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- 労働安全衛生規則の一部を改正する省令 (産業医の職務の改正関係 - 平成29年6月1日~ 施行) の適正・適切な運用を!【健康課】
労働安全衛生規則の一部を改正する省令 (産業医の職務の改正関係 - 平成29年6月1日~ 施行) の適正・適切な運用を!【健康課】
「職場巡視の頻度」の見直しが、「産業医の職務の軽減」につながるわけではありません。
平成29年6月
衛生管理者の巡視(週1回以上)結果、衛生委員会等における調査審議の結果、週40時間を超える時間外労働が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報等が定期的に産業医に報告されていることを条件に、産業医による作業場等の巡視の頻度を月1回から2か月に1回に変更する(事業者の同意が必要)ことを可とする等の労働安全衛生規則等の改正が行われました。
改正規則等は、平成29年6月1日から適用されます。
詳細については以下の資料をご覧ください。
- 平29.3.31 基発0331第68号 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について
- 平29.3.29 厚生労働省令第29号 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令
- 平29.3.31 基発0331第68号 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について 新旧対照表
【参考】 産業医制度等に係る省令改正について(プレゼンテーション資料)
この制度改正に関する パンフレットはこちら。
今回の労働安全衛生規則の改正は、原則としては「1か月に1回以上」とされている産業医の「職場巡視の頻度」について、一定の前提条件が整えば、「2か月に1回以上」とする例外を認めるものですが、この改正はあくまで「職場巡視の頻度」の取扱いについてだけに限られていることに、十分注意する必要があります。
しかし、産業医の職務を職場巡視のみに狭く限定して、産業医としての職務を遂行するための勤務日数を2か月に1回に減少・抑制するという運用変更の事例が数多く認められます。
事業者・産業医の皆様、今回の改正に関する以下のポイントに 十分、注意してくださるよう、お願い致します。
職場巡視・回数変更(1回/1月→1回/2月)の要件(前提条件)
(1) 法定労働時間外労働時間数の算定を行い、時間外労働時間数が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名と当該労働者の時間外労働時間数 (安衛則第52条の2 第3項)
(2) 衛生管理者が週1回以上行う職場巡視の結果 (安衛則第15条第1項 第1号)
(3) 労働者の健康障害を防止し、又は労働者の健康を保持するために必要な情報〔(安全)衛生委員会の調査審議を経て事業者が産業医に提供することにしたもの〕結果 (安衛則第15条 第1項第2号)
◯ (職場巡視を2か月に1回にすることに関する)事業者の同意があること
職場巡視・頻度変更(1回/1月→1回/2月) - 適正・適切な運用上のポイント
(1) 今回の改正は、産業医の職務の内、「職場巡視の頻度」に関わることだけ
→ 産業医の職務の変更(勤務の軽減)を予定している訳ではないこと
(2) 産業医の職務は「職場巡視」だけではない
→ (安全)衛生委員会への出席、健康診断・有所見者の業務に関する事業者からの情報の受領や事業者への意見提起、事後措置としての就業判定、長時間・過重労働対象者への面接指導ストレスチェックの制度設計や総括的な関与、「実施者」としてのストレスチェック結果の確認、”高ストレス”に該当した者への面接指導、長時間労働者に関する情報の受領や就業判定等があり、これらの職務遂行のために必要な権限・時間を、事業者はきちんと確保する必要があります。