障害者の雇用状況について (平成19年6月1日現在) 【職業対策課】

照会先

神奈川労働局 職業安定部 職業対策課
課 長   石井 安紀
課長補佐  阿部 正和
地方障害者雇用担当官  山川 理子
(電話) 045-650-2817 (内線)302

民間企業に雇用されている障害者の数は前年より8.1%増加
民間企業の雇用率は1.41%

今回とりまとめた神奈川県内の身体障害者、知的障害者及び精神障害者(以下「障害者」という。)の雇用状況は、障害者の雇用の促進等に関する法律により1人以上の身体障害者又は知的障害者を雇用することを義務づけられている事業主(本社が神奈川県内にある企業)及び地方公共団体から、本年6月1日現在における障害者の雇用状況の報告を求め、これを集計したものであり、その概要は下記の I のとおりである。
神奈川労働局としては、この雇用状況報告の結果を踏まえ、法定雇用率の達成に向けて、神奈川県等と連携を図りながら、下記 II により企業等に対する指導及び支援に強力に取り組んでいる。

Ⅰ 障害者雇用の現状

民間企業における雇用状況

(1)一般の民間企業

実雇用率は1.41%と前年に比べ0.04ポイント上昇
1.8%の法定雇用率が適用される一般の民間企業(常用労働者数56人以上規模の企業)における実雇用率は前年(1.41%)より0.04ポイント上昇して、1.45%であった。(第1表)(第5表)。

法定雇用率達成企業割合は41.2%と前年に比べ0.2ポイント上昇
1.8 %の法定雇用率が適用される一般の民間企業(常用労働者数 56 人以上規模の企業)において、1.8%の法定雇用率を達成している企業の割合は、前年(41.0%)より0.2ポイント上昇して、41.2%であった。(第1表)(第5表)

100~299人、及び1000人以上規模で障害者雇用が進み、99人以下及び500~999人規模の企業は低下
企業規模別にみると、前年と比較した実雇用率は、 56 ~ 99 人規模企業(1.50%→1.45 %) 、100~299人規模企業( 1.13 %→ 1.21 %) 300 ~ 499 人規模企業( 1.29 %→ 1.37 %)、 500 ~ 999 人規模企業(1.47%→1.44%)、 1,000 人以上規模企業( 1.61 %→ 1.65 %)であった(第2表)。
また、法定雇用率達成企業の割合は、 56 ~ 99 人規模企業( 41.5% → 40.3% )、100~299人規模企業(42.6%→43.8%)、300~499人規模企業(39.3%→38.4%)、 500 ~ 999 人規模企業( 30.5% → 30.2% )、 1,000 人以上  規模企業( 35.6% → 41.6% )であった。

産業別の実雇用率は総じて上昇
産業別では、複合サービス業( 1.62 %→ 1.61 %)で実雇用率が前年より低下したが、建設業( 1.29 %→ 1.36 %)、製造業( 1.58% → 1.60% )、情報通信業( 1.18 %→ 1.20 %)、運輸業( 1.61 %→ 1.66 %)、卸・小売業( 1.14 %→ 1.22 %)、金  融・保険業( 1.54% → 1.55% )、不動産業( 0.58 %→ 1.00 %)、医療・福祉( 1.53% → 1.69% )、教育・学習支援業( 0.78%  → 0.79%) 、サービス業( 1.33 %→ 1.34 %)その他業種( 1.29% → 1.44% )は上昇した。(第3表)。

(2)特殊法人等

特殊法人等の実雇用率は上昇
2.1 %の法定雇用率が適用される公団、事業団等一定の特殊法人及び独立行政法人(常用労働者数48人以上規模の法人)については、実雇用率が前年比 0.12 ポイント上昇の 2.15 %(前年は 2.03 %)になった(第1表)。

地方公共団体における雇用状況

地方公共団体の実雇用率は県の機関、市町村機関共に低下
2.1 %の法定雇用率が適用される地方公共団体の機関における実雇用率については、県の機関は 2.92 % (前年は2.96 %)になり前年比 0.04ポイント の 低下 となった。市町村の機関は 0.01 ポイント低下の 2.37 %(前年は 2.38  %)となった。(第6表)。
また、 2.0 %の法定雇用率が適用される県等の教育委員会の機関では 0.08 ポイント上昇し 1.47 %(前年は 1.39  %)になった(第6表)。
なお、地方公共団体の合併があったため、市町村の機関数は2機関減少し、35機関になった。

※神奈川県の実雇用率 1.45 %は、企業の主たる事務所所在地で集計したものである。それに対し、事業所所在地により集計した神奈川県の実雇用率は、前年(1.60 %)より0.04ポイント上昇して、1.64 % であった(第5表)。

Ⅱ これらの状況を受けての重点的取り組み

これまでも県内各ハローワークにおいては個別企業等に対する雇用率達成指導に加え、障害者に対する職業紹介に重点的に取り組んできたところであり、 平成17年度には就職件数 1,700 人(対前年度比 2.3 %増)、平成18年度には就職件数 2,045 件(対前年度比 20.3 %)と、就職実績を上げてきたところである。また、関係機関・施設等と連携して、雇用の場の拡大や精神障害者の雇用対策に取り組んできたところである。
これらのことが平成19年6月1日の民間企業の実雇用率の 0.04 ポイント上昇につながったと考えられるが、なお法定雇用率1.8%に比べて 0.35 ポイントの乖離があり、こうした状況を踏まえて特に以下の取り組みを強化する。

(1)雇入れ計画作成命令の厳正な発出と発出した企業に対する強力な指導
障害者の雇用状況が一定の水準に達していない企業(全国平均実雇用率未満かつ 5 人以上不足の企業、10人以上不足企業、企業規模167人以上の雇用障害者数0人の企業)を重点的に、県内各ハローワークにおいて、障害者雇用の取り組みについて強力な指導を行っていく。

(2)特例子会社の設立に向けた積極的な働きかけの実施
不足数の多い企業で現状の事業形態では不足が解消できない企業に対して、神奈川県等と連携して特例子会社の設立を働きかけており、県内に親企業がある特例子会社は12社に達している。
県外に特例子会社を設立した企業も1社あり、更に積極的に特例子会社の設立勧奨を行っていく。

(3)障害者福祉施設、特別支援教育施設等との積極的な連携
ハローワークでは、地域障害者職業センター、就労援助センター及び民間支援団体等とチームを組んで支援を行い、ジョブコーチ支援、トライアル雇用、障害者委託訓練「トライ!」、各種助成制度等の雇用支援策を活用しながら、障害者の雇用の促進、職場定着の取り組みを強化する。

(参考)

法定雇用率とは

民間企業、国、地方公共団体は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、それぞれ以下の割合(法定雇用率)に相当する数以上の身体障害者又は知的障害者を雇用しなければならないこととされている。
(カッコ内は、それぞれの割合によって1人以上の身体障害者又は知的障害者を雇用しなければならないこととなる企業等の規模である。)

○  民間企業 一般の民間企業 ・・・・・・・ 1.8%
(常用労働者数56人以上の規模)
特殊法人等 ・・・・・・・・・ 2.1%
(常用労働者数48人以上規模の特殊法人及び独立行政法人)
 
○  国、地方公共団体
(職員数48人以上の機関)
  ・・・・・・・・・・・・・・・ 2.1%
ただし、都道府県等の教育委員会
(職員数50人以上の機関)
・・・・・・・・・・・・・・・ 2.0%

なお、重度身体障害者又は重度知的障害者については、それぞれその 1 人の雇用をもって、 2 人の身体障害者又は知的障害者を雇用しているものとみなされる。
また、短時間労働者は原則的に実雇用率にはカウントされないが、重度身体障害者又は重度知的障害者については、それぞれ1人の身体障害者又は知的障害者を雇用しているものとみなされる。
精神障害者である短時間労働者は0.5人の身体障害者を雇用するものとみなされる。

特例認定とは

地方公共団体の機関(A)及び当該機関Aと人的関係が緊密である等の機関(B)の申請に基づき、厚生労働大臣の認定を受けた場合に、当該機関Bに勤務する職員を当該A機関に勤務する職員とみなすものである。

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