労働安全衛生法に基づく健康管理手帳について

制度



   がんその他の重度の健康障害を発生させるおそれのある業務のうち、次の表の左欄の業務に従事して、表の右欄の要件に該当する方は、離職の際には事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長に、離職の後には住所を管轄する都道府県労働局長に申請し審査を経た上で、健康管理手帳が交付されます。
   健康管理手帳の交付を受けると、指定された医療機関又は健康診断機関で、定められた項目による健康診断を決まった時期に年に2回(じん肺の健康管理手帳については年に1回)無料で受けることができます。

対象業務



 化学物質や、石綿を取り扱う作業など下記一覧のとおり15業務が指定されています。
 また、交付要件として業務に従事した期間などがあります。
                     
業     務
要    件
1
ベンジジン及びその塩(これらの物をその重量の1パーセントをこえて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務 当該業務に3月以上従事した経験を有すること。
(注1)
2
ベータ‐ナフチルアミン及びその塩(これらの物をその重量の1パーセントをこえて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務
12
ジアニシジン及びその塩(これらの物をその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務
3
粉じん作業(じん肺法(昭和35年法律第30号)第2条第1項第3号に規定する粉じん作業をいう。)に係る業務(注2) じん肺法の規定により決定されたじん肺管理区分が管理2又は管理3であること。
4
クロム酸及び重クロム酸並びにこれらの塩(これらの物をその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務(これらの物を鉱石から製造する事業場以外の事業場における業務を除く。) 当該業務に4年以上従事した経験を有すること。
5
三酸化砒素を製造する工程において焙焼若しくは精製を行い、又は砒素をその重量の3パーセントを超えて含有する鉱石をポット法若しくはグリナワルド法により製錬する業務 当該業務に5年以上従事した経験を有すること。
6
コークス又は製鉄用発生炉ガスを製造する業務(コークス炉上において若しくはコークス炉に接して又はガス発生炉上において行う業務に限る。) 当該業務に5年以上従事した経験を有すること。
7
ビス(クロロメチル)エーテル(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務 当該業務に3年以上従事した経験を有すること。
8
ベリリウム及びその化合物(これらの物をその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物(合金にあっては、ベリリウムをその重量の3パーセントを超えて含有するものに限る。)を含む。)を製造し、又は取り扱う業務(これらの物のうち粉状の物以外の物を取り扱う業務を除く。) 両肺野にベリリウムによるび慢性の結節性陰影があること。
9
ベンゾトリクロリドを製造し、又は取り扱う業務(太陽光線により塩素化反応をさせることによりベンゾトリクロリドを製造する事業場における業務に限る。) 当該業務に3年以上従事した経験を有すること。
10
塩化ビニルを重合する業務又は密閉されていない遠心分離機を用いてポリ塩化ビニル(塩化ビニルの共重合体を含む。)の懸濁液から水を分離する業務 当該業務に4年以上従事した経験を有すること。
11
石綿等(石綿若しくは石綿をその重量の0.1パーセントを超えて含有する製剤その他の物)を製造し、又は取り扱う業務
(1)  両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること。
(2)  石綿等の製造作業、石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等の張付け、補修若しくは除去の作業、石綿等の吹付けの作業又は石綿等が吹き付けられた建築物、工作物等の解体、破砕等の作業(吹き付けられた石綿等の除去の作業を含む。)に1年以上従事した経験を有し、かつ、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上を経過していること。
(3)  石綿等を取り扱う作業(前号の作業を除く。)に10年以上従事した経験を有していること。
(4)  前2号に揚げる要件に準ずるものとして厚生労働大臣が定める要件に該当すること。(注3)

11
 

 石綿等(石綿若しくは石綿をその重量の0.1パーセントを超えて含有する製剤その他の物)の製造又は取り扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務(石綿等を製造し又は取り扱う業務を除く)。  両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること。
 13  1,2-ジクロロプロパン(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を取り扱う業務(屋内作業場やタンク、倉庫、杭の内部など通風の悪い場所における印刷機その他の清掃業務に限る)  左記対象業務に3年以上従事する経験を有すること。
 14  オルト-トルイジン(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、または取り扱う業務  左記対象業務に5年以上従事する経験を有すること。
 15  三・三’-ジクロロー四・四’ジアミノジフェニルメタン(MOCA)(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、または取り扱う業務  左記対象業務に2年以上従事する経験を有すること。
 
(注1)ベンジジン、ベータ‐ナフチルアミン又はジアニシジンに関する業務の従事期間を合計すれば3月以上となる方は交付要件を満たします。 
(注2)粉じん作業には、石綿を取り扱う作業も含まれているため、石綿を取り扱う作業に従事した方については、交付要件を満たす場合、「11」だけでなく「3」の健康管理手帳の交付を受けることができます。
(注3)(2)の作業に従事した月数に10を乗じて得た数と(3)の作業に従事した月数の合計が120以上であって、かつ、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上を経過していることとする。
 

手続関係



≪1≫ 様式

   厚生労働省ホームページに掲載されている様式をダウンロードしていただきご使用ください。
   提出が必要な書類は対象業務ごとにより異なりますので、詳しくは健康安全課あてにお問い合わせください。
   様式(厚生労働省ホームページへ)

≪2≫ 提出先

  離職の際に既に交付要件を満たしている場合
   ⇒ 申請者が対象業務に従事した事業場(当該事業場が2以上ある場合は最近時の事業場)
      の所在地を管轄する都道府県労働局長へ申請
   【 例 】
    業務⑮のMOCAを製造し、または取り扱う業務の場合(要件:2年以上の経験)
   【 パターン1 】
     
      パターン1は、MOCAの業務に従事した最近時の事業場がⒸであるため、Ⓒを管轄する千葉労働局へ申請
   【 パターン2】
     
      パターン2は、ⒸでMOCAの業務に従事していないため、Ⓑを管轄する埼玉労働局へ申請

  離職の後に初めて交付要件を満たすこととなった場合
   ⇒ 申請者の住所を管轄する都道府県労働局長へ申請

 

本記事についての問い合わせ

千葉労働局 労働基準部 健康安全課

電話
043(221)4312

その他関連情報

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〒260-8612 千葉市中央区中央4丁目11番1号 千葉第2地方合同庁舎

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