就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例

 面接を受ける側は普段よりも緊張しているものです。できるだけ普段のその人を出させるように、緊張を和らげるような雰囲気を作ることが大切です。試験場内外ともに、
 「受験者の人格を十分尊重するように配慮すること」
 「受験者に心理的動揺や、精神的負担を与えるような言動は絶対にしないこと」
に配慮して、気軽に話し話し合える雰囲気を作ることが必要です。

不適切な質問例

不適切である理由 不適切な質問例
『本籍など』

 ・同和地区(関係者)に対する就職差別につながります。
 ・本籍地について聞くことは身元調査につながります。
・あなたの本籍地はどこですか。
・あなたの出身地はどこですか。
・何故本籍と現住所が違うのですか。
・生まれからずっと現住所ですか。
・自宅付近の略図を書いてください。
・〇〇町のどの辺ですか。
『家族の職業、収入、知位など』

 ・部落差別によって教育や就職の機会均等の権利を迫害されてきた同和地区(関係者)
 や、恵まれない庭、母子・父子家庭の人に対する就職差別 につながります。
・あなたの家族の職業はなんですか。
・あなたの家族の勤務地は。または役職は。
・あなたの家族や親戚で、〇〇関係にお勤めの方はいますか。
・あなたの家族の収入はどれ位ですか。
・あなたのご両親の学歴は。
・あなたの学費は誰が出しましたか。
『家族の資産』

 ・貧困な家庭の人に対する就職差別になります。
 
・あなたのうちの耕作面積はどれ位ですか。
・住んでいる家や土地は持ち家ですか、借家ですか。
・あなたのうちの不動産(田畑、山林、土地)はどれ位ありますか。
『住宅環境・家庭環境』

 ・貧困な家庭や、母子・父子家庭の人に対する就職差別につながります。
 ・居住地域の生活水準についても、答えにくい人がいるかもしれません。
 
・あなたの家は団地ですか。
・あなたの家は何部屋ありますか。
・あなたの地域は下水道が整備されていますか。
・あなたの家庭の雰囲気は。
・お父さん(お母さん)がいないようですが、どうしたのですか。
・別居しているのですか。
・お父さん(お母さん)の死因はなんですか。
・転校の経験はありますか。
『思想、信条、宗教など』

 ・思想、信条、宗教、支持政党、人生観などは、憲法で保障された個人の自由権に属する
  事柄です。それを、採用選考に持ち込むことは基本的人権を侵すことになります。
 
・労働組合をどう思いますか。
・学生運動をどう思いますか。
・学校外での加入団体を言ってください。
・どんな本を愛読していますか。
・あなたの家では何新聞を読んでいますか。
・あなたの信条としている言葉はなんですか。
・あなたは、自分の生き方についてどう考えますか。
・将来、どんな人になりたいと思いますか。
・あなたの家の宗教は何ですか。
・あなたの家族は何を信じますか。
・あなたは、神や仏を信じるほうですか。
・あなたの家に仏壇はありますか。
・尊敬する人物を言ってください。
・学校の先生の中に尊敬する人はいますか。
・あなたは今の社会をどう思いますか。
・あなたの家族は何党を支持していますか。
・政治や政党に関心がありますか。