平成20年度第1回大阪地方労働審議会議事録

1 開催日時
  平成20年10月27日(月) 午前9時30分から同11時20分

2 開催場所
  KKRホテル大阪 2階 星華の間
(大阪市中央区馬場町2-24)

3 出席者
  (1) 委員
    公益代表
  岩本 洋子
  奥林 康司
  小嶌 典明
  中村 弘
  西村 多嘉子
  綿貫 伸一郎
  委員
  委員
  委員
  委員
  委員
  委員

  (会長)


  (会長代理)
労働者代表
  株本 佳子
  高田 修
  中村 義男
  平岡 宣次
  肥後 道夫
  脇本 ちよみ
  委員
  委員
  委員
  委員
  委員
  委員
使用者代表
  小野 幸親
  小塚 修一郎
  谷本 榮子
  山本 憲治
  委員
  委員
  委員
  委員
  (2) 事務局
   
局  長
総務部長
労働基準部長
職業安定部長
需給調整事業部長
雇用均等室長
企画室長
  桑島 靖夫
  久知良 俊二
  島浦 幸夫
  坪田 秀治
  白石 肇
  藤田 満寿子
  小松 敏和

4 議題
  (1) 平成20年度 労働行政の運営状況について
(2) 豊中市地域雇用創造計画について

5 議事
 
○奥林会長 
     皆さん、おはようございます。早朝からお集まりいただきまして大変ありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまから平成20年度の第1回大阪地方労働審議会を開催させていただきたいと思います。
 はじめに、桑島局長からごあいさつをお願いいたします。
 
○桑島局長 
     大阪労働局長の桑島でございます。
 大阪地方労働審議会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 委員の皆様方には、平素から労働行政の運営につきまして格別のご支援、ご協力を賜りまして、厚く御礼申し上げる次第でございます。また、本日は大変お忙しい中、本審議会にご出席を賜りまして誠にありがとうございます。厚く御礼申し上げます。
 今般、委員の入れ替えがございまして、新たにご就任いただきました委員の皆様方におかれましては、今後、労働行政に関しましていろいろとご指導いただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 最近の経済情勢でございますけれども、10月の月例経済報告では、景気の基調判断として「弱まっている」と2か月ぶりに下方修正されたところでございます。また、先行きにつきましては、ご承知のとおりアメリカに端を発しました世界的な金融危機によりまして、なかなか厳しいものになるのではないかと予想されているところでございます。
 雇用情勢でございますけれども、悪化しつつあるということでございまして、大阪におきましても有効求人倍率は昨年の8月が1.32倍ということで、これがピークだったわけですが、その後、低下を続けてまいりまして、今年の5月には1倍を下回り、8月には0.93倍となっておりますほか、失業率につきましても、4-6月期の完全失業率が5.2%ということでございまして、1-3月期と比べまして0.4ポイント上昇しております。また、これは従来から同じですけれども、全国平均と比べて高い水準で推移しているということから、注意を要する状況にあると認識しているところでございます。
 また、社会経済のグローバル化、技術革新の進展、少子高齢化、就業形態の多様化などの社会構造の変化が進行する中で、低賃金で雇用が不安定な派遣、請負、パートタイム労働者など非正規労働者が増加し、所得格差の拡大や、それに関する様々な問題が生じております。このほか、労働時間の二極分化が進み、長時間、過重労働によるこころや体の健康の問題などが生じているところでございます。
 こうした状況のもとで、本年度、大阪労働局といたしましては、これからご説明させていただくことになりますが、平成20年度の行政運営方針におきまして、「誰もが安心して生き生きと働ける大阪」をスローガンに掲げ、より良い雇用の確保、安全・安心な職場づくり、公正かつ多様な働き方が実現できる労働環境の整備及び仕事と生活の調和の実現という4つの目標を定めまして、長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害防止対策の推進、死亡災害をはじめとする労働災害の着実な減少を図るための施策の推進、またハローワークにおける適格な求人・求職のマッチングの推進、労働者派遣事業等の適正な運営の確保などを重点として取組を進めてきたところでございます。
 本日は、本年度の上半期の運営状況と下半期の展望につきましてご報告をさせていただきますとともに、あわせて豊中市地域雇用創造計画につきましてご審議をいただくこととしております。
 労働行政を取り巻く環境が厳しさを増す中で、労働者、求職者の方々や企業のために、効率的かつ効果的に行政運営を推進していくことが大事だと認識しております。委員の皆様方には忌憚のないご意見を賜りたいと思っておりますので、何とぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 
○奥林会長 
     どうもありがとうございました。
 それでは、本日の委員の出席状況につきまして、事務局から報告をお願いします。
 
○小松企画室長 
     本日は、公益代表委員6名、労働者代表委員6名、使用者代表委員4名の計16名のご出席をいただいております。したがいまして、地方労働審議会令第8条第1項の規定により、本審議会が有効に成立しておりますことをご報告申し上げます。
 次に、会議の公開についてご説明いたします。
 大阪地方労働審議会運営規程第5条の規定に基づき、本審議会は原則として公開の会議とさせていただき、また運営規程第6条第2項の規定により、その議事録についても公開させていただくこととなっておりますので、ご了承ください。
 なお、公開の具体的手続につきましては、大阪地方労働審議会傍聴規程が定められておりまして、本日の審議会につきましても、この傍聴規程に基づき開催の周知を行いましたが、傍聴の申し込みはありませんでしたので、その旨をご報告いたします。
 以上です。
 
○奥林会長 
     ありがとうございました。
 では、審議に入ります前に、前回3月の審議会以降、新しく労働者代表委員になられた方々をご紹介したいと思います。
 労働者代表委員ですが、JAM大阪副中央執行委員長の肥後委員です。
 日本基幹産業労働組合連合会大阪府本部委員長の高田委員です。
 お手元にお配りしております大阪地方労働審議会委員名簿にてご確認いただきたいと思います。
 次に、本審議会労働災害防止部会の委員及び港湾労働部会委員の指名の件でございますが、部会委員につきましては、地方労働審議会令第6条第2項において、部会の委員は会長が指名するということになっております。そこで、労働災害防止部会の労働者代表委員につきましては、退任されました中世古委員及び吉田委員に代わりまして、高田委員及び肥後委員を指名したいと思います。港湾労働部会の労働者代表委員につきましては、市川委員に代わり大野委員をそれぞれ指名したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、本日の議事録の署名委員を指名したいと思います。公益代表委員としましては私がさせていただきます。それから、労働者代表委員としましては株本委員にお願いいたします。使用者代表委員からは山本委員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。今日の議題は、次第にありますように、まず第1が平成20年度の労働行政の運営状況についてということであります。第2に、先ほども紹介ありました豊中市地域雇用創造計画について、3番がその他ということになっております。
 ただ、この審議会全体の進行は11時30分に終了ということになっております。
 まず、第1の議題、本年度の労働行政の運営状況につきまして事務局から説明していただきます。それにつきまして、ご質問、さらにご意見がありましたら、その説明が終わった後でお願いしたいと思います。
 時間としましては約30分ほど事務局から説明していただきました後、20分ほど質疑応答ということにさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局からご説明よろしくお願いいたします。
 
○久知良総務部長 
     総務部長の久知良でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 大変恐縮ですが、座って説明させていただきます。
 平成20年度の大阪におけます労働行政の運営状況について、まず上半期の行政運営状況につきまして説明をさせていただきます。
 今年度は、資料1にあります行政運営方針に基づきまして、特に表紙の中にございますけれども、4つの目標と7つの最重点項目というものを掲げて行政運営に取り組んでいるところでございます。
 その運営状況につきましては資料2で整理してございまして、主としてこれを用いて説明させていただきたいと思います。
 資料2は、行政運営方針の第2部の第3「大阪における労働行政の課題と重点施策」ということで、具体的な取組、重点施策を並べたものがございます。
 また、資料4、たくさんの資料がございますが、これも適宜参照してまいりたいと思っております。
 まず、労働基準行政にかかわる部分でございますが、7つの重点の取組のうち、「長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害防止対策の推進」、それから「死亡災害をはじめとする労働災害の着実な減少を図るための施策の推進」のこの2つを最重点項目としております。
 それでは、この最重点項目を中心にご説明を申し上げます。
 なお、最重点の取組の中に「仕事と生活の調和推進のための取組」と「関係法令の周知及び法令遵守のための指導の強化・徹底」というものもございますが、これは労働基準行政にも関係しますし、他の行政にも関係する3行政で共通の最重点の取組事項ということになってございます。
 ではまず、「長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害防止対策の推進」への取組状況について説明をさせていただきます。
 資料2の1ページの1の(1)のアの(イ)という部分をご覧いただければと思います。長時間労働の抑制に向けた取組の推進という項目でございますが、長時間にわたる時間外労働の実効ある抑制を図るため、労使当事者が適正に時間外労働協定を締結し、届け出るように周知指導を行っているところでございます。また、時間外労働の限度に関する基準を超える時間外労働が行われている事業場に対しては指導を強化しているところでございます。具体的には、限度基準を超えて長時間労働が可能な時間外労働協定を届け出ている事業場に対しまして、長時間労働の実態を把握するための自主点検や法令等を周知するための集団指導、さらには的確な監督指導を実施するとともに、あらゆる機会を通じまして労働時間適正把握基準の周知を徹底しているところでございます。
 次に、6ページの(6)のアの(イ)という部分をご覧ください。過重労働による健康障害防止対策の部分でございます。過重労働による健康障害防止対策につきましては、長時間労働抑制対策を踏まえまして、同対策と並行して実施しているところでございます。長時間労働者に対する医師による面接指導が適切に行われているか、事業場に対する監督指導等を通じて、その実施の徹底を図っているところでございます。
 また、今月の24日に公表したところでございますが、大阪労働局の管内におきまして、平成19年度における賃金不払い残業の事案は、100万円以上の割増賃金の支払いを行い、是正した企業というのが170社となってございます。その額は65億円を超えているところでございます。今年度につきましても同様に高水準で推移しているものと考えております。この賃金不払い残業は長時間労働の温床となっておりますので、その解消を図るため、引き続き監督指導等を実施しているところでございます。
 関係いたしまして、資料の4-3というものがございますけれども、11月を過重労働防止等キャンペーン月間ということで設定いたしておりまして、長時間労働や過重労働の問題につきまして、広く府民に啓発を行うための各種イベントを企画しているところでございます。具体的な内容は資料4-3に書いてあるとおりでございます。
 引き続きまして、「死亡災害をはじめとする労働災害の着実な減少を図るための施策の推進」、最重点項目の2つ目でございますが、この取組状況について説明させていただきます。3ページの(5)という部分をご覧いただければと思います。
 大阪労働局管内で発生いたしました死亡災害と死傷災害の状況について記載しております。大阪労働局の管内では、昨年度まで2年連続で100人を超える方が労働災害でお亡くなりになっておりまして、全都道府県で最悪の結果ということになってございます。このことを踏まえまして、本年度については重篤な災害を発生させた事業場に対して監督指導等を強化するとともに、各事業場自らが自主的かつ積極的に安全衛生活動へ取り組むことによりまして、労働災害を少しでも減少させようと努力しております。
 アの「重篤な災害を発生させた事業場に対する監督指導等の強化」でございますが、具体的には休業2か月以上の災害または重度の障害が残る災害など、重篤な災害を発生させた事業場に対しまして、現場指導を積極的に実施することにより、再発防止対策を徹底させ、安全管理水準の向上を図ってございます。
 本年度の状況につきましては、4ページに監督指導の状況を記載しているところでございます。積極的な現場指導を行った結果として、死亡災害につきましては、3ページにございますように、本年5月末現在では54件ということで、前年同月比で11件の減少となっているところでございまして、一定の効果が現れてきたものと考えております。
 それから、4ページのイの自主的な安全衛生活動の普及推進等の部分についてでございます。災害を減らすためには、事業場自らが自主的かつ積極的に安全衛生活動へ取り組むことが重要でございます。(ア)と(イ)にありますように、各事業場に対しましてリスクアセスメントや安全衛生マネジメントシステムの導入を進めるため、各種マニュアル等を作成いたしまして、その周知に努めているところでございます。
 次に、5ページのウという部分をご覧いただければと思います。第11次労働災害防止計画等の周知と円滑な推進という項目でございます。第11次労働災害防止計画につきましては、本年度を開始年度とする新たな計画でございます。現在、集団指導などあらゆる機会を通じまして計画に定める災害防止対策を周知しているところでございます。同時に資料の4-15ということで提出させていただいておりますが、この計画の目標を達成するために、新たに「大阪危険ゼロ先取運動」というものを策定いたしまして、関係団体と協力して労働災害防止のための周知啓発活動を推進しているところでございます。
 また、「労働者の健康を確保するための施策の展開」でございますけれども、特に8ページのオに掲げておりますアスベストによる健康障害防止対策の推進につきましては、今後も石綿を吹き付けた建築物の解体は増加すると考えられますことから、「石綿粉じんによる健康障害防止対策推進3か年計画」に基づきまして、引き続き関係事業者等に対して法令の周知を図っているほか、的確な監督指導等を実施しているところでございます。
 一方、不幸にして労働災害に被災された労働者又は家族の方への補償につきましては、迅速にその給付がなされる必要がございます。それに関しまして8ページの(7)労災補償対策の推進の右の欄のほうに、労災請求の中でも社会的関心の高い脳疾患、心臓疾患の事案、それから精神障害の事案、それから石綿に関する労災請求等の事案の請求と認定の状況について取りまとめてございます。これらの労災事案につきましては、複雑かつ困難な事案が多いということで、認定に当たって苦労しているところではございますが、引き続き迅速、適正な保険給付の実施に努めてまいりたいと思っております。
 続きまして、「仕事と生活の調和推進のための取組」について説明させていただきます。3ページの(4)という部分をご覧いただければと思います。項目としては、「多様な働き方が可能となる労働環境の整備」という項目になってございます。
 平成18年の4月に労働時間等設定改善法が施行されたことを受けまして、労働時間等の設定の改善の促進を通じて、仕事と生活の調和に係る社会的気運の醸成を図ることを目的として、周知啓発活動を行ってございます。具体的には、昨年12月に「仕事と生活の調和憲章」、いわゆる「ワーク・ライフ・バランス憲章」と呼ばれているものでございますが、この憲章と「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定されたことを踏まえまして、本年4月に改正されました労働時間等見直しガイドラインの周知を図っているところでございます。
 また、イにありますように、「大阪仕事と生活の調和推進会議」を設置いたしまして、労使をはじめ学識経験者、地方公共団体等に幅広く意見を求めて、仕事と生活の調和の実現に向けての理解と、関係者相互の合意形成の促進を図ることといたしております。
 次に、「関係法令の周知及び法令遵守のための指導の強化・徹底」ということに関して説明をさせていただきます。2ページの(2)をご覧ください。項目としては、労働契約に関するルールの周知等となっているところでございます。
 本年3月から労働契約に関する基本的なルールを定めます労働契約法が施行されたところでございます。このため、法の趣旨に沿って合理的な労働条件の決定、変更が円滑に行われるよう、労使双方に対しまして、法の内容の周知を図っております。
 また、本年7月に施行されました改正最低賃金法につきましても同様に周知に力を入れているところでございます。
 さらに、法令遵守のための指導の強化・徹底ということにつきましては、1ページの1の(1)のアの(ア)ということで、ここの右の欄にございますとおり、的確な監督指導等の実施に努めているところでございます。
 労働基準行政関係の最後に、2ページの(3)の「最低賃金制度の適正な運営」について説明をさせていただきます。
 平成20年度の大阪におきます最低賃金につきましては、大阪地方最低賃金審議会に対しまして、現下の最低賃金を取り巻く状況や、本年7月に施行されました改正最低賃金法の趣旨を踏まえた調査審議を求める諮問を行い、委員の皆様にご審議いただいた結果、地域別最低賃金と産業別最低賃金のすべての審議を終えております。今後は、改正後の最低賃金額について関係方面に対し広く効率的に周知広報を行うとともに、その履行確保に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、職業安定行政に関する部分でございます。行政運営方針の8ページ以下に職業安定行政の重点施策をお示ししているところでございますが、そのうち、「より良い雇用の場の確保」に向けて、「ハローワークにおける適格な求人・求職のマッチングの推進」及び「労働者派遣事業の適正な運営の確保」を最重点として取り組んでいるところでございます。
 まず、「より良い雇用の場の確保」への取組について説明させていただきます。資料2の9ページの2の(1)をご覧いただければと思います。タイトルは「雇用のミスマッチ縮小等のための雇用対策の推進」という部分でございます。
 右の欄に運営状況を示してございますが、就職率につきましては27.6%と、目標としております30%には2.4ポイント不足をしてございます。就職件数につきましても5万7,447人と、前年よりも3.2%の減少ということになってございます。原油に代表されます原材料価格の高騰等による景気の低迷等によりまして、求人数は減少傾向となってございます。今まで減少傾向であった求職者数は下げ止まりから増加に転じ始めたということで、有効求人倍率につきましては低下をしてございます。5月には0.98倍と、36か月ぶりに1倍を下回ったところでございますが、8月については0.93倍まで低下をしておりまして、雇用失業情勢は注意を要する状態になってございます。
 我々といたしましては、引き続き求職者に対しては、その方の状態に応じて担当制であるとか予約相談制を活用するといったようなきめ細かな就職支援を実施いたしまして、また求人者に対しましては、早期充足に向けた条件緩和のアドバイス等を行い、求人者サービスの向上を図っていくとともに、多くの求職者が安定した雇用形態での就職を希望していることを踏まえまして、正社員求人の確保に努めるなどの取組で、年度後半も、一人でも多くの方の就職につながるように取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、10ページのイ「求職者の個々の状況に的確に対応したハローワークの就職支援」についてでございますが、府内5か所の就職支援センターにおきまして、就職支援ナビゲーターの担当制によるきめ細かな就職支援を実施するとともに、40歳以上の管理職、技術職、専門職を対象とします大阪人材銀行や、中高年ホワイトカラー求職者等に対して就職促進セミナー、経験交流等を行います大阪キャリア交流プラザへ案内するなど、求職者のニーズに応じた就職支援を実施しております。
 なお、資料4-23になりますけれども、今年度の4月からジョブ・カード制度が本格実施となっております。皆様ご存じのように、ジョブ・カード制度は、成長力底上げ戦略のうち、人材能力の底上げという観点から作られた制度でございます。フリーター、母子家庭の母、子育て終了後の母など職業能力形成の機会に恵まれなかった人が、キャリア・コンサルティングを経てジョブ・カードを作成して、キャリア・コンサルタントが訓練の受講が望ましいと判断した場合には、実践的な訓練を受講し、訓練時の企業評価であります職業能力証明書をジョブ・カードに加えて就職活動に活用し、常用雇用を目指しましょうといった内容でございます。地域ジョブ・カードセンターと連携を図りながら、ジョブ・カード制度の周知啓発に努めておりますが、まだまだ浸透していないのが現状でございます。今後は、職業能力形成プログラムの1つであります「有期実習型訓練」に係る求人開拓に力を注いでいきたいと考えてございます。
 それから、雇用・能力開発機構大阪センターと連携を図りながら、ハローワークで求職活動を行われる方の中で、職業能力形成プログラムの利用が常用雇用への近道であるというふうに判断された方には、積極的にキャリア・コンサルタントへの誘導を行い、ジョブ・カード制度の普及に努めていきたいと考えております。
 それから、11ページの(2)「地方公共団体との共同連携による就職支援」の部分でございます。11ページの(2)のイの部分で、「地域職業相談室の設置による市町村と連携した職業紹介・相談」の部分でございますが、高槻市、八尾市に続きまして、今年3月に大東市に大阪府で3番目の地域職業相談室を開設いたしまして、市の労働相談、情報提供業務と連携した職業相談、職業紹介を実施しているところでございます。
 続きまして、14ページの(6)の「若年者雇用対策の推進」の部分でございます。
 このアの「フリーター常用雇用化プランの推進」でございますが、全国のフリーター数は平成19年において181万人と推計をされておりまして、全体としてはピーク時の平成15年の217万人からは減少傾向にございますが、この減少傾向は主に25歳未満の層が中心でございまして、25歳以上のいわゆる年長フリーターについては逆に若干増加しているところでございます。こうした中で、フリーターの減少を確実なものとするために、ハローワークの若年者の専門相談窓口におきまして、担当制等による求職者のニーズに応じた就職支援を積極的に実施しますとともに、資料の4-34でございますけれども、大阪ヤングワークプラザにおきましては、希望職種が明確になっていないフリーターなどの若者を対象にして、計画的できめ細かな支援を実施することによりまして、常用就職の促進を図っております。
 続きまして、15ページのイの部分でございますが、「新規学卒者に対する職業意識形成支援事業の推進」の関係でございます。中高生に対する支援といたしましては、早い段階からのキャリア形成を構築させるために、キャリア探索プログラムやジュニアインターンシップの実施などの職業意識形成支援事業を展開するなど、フリーター、ニート化の防止に向けた取組を推進しているところでございます。
 続きまして、16ページの(7)の「子育て女性等に対する雇用対策の推進」の部分についてでございますけれども、大阪マザーズハローワークにおきましては、子ども連れでも安心してお仕事を探していただける環境の下で、地方公共団体と子育て女性の就職支援に取り組む関係機関と連携しながら、総合的な就職支援を実施しております。
 なお、マザーズハローワーク事業の新たな拠点といたしまして、今年の6月に堺公共職業安定所、それから枚方公共職業安定所ハローワークプラザ枚方の2か所にマザーズコーナーを設置して、子育て女性の再就職支援を行っているところでございます。
 続きまして、(8)の「高年齢者雇用対策の推進」でございますが、高年齢者雇用安定法に基づく65歳までの高年齢者雇用確保措置の導入につきましては、引き続き周知啓発を図るとともに、現在の義務化年齢であります63歳までの雇用確保措置が講じられていない企業に対しまして、企業訪問等により個別指導を行っております。また、60歳以上の求職者の支援を進めるために、シニアワークプログラム事業を実施いたしております。さらに、トライアル雇用が必要な求職者に対して制度を活用し常用雇用を進めるほか、関係機関とも密接に連携を図り、対策を進めております。
 それから、17ページの(9)の「障害者雇用対策の推進」でございます。障害者雇用につきましての理解促進を図るために、関係機関等と連携をして啓発活動を進める一方で、雇用率未達成企業に対しては、企業トップ層への個別指導を中心に、集団指導や文書指導などを実施するとともに、各種支援制度を活用することによりまして、雇用率達成指導に努めております。
 また、障害者の就職促進を図るために、平成20年度の目標として、年度終了時での就職率20.3%以上、就職件数3,183件という目標を掲げておるところでございます。8月末現在では、就職数1,565件ということで、対前年同期比では1.8%の増加となっているところでございます。目標の達成に向けまして、引き続き障害者試行雇用制度やジョブコーチ制度等を活用いたしまして、きめ細かな就職支援を進めてまいりたいと考えております。
 このほか、障害者自立支援法の趣旨を踏まえまして、関係機関等との連携を進め、福祉的就労から一般就労への移行促進に努めております。
 それから、19ページの(10)の「外国人雇用対策の推進」でございます。府内のハローワークをはじめ外国人雇用サービス業務に特化いたしました大阪外国人雇用サービスセンター及びハローワーク堺の外国人雇用サービスコーナーにおきまして、外国人求職者に対する職業相談や事業主に対する啓発援助等、就職支援に取り組んでいるところでございます。
 特に6月の外国人労働者問題啓発月間におきましては、外国人労働者雇用啓発セミナーを開催いたしまして、事業主に対し適正な雇用労働条件の確保と不法就労の防止につきまして効果的な周知啓発を行い、また9月には法務、警察等の関係行政機関による不法就労等外国人労働者問題関西地区協議会を開催いたしまして、情報の交換や連携の強化を図ったところでございます。
 それから、資料4-38というのをご覧いただければと思いますが、これは雇用対策法の一部が改正されたことによりまして、昨年の10月1日から、すべての事業主の方は外国人労働者の雇い入れまたは離職の際にハローワークへの外国人雇用状況の届出が義務化されているところでございます。
 それから、19ページの(11)「安心して働ける雇用環境の整備」でございます。具体的には、20ページをご覧いただければと思います。カの「住居喪失不安定就労者の雇用対策の推進」という部分がございます。これはネットカフェ等で寝泊まりをする住居喪失不安定就労者に対しまして、就労、生活、住居に関する相談支援を一体的に行うために、厚生労働省が民間団体、連合大阪、大阪府、大阪市で構成をいたします大阪ホームレス就業支援センター運営協議会へ委託をいたしまして、今年の5月12日に住居喪失不安定就労者支援センターを開設し、これは愛称を「OSAKAチャレンジネット」と名付けておりまして、ハローワーク大阪東の職業相談員が出張し、求人情報の提供、職業紹介等の就労に関する相談を実施しているところでございます。
 次に、職業安定行政としての最重点の取組の2つ目でございます「労働者派遣事業の適正な運営の確保」についてご説明をさせていただきます。12ページの(5)をご覧いただければと思います。
 「許可申請・届出事業者等への法制度の周知徹底」でございますけれども、関連して資料4-24をご覧いただければと思います。この資料によりますと、新規に事業を開始した状況を示します許可申請・届出件数につきましては、労働者派遣事業は、これまでずっと増加傾向にあったものが、今年度に入って減少に転じており、前年同期比で25.7%の減少ということでございます。一方、これは昨年の同時期に偽装請負を解消するために多数の事業主が一斉に許可申請・届出を行ったこととの対比によるものでございまして、大阪府内の事業所数自体は平成20年9月1日現在で7,090事業所ということで、対前年で20.2%の増加と、依然として大幅な増加傾向が続いているところでございます。
 なお、職業紹介事業につきましては、許可申請・届出件数、事業所数ともに増加傾向が続いているところでございます。
 労働者派遣事業等の適正な運営の確保のためには、何よりもまず事業主に対する法制度の理解や周知の徹底が必要でございます。また、申請・届出前の事業主に対します説明会、受理窓口における個別の助言指導等、許可更新後の定期指導など、あらゆる機会をとらえまして積極的に法制度の理解周知の徹底に取り組んでいるところでございます。
 また、派遣で働いている方、それから、これから派遣で働こうとする方につきましては、労働者派遣の仕組みやルールを十分に理解した上で、安心、納得できる働き方を選択していただく必要がございます。派遣労働者の中には、正社員として働くことを希望しながら、やむなく派遣で働く方も多数いらっしゃるものと認識しております。そのような方に対しまして、労働者派遣の法制度だけでなく、正社員を目指す場合の留意事項等までを含めて周知いたします派遣労働者セミナーを、10月から来年の2月にかけて、大阪府内16カ所のハローワークすべてにおいて実施することといたしております。
 このセミナーに関しましては、資料4-25と資料4-26を付けてございますので、後ほどご参照いただければと思います。
 続きまして、指導監督の実施に関しまして、再び資料4-24をご覧いただければと思います。裏面に指導監督の実績が掲げられてございますが、増加する労働者派遣事業者等への法令遵守の働きかけが重要性を増す中で、国の機関としてその機能と役割を十分に発揮できるように、労働基準行政や他の労働局の担当部署と労働者派遣の監督を直接行う行政とが連携を密にして、計画的かつ効果的に厳正な指導監督を実施しているところでございます。
 それから、資料4-31の新聞発表資料でございますが、特に10月から11月を「労働者派遣請負適正化キャンペーン期間」ということで設定をいたしまして、法制度の周知啓発等を集中的に実施しているところでございます。10月3日には近畿の各労働局合同の取組といたしまして、近畿ブロック全体の500社の派遣元事業主を対象とした集団指導を実施したところでございます。今後さらに、派遣元、派遣先事業主、請負事業主、発注者等に対しまして、労働基準行政の協力も得ながら、集中的な指導監督や各種セミナーを開催することとしてございます。
 関連資料として、資料4-29と資料4-30を添付しておりますので、これもまた後ほどご覧いただければと思います。
 それから、資料4-28でございますが、これは労働者派遣の分野で、いわゆる「2009年問題」と言われている問題についてでございます。これにつきましては、先般、派遣と請負を繰り返すことによりまして、受け入れ期間の制限を免れようとする企業に対しては、臨時的・一時的な需給システムである労働者派遣制度の趣旨に鑑みて、これを行わないように指導するという対応方針が厚生労働省から示されたところでございます。事業主団体等への協力要請を含め、派遣元事業主、請負事業主及び派遣先での適切な対応がなされるように努めてまいります。
 それから、労働者派遣制度の見直しに係る対応につきましては、法改正のための抜本的な議論に先立ちまして、本年の2月に「日雇い派遣労働者の雇用の安定等を図るための指針」が策定されたところでございまして、4月から順次定期指導を行い、厳正な指導監督を行っているところでございます。
 また、労働者派遣法の改正に係る動きということで、資料4-32、4-33と本日席上に配付させていただいております労働者派遣の法案要綱の諮問の関係の3つの資料がございます。労働者派遣法の改正に関しましては、7月の「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」の報告を経まして、9月24日に労働政策審議会から厚生労働大臣に対しまして建議が行われたところでございます。これを受けまして、本省におきまして、改正法案の取りまとめ作業を進めているということでございますが、先週の金曜日、10月24日に改正法案の要綱が労働政策審議会に諮問されたところでございます。今後も中央における論議を注視してまいりたいというふうに考えてございます。
 続きまして、雇用均等行政についてでございます。行政運営方針の資料1の14ページに重点施策として取りまとめておりますが、そのうち、「性別により差別されることなく能力を発揮できる環境確保対策の推進」というものを最重点として取り組んでおります。
 まず、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保対策の推進」でございますが、資料2の21ページ、それから資料4-40をご覧いただければと思います。
 平成19年4月に男女雇用機会均等法の改正法が施行されまして、昨年度は例年を上回る相談件数が寄せられていたところでございます。本年度につきましては、改正法の施行が2年目ということもございまして、相談件数は平準化してきているというところでございます。
 また、紛争解決につきまして、労働局長による援助が12件、調停については現在のところ2件の申請がなされているところでございます。事案の内容といたしましては、セクシュアルハラスメントに関するものが多いという状況でございます。
 また、企業におけます均等取扱いの徹底を図るために、法に基づく報告徴収を実施し、性別による差別的な取扱いの事実が認められる企業に対しては是正指導を実施しております。さらに、企業における女性の能力発揮のためのポジティブ・アクションの取組を促進しているところでございます。
 続きまして、「パートタイム労働対策の推進」でございますが、資料4-41をご覧いただければと思います。本年の4月1日から改正パートタイム労働法が施行されておりますけれども、労働者や事業主から寄せられる相談にその関係で対応しているほかに、法の徹底を図るために企業に対する報告徴収を実施するとともに、法に沿った扱いがなされていない企業に対しては是正指導を実施しておるところでございます。
 施行後6か月間の状況を見ますと、相談件数は1,198件となっております。このうち、事業主からは、法の要請を満たす取扱いをするにはどのような措置を講じたらよいかといった内容のものが多く寄せられているところでございます。また、企業の取組状況を見ますと、通常の労働者への転換の措置が講じられてない企業が多く見られ、こうした企業に対しては早急に措置を講じるように助言指導を行っております。
 それから、「職業生活と家庭生活の両立支援対策の推進」でございますが、資料2の22ページをご覧いただければと思います。(3)の「職業生活と家庭生活の両立支援対策の推進」の部分でございますけれども、急激な少子高齢化が進行する中で、両立支援対策、次世代育成支援対策は引き続き喫緊の課題となっているところでございます。このため、育児・介護休業法の周知徹底を図りますとともに、企業において育児休業等の規定が適切に整備され、制度として定着するように行政指導を実施しておるところでございます。
 資料4-42をご覧ください。育児・介護休業に係る相談につきましては、昨年とほぼ横ばいになっておりますが、労働者からの相談は依然として多く、休業に係る不利益取扱い、期間雇用者への育児休業の適用等につきましての相談が寄せられておりまして、これらの個別相談事案に対して的確に対応し、法の履行確保を図っております。
 また、その次の資料4-43をご覧いただければと思います。次世代育成支援対策法に基づく一般事業主行動計画の策定届出の状況につきましては、300人以上の策定届出の義務がある企業につきましては、ほぼ100%届出をいただいております。今後は300人以下の策定届出の努力義務がある企業につきまして、策定届出が行われるように周知啓発に努めております。
 また、行動計画を達成するなどの一定の要件を満たした企業に対する労働局長の認定につきましては、これまでに府内に本社を持ちます企業68社を認定いたしております。引き続き、より多くの企業が認定を目指した取り組みを行うように制度の周知を図ってまいりたいと思います。
 以上が雇用均等行政の部分でございます。
 次に、労働保険の適用徴収業務について説明させていただきます。22ページをご覧いただければと思います。(1)の「労働保険の未手続事業一掃対策の推進」という部分でございますが、本年度におきましても、労働保険の未手続事業一掃対策ということを引き続き最重点課題として位置付けて、強力な手続指導、職権の行使及び成立件数の数値目標等を盛り込んだ「平成20年度労働保険適用促進計画」を策定いたしまして、労働局、労働基準監督署、ハローワーク並びに大阪府労働保険事務組合連合会がより緊密に連携し、未手続事業場の的確な把握とともに、把握した未手続事業場に対して、その解消に向けて職権成立を含めた積極的な適用の促進を行っております。
 また、貨物自動車運送事業者及び旅客自動車運送事業者に対しまして、国土交通省が労働保険等の社会保険未加入対策を強化したことに伴いまして、大阪運輸支局とともに適切に対応することとしております。
 このほか、年度更新の的確かつ円滑な実施を図るために、事業主及び労働保険事務組合等に対して、労働保険料申告書の法定納期限内の自主申告、労働保険料一般拠出金の自主納付の徹底を図っております。
 また、労働保険料等の算定基礎調査につきましては、労働保険料等の適正徴収を確保し、費用負担の公平性を期することを目的としているところでございますので、効率的、効果的な実施計画を策定し、適正かつ実効ある実施に努めております。
 さらに、滞納整理の実施につきましては、滞納整理年間計画を策定いたしまして、現年度保険料の年度内完全収納並びに高額滞納事業場に対する滞納整理を重点に、積極的な徴収活動に努めております。
 このほか、社会保険及び労働保険に係る徴収事務の一元化につきましては、大阪社会保険事務局との連携を強化し、共通事業場に対する調査、滞納整理等を実施するとともに、徴収事務の一元化の一環として来年度から実施される社会保険と労働保険の申告期限の統一、7月10日が期限になりますが、これに係る広報活動を積極的に行っております。
 次に、個別労働紛争解決制度についてでございます。資料2の24ページ、それから資料4-44をご覧いただければと思います。
 資料2の24ページの(4)の「個別労働紛争解決制度の積極的な運用」についてでございますが、制度の運用状況につきましては、今年度上半期現在で、局の企画室、それから府内15か所に設けられております総合労働相談コーナーには、前年同期と比較をして11.7%増の5万2,933件の労働相談が寄せられ、このうちいわゆる民事上の個別労働紛争に関する相談は9,465件と、同じく17.5%増加しており、依然高水準で推移しているところでございます。
 また、労働局長による助言・指導、紛争調整委員会のあっせんの件数でございますが、今年度上半期現在でそれぞれ214件と300件ということで、前年同期比で大幅に増加しているところでございます。
 以上、当局の平成20年度上期の運営状況全般の説明を終わりますが、全体としてはおおむね円滑に行政運営が行われていると考えております。しかしながら、懸案事項、課題も残されておりまして、下半期も引き続き円滑な行政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○奥林会長 
     膨大な資料ですし、多岐にわたる活動を全部まとめて短時間に説明していただくというのは大変なご苦労だったと思います。この資料につきましては、委員の皆さんのお手元に事前に配付されているはずですので、いろいろ目を通していただいていると思います。
 それでは、ただいまの報告に対しましてご意見、あるいは質問がありましたら挙手をしていただきたいと思います。マイクをお持ちしますので、その上でご発言をお願いしたいと思います。どなたからでも結構でございます。
 では、株本委員お願いします。
 
○株本委員 
     株本と申します。よろしくお願いいたします。
 私からは、仕事と生活の調和の実現ということでご紹介もありましたけれども、実は今月の中ごろに仕事と生活の調和を図るセミナーに出席させていただいたところ、参加者の方が、「私は、今は子育てだけではなく、労働時間、長時間労働も含めた取組が企業として必要だと思っている。」と仰っておられました。その方は企業の人事担当の方でしたが、規模的には中小と言われるところだということで、「どのように取り組まれているのかという事例をぜひご紹介いただくなりして、私も企業に働きかけ、その実現に関わる仕事をする一人としてサポートしていきたいと思っています。」と仰ったんですけれども、私は立場上、例えば資料の4-5や4-6などは、既に何冊もいただいておりますが、やはり中小の方々も含めて事例を紹介する情報提供機会が、なかなか無いという声もあろうかと思います。そういったところに対してどのような働き掛けができるのかお聞かせいただきたいと思います。
 また、実は大阪府でも中小企業に対する両立支援の奨励事業というのがございましたが、今般知事の交代があり、暫定予算となった関係で、その事業が取り止めになったということをお聞きいたしました。中小含めて両立支援推進のサポートというのが必要ではないかと思いますので、事業の再検討も含めて、サポートや支援をお願いしたいと思います。
 以上です。
 
○奥林会長 
     事務局、いかがでしょうか。
 
○島浦労働基準部長 
     仕事と生活の調和に係る部分について、委員ご指摘のように労働時間の問題ですとかいろいろな問題から調和を考えていくということだろうと思います。その部分について、では、大阪府内の事業場にどうやって効果的・効率的に周知、あるいは頑張っている企業はこういうふうにやっていますとかいうものをきちんとお届けしていくのかということは、委員ご指摘のとおり非常に大切な話だと思っております。その部分について、私共としても、労働局も一生懸命やっているんですが、労働局だけでも限りがございますので、関係の機関にも協力をお願いしながらやっているというところが実情です。
 そして、先ほど資料の4-5とか資料の4-6を例に挙げていただきましたけれども、やはり今インターネットの世界でございますので、労働局のホームページの中に仕事と生活の調和について1つのサイトみたいなものをつくりまして、そこからいろいろな事例等をご覧いただけるとかということについてもやっていかなくちゃいけないのかなと思っております。
 なかなかきちんとしたお答えになっていないんですけれども、やはり大企業、中小企業、それよりもさらに小さい企業、いろいろな企業がございますので、そういう企業にきちんといろいろな良い事例とかが届くように、今日の委員の指摘も受けて、もっと良い行政手段というか、広報手段がないかということも引き続いて検討してまいりたいというふうに思っております。
 
○藤田雇用均等室長 
     資料4-43にありますように、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画、300人以上は義務、それ以下については努力義務ということで、現在大阪では480社にとどまっております。ここの部分をどのように上げていくかという取組、それからもう一つ、国全体として何らかの対応が必要なのではないか、現在義務規定301人以上ということになっているけれども、少子化の進行、人口減少社会突入の中で、101人以上を義務化というようなことで取組を進めるべきではないかという考えに基づきまして、前回の通常国会に児童福祉法の一部等を改正する法律、その中身として次世代法の改正、この一般事業主行動計画の策定の義務をもう少し下にまでおろして実施しようという法案の提出がございました。衆議院は全会一致で通過したんですけれども、国会が会期末になってしまいまして、廃案ということになっております。しかしまた、この法案、改めて国会に提出というような話も聞いております。そうしたことをも背景にしながら、中小企業に対する対応を進めてまいりたいと思っております。
 以上です。
 
○奥林会長 
     はい、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 やはり中小企業への周知徹底ということになりますと非常に難しい面があるかとは思いますけれども、できる限りの努力をお願いしたいと思います。
 他にいかがでしょうか。
 はい、肥後委員。
 
○肥後委員 
     私共中小の多くの組織を抱えておりまして、結論からいいますと、労働行政の取りまとめとしては、このぐらいでいいんじゃないかなと。というのは、現実問題として、暮らしと仕事の調和ですか、非常に耳当たりの良い言葉ですし、しなきゃいけないとは思っているのでしょう、実際働いているうちの労使も。けれど、現実の問題として、労働行政として現実の企業活動の中でできることとできないことというのは、初めから分かっていることですし、残業は罪悪だなんて言い切れる方も、幾ら何でもここにいらっしゃらないでしょうし、結論からすれば、このぐらいでいいんじゃないかなと。決して刹那的な意味じゃなくてね。議論するなら十分な時間をとって議論をすればいいですけど、現実の部分からすればこの辺りでいいんじゃないかなと思っています。
 ただ、非正規の部分でいけばいろいろと議論したいと思います。暮らしと仕事の部分でいけば、これ以上は入れません。
 以上です。
 
○奥林会長 
     はい、ありがとうございました。
 では、脇本委員さん。
 
○脇本委員 
     全然違うことで質問なんですが、派遣労働者のセミナーを実施されていますよね、ずっと。来年の2月まで何回かセミナーを開催されるということですが、派遣法の改正とかも視野に入れて、今派遣の問題いろいろ取り沙汰されていますし、そういうことで周知をいただくということでやっていただくのだろうと思っていまして、喜んでいますけれども、このセミナーの6日と17日はもう既に実施済みになりますので、もし参加者数とか、その時にどういう課題とか意見が出たのかということがもし分かりましたら教えていただければと思います。それが一点です。
 それからもう一点は、ジョブ・カード制度ですけれども、若年者の取組等につきまして、特に年長フリーター等の問題を考えたときにはとても良い取組ではないかと私自身は思っているのですけれども、このジョブ・カードの交付件数は本省において精査中ということで資料2の11ページに記載されているんですが、このジョブ・カードはハローワーク、ジョブカフェ、それからこの資料4-23を見ますとインターネットというぐらいかなと、それで取れるという形なのかなと思うのですけれども、それ以外にこのジョブ・カードについての周知とか徹底なんかをこれからされようとするとき、どんなことをお考えかということがありましたら、教えていただければというふうに思います。
 以上です。
 
○奥林会長 
     では、以上二点、事務局から。
 
○白石需給調整事業部長 
     初めの派遣労働者セミナーについてお答えいたします。今のお話にございましたように、10月6日と17日の分は既に終了しているわけでございますが、6日の分が12人でございます。それから、次の門真で開催した分が13人だったかと思います。
 それで、今回のセミナーでございますが、派遣労働者の方に制度の内容を説明するだけのセミナーというのは従来もやっていたわけでございますが、やはり派遣で働くことを前提として何か分からないことがありますかということではなくて、やはり正規雇用へのチャレンジということも併せて考えていただくということが重要ではないかという、そういうねらいがございまして、今回ハローワークと協力しまして、正社員にチャレンジする場合の留意点ということと併せて、セミナーをやるということで取組を始めているところでございます。
 したがいまして、どういう課題が明らかになったかというご質問については、まだ十分に分析できていないわけでございますが、やはり派遣で働く方にもそれなりの価値観があって派遣を選ばれている方もいらっしゃいますし、またそうではなくて派遣というもの自体がよく分かっていらっしゃらないという方もやはりいらっしゃいます。それから、今回ハローワークと共催ということでメッセージとしてはかなり強く打ち出せたと思っているんですが、やはり正規雇用でない状態で長く過ごしてしまうとどういうデメリットが出てくるかと、そういう辺りについて少し丁寧な説明をさせていただきまして、制度の内容だけではなくて、将来的なキャリア形成といいますか、職業生活の設計という観点から考えていただけるような、そういうセミナーになっているのではないかというふうに考えているところでございます。
 以上です。
 
○坪田職業安定部長 
     ジョブ・カード制度でございますけれども、今年度からの大きな重点事業の一つでございます。脇本委員が仰られたように、始まったばかりでございますので、この制度が十分に浸透しているかということになりますと、私共本当にまだまだ不十分であると認識しているところでございます。例えば職務経歴書のように応募書類の1つとして社会的にこの制度が認知されるように、やはり我々努力をしていかなければならないと考えているところでございます。
 具体的には、ジョブ・カードのサンプル集等を作成いたしまして、ハローワークを中心に求職者に対してジョブ・カードの作成を窓口で奨励をしていきたいと。一方では、求人事業所には、ジョブ・カードが履歴書あるいは職務経歴書の内容をカバーしておりまして、さらに職業能力について第三者の意見も掲載されるということから、その価値は非常に高いということを説明していきたいと考えております。
 制度の広報についてでございますけれども、現在大阪労働局のホームページのトップ画面に「ジョブ・カード制度について」というバナーを貼りつけたり、局が発行いたします求人ガイド、これは求人受理の際に求人者に分かりやすく説明をするための冊子でございますけれども、その中にジョブ・カード制度についてを掲載するということを含めながら、積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 今後といたしましては、各経済団体への周知行動、あるいは説明会等を活用いたしまして、周知に努めてまいりたいということでございます。
 それから、11月ごろに政府広報でテレビコマーシャルを行うということになってございます。そういうことも行いまして、ハローワーク個々につきましては、やはり窓口できめ細かく説明をしながら、この制度の周知に努めてまいりたいと思っております。
 そういうことで、今後ともよろしくお願いいたします。
 
○奥林会長 
     はい、ありがとうございます。
 ジョブ・カード制度につきましては、まさに始まったばかりではありますけれども、かなり期待も大きいところですので、ぜひ周知徹底し、同時に制度として社会的に認知されるようなものにしていただければと思います。
 他にどなたか。はい、山本委員。
 
○山本委員 
     二点ございまして、1つは最初の仕事と生活の調和に関連してなんですが、特に中小企業への周知ということ、これが一番の課題であろうというふうに思うんですが、一つの視点として私自身は、やはり仕事と生活の調和といった場合に時間外労働をいかに削減するかということ、あるいは労働時間そのものをいかに短くするかというところにかなりウエートが置かれ過ぎているんではないかなという気がいたします。そのことが強調されますと、先ほどの肥後委員のご意見にもありましたように、中小企業ではなかなか分かっているけれどもできないという部分も起こってまいりますので、そういう労働時間の長さということだけにというか、労働時間の長さに重点を置くという視点も大事かもわかりませんが、それ以外の視点、例えば仕事の進め方とか割り振りの問題だとか、事例集等も出していただいておりますが、中小企業でもこんなことができるのではないかといったようなことを、身近なものも含めて今後ともPRしていただく必要があるだろうと思いますし、私共自身もしなければならない、このように考えております。
 そういう意味で、余り労働時間の長さという点に視点が置かれ過ぎますとなかなか難しいのではないかなと、こういうことを私自身は思っております。
 それからもう一つ、派遣の問題なんですが、本日の資料の4-28のところに「いわゆる『2009年問題』への対応について」という資料があるんですが、ここの初めのところに、労働者派遣は「臨時的・一時的な業務」に対応するための仕組みだと、恒常的な業務については直接雇い入れることを検討してくださいと、こういうふうに書かれておりまして、派遣制度そのものは当初はそういうねらいだったのかなという気はするんですが、その後随分変わってきておりますし、働く方も、あるいは受け入れる企業の方も変わってきております。そういう中で、いつまでも臨時的・一時的な仕組みだということで割り切っていいのかどうかという点は、私自身は少しどうなのかなという気がいたします。その辺りのところはなかなか仕組み、あるいは基本的な考え方を変えるということは難しいのかもわかりませんが、随分と変わってきているということを踏まえて、今後の検討課題の一つになるのではないかなという気がいたしております。
 以上です。
 
○奥林会長 
     非常に派遣制度そのものの基本的な考え方に対する意見も出ておりますが、もし事務局で何かコメントなり、あるいは対応がございましたら、ご意見いただけますでしょうか。
 
○白石需給調整事業部長 
     二点目の話から先にお答えしたいと思いますが、派遣労働の位置付けということでご意見いただいたわけでございますが、仰るように労働者派遣ですね、元々法律ができた当初、臨時的・一時的な業務を需給調整のためのシステムだということで始まった制度でございますが、その後、労働市場の状況がかなり変わってきているのではないかということでございます。この問題は、先ほどご説明しました今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会の中でも非常に大きな議論になったというふうに聞いているところでございますが、そういう中で、やはり労働者の方のキャリア形成なり長期的な雇用の安定ということを考えた場合に、労働者派遣という形は産業界あるいは一時的な就業機会を求めている方にとって必要な制度ということで、役割は十分認められるんですが、やはりそうは言いながらも常用雇用代替ということについては、引き続き認めるべきではないということで議論が整理されたというふうに聞いております。
 ただ、今後の制度改正につきましては、本日机上配付しておりますものはあくまでも厚生労働省から審議会に対して諮問した内容でございます。これが今後審議会から答申を受けまして、それで法案を作成して国会での審議ということで、まだまだ先が長い話でございますので、山本委員ご指摘の件につきましては、引き続き国会の場でも議論されていくことなのかなと認識しているところでございます。
 お答えになっていないかと思いますが、以上です。
 
○奥林会長 
     ありがとうございました。まさに派遣制度の根本的な問題にかかわることですし、最終立法にも絡むということですので、今後の成り行きを我々とすれば注目しておきたいということだと思います。
 他にございませんでしょうか。
 では、ご意見もほぼ出尽くしたようですので、一応この第1議題につきましては終了させていただきたいと思います。
 では、続きまして第2議題ですけれども、豊中市地域雇用創造計画について議論をしてまいりたいと思います。
 まず、事務局から説明をお願いします。
 
○坪田職業安定部長 
     職業安定部長の坪田でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、豊中市地域雇用創造計画につきまして、ご説明をさせていただきます。
 まず、地域雇用創造計画についてでございますが、地域雇用開発促進法におきまして、雇用機会が不足している地域を支援するため、雇用情勢が厳しい中、雇用創造に向けて意欲がある地域、具体的には市町村でございますけれども、そういった地域が地域雇用開発の促進に関する計画、これが地域雇用創造計画でございますけれども、こういったものを策定いたしまして、厚生労働大臣の同意を得て、その計画に係る雇用創造に資する事業、求人情報の提供や就職に必要な知識、技能を習得できる講習等でございますけれども、こういったものを国からの委託を受けまして、地域雇用創造推進事業といたしまして、市町村、地域の経済団体から構成される地域雇用創造協議会で実施することができるということが定められているところでございます。
 平成20年度、行政運営方針の中で、地域における雇用創造の支援に、また雇用創造に自発的に取り組む協議会が提案した雇用対策に係る事業構想の中から、コンテスト方式によりまして、雇用創造効果が高いものを選定して、当該地域に対しその事業を委託する地域雇用創造推進事業を推進すると記載しておりますが、地域雇用創造計画は、今申しました地域雇用創造推進事業の前提といたしまして策定されるものということになります。
 先ほど申し上げました地域雇用創造計画の厚生労働大臣の同意につきましては、地域雇用創造計画に同意をしようとするときは、当該地域の労働局に置かれる審議会の意見を聴かなければならないとされていることから、本会議におきまして、豊中市地域雇用創造計画についての意見を聴かせていただくというのがこのたびの趣旨でございます。
 豊中市におきましては、平成19年度から地域の雇用創出を図るための雇用対策につきまして、地域内で意見調整を進めておりまして、当局におきましても豊中市地域雇用戦略チームを当部職業対策課内に設置をいたしまして、豊中市の地域関係者による雇用対策の協議調整のための会議を開催するなど、支援に取り組んできたところでございます。
 今回、豊中市から提出がありました豊中市地域雇用創造計画につきましては、本年8月に地域雇用創造推進事業の平成20年度第2次の募集に合わせて提出されたものでございます。厚生労働省との協議を並行して進められていた関係で、事前に委員の皆様方にお送りしていました計画に多少の修正がございましたので、本日お配りをしております豊中市地域雇用創造計画に基づきまして、ご説明させていただきます。
 それでは、豊中市地域雇用創造計画の内容についてでございますが、最終ページの概念図でございますけれども、これによりご説明をいたしたいと思います。
 まず、豊中市の概要につきましては、地理的には大阪府の中央部の北側、神崎川を隔てまして大阪市の北に位置しております。人口は40万人弱と、府内で5番目ということになっております。豊中市の事業所数は約1万5,000社と、府内で4位ということになっておりますが、市内在住者のうち市内就業者が約7万8,000人、市外流出就業者が約11万人と、市内在住者の約6割が市外で就業するという、いわゆるベッドタウン、住宅都市であるということでございます。
 そこで、地域雇用創造計画の方向性といたしましては、大阪経済の産業の多様性、人口規模の経済特性に注目した産業振興と雇用創造、大都市郊外の特性を生かした産業振興と雇用創造、交通利便性の高さや大阪空港周辺地域の低未利用地の活用の動きなどの産業立地上の強みに注目した産業振興と雇用創造、医療福祉と小売・飲食、製造業などの産業分野に見られます産業的な強みに注目した産業振興と雇用創造、雇用管理改善等による中小企業の経済革新による産業振興と雇用創造を目指すということでございます。
 具体的な雇用創造推進事業の内容につきましては、まず企業向けの事業といたしまして、折角採用いたしましても雇用管理の問題から途中で退職をしてしまう場合が多い点に着目いたしまして、雇用管理改善の意義についてのセミナーを実施するとともに、ものづくり系企業、福祉医療系企業を対象にいたしました雇用管理相談を行うこととしております。
 また、少子高齢化のもと、女性の労働参加の促進が重要であることから、女性を活用するためのサポート相談等の実施も計画しているということでございます。
 求職者向け事業には、能力アップのためのものづくり関係の技能を身につけるコースや、ヘルパー2級等の資格取得を目指すセミナーや、IT技能を習得するセミナー、コミュニティビジネスの創造セミナー等の能力開発メニューと、就職フェアなどの面接会に取り組むなど、平成22年度までに参加数、アウトプットでございますけれども、企業数で940社、求職者で1,562人、雇用創出、アウトカムでございますけれども、516人を見込んでいるとのことでございます。
 以上、簡単でございますけれども、豊中市地域雇用創造計画の説明とさせていただきます。それでは、ご審議のほど、どうぞよろしくお願いをいたします。
 
○奥林会長 
     比較的簡単ではありますが、一番最後のページにあります豊中市地域雇用創造計画の概念図というものがあります。これが全体を見渡した上では一番理解しやすい図になっていると思いますので、それを読んでいただいて、委員の皆さんからその具体的な内容とか、あるいは成果等、いろいろ質問していただければと思います。一応、国の委託事業になる予定ですので、したがって、この審議会での意見を聴取するということになります。
 ご自由にご発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 はい、肥後委員、お願いします。
 
○肥後委員 
     初めてでよく分からないんですけど、お考えは立派なことですが、雇用の創造まで入っていくというのは、大変だなと。さっきの就職支援の部分でいけば、それぞれの年代なり子どもさんを持った女性なりといろんなターゲットを絞って、細かく対処なさって、その上にここまでおやりになるというのは、何か屋上屋というか、全くそこまでやることが本当に必要なのかなというのが、率直な疑問として。企業ができないことをそこまで労働行政としておやりになることが、私共からしたらいかがなものかと。それだけです。頑張ってください。
 
○奥林会長 
     ある程度の見通しみたいなものもきちんと作られているようですので、その辺りも含めて説明していただければと思います。お願いします。
 
○坪田職業安定部長 
     豊中市からこういった計画が出されまして、先ほど説明いたしました地域の概要、あるいは人口、労働力、あるいは就業構造がどういうふうになっているのかということで、私共労働局として中身についていろいろ検討なり、あるいは市の方からの説明をいろいろ聴く中で協議をやってきたところでございます。内容につきましては、お手元の計画でございますけれども、局として妥当であると考えておりますので、本日この場の審議ということに至ったわけでございます。よろしくお願いいたします。
 
○桑島局長 
     この計画は、名前のとおり豊中市が一応、国がこういう枠組みを定めまして、手を挙げてくださいということで、豊中市が手を挙げたということで、ハローワークでいいますと、豊中市は池田のハローワークの管轄になりますけれども、ハローワークは複数の市を所管しておりまして、その一つ一つの市のレベルというのはより小さい単位になるわけですけれども、豊中市がおやりになるということで、ハローワークももちろん関連する限りできるだけバックアップしていくこととなっております。
 それから、かなり詳細な計画が出てきているわけですけれども、若干、事務方に聴いた限りでは、最初のうちはかなり総花的な、市としては、市のやること全部を盛り込むような計画を素案としてはお書きになったようですけれども、かなり絞り込んでいただいて、ここまで一応メリハリをつけていただいたと聴いているところでございます。
 以上です。
 
○奥林会長 
     はい、岩本委員さん、お願いいたします。
 
○岩本委員 
     私も豊中市に住んでいるのですけれども、結局労働行政というのは地方公共団体にあまり関係がないということで、今までずっと50年間とか100年間ぐらい来たと思うんですね。労働行政は国がやると。職業紹介も地方公共団体はできないんだという頭があったと思うんです。今回、資料を送っていただいて初めて見て、国が地方公共団体にも労働行政を少し委託というか外注というか、そういうふうにするようになったのかなと発見したわけなんですけれどもね。何故豊中市なのかなというのはあるんです。大阪市とか、もっと大きな堺市とか、産業の町である東大阪市なんかがあるのに、そういう大きいところじゃなくて何故豊中市かなと思っているんです。多分、豊中市に労働行政に興味のある人がいて、こんなふうになったのかと思っています。国の行政というのはどういうお考えで動いてるんでしょうか。職業紹介とかハローワークとかいうのはほぼ国の事業であって、都道府県でさえ職業紹介はしなかったという時代が何十年も続いたと思うんですけれども、市へこういうふうに投げられるというのが新しい動きなのかどうかということをご質問したいと思います。
 
○奥林会長 
     事務局、いかがでしょうか。
 
○桑島局長 
     岩本委員が仰るとおり、従来労働行政の幾つかの分野のうちの労働基準、それから職業安定、雇用均等については国がやると。それ以外の職業能力開発と労政については都道府県でおやりになるということで、そうしますと市町村というのは基本的に枠の外という形であったわけですけれども、無料職業紹介分野など、市町村でも別にどんどんやって構わないじゃないかという考え方にはなってきております。昨今の地方分権の議論との関係の中で、そういった方向性というものも一定出てきてるということでございます。
 ただ、今回のこの件につきましては、厚生労働省が委託するというのではなくて、一応厚生労働省でそういう枠組みを作りまして、やりたい人は手を挙げてくださいということで、豊中市の方で非常に積極的なお考えをもっていらっしゃって、こういう計画をお出しになってきたということでございます。
 
○奥林会長 
     ということのようですが、それでよろしいでしょうか。従来の労働行政からしますと、やはり地方分権の中で実際の雇用機会を作ろうということになりますと、労働サイドだけではなくて、むしろ経済の方、両方担当しないといけないということになり、それが地方自治体辺りで調整するということになってきているのかなという気がいたします。
 例えば、本日出された資料の中でも、重点分野の設定というところの中で、製造業とか運輸業、さらには医療福祉、こういう業種なども絞り込んだ上で、そこでの人材開発のようなことをやろうとしておられるようでありますので、商工労働部というのが最近地方自治体の中ではそういう名前になっておりますが、商業と、いわゆる産業と労働とが一体となって雇用機会を創造していく、あるいはさらに人材の育成もそこで調整していく、こういう考え方が少しずつ出てきているのかなという気もいたします。
 他に。はい、高田委員さん。
 
○高田委員 
     勉強不足で大変申しわけないのですが、ちょっと取組の中で分からないことありますので、聴かせていただきます。
 市独自で創業準備施設、インキュベーションセンターというんですか、つくられて推進されているということで、資料に記載されているわけですけれども、18年度から作られているということで、どういう取組で、そして今現在それが功を奏しているのかどうかということ、ちょっとお聴きしたいなと思います。よろしくお願いします。
 
○坪田職業安定部長 
     インキュベーションセンターの取組といたしまして、市独自の創業準備施設で平成18年度から今お話がございましたように、入居者24名と、同センターから起業した方が6名ということでございます。私共、このセンターの取組につきましては、これぐらいの話をお聴きしているんですけれど、中身のもっと詳しいというのはちょっとお聴きしておりませんので、申しわけございませんが。
 
○奥林会長 
     ただ、おそらくはこういうインキュベーションセンターとか、それから商工会議所での創業塾とか、さらには「おおさか地域創造ファンド」とか、こういう経済活動面も含めた1つの雇用開発計画として提出されているというのが一つの新しい局面ではないかなというふうに思います。ただ単に職業能力の育成とか人材育成ということだけではなくて、むしろそういう経済面でのいろいろな試みも同時にこのプランの中に入っているというところが一つの新しさかなと私自身は理解しております。
 はい、山本委員。
 
○山本委員 
     今、会長のお話とかなりダブるんですが、私自身この仕組み、国がつくられて豊中市が手を挙げられ、労働局としても一定のアドバイスをされたということですから、基本的に進めていただく点について特に異論があるわけではございませんけれども、これまでも雇用施策あるいは人材育成施策をいろんなところで、もちろん労働局をはじめとしていろんなところで、民間でも行われてきており、それを改めて違う視点とはいいながらやるということですので、従来とはやはり違うもの、特徴、あるいは効果が上がるであろうというものをかなり絞った形でやっていただくということと、豊中の特性だからこういうことをやるんだということを明確に位置付けした形での事業をやっていただかないと、受け手とすると、何か従来と変わらないのではないかとか、どこがどう違うのかという形になってしまうと、結果として良くないのではないかなという気がいたしますので、その辺の豊中の特徴と、従来とはこういう点で違うんだというものが明確になるような形での事業の内容と運営を、それで結果を出していただくということでぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
 
○奥林会長 
     ありがとうございます。豊中の特徴としましては、まさに先ほど出ておりましたように、いわゆるベッドタウンであったと。そうしますと、いわゆる主婦とか、あるいは高齢者等がたくさん住んでおられるわけですけれども、そういうところでの労働力開拓などがおそらくかなり重要な課題にもなってくる。しかも、そういう辺りに製造業と、さらには医療福祉という、まさにその2つ、かなり性格の異なるような産業を重点に人材育成をしていこうというところが一つの新しい側面かなと私自身は感じております。
 いかがでしょうか。特に意見もこれ以上ないということでございましたら、我々この審議会としましては、この計画を一応妥当なものと認めるということで回答したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 
(異議なし)

○奥林会長 
     はい、ありがとうございます。
 それでは、豊中市の地域雇用創造計画につきましては、妥当と認めるということで回答したいと思います。
 続きまして、第3の議題ということになっております。その他ということですが、特に事務局から何かありましたらお願いいたします。
 
○小松企画室長 
     特にございません。
 
○奥林会長 
     はい、ありがとうございました。
 それでは、あらかじめ準備しておりました議題は一応終了しております。何か特にこの際一言言っておきたいという方ございましたらご発言いただいても構いませんが。
 無いようですので、本日の労働審議会についてはすべての審議を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。

 
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