神奈川労働局における高齢者の雇用状況について【職業対策課】

照会先

神奈川労働局 職業安定部 職業対策課
課  長   石井 安紀
課長補佐   阿部 正和
高齢担当官  渋谷 実
(電話)045-650-2801

~65歳までの高年齢者雇用確保措置は着実に進展、今後は「70歳まで働ける企業」の普及・啓発~

ポイント

1 高年齢者雇用確保措置の実施状況

~大半の大企業が高年齢者雇用確保措置を実施、中小企業も約 9 割~
平成19年6月1日現在、51人以上規模企業4,209社(注1)のうち、高年齢者雇用確保措置の実施企業の割合は90.5%と前年同期比16.9ポイント増加。
うち、中小企業 (注2) は 89.1 %(前年同期比 18.1 ポイント増)
大企業は 98.1 %(前年同期比 10.3 ポイント増)
希望者全員が 65 歳以上まで働ける企業 (注3) の割合は 37.6 %( 前年同期比5.8 ポイント増)
70 歳までの雇用確保措置を実施した企業 (注4) の割合は 10.4 % (前年同期比 7.4 ポイント増)
 

2 雇用確保措置の義務づけ前と比較した高年齢労働者の動向

~高年齢者の常用労働者数が大幅に増加~~
改正高年齢者雇用安定法施行前(平成 17 年)に比較して、 60 ~ 64 歳の常用労働者数は、約 4 万 3 千人から約 5 万 2 千人に 22.6 %の増加。
65 歳以上の常用労働者数は、約 1 万 6 千人から約 2 万 4 千人に 49.9 %の増加。
いずれも 年齢計の 8.5 %増加と比較して大幅な伸び。

~定年到達者のうち継続雇用される者の割合が大幅に増加~~
改正高年齢者雇用安定法施行前(平成 17 年)に比較して、 定年到達予定者のうち継続して雇用される予定の者の割合は 54.6 %から 81.1 % に 26.5 ポイント増加。 
 

3 今後の取組

高年齢者雇用確保措置を未実施の企業に対し、引き続き指導を実施するほか、 50 人以下規模企業に対する助言・指導を重点化。
少子・高齢化の進行、将来の労働力人口の減少等の状況を踏まえ、高年齢者が意欲と能力のある限りいくつになっても働ける社会の実現に向け、 「 70 歳まで働ける企業」の普及・啓発に取り組むことが課題。

(注1) 高年齢者雇用安定法(以下「高齢法」という。)第52条第1項により、事業主は6月1日現在の定年及び継続雇用制度の状況等を厚生労働大臣に報告することとされており、今般、当該報告を提出した51人以上規模企業4,209社について、高年齢者雇用確保措置の実施状況を集計。
(注2) 中小企業とは300人以下規模の企業。
(注3) 定年の定めの廃止、65歳以上定年、希望者全員65歳以上継続雇用の企業。
(注4) 定年の定めの廃止、70歳以上定年、希望者全員70歳以上、基準該当者70歳以上継続雇用の企業。
 

1 高年齢者雇用確保措置の実施状況

〇 全体の状況

(1) 報告企業数
報告企業数については、本年6月1日時点の高年齢者雇用状況報告を提出した51人以上規模企業は4,209社。
うち中小企業(51~300人規模企業)は、3,568社、大企業(301人以上規模企業)は、641社。

(2) 高年齢者雇用確保措置の実施状況
本年6月1日時点の高年齢者雇用状況報告を提出した51人以上規模企業4,209社における高年齢者雇用確保措置(以下、「雇用確保措置」という)の実施状況を取りまとめた結果、実施済企業は、4,209社中3,808社、90.5%であり、前年同期比16.9ポイントの増加(別紙表1)。
一方、高齢法に沿った雇用確保措置を未実施である企業は、前年の1,109社から401社(26.4%から9.5%)と減少し、雇用確保措置の企業への浸透が着実に進展。


 

〇 企業規模別・産業別の状況

実施済企業の割合を中小企業と大企業別に見ると、前者における割合は、89.1%、後者における割合は、98.1%となっており、大半の大企業は雇用確保措置を実施済、中小企業の実施状況も着実に進展。
また、産業別の状況を見ると、全産業において、実施済企業割合は概ね80%を超えているが、企業数の多い産業で見ると、「製造業」、「運輸業」、「医療、福祉」等が平均よりやや上回っているのに対し、「卸売・小売業」等が平均よりやや下回っている(別紙表2)。
 

〇 雇用確保措置の上限年齢

雇用確保措置の上限年齢については、実施済企業3,808社のうち、63歳又は64歳を上限年齢とした企業は、924社、24.3%(前年同期27.4%)となっているが、高齢法の義務化スケジュールより前倒しし、65歳以上を上限年齢とした企業(定年の定めのない企業を含む。)は、2,884社、75.7%(前年同期72.6%)となっている(別紙表3-1)。


 

〇 雇用確保措置の内訳

雇用確保措置の実施済企業3,808社のうち、「定年の定めの廃止」の措置を講じた企業は、86社、2.3%、「定年の引上げ」の措置を講じた企業は、506社、13.3%、「継続雇用制度の導入」の措置を講じた企業は、3,216社、84.5%であり、「定年の定めの廃止」の企業が前年同期比0.1ポイントの減少(別紙表3-2)。


 

〇 継続雇用制度の内訳

継続雇用制度を導入した企業3,216社のうち、希望者全員の継続雇用制度を導入した企業は、1,292社、40.2%、対象者となる高年齢者に係る基準を労使協定で定め、当該基準に基づく継続雇用制度を導入した企業は、1,680社、52.2%、労使協定の締結に向けて努力したにもかかわらず協議が調わず、高齢法に基づく特例措置により就業規則等で基準を定め、当該基準に基づく継続雇用制度を導入した企業は、244社、7.6%(別紙表3-3)。


 

〇 希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合

51人以上規模企業のうち、定年の定めの廃止、65歳以上定年、希望者全員65歳以上継続雇用制度の企業の割合については、4,209社中1,582社、37.6%であり、前年同期比5.8ポイントの増加。
規模別に見ると、中小企業では、40.6%、大企業では、20.9%(別紙表4)。
 

2 「70歳までの雇用確保措置を実施した企業」の割合

「70歳まで働ける企業」(定年の定めの廃止、70歳以上定年、希望者全員70歳以上、基準該当者70歳以上継続雇用制度の企業)の割合は10.4%であり、前年同期比7.4ポイントの増加。
規模別に見ると中小企業では11.2%、大企業では6.2%(別紙表5)。
 

3 改正高齢法施行前と比較した高年齢労働者の動向

〇 常用労働者数の推移

改正高齢法施行前(平成17年)に比較して、年齢計の常用労働者数は、94万人から102万人と8.5%の増加であるのに対し、 60~64歳の常用労働者数は4万3千人から5万2千人と22.6%の増加。
65歳以上の常用労働者数は、1万6千人から2万4千人と49.9%の増加といずれも年齢計の増加率と比較して大幅な伸び(別紙表6)。


 

〇 定年到達予定者に占める継続雇用予定者の状況

改正高齢法施行前(平成17年)と比較して、継続雇用予定者の定年到達予定者に占める割合は、54.6%から81.1%へ26.5ポイント増加。雇用確保措置の企業への浸透が見られるところ(別紙表7)。
 

4 今後の取組

〇 雇用確保措置の未実施企業等に対する指導の実施

雇用確保措置の未実施企業等に対して、神奈川労働局(以下「労働局」という。)、ハローワークにおいて、事業主団体の協力も得ながら、(財)神奈川県雇用開発協会と緊密に連携しつつ、企業に対する助言・指導に努めてきたところ。
本年の6月1日報告によると、未実施企業401社が存在することから、引き続き、労働局、ハローワークの幹部等による個別指導を実施することにより、未実施企業の解消を図るとともに、今後、50人以下規模企業については、ハローワークの求人受付窓口や雇用保険の窓口と連携を十分に図り、未実施企業に対しては担当者がその場で指導を行なう。
また、集団指導や個別指導を実施して雇用確保措置の実施を図る。
 

〇 雇用確保措置の充実

継続雇用制度の対象者に係る基準を労使協定によらず就業規則等で定めることができる特例措置期間が、大企業においては、平成20年度、中小企業においては、平成22年度で終了すること、平成25年までにすべての企業において65歳義務化達成が求められていることから、上記の雇用確保措置の円滑な実施に加えて、希望者全員の65歳までの継続雇用、定年の引上げ、定年の定めの廃止といった雇用確保措置の充実について企業に積極的に働きかけ、雇用確保措置の充実を図る。
 

〇 「70歳まで働ける企業」の普及・啓発

少子・高齢化の進行、将来の労働力人口の減少、団塊世代が本年から60歳の定年年齢に到達したことなどを踏まえ、高年齢者が意欲と能力のある限りいくつになっても働ける社会の実現に向け、先般「70歳まで働ける企業」推進プロジェクト会議において、「70歳まで働ける企業」の実現に向けた提言が取りまとめられた。
これを踏まえ、当該提言を活用した普及・啓発に取り組むとともに、70歳以上の定年引上げ等に対する「定年引上げ等奨励金」を積極的に活用するよう企業に働きかける。

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