実施方針案の概要及び地方労働審議会港湾労働部会の開催結果について、ご報告をさせていただきます。
まず25年度の大阪府雇用施策実施方針について、ご報告をしたいと思います。資料は安定の8でございます。
この実施方針案の概要をご覧いただきたいと思います。この雇用施策実施方針は平成19年の雇用対策法の改正によりまして、平成20年度より全労働局におきまして都道府県知事の意見を聞いて定めることとなっておるところでございます。この雇用施策実施方針につきましては、国の雇用施策と都道府県の雇用施策とが密接な連携のもと、より効果的に事業を実施するという趣旨であり、大阪府との連携事業について重点的に実施する事項を策定するものでございます。平成25年度大阪府雇用施策実施方針案の概要でございますが、策定の背景としまして、リーマンショック後から厳しい雇用失業情勢が続くものの、有効求人倍率等につきましては改善の動きが続いているという状況、そうした中でも新規学校卒業者、若年者の就職環境については厳しい状況が続くことが予想されること。それから障害者雇用についても昨年よりは状況が改善されているものの、まだまだ全国一の障害者雇用になっていないという状況の背景を受け、新卒者、若年者支援の強化、それから障害者の雇用対策、一体的実施を三本柱に大阪労働局事業、大阪府事業が連携しながら取り組むことで、大阪府雇用失業行政の改善に努めてまいりたいと考えております。
なお、国及び府予算が成立しましたら、平成25年度の雇用施策実施方針として策定、公表したいと考えております。
もう一点は、第12回大阪地方労働審議会港湾労働部会の開催結果でございます。平成25年2月12日に石田港湾労働部会長を座長として開催をいたしております。内容につきましては、本日配付しております安定の資料9をご確認をいただきたいと思います。
職業安定部からは以上でございます。
○奥林会長 はい、ありがとうございます。ただいまの事務局からの報告に対して、何かご意見、質問等がありましたらお願いいたします。
特にはございませんでしょうか。よろしいですね。
では、特にご意見がないということですから、今日準備しました3つの案件につきましては、審議を終了したいと思いますが、今日の報告の中で最終的に、全体について何かご意見なり、あるいは質問等がありましたらお願いしたいと思います。
特に、意見も質問もないようでありますので、本日の審議は以上で終了させていただきます。
どうも長時間、ありがとうございました。