労災保険給付のあらまし【労災補償課】

平成20年4月1日更新

給付内容が変わりました。
労災保険の給付には、業務災害、通勤災害と社会復帰促進等事業があります。

目次 (ページ内の詳細項目へジャンプします)

1.業務災害の保険給付の内容 (1) 療養補償給付
(2) 休業補償給付
(3) 傷病補償年金
(4) 障害補償給付
(5) 遺族補償給付 ① 遺族補償年金
② 遺族補償年金前払一時金
③ 遺族補償一時金
(6) 葬祭料
(7) 介護補償給付
2.通勤災害の保険給付
3.二次健康診断等給付
4.自動車事故等第三者の行為による災害
5.費用徴収 (1) 不正受給者等からの費用徴収
(2) 事業主からの費用徴収
6.請求手続及び内容
7.社会復帰促進等事業の種類と内容 (1) 被災労働者等援護事業 ① 特別支給金
② 労災就学援護費
③ 労災就労保育援護費
④ その他
(2) 社会復帰事業

1.業務災害の保険給付の内容

(1) 療養補償給付

療養補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病にかかり療養を必要とする場合に行われます。
療養補償給付には、療養の給付と療養の費用の支給があります。
療養の給付は、一種の現物給付で、労災病院や労災指定病院(診療所)において直接被災労働者に対して療養そのものを給付するものです。

療養の給付及び療養の費用の支給の範囲
 (1) 診察
 (2) 薬剤又は治療材料の支給
 (3) 処置、手術
 (4) 病院又は診療所への収容
 (5) 看護
 (6) 移送
で政府が必要と認めるものに限ります。

療養の費用の支給は、被災労働者が労災病院や労災指定病院(診療所)以外の病院などで療養した場合に行われるもので、その療養に要した費用を被災労働者が療養を受けた病院等に支払い、その後所轄労働基準監督署長に請求し支払を受けるものです。

(2) 休業補償給付

労働者が業務上の負傷又は疾病にかかりその療養のため働くことができず、そのために賃金を受けない場合には、その4日目から賃金を受けない期間1日につき給付基礎日額の60%相当額の休業補償給付及び20%相当額の休業特別支給金が支給されます。

待期期間
 
休業の初日を含む最初の3日間は待期期間といい、休業補償給付は行われませんが業務上傷病の場合は、その間は事業主が休業補償(平均賃金の60%以上)を行うこととなります。
給付基礎額 (労働基準法第12条の平均賃金に相当する額)
 
原則 = 算定すべき事由の発生した日以前3カ月間に支給された賃金の総額
算定すべき事由の発生した日以前3カ月間の総日数(暦日数)

事業場において賃金締切日が決められている場合は、災害を被った日又は診断によって病気にかかったことが分かった日の直前の賃金締切日から起算して3カ月分の賃金を総日数で割った額をいいます。

(3) 傷病補償年金

療養補償給付を受ける労働者の傷病が、療養の開始後1年6カ月を経過しても治らないで、その傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当する場合に傷病補償年金が支給されます。

傷病補償年金の額は、障害の程度に応じ、次のとおりです。

傷病等級 給付基礎日額
1級 313日分
2級 277日分
3級 245日分

(4) 障害補償給付

業務上の負傷又は疾病が治ゆしたときに、身体に一定の障害が残った場合には、障害補償給付が支給されます。

「治ゆ」とは、症状が固定し、もはや療養の効果を期待できず、したがって療養を必要としなくなった状態をいいます。
障害補償給付には、障害補償年会と障害補償一時金とがあります。

障害補償年金は、障害等級第1級から第7級までに該当する障害について支給され、障害補償一時金は、第8級から第14級の障害について支給されます。
給付の額は次のとおりです。

障害等級 障害補償年金
給付基礎日額
障害等級 障害補償一時金
給付基礎日額
1級 313日分 8級 503日分
2級 277日分 9級 391日分
3級 245日分 10級 302日分
4級 213日分 11級 223日分
5級 184日分 12級 156日分
6級 156日分 13級 101日分
7級 131日分 14級 56日分

なお、この他に特別支給金が支給されます。

(5) 遺族補償給付

労働者が業務上で死亡した場合には、遺族補償給付が支給されます。遺族補償給付には、遺族補償年金と遺族補償一時金とがあり、労働者の死亡当時の生計維持関係、死亡労働者との続柄、遺族の年齢等によっていずれかになります。

1. 遺族補償年金

労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた遺族であり、妻以外の遺族にあっては一定の年齢又は障害の状態にある者のみが受給資格者とされています。
遺族補償年金は、すべての受給資格者に支給されるのではなく、受給資格者のうち最先順位の者(受給権者)に支給されます。
遺旗補償年金の額は、遺族の数等に応じ、次のとおりです。

遺族の数 給付基礎日額
1人 153日分

ただし、その遺族が55才以上の妻又は一定の障害の状態にある妻の場合は
175日分
2人 201日分
3人 223日分
4人 245日分

なお、この他に特別支給金が支給されます。

2. 遺族補償年金前払一時金

遺族補償年金は、毎年各支払期月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)ごとに支給されるのを原則としますが、希望者には給付基礎日額の1,000日分を限度として、給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1,000日分のうちから遺族の選択する額が一時に支給されます。
遺族補償年金前払一時金が支給されたときは、各月分の額(年利5分の単利で割り引いた額)の合計額が当該遺族補償年金前払一時金の額に達するまでの間、遺族補償年金の支給が停止されます。

3. 遺族補償年一時金

遺族補償一時金は、次のいずれかの場合に支給されます。
(1) 労働者の死亡の当時、遺族補償年金を受けることができる遺族がいないとき‥‥‥給付基礎日額の1000日分。
(2) 遺族補償年金の受給権者となった者がすべて失権した場合で、それまでに支給された遺族補償年金及び遺族補償年金前払一時金の合計額が給付基礎日額の1,000日分に満たないとき‥・その合計額と給付基礎日額の1,000日分との差額。


(6) 葬祭料

労働者が業務上死亡した場合に、葬祭を行う者に対して315,000円の定額に給付基礎日額の30日分を加えた額又は給付基礎日額の60日分の額のいずれか高い方の額が支給されます。

(7) 介護補償給付

障害補償年金又は傷病補償年金の第1級の者又は第2級の者(精神・神経障害及び胸腹部臓器障害者の者に限る。)であって、常時又は随時介護を要する者に支給されます。
支給額は、介護の状況よって常時介護は104,960円(H20.4.1~)、随時介護は52,480円(H20.4.1~)を上限として支給されます。

2.通勤災害の保険給付

通勤災害に関する保険給付の種類は、療養給付、休業給付、傷病年金、障害給付、遺族給付、葬祭給付、介護給付で、これらの給付は、それぞれ業務災害の場合の給付、すなわち、療養補償給付、休業補償給付、傷病補償給付、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、介護補償給付に相当するものであり、受給権者、支給事由及び給付内容は業務災害に関する保険給付に準ずるものです。

通勤災害の詳細はこちらから。

3.二次健康診断等給付

労働安全衛生法に基づく定期健康診断又は雇入れ時健康診断等のうち直近のもの(以下「一次健康診断」と言います。)において、「過労死」等の原因である脳血管疾患及び心臓疾患(以下「脳・心臓疾患」といいます。)に関連する一定の項目について異常の所見が認められる場合、脳血管及び心臓の状態を把握するための二次健康診断、及び、脳・心臓疾患の発生の予防を図るための特定保健指導を受診者の負担なく受けることができます。

支給要件
(1)一次健康診断の結果、次の4つの検査の全てに異常の所見が認められること。
 ①血圧検査
 ②血中脂質検査
 ③血糖検査
 ④肥満度
(2)脳・心臓疾患を発症していないこと。
(3)二次健康診断は1年度につき1回に限ります。
(4)特定保健指導は二次健康診断1回につき1回に限ります。

※注意:労災保険制度に特別加入している方は対象になりません。

4.自動車事故等第三者の行為による災害

労災保険の給付の対象となる業務災害又は通勤災害は、交通事故など第三者の行為が原因となって生ずることが少なくありません。
このように第三者の故意、過失等の不法行為による災害を労災保険では「第三者行為災害」と称し、特別の取扱いをしております。
第三者行為災害について保険給付を受けるには、後記4の保険給付の請求手続のほかに、「第三者行為災害届」を所轄労働基準監督署長へ提出することになっております。
なお、自動車事故による場合は、原則として、先に自動車損害賠償責任保険などに請求していただくことになっております。

第三者行為災害の詳細はこちらから。
 

5.費用徴収

1. 不正受給者等からの費用徴収

偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者は、その不正手段により受けた保険給付に相当する額を徴収されます。
この場合、事業主が災害発生状況などについて虚偽の報告または証明を行ったときは、その事業主は、不正受給者と連帯して徴収金を納付しなければなりません。

2. 事業主からの費用徴収

事業主が故意または重大な過失により保険関係成立の届出をしていない期間や、保険料を納めていない期間中に業務災害や通勤災害が発生したり、事業主の故意または重大な過失によって業務災害が発生したりした場合にも、災害を被った労働者には保険給付が行われます。
そのかわりに事業主は、この保険給付に要した費用の一部を徴収されることになります。

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