(1)安全と安心

 
   仲間がいるから安全?
 
いざ事故が起きたときに、頼れる仲間がいれば「安心」です。しかし、仲間がいても事故の確率は下がりませんし、「安全」になるわけではありません。
 
 
       
   保険に入れば安全?  
 
保険に入れば、いざという時の経済的な不安がなくなり「安心」です。しかし、保険に加入しても事故の確率は下がりませんし、「安全」になるわけではありません。
 
 
       
    鎖をつければ安心?
 
猛犬を鎖でつなげば、放し飼いをしている時より、ずっと「安全」です。しかし、鎖で「安心」できる人もいれば、犬が苦手で、オリに入れなければ「安心」できない人もいます。「安全」になっても、誰もが「安心」できるとは限りません。
 
 
       
   「安全」と「安心」の違い
 
「安全」の目的が、事故防止だとすれば、「安心」の目的は、心を安らがせることです。心の持ちようは人それぞれであり、保険を例に取ってみても、基本的なプランで満足する人もいれば、様々なオプションを付けなければ不安な人もいます。「安心」は主観的なもので、どうすれば「安心」できるかも人によって違うということです。

一方、「安全」は、もう少し客観性が必要です。例えば、「俺は平気」とか、「気をつければ大丈夫」といったことを根拠に「安全」を主張されても、多くの人は納得しません。猛犬を鎖でつないだ状態のように、客観的に見て事故の確率等が低減されている必要があるでしょう。

「安全」を考えるためにはもうひとつ、事故の確率等がどの程度低減されているかといった「度合い」の問題がありますが、これについては、後ほど触れることとします。ここではまず、「安全」は客観性が必要で、「安心」は主観的要素が強いと覚えておいてください。

なお、国際的には、「安全」を『許容できないリスクがないこと』(ISO/IECガイド51:2014)と定義しています。この定義についても順に説明していきます。
 
       

 
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