加藤梱包運輸株式会社
(鴻巣市)

名称 加藤梱包運輸株式会社
所在地 鴻巣市
労働者数 66人
業種 運送業
代表者職氏名 代表取締役社長 加藤 聡
取組内容 【取組のきっかけ】
 同社は先代が創業した運送事業を平成2年に会社組織として設立した。
 「地域と共に物流を考える」という企業理念のもと、少人数でスタートした事業を徐々に拡大し、現在は、従業員66名で、大手インターネット通販サイトの拠点間配送を主たる業務としている。
 従業員が長く安心して働ける環境整備に取り組んできたことが、結果的に働き方改革にもつながり、若手からベテラン従業員まで幅広い世代の従業員が活躍している。

【取組の内容】
(1)データを活用した労働時間管理
 会社設立後間もない段階で、デジタル式運行記録計(デジタコ)を導入していたが、日々の出退勤の時刻や休憩時刻等のデータを用いて拘束時間、総労働時間、休息時間等を計算し、労働時間管理を行うことが煩雑となっていた。
 そこで、数年前から、会社独自の勤怠管理用スマートフォンアプリを活用し、管理に必要な時間数等を自動集計することにした。
(2)荷物転倒等想定外のトラブルの情報共有と車両故障軽減のための取組
 一般的に、「車両故障」や「倉庫内の荷物転倒」といった想定外のトラブルは、復旧までに時間がかかるため、ドライバーにとって時間外労働の大きな要因となっている。
 トラブルが発生した場合、速やかに「発生年月日、状況、原因、再発防止対策」等をとりまとめ、報告し、全社で情報共有することとしている。
 また、予期せぬ車両故障を回避するため、一定期間ごとに車両を入れ替えるとともに、日々の整備によりドライバーが安心して運転に専念できる体制としている。
(3)労使の話し合いと継続的な社員教育の実施
 現在、従業員全員が参加する会議が毎月実施されている。しかし、従業員全員が一堂に会することは難しいため、月1回の話し合いの機会は3回に分けて実施し、いずれか都合のよい日程に参加できるようにしている。
 ここでは、各従業員が従事する業務や労働時間等労務管理に関する意見交換だけでなく、事故事例とその再発防止策、車両整備や点検手法などの情報共有といった社員教育の機会にもなっている。

【取組の結果】
(1)データを活用した労働時間管理
 デジタコやアプリの活用により、ドライバーの運行状況を動態管理することが可能となり、出退勤時間から拘束時間、休息時間を一元管理できるようになった。
 これまでドライバーの業務は、業務終了時刻を予測しにくく、「時間の読めない働き方」が当然と考えられていた。
 これらの問題解決のため、過去の運転データを分析することで、業務遂行に必要な時間を見積もることができるようになり、時間外労働の短縮や休日の取得で総労働時間の削減が可能となった。
(2)荷物転倒等想定外のトラブルの情報共有と車両故障軽減のための取組
 通常業務のなかで要因確認や報告をスピード感を持って行うことは、会社にとっても従業員にとっても相応の負担である。しかし、情報を共有し、再発防止対策を講じることで、同種のトラブルの回避につながっている。
 組織としての情報共有によるソフト面、定期的な車両の入替というハード面双方の取組の結果、想定外のトラブルは、ここ数年で削減傾向に有り、取引先からの信頼を得ることができた。
 結果として、トラブルの事後処理のための時間が削減され、従業員の総労働時間の削減という成果につながっている。
(3)労使の話し合いと継続的な社員教育の実施
 継続的な労使の話し合いによる従業員との意見交換のほか、社員教育の機会としても活用され、能力向上を図ることが可能となっている。
 毎月の労使の話し合いと継続的な社員教育によって、距離を縮めた労使協調の体制が醸成され、労働時間削減や会社として得た収益の賃上げにつなげることができた。
 結果として、これらは働き方改革の取組みとなっており、幅広い世代の従業員のさらなる活躍につながっている。

【企業コメント】
 一見遠回りのように見える取組みに、理解を示して実践してくれている従業員には非常に感謝しています。取組みのなかには、荷主の要請によるものもあり、相応の負担は伴うものの、運送会社にとっても理にかなうはずと信じて丁寧に対応してきました。
 従業員の一人一人の日々の働きに感謝し、従業員皆が仕事と生活の調和のとれた日々が送れるよう、今後も職場環境の改善に取り組んでまいります。
 労務管理を含めた体制の整備はこれでおしまいということはなく、常に時流の変化を受け入れ、革新していくことで、物流という社会インフラを通じて地域に貢献することが当社の使命と考えています。
 
 
 
コンサルタントからひと言  「新しいことが好き」とおっしゃっていた代表者様。実際、従来の手法に固執することなく、新しい手法・取組を柔軟に受け入れ、先を見据えた時代の変化にキャッチアップしていくべく意欲的に語ってくださったお話はいずれも興味深いものでした。
 定期的な車両の入替や速やかな事故報告等、一見労働時間の削減とは直接関係ないようなことも地道に実践されてきた結果が、働き方改革を含めた組織としての好循環に繋がっていることが、伺えました。

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