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(2)これまでの災害防止
目立つ危険にだけ目を向ける | ||||
安全パトロール、ヒヤリハット報告、KY活動、改善提案などは、いずれも、多くの企業で成果を上げている、ポピュラーな災害防止の手法です。しかしそれらの活動には、次のような疑問点があります。 | ||||
● | 安全パトロールは、見回る人の主観によって内容が偏りやすい。 | |||
● | ヒヤリハット報告やKY活動では、「こんなことを報告したら叱られる」といった意志が働きやすく、問題点が隠されることがある。 | |||
● | どの手法も、人の「気づき」に頼っている。誰も気づかなければ、大きな問題点も見過ごされることがある。 | |||
事故が起きた後ではじめて、問題点が明らかになるのは、よくある話しです。何年も安全活動を続けているのに、問題点が未然に指摘されないのは、なぜでしょうか?一方、マンネリ化と言われるように、似たような問題点が繰り返し指摘されるのはなぜでしょうか? | ||||
なくせない危険から目をそらす | ||||
安全関係の提案をするとき、問題点に対し、改善前、改善後の写真を並べて配置し、成果が分かるように掲示する取組をしている企業が多いと思います。改善の成果が上がることは間違いありませんが、次のような疑問点もあります。 | ||||
● | 手軽に改善でき、写真で示しやすい事案の提案が増える一方、大掛かりで改善が難しい事案は、提案されづらくなる。例えば、費用のかかる設備改善や、工場レイアウトの見直しなどは、なかなか提案されない。 | |||
● | 成果を示さねばならないので、改善後「残留リスクゼロ」など、過大評価するケースが増える。改善後もリスクが残っているとは報告しづらい。 | |||
これらの背景には、問題点を挙げるからには、責任を持って案を示し、改善完了させねばならず、さらには、改善の結果は完全であるべきで、リスクが残ってはならない、といった考えがあるようです。しかし、技術的に解決できない問題や、危なさを完全に取り去ることができない問題もあるのではないでしょうか? | ||||
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