「リスクアセスメントを学びなおす ー製造業の事例を参考にー」を開催しました【安全課】

はじめに

 神奈川労働局は10月29日に横浜市開港記念会館(横浜市中区)、11月28日に平塚市中央公民館(平塚市)で「リスクアセスメントを学びなおすー製造業の事例を参考にー」と題した講習会を開催しました。来年度には、リスクアセスメントが安衛法で努力義務化され約20年目を迎えますが、様々な課題が明らかとなっており、それを整理するとともに、優良な安全衛生管理活動を行っている事業場の事例を学ぶことにより、リスクアセスメントの重要性を再認識し、事業場における安全意識の高揚を図り、災害防止に結び付けるねらいで、開催したものです。
 横浜会場は約170名、平塚会場は約230名と多くの方にご参加いただきました。

開会あいさつと趣旨説明

 冒頭、神奈川労働局の塚田安全課長から、あいさつと製造業においては、機械によるはさまれ、巻き込まれ災害は他業種に比べ多く発生しているが、この対策として、リスクアセスメントは非常に有効であると説明した。
 また、本講習会は他の模範となる取り組みを行っている事業場の発表を聴講できる貴重な機会となり、参考となる内容がありましたら、一つでも、すぐに取り入れていただくよう要請しました。

神奈川労働局 労働基準部
安全課長 塚田和男

リスクアセスメントの課題と今後について

 神奈川労働局生田安全専門官から、過去3年の死亡災害事案とリスクアセスメントの実施状況をみると、そもそも実施していない事業場とその作業において実施できていなかった事業場がほとんどで、また、その多くは非定常作業であった。定常作業はもちろんであるが、今後は非定常作業のリスクアセスメントを実施することが重要であることを強調し、継続的な取り組みをお願いしました。

神奈川労働局 労働基準部 安全課
安全専門官 生田悟

横浜会場

安全活動の取り組みについて

株式会社レゾナック・セラミックス 横浜工場 森 誠

 リスクアセスメントについては、ポンプの点検を行う作業等機械のはさまれ、巻き込まれの事例を挙げ、改善内容の説明がされました。また、リスクアセスメント以外では、セフティーコミュニケーションプログラムと称した、コミュニケーションを重視した巡視パトロールとした事例紹介がされました。

 


休業災害ゼロへの取り組み~全員参加の安全活動~

タカナシ乳業株式会社 横浜工場 垣野 和人

 リスクアセスメントについては、機械に関するリスクアセスメントシートの例を挙げながら、説明がされました。リスクアセスメント以外では、新規機械導入時の安全担当者のかかわり方、HHK(ヒヤリハット・きがかり)等の活動が紹介され、最後に垣野氏は、労災が発生していなくても、継続することが重要であると結んでいました。

 


リスクアセスメント ~キヤノンの取り組み~

キヤノン株式会社 綾瀬事業所
デバイス開発本部デバイス開発推進センターデバイス人事部 金子 芳昭

 リスクアセスメントの作業の洗い出しについて、「想定外を想定内に」を合言葉に、「すべての装置すべての作業」を対象として洗い出し、全社的には8万件行っています。
 また、危険減は主観的な特定は行わず、客観的に特定を行っているなどの説明がありました。

 

平塚会場

JISQ45100導入とリスクアセスメントについて

東邦チタニウム株式会社 茅ヶ崎工場 環境安全部 梅澤 一久

 JISQ45100 導入までの経緯の説明から導入後に見えてきた課題「できる対策から逆算したRA」には、3年間で全標準書のリスクアセスメントを見直し、労働者にリスク低減措置検討の考え方を教育し直した。
 「ソフト対策による安易なリスク低減」については、ソフト対策のみではケガの重大性を下げないルールを作るなど具体的な説明がありました。
 

 


工場ワンチームでリスクアセスメント~さらなるレベル向上を目指して~

日産自動車株式会社 追浜工場
人事総務部 安全健康管理課 課長代理 佐野博之


 リスクアセスメントについては、作業観察型の作業の洗い出しを導入し、効果的な実施ができているほか、リスク抽出力向上とリスク評価の力量UPなどを目的としたRA評価会を立ち上げるなど、リスクアセスメントを中心とした見直しを継続的に実施し、効果が表れていること等説明がありました。
 

 


横浜ゴムのリスク低減活動

横浜ゴム株式会社 CSR本部 安全衛生推進室 大越 宏二 

 リスクアセスメントについては、設備導入時の安全性評価と設備稼働後の安全性の評価について説明がされました。また、教育にも力を入れており、異なる職場の職員も参加する「実践研修会」や危険源の見逃し・評価のばらつきチェックする「公開作業観察」なども、紹介されました。
 

 


開会あいさつと趣旨説明

 最後に各会場を管轄する横浜南署の千葉署長及び平塚署の多田署長より「リスク管理は、皆様の会社にとってだけでなく、社会にとっても、役割は非常に重要であるため、本日の講習会を1日でも早く活かしてほしい」として、閉会のあいさつが行われました。

横浜南労働基準監督署 署長 千葉幸則

平塚労働基準監督署 署長 多田 義信

最後に

 今回は各会場ごとにアンケートを実施させていただきましたが、本講習会が参考になったかの問いについて、横浜会場は「そう思う」が54.6%、「まあまあ思う」38.8%(回答数121件)、平塚会場は「そう思う」が61.8%、「まあまあ思う」31% (回答数118件)となり、90%以上の方が、参考となったとご回答いただき、主催者側としては、今後のモチベーションにつながっております。アンケートご協力ありがとうございました。
 当局といたしましては、このような講習会を実施し、事業場の安全担当者のマインドを高めるような企画を継続的に開催していきたいと考えておりますので、今後ともご協力、ご参加をよろしくお願いいたします。



 
神奈川労働局 労働基準部
 安全課 Tel 045-211-7352
 健康課 Tel 045-211-7353
〒231-8434
  横浜市中区北仲通5-57
    横浜第二合同庁舎 8階
 
 
 

その他関連情報

〒231-8434横浜市中区北仲通5-57
横浜第二合同庁舎8・13階(本庁舎)
〒231-0015横浜市中区尾上町5-77-2
大和地所馬車道ビル2・3・5・9階(分庁舎)

Copyright(c)2000 Kanagawa Labor Bureau.All rights reserved.