労働福祉事業の種類と内容【労災補償課】

令和元年7月更新

労働者やその遺族の福祉の増進を図るため、被災労働者の社会復帰の促進、被災労働者及び遺族の援護、労働者の安全衛生の確保、適正な労働条件の確保等を図るため必要な事業を行っております。
その主な制度は次のとおりです。

 

1.被災労働者等援護事業

特別支給金

(1) 休業特別支給金
休業補償給付又は休業給付を受ける者に対し、休業 4日日から 1日につき給付基礎日額の 20%に相当する額が支給されます。

(2) 障害特別支給金
障害補償給付又は障害給付を受ける者に対し、障害の程度に応じ次表の額の一時金が支給されます(ただし、下記の傷病特別支給会の支給を受けた場合には一定の調整が行われます)。

障害等級
1級 342万円
2級 320万円
3級 300万円
4級 264万円
5級 225万円
6級 192万円
7級 159万円
8級 65万円
9級 50万円
10級 39万円
11級 29万円
12級 20万円
13級 14万円
14級 8万円


(3) 遺族特別支給金
遺族補償給付又は遺族給付の受給権者に対し、300万円(遺族特別支給金を受けることができる遺族が2人以上ある場合には、300万円をその人数で除して得た額)の-時金が支給されます。

(4) 傷病特別支給金
休業補償給付又は休業給付を受ける者に対し、休業4日日から1日につき給付基礎日額の20%に相当する額が支給されます。

傷病等級
1級 29万円
2級 20万円
3級 14万円


(5) 特別給与(ボーナス等)を算定の基礎とする特別支給金

特別給与を算定基礎とする特別支給会の支給額は、算定基礎日額をもとにして計算されます。

算定基礎日額 = 被災日以前1年間に受けた特別給与の額(算定基礎年額)
365

ただし、算定基礎年額は、給付基礎日額(年金たる特別支給金が支給される場合は、法第8条の2第1項に規定する年金給付基礎日額)に365を乗じて得た額の20%に相当する額又は150万円のいずれか低い方の額が上限とされています。

①障害特別年金
 障害補償年金又は障害年金を受ける者に対し、障害の程度に応じて、次表の額の年金が支給されます。

障害等級 算定基礎日額
1級 313日分
2級 277日分
3級 245日分
4級 213日分
5級 184日分
6級 156日分
7級 131日分


②障害特別一時金
 障害補償一時金又は障害一時金を受ける者に対し、障害の程度に応じて、次表の額の一時金が支給されます。

障害等級 算定基礎日額
8級 503日分
9級 391日分
10級 302日分
11級 223日分
12級 156日分
13級 101日分
14級 56日分

 
③遺族特別年金
 遺族補償年金又は遺族年金を受ける者に対し、遺族の数等に応じて次表の額の年金が支給されます。

遺族の数 算定基礎日額
1人 153日分(※)
2人 201日分
3人 223日分
4人以上 245日分

※ ただし、その遺族が55歳以上の妻又は一定の障害の状態にある妻の場合は算定基礎日額の175日分がいないとき

④遺族特別一時金
遺族補償一時金又は遺族一時金を受ける者に対して、次の額の一時金が支給されます。

(1)労働者の死亡の当時、遺族補償年金又は遺族年金の受給資格者がいないとき
算定基礎日額の1,000日分
 
(2)遺族補償年金又は遺族年金の受給者となった者がすべて失権した場合で、それまでに支給された遺族特別年金 の合計額が算定基礎日額の1,000日分に満たないとき
その合計額と算定基礎日額の1,000日分との差額が支給されます。


⑤傷病特別年金
傷病補償年金又は傷病年金を受ける者に対し、傷病等級に応じて次表の額が支給されます。

傷病等級 算定基礎日額
1級 313日分
2級 277日分
3級 245日分

 

労災就学援護費

障害等級第1級から第3級までの障害補償年金若しくは障害年金の受給権者又は被災労働者の子、遺族補償年金若しくは遺族年金の受給権者又は被災労働者の子及び傷病補償年金若しくは傷病年金の受給権者のうち傷病の程度が特に重篤な者の子で、学資の支弁が困難である者には、学校の種別に応じて就学援護費が支給されます。

(1) 小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に在学する者
月額 14,000円
 
(2) 中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に在学する者
月額 18,000円(ただし、通信制課程に在学する者にあっては、月額15,000円)
 
(3) 高等学校(定時制課程の第4学年、専攻科及び別科を含む。)、中等教育学校の後期課程、高等専門学校の第一学年から第三学年まで、特別支援学校の高等部、専修学校の高等課程若しくは一般課程に在学する者又は公共職業能力開発施設において中学校卒業者若しくはこれと同等以上の学力を有すると認められる者を対象とする普通職業訓練若しくは職業訓練法施行規則の一部を改正する省令(昭和53年労働省令第37号)附則第2条に規定する第1類の専修訓練課程の普通職業訓練を受ける者
月額 18,000円(ただし、通信制課程に在学する者にあっては、月額15,000円)
 
(4) 大学、専門職大学、短期大学、専門職短期大学、大学院、専門職大学院、高等専門学校の第四学年、第五学年若しくは専攻科若しくは専修学校の専門課程に在学する者又は公共職業能力開発施設において普通職業訓練を受ける者((3)に掲げる者を除く)若しくは高度職業訓練を受ける者
月額 39,000円(ただし、通信制課程に在学する者にあっては、月額 30,000円)
 

労災就学援護費

障害等級第1級から第3級までの障害補償年金若しくは障害年金の受給権者又は被災労働者の子、遺族補償年金若しくは遺族年金の受給権者又は被災労働者の子及び傷病補償年金若しくは傷病年金の受給権者のうち傷病の程度が特に重篤な者の子で保育を必要とする末就学の児童(以下「要保育児」という。)があり、その要保育児と同一生計にある家族が、就労のため当該要保育児を保育所、幼椎園等に預けており、かつ、その保育に係る費用の援護の必要があると認められる者に対して就労保育援護費が支給されます。

保育を要する児童1人につき 月額 12,000円
 

その他

労災援護金、休業補償特別援護金支給等の制度があります。

 

2.社会復帰事業

外科後処置

障害補償給付又は障害給付を受けた後、保険給付の対象とならない義肢装着のための断端部の再手術、顔面醜状の軽減のための再手術などを労災病院等の契約病院において無料で診療が受けられます。
 

義肢等の支給

身体に障害を残した者で、必要があると認められる者に対しては、義肢、義眼、眼鏡、車いす、補聴器、かつら等が支給されます。
 

せき髄損傷者に係るアフターケア

業務災害又は通勤災害によるせき髄損傷者であって、障害等級第3級以上の障害(補償)年金を受けている者(障害等級4級以下の者であっても、医学的にアフターケアを必要とすると認められる者も含む。)に対し、1カ月に1回程度診察、保健指導、処置、検査、薬剤の支給を行います。
 

頭頚部外傷症候群等に係るアフターケア

頭頚部外傷症候群等の傷病者であって障害等級第9級以上の障害(補償)給付を受けている者(障害等級10級以下の者であっても、医学的にアフターケアを必要とすると認められる者も含む。)に対し、1カ月に1回程度診察、保健指導、処置、検査、薬剤の支給を行います。
 

尿道系障害に係るアフターケア

尿道断裂、骨盤骨折等により尿道外傷を被り、尿道狭さくの障害を残す者のうち、障害(補償)給付を受けている者に対し、1~3カ月に1回程度診察、保健指導、処置、検査及び薬剤の支給を行います。
 

慢性肝炎に係るアフターケア

ウイルス性の慢性肝炎にり患した方で障害(補償)給付を受けている方又は受けると見込まれる方(症状固定した方に限る)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要と認められる者に対し、1カ月に1回程度診察、保健指導及び検査を行います。
 

白内障等の眼疾患に係るアフターケア

業務災害又は通勤災害により視機能に障害を残す者のうち、障害(補償)給付を受けている者(障害(補償)給付を受けていない者であっても、医学的にアフターケアを必要とすると認められる者も含む。)に対し、1カ月に1回程度診察、保健指導、検査、睫毛抜去、薬剤の支給を行います。
 

振動障害に係るアフターケア

業務災害による振動障害の傷病者のうち、障害補償給付を受けている者に対し1カ月に1回ないし2回程度診察、保健指導、検査、薬剤の支給を行います。
 

大腿骨頸部骨折及び股間節脱臼・脱臼骨折に係るアフターケア

大腿骨頸部骨折した者、股間節脱臼又は股間節脱臼骨折した者においては、治ゆ後大腿骨骨頭壊死を起こすおそれがあるため、3~6ケ月に1回程度診察、保健指導、検査、薬剤の支給を行います。
 

その他

人工関節・人工骨頭置換、慢性化膿性骨髄炎、サリン中毒、脳の器質性障害、虚血性心疾患等、熱傷、尿路系腫瘍、外傷による末梢神経損傷、精神障害、循環器障害、呼吸機能障害、消化器障害、炭鉱災害による一酸化炭素中毒のアフターケアの制度があります。
 

平成19年7月から次の取扱いが変更になりました

(1) アフターケア実施期間の継続を希望する場合の診断書(の提出)について
 せき髄損傷、人工関節・人工骨頭置換、虚血性心疾患等(ペースメーカ等を植え込んだ方)、循環器障害(人工弁又は人工血管に置換した方)及び頭頸部外傷症候群等に係るアフターケアを除き、アフターケア実施期間の継続を希望し、健康管理手帳の更新申請をする場合には、アフターケアを受けている医療機関の主治医の診断書の提出が必要となりました。

(2) 「脳の器質性障害に係るアフターケア」の新設について
従前の頭頸部外傷症候群等(一酸化炭素中毒症(炭鉱災害によるものを除きます。)、外傷による脳の器質的損傷、減圧症)、脳血管疾患、有機溶剤中毒等に係るアフターケアを統合し、「脳の器質性障害に係るアフターケア」を新設しました。
 

平成19年10月から、次の取扱いが変更になりました

○ アフターケア実施期間の継続を希望する場合の健康管理手帳の有効期間について

(1) せき髄損傷、人工関節・人工骨頭置換、虚血性心疾患等(ペースメーカー等を植え込んだ方)、循環器障害(人工弁又は人工血管に置換した方)に係るアフターケアについては、アフターケア実施期間の継続を希望する場合の健康管理手帳の有効期間が3年から5年に変更となりました。

(2) 上記(1)に掲げる傷病及び頭頸部外傷症候群等を除く傷病に係るアフターケアについては、アフターケア実施期間の継続を希望する場合の健康管理手帳の有効期間が2年又は3年から1年に変更となりました。


 

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