労災保険の特別加入制度(特定作業従事者)について【労働保険徴収課】

更新日:令和3年10月21日

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≪1≫特別加入の範囲について

 特定作業従事者として特別加入を行うことができる方は、「特定農作業従事者」、「指定農業機械作業従事者」、「国又は地方公共団体が実施する訓練従事者」、「家内労働者及びその補助者」、「労働組合等の常勤役員」、「介護作業従事者」、「芸能関係作業従事者」、「アニメーション制作作業従事者」及び「ITフリーランス」とされています。

(1)特定農作業従事者

 年間農業生産物総販売額300万円以上または経営耕地面積2ヘクタール以上の規模で、土地の耕作若しくは開墾、植物の栽培若しくは採取、または家畜若しくは蚕の飼育の作業を行う自営農業者(労働者以外の家族従事者などを含みます。)であって、次の作業に従事する方をいいます。

◎動力により駆動される機械を使用する作業

◎高さが2メートル以上の箇所における作業

◎サイロ、むろ等の酸素欠乏危険場所における作業

◎農薬の散布の作業

◎牛、馬、豚に接触し、または接触するおそれのある作業

(注)なお、事業場の規模を判断する上で、農家の集団が共同で作業を行ういわゆる地域営農集団または農事組合法人において年間農業生産物総販売額300万円以上または経営耕地面積2ヘクタール以上の規模であれば、各構成農家につき特別加入のための規模要件を満たすものとして取り扱われます。

(2)指定農業機械作業従事者

 自営農業者(労働者以外の家族従事者などを含みます。)であって、次の機械を使用し、土地の耕作または開墾または植物の栽培若しくは採取の作業を行う方をいいます。

◎動力耕うん機その他の農業用トラクター

◎動力溝掘機

◎自走式田植機

◎自走式スピードスプレーヤーその他の自走式防除用機械

◎自走式動力刈取機、コンバインその他の自走式収穫用機械

◎トラックその他の自走式運搬用機械

◎定置式または携帯式の動力揚水機、動力草刈機等の機械

(3)国または地方公共団体が実施する訓練従事者

職場適応訓練従事者
…求職者を作業環境に適応させるための訓練として行われる作業に従事する方

事業主団体等委託訓練従事者
…求職者の就職を容易にするため必要な技能を習得させるための職業訓練であって事業主または事業主の団体に委託されて行われる作業に従事する方(教育訓練を行うための施設において主として実施される職業訓練を除きます。)

(4)家内労働者及びその補助者

 家内労働法にいう家内労働者及びその補助者(以下「家内労働者等」といいます)であって、次に掲げる特に危険度が高いとされる作業に従事する方をいいます。

◎プレス機械、型付け機、型打ち機、シャー、旋盤、ボール盤またはフライス盤を使用して行う金属、合成樹脂、皮、ゴム、布または紙の加工の作業

◎研削盤若しくはバフ盤を使用して行う研削若しくは研ままたは溶融した鉛を用いて行う金属の焼入れ若しくは焼きもどしの作業であって、金属製洋食器、刃物、バルブまたはコックの製造または加工に係るもの

◎有機溶剤または有機溶剤含有物(以下「有機溶剤等」といいます。)を用いて行う作業であって、化学物質製、皮製若しくは布製の履物、鞄、袋物、服装用ベルト、グラブ若しくはミットまたは木製若しくは合成樹脂製の漆器の製造または加工に係るもの

◎粉じん作業または鉛化合物を含有する釉薬を用いて行う施釉若しくは鉛化合物を含有する絵具を用いて行う絵付けの作業若しくは当該施釉若しくは絵付けを行った物の焼成の作業であって陶磁器の製造に係るもの

◎動力により駆動される合糸機、撚糸機、または織機を使用して行う作業

◎木工機械を使用して行う作業であって、仏壇または木製若しくは竹製の食器の製造または加工に係るもの

 以上の指定された作業を行う家内労働者等であっても、特別加入が認められるには、原則として1年間に200日以上当該作業に従事し、1日の就労時間が平均して4時間以上と見込まれることが必要です。
 

次に掲げる方については、家内労働者等として特に危険度が高いとされる作業に従事していても、特別加入はできません

1.有機溶剤等を用いる作業については18歳未満の方
2.鉛化合物を用いる作業については18歳未満の方及び女子
3.粉じん作業については18歳未満の方
4.木工機械を使用して行う作業のうち、手押しかんな盤等の取扱の作業については18歳未満の方及び女子
 
 

(5)労働組合等の常勤役員

 常時労働者を使用しない労働組合等であって、次の業務に従事する一人専従役員をいいます。

 当該労働組合等の事務所、事業場、集会場または道路、公園その他の公共の用に供する施設において集会の運営、団体交渉その他の当該労働組合等の活動に係る作業(当該作業に必要な移動を含みます)。

この場合の労働組合等とは、以下のものをいいます。

◎労働組合法第2条及び第5条第2項の規定に適合しているもの

◎国家公務員法第108条の3第5項若しくは地方公務員法第53条第5項の規定により登録された職員団体

◎職員団体等に対する法人格の付与に関する法律第5条により認証された職員団体等

◎国会職員法第18条の2の第1項に規定する組合であって労働組合法第5条第2項各号(第8号を除きます。)に掲げる内容と同様の内容を規定する規約を有しているもの

(6)介護作業従事者及び家事支援従事者

介護作業従事者
…介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条第1項に規定する介護関係業務に係る作業であって、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活の世話、機能訓練又は看護に係る作業を行う方をいいます。

家事支援従事者
…炊事、洗濯、掃除、買物、児童の日常生活上の世話及び必要な保護その他家庭において日常生活を営むのに必要な行為を代行し、又は補助する業務を行う方をいいます。

(7)芸能関係作業従事者

 放送番組(広告放送を含む)、映画、寄席、劇場等における音楽、演芸その他の芸能の提供の作業又はその演出若しくは企画の作業を行う方で、具体的には以下の作業に従事する方が想定されますが、承認に当たっては、職種を限定するものではないため、業務内容等の実態をみて判断することになります。

 ①俳優(舞台俳優、映画及びテレビ等映像メディア俳優、声優等)、舞踊家(日本舞踊、ダンサー、バレリーナ等)、音楽家(歌手、謡い手、演奏家、作詞家、作曲家等)、演芸家(落語家、漫才師、奇術師、司会、DJ、大道芸人等)、スタント、その他類似の芸能実演に係る作業に従事する方

 ②監督(舞台演出、映像演出)、撮影、照明、音響・効果、録音、大道具、美術装飾、衣装、メイク、結髪、スクリプター、アシスタント、マネージャー、その他類似の芸能制作に係る作業に従事する方

(8)アニメーション制作作業従事者

 アニメーション制作の作業を行う方で、具体的には以下の作業に従事する方が想定されますが、承認に当たっては、職種を限定するものではないため、業務内容等の実態をみて判断することになります。

 ①アニメーション制作関係キャラクターデザイナー、作画、絵コンテ、原画、動画、背景、その他類似する作業に従事する方

 ②アニメーション演出関係監督(アニメ映画監督、作画監督、美術監督等)、演出家、脚本家、編集(音響、編集等)、その他類似する作業に従事する方

(9)ITフリーランス

 情報処理システム(ネットワークシステム、データベースシステム及びエンベデッドシステムを含む。)の設計、開発(プロジェクト管理を含む。)、管理、監査、セキュリティ管理若しくは情報処理システムに係る業務の一体的な企画又はソフトウェア若しくはウェブページの設計、開発(プロジェクト管理を含む。)、管理、監査、セキュリティ管理、デザイン若しくはソフトウェア若しくはウェブページに係る業務の一体的な企画その他の情報処理に係る作業を行う方をいいます。
 

≪2≫特別加入の手続について

(1)新たに特別加入を申請する場合について

 特定作業従事者としての加入要件を満たす方が特別加入する場合、特定作業従事者の団体(注)を単位として特別加入することとなりますが、特定作業従事者の団体は、所轄の労働基準監督署長(以下「署長」といいます。)を経由して都道府県労働局長(以下「局長」といいます。)に対して特別加入申請書(以下「申請書」といいます。)を提出し、承認を受ける必要があります。

(注)特定作業従事者の団体について

 特定作業従事者の特別加入については、特定作業従事者の団体を事業主、特定作業従事者を労働者とみなして労災保険の適用を行うこととなりますが、この特定作業従事者の団体として認められるためには、次の要件を満たすことが必要です。

◎特定作業従事者の相当数を構成員とする単一団体であること

◎その団体が法人であるか否かは問いませんが、構成員の範囲、構成員である地位の得喪の手続きなどが明確であること。
その他団体の組織、運営方法などが整備されていること

◎その団体の定款などに規定された事業内容から見て労働保険事務の処理が可能であること

◎その団体の事務体制、財務内容などから見て労働保険事務を確実に処理する能力があると認められること

◎その団体の地区が、その主たる事務所の所在地を中心として平成31年3月28日付け基発0328第1号「特別加入団体が事務処理を行うことができる区域について」の別表で示す区域を超えないものであること(令和3年4月1日以降は、事務処理を行うことができる区域を超えるブロックに特別加入者がいるとき、当該ブロックにおいて、少なくとも年に一回以上、当該団体が災害防止等に関する研修会等に参加する機会を当該特別加入者に提供することを申し出たときに限って、当該区域を超えて事務処理を行うことは認められています)

◎特別加入の申請を行う際には、特定作業従事者の団体は、作業の具体的な内容、業務歴及び希望する給付基礎日額等を申請書別紙に記入し、署長を経由して局長に加入申請を行い、局長の承認を得るという手続きが必要となります

◎申請書には、定款、規約等その団体の目的、組織、運営等を明らかにする書類と業務災害の防止に関して特定作業従事者の団体が講ずべき措置及び特定作業従事者が守るべき事項を定めた書類を添付しなければならないこととされています。
ただし、職場適応訓練従事者、事業主団体等委託訓練従事者及び家内労働者等については、上記書類の添付は必要ありません。
また、特定農作業従事者の場合については、年間農業生産物総販売額または経営耕地面積を証明するものとして、農協や農業委員会等の証明書を、労働組合等常勤役員の場合については、労働組合等としての証明となる労働委員会の証明書ないしは労働組合等の規定等を添付していただきます

◎特別加入の申請に対する局長の承認は、当該申請の日の翌日から起算して30日の範囲内において特別加入を申請する方が加入を希望する日となります

(2)既に特別加入を承認されている場合について

◎既に特別加入を承認されている方で氏名や作業内容等に変更があった場合には、特定作業従事者の団体は、「特別加入に関する変更届(以下「変更届」といいます。)」を署長を経由して局長に対して提出することが必要です

◎既に特別加入を承認されている特定作業従事者の団体において、新たに特定作業従事者として特別加入の申請を行う方が生じた場合、当該団体は、申請書ではなく変更届を署長を経由して局長に提出してください。
また、当該団体の一部の方が特別加入者としての要件に該当しなくなった場合にも変更届を提出することが必要です

◎特別加入の変更届出に対する効力が生じる日は、当該届出の翌日から30日以内の希望する日となります

≪3≫特別加入時の健康診断

(1)健康診断が必要な場合

 特定作業従事者として特別加入を希望する「特定農作業従事者」、「指定農業機械作業従事者」、「家内労働者及びその補助者」、「労働組合等の常勤役員」、「介護作業従事者及び家事支援従事者」、「芸能関係作業従事者」、「アニメーション制作作業従事者」及び「ITフリーランス」 のうち、次の表の「特別加入予定者の業務の種類」欄に応じて、それぞれの従事期間を超えて当該業務を行ったことがある場合には、特別加入の申請を行う際に健康診断を受ける必要があります。

≪健康診断が必要な業務の種類≫

特別加入予定者の業務の種類 特別加入前に左記の業務に従事した期間
(通算期間)
実施すべき健康診断
粉じん作業を行う業務 3年 じん肺健康診断
振動工具使用の業務 1年 振動障害健康診断
鉛業務 6ヵ月 鉛中毒健康診断
有機溶剤業務 6ヵ月 有機溶剤中毒健康診断

(2)健康診断が必要な場合の手続について

◎特別加入を申請する特定作業従事者で健康診断が必要な場合、特定作業従事者の団体は、初めに「特別加入時健康診断申出書(以下「申出書」といいます。)」を署長に提出します

◎申出書の業務歴から判断して健康診断が必要であると認められる方(以下「加入時健診対象者」といいます。)に対しては、署長から「特別加入健康診断指示書(以下「指示書」といいます。)」及び「特別加入時健康診断実施依頼書(以下「依頼書」といいます。)」が交付されます。加入時健診対象者は、指示書に記載された期間内に局長があらかじめ指定した診断実施機関で健康診断を受ける必要があります。対象者自身が予約し、依頼書を提出のうえ受診します。なお、この場合の健康診断に要する費用は国が負担しますが、受診のために要した交通費は自己負担となります

◎健康診断を受けた方は、当該診断実施機関が作成した健康診断証明書(特別加入者用)を申請書に添付し、署長に提出してください。じん肺健康診断を受けた場合には、じん肺の所見がないと認められた場合を除き、エツクス線写真を健康診断証明書に添付することが必要です

◎申出書は、申請書と同時に署長に提出することもできます。この場合には、健康診断受診後、速やかに健康診断証明書を署長に提出してください

◎既に特別加入を承認されている特定作業従事者の団体において、新たに特別加入の申請を行う方が生じた場合、健康診断が必要な方については、当該団体が申出書を署長に提出し、指示書及び依頼書が交付された後、健康診断を受診し、変更届にその健康診断証明書を添付して提出してください(手続きについては、申請書と同様に行ってください。)

(3)特別加入が制限される場合

加入時健康診断を受けた結果、次の場合には特別加入が制限されます。

◎特別加入予定者が既に疾病にかかっており、その症状または障害の程度が一般的に就業することが困難であって、療養に専念しなければならないと認められる場合には、従事する内容にかかわらず特別加入は認められません

◎特別加入予定者が既に疾病にかかっており、その症状または障害の程度が当該業務からの転換を必要とすると認められる場合には、当該業務以外の業務についてのみ特別加入が認められることとなります

◎家内労働者等の場合、特別加入予定者が既に疾病にかかっており、その症状または障害の程度が当該業務からの転換を必要とする程度であると認められ、他の業務に転換した結果特別加入者としての加入要件を満たさなくなる場合には、特別加入は認められません

≪4≫業務災害の防止に関する措置

 特別加入しようとする団体は、あらかじめ業務災害の防止に関し当該団体が講ずべき措置及び特定作業従事者が守るべき事項を定めておかなければなりません。
 これらによって当該団体は自主的に業務災害防止に努めていただくことになります。

≪5≫給付基礎日額及び保険料について

(1)給付基礎日額について

 給付基礎日額とは、労災保険の給付額を算定する基礎となるものです。特別加入を行う方の所得水準に見合った適正な額を申請していただき、局長が承認した額が給付基礎日額となります。
 なお、決定された給付基礎日額は、3月2日~3月31日または年度更新期間中(令和3年度は6月1日~7月12日)に「給付基礎日額変更申請書」を提出することにより、変更の申請をすることができます。

(2)保険料について

 特別加入者の保険料については、保険料算定基礎額(給付基礎日額に365を乗じたもの)にそれぞれの事業に定められた保険料率を乗じたものとなります。
 なお、年度途中において、新たに特別加入者となった場合や特別加入者でなくなった場合には、当該年度内の特別加入月数(1ヵ月未満の端数があるときは、これを1ヵ月とします。)に応じた保険料算定基礎額により保険料を算定することとなります。


【給付基礎日額・保険料一覧表】

給付基礎日額 A 保険料算定基礎額 B
= A × 365日
年間保険料=保険料算定基礎額×保険料率
(例1)特定農作業従事者の場合
 保険料率 9/1000
(例2)職場適応訓練従事者の場合
 保険料率 3/1000
25,000円 9,125,000円 82,125円 27,375円
24,000円 8,760,000円 78,840円 26,280円
22,000円 8,030,000円 72,270円 24,090円
20,000円 7,300,000円 65,700円 21,900円
18,000円 6,570,000円 59,130円 19,710円
16,000円 5,840,000円 52,560円 17,520円
14,000円 5,110,000円 45,990円 15,330円
12,000円 4,380,000円 39,420円 13,140円
10,000円 3,650,000円 32,850円 10,950円
9,000円 3,285,000円 29,565円 9,855円
8,000円 2,920,000円 26,280円 8,760円
7,000円 2,555,000円 22,995円 7,665円
6,000円 2,190,000円 19,710円 6,570円
5,000円 1,825,000円 16,425円 5,475円
4,000円 1,460,000円 13,140円 4,380円
3,500円 1,277,500円 11,493円 3,831円
(3,000円) (1,095,000円)
(2,500円) ( 912,500円)
(2,000円) ( 730,000円)

(注) ( )内の給付基礎日額及び保険料算定基礎額については、家内労働者等についてのみ適用されます。

【第二種特別加入保険料率表】

特別加入の種類 料率
特定農作業従事者 9/1000
指定農業機械作業従事者 3/1000
職場適応訓練従事者 3/1000
事業主団体等委託訓練従事者 3/1000
家内労働者等 プレス機械、型付け機、型打ち機、シャー、旋盤、ボール盤又はフライス盤を使用して行う金属、合成樹脂、皮、ゴム、布又は紙の加工の作業 15/1000
研削盤若しくはバフ盤を使用して行う研削若しくは研ま又は溶融した鉛を用いて行う金属の焼入れ若しくは焼もどしの作業であって、金属製洋食器、刃物、バルブ又はコックの製造又は加工に係るもの 15/1000
有機溶剤等を用いて行う作業であって、化学物質製、皮製若しくは布製の履物、鞄、袋物、服装用ベルト、グラブ若しくはミット又は木製若しくは合成樹脂製の漆器の製造又は加工に係るもの 6/1000
粉じん作業又は鉛化合物を含有する釉薬を用いて行う施釉若しくは鉛化合物を含有する絵具を用いて行う絵付けの作業若しくは当該施釉若しくは絵付けを行った物の焼成の作業であって陶磁器の製造に係るもの 17/1000
動力により駆動される合糸機、撚糸機又は織機を使用して行う作業 3/1000
木工機械を使用して行う作業であって、仏壇又は木製若しくは竹製の食器の製造又は加工に係るもの 18/1000
労働組合等常勤役員 3/1000
介護作業従事者及び家事支援従事者 5/1000
芸能関係作業従事者 3/1000
アニメーション制作作業従事者 3/1000
ITフリーランス 3/1000


≪6≫補償の対象となる範囲について

 特別加入している方については労働者と同様、業務災害または通勤災害を被った場合に労災保険から給付が行われます。

(1)業務災害について

 保険給付の対象となる災害は、加入対象に応じて一定の業務を行っていた場合(業務遂行性)に限られています。
 したがって、次に該当しない場合には、被災しても保険給付を受けることができませんので注意してください。
 また、災害がその業務によって生じたものであるかどうか(業務起因性)の判断は労働者の場合に準じることとされています。

【特定農作業従事者】

◎自営農業者が、農作業場において、動力により駆動される機械を使用して行う土地の耕作若しくは開墾、植物の栽培若しくは採取または家畜若しくは蚕の飼育の作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合

◎農作業場の高さが2メートル以上の箇所において、耕作等作業及びこれらに直接附帯する行為を行う場合

◎農作業場の酸素欠乏危険場所における耕作等作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合

◎農作業場において農薬を散布する作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合

◎農作業場において牛、馬、豚に接触し、または接触するおそれのある耕作等作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合

【指定農業機械作業従事者】

◎自営農業者が、ほ場またはほ道の作業場においてトラクターやコンバインなどの指定農業機械を用いて行う作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合

◎自営農業者が指定農業機械をほ場等の作業場と格納場所との間において、運転または運搬する作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合

【国または地方公共団体が実施する訓練従事者】

◎労働者の場合に準じます。
 
【家内労働者等】

◎家内労働者等が、当該家内労働者等の作業場において、申請書の「業務又は作業の内容」欄に記載された作業またはこれに直接附帯する行為を行う場合

◎家内労働者等が、当該家内労働者等の作業場に隣接した場所(作業場の敷地内、作業場前の道路上等)において行う家内労働に係る材料、加工品等の積込み、積み卸し作業及び運搬作業を行う場合

【労働組合等の常勤役員】

◎労働組合等の常勤役員が、当該労働組合等の事務所、事業場、集会場又は道路、公園その他の公共の用に供する施設において、集会の運営、団体交渉その他の当該労働組合等の活動に係る作業(当該作業に必要な移動を含みます)を行う場合

【介護作業従事者及び家事支援従事者】

<介護作業従事者>

◎介護作業従事者が、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条第1項に規定する介護関係業務に係る作業であって、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活の世話、機能訓練又は看護に係る作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合

<家事支援従事者>

◎家事支援従事者が、家事(炊事、洗濯、掃除、買物、児童の日常生活上の世話及び必要な保護その他家庭において日常生活を営むのに必要な行為)を代行し、又は補助する業務を行う場合

【芸能関係作業従事者】

◎芸能関係作業従事者が、芸能関係作業契約に基づき報酬が支払われる作業のうち、放送番組(広告放送を含む)、映画、寄席、劇場等における音楽、演芸その他の芸能の提供の作業又はその演出若しくは企画の作業(ただし、建設の事業に該当する作業及びアニメーションの制作の作業を除く)及びこれに直接附帯する行為を行う場合

【アニメーション制作作業従事者】

◎アニメーション作業従事者が、請負契約等作業のうち、アニメーションの制作の作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合
  
【ITフリーランス】

◎ITフリーランスの方が、情報処理システム(ネットワークシステム、データベースシステム及びエンベデッドシステムを含む。)の設計、開発(プロジェクト管理を含む。)、管理、監査、セキュリティ管理若しくは情報処理システムに係る業務の一体的な企画又はソフトウェア若しくはウェブページの設計、開発(プロジェクト管理を含む。)、管理、監査、セキュリティ管理、デザイン若しくはソフトウェア若しくはウェブページに係る業務の一体的な企画その他の情報処理に係る作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合

(2)通勤災害について

 通勤災害については、一般の労働者の場合と同様に取り扱われます。

 ただし、次に掲げる特定作業従事者については、住居と就業の場所との間の往復の実態が明確ではないこと等から、通勤災害の保護の対象となっていません。

◎特定農作業従事者

◎指定農業機械作業従事者

◎家内労働者等
 

≪労災保険法上の通勤とは≫

 労災保険法上の通勤とは、就業に関して、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及 び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くものをいいます。
 往復の経路を逸脱し、又は往復を中断した場合には、逸脱又は中断の間及びその後の往復は「通勤」とはなりません。
 ただし、逸脱又は中断が日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合 には、逸脱又は中断の間を除き、合理的な経路に復した後は「通勤」となります。

≪7≫保険給付・特別支給金の種類について

 特別加入者が業務災害または通勤災害により被災した場合には、所定の保険給付が行われるとともに、これと併せて特別支給金が支給されます。

 保険給付及び特別支給金の種類は次の表のとおりです。

保険給付の種類 支給事由 給付内容 特別支給金
療養補償給付

療養給付
業務災害または通勤災害による傷病について、病院等で治療する場合 労災病院または指定病院において必要な治療が無料で受けられます。また、労災病院または指定病院以外の病院において治療を受けた場合には、治療に要した費用が支給されます。 特別支給金はありません。
休業補償給付

休業給付
業務災害または通勤災害による傷病による療養のため労働することができない日が4日以上となった場合 休業4日目以降、休業1日につき給付基礎日額の60%相当額が支給されます。 休業特別支給金は、休業4日目以降、休業1日につき給付基礎日額の20%相当額が支給されます。
障害補償給付

障害給付
障害(補償)年金
業務災害または通勤災害による傷病が治った後に障害等級第1級から第7級までのいずれかの障害が残った場合

障害(補償)一時金
業務災害または通勤災害による傷病が治った後に障害等級第8級から第14級までのいずれかの障害が残った場合
障害(補償)年金の場合
第1級は給付基礎日額の313日分~第7級は給付基礎日額の131日分が支給されます。

障害(補償)一時金
第8級は給付基礎日額の503日分~第14級は給付基礎日額の56日分が支給されます。
障害特別支給金は、第1級342万円~第14級8万円が一時金として支給されます。
傷病補償年金

傷病年金
業務災害または通勤災害による傷病が療養開始後1年6カ月を経過した日又は同日後において

①傷病が治っていないこと

②傷病による障害の程度が傷病等級に該当すること

のいずれにも該当する場合
第1級は給付基礎日額の313日分、第2級は給付基礎日額の277日分、第3級は給付基礎日額の245日分が支給されます。 傷病特別支給金は第1級が114万円、第2級は107万円、第3級は100万円が一時金として支給されます。
遺族補償給付

遺族給付
遺族(補償)年金
業務災害または通勤災害により死亡した場合(年金額は遺族の人数に応じて変わります。)

遺族(補償)一時金

①遺族(補償)年金を受けることができる遺族がいない場合

②遺族(補償)年金を受けている方が失権し、かつ他に遺族(補償)年金を受けうる方がいない場合において、既に支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たない場合
遺族(補償)年金
遺族の人数によって支給される額が異なります。
 
遺族の人数 支給される額
1人の場合 給付基礎日額の153日分
または175日分
2人の場合 給付基礎日額の201日分
3人の場合 給付基礎日額の223日分
4人の場合 給付基礎日額の245日分

遺族(補償)一時金
左欄の①の場合には給付基礎日額の1000日分が支給されます。ただし、②の場合は給付基礎日額の1000日分から既に支給した年金の合計額を差し引いた額が支給されます。
遺族特別支給金は300万円が一時金として支給されます。
葬祭料

葬祭給付
業務災害または通勤災害により死亡した方の葬祭を行う場合 給付基礎日額の60日分か31万5千円に給付基礎日額の30日分を加えた額のいずれか高い方が支給されます。 特別支給金はありません。
介護補償給付

介護給付
業務災害または通勤災害により、障害(補償)年金または傷病(補償)年金を受給しているある一定の障害を有する方で現に介護を受けている場合 常時介護の場合
  介護の費用として支出した額(104,970円を上限)が支給されますが、親族等の介護を受けていた方で、介護の費用を支出していない場合または支出した額が56,950円を下回る場合は一律定額として56,950円が支給されます。

随時介護
介護の費用として支出した額(52,490円を上限)が支給されますが、親族等の介護を受けていた方で、介護の費用を支出していない場合または支出した額が28,480円を下回る場合は一律定額として28,480円が支給されます。
特別支給金はありません。
 
注1  「保険給付の種類」欄の上段は業務災害、下段は通勤災害に対して支給される保険給付です。
注2  遺族(補償)年金の受給資格者である遺族が1人であり、55歳以上または一定障害の妻である場合には、給付基礎日額の175日分が支給されます。
注3  休業(補償)給付については、所得喪失の有無にかかわらず、療養のため補償の対象とされている範囲(業務遂行性が認められる範囲)の業務または作業について全部労働不能であることが必要となっています(全部労働不能とは、入院中または自宅就床加療中若しくは通院加療中であって、補償の対象とされている範囲(業務遂行性が認められる範囲)の業務または作業ができない状態をいいます)。
注4  各種保険給付請求書又は届書を所轄労働基準監督署長に提出するときは、当該請求書又は届書の記載事項のうち事業主の証明を受けなければならないとされている事項を証明できる書類その他資料を、当該請求書又は届書に添付しなければなりません。


≪8≫支給制限

 特別加入者が業務災害または通勤災害を被った場合には保険給付が行われますが、その災害が特別加入者の故意または重大な過失によって発生した場合及び保険料の滞納期間中に生じた場合には、支給制限が行われることがあります。


≪9≫特別加入者としての地位の消滅

(1)脱退により消滅する場合

 特定作業従事者の団体は、政府の承認を受けて脱退することができますが、この脱退の申請は、当該団体を構成する方全員を包括して行わなければなりません。
 この場合、当該団体は、署長を経由して局長に対して「特別加入脱退申請書」を提出し、承認を受けることが必要です。
 特別加入の脱退申請に対する局長の承認は、当該脱退申請の日から起算して30日の範囲内において脱退を申請する方が脱退を希望する日となります。

(2)自動的に消滅する場合

◎特定作業従事者が特別加入者としての要件を満たさなくなったときには、その日に特別加入者としての地位が消滅します。

◎特定作業従事者が団体の構成員でなくなったときは、その日に特別加入者としての地位が消滅します。

◎特定作業従事者の団体が解散したときは、その解散の日の翌日に特別加入者としての地位が消滅します。

(3)取消により消滅する場合

 特定作業従事者の団体が関係法令の規定に違反した場合には、特別加入の承認が取り消される場合があります。
 

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