陸上貨物運送事業の安全衛生対策

陸上貨物運送事業における安全衛生対策の推進

 陸上貨物運送事業(道路貨物運送業と陸上貨物取扱業)における労働災害は、宅配便取扱個数の増加等の影響もあり、全国的に増加傾向で、特に荷役作業中等の「墜落、転落」によるものが全体の約3割を占め、最多となっています。
 東京労働局管内における令和5年の労働災害の発生状況は、新型コロナウイルス感染症によるり患を除き、死亡者数は2人(前年比2人減少)と減少しましたが、休業4日以上の死傷者数は1,098人(前年比22人増加)増加傾向にあります。特に腰痛等の「動作の反動、無理な動作」によるものが252人と最多で、次いで荷役作業中等の「墜落、転落」によるものが238人であり、これらによるものが全体の約半数を占めます。
 このような中、東京労働局では、第14次東京労働局労働災害防止計画(2023年度から2027年度まで)を策定し、陸上貨物運送事業における労働災害の減少に向け、以下の目標と取組事項を掲げ、事業者の皆様とともに、陸上貨物運送事業の安全衛生対策を推進しています。


 
第14次東京労働局労働災害防止計画(陸上貨物運送事業関係)
計画の目標
アウトプット指標
アウトカム指標
「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(平成25年3月25日付け基発第1号。以下「荷役作業の安全対策ガイドライン」という。)に基づく措置を実施する陸上貨物運送業等の事業場(荷主となる事業場を含む。)の割合を2027年までに45%以上とする。 ・陸上貨物運送事業における死傷者数を2022年と比較して2027年までに5%以上減少させる。
労働災害防止対策の推進
(ア)労働者の協力を得て、事業者が取り組むこと (イ)(ア)の達成に向けて当局が取り組むこと
「荷役作業の安全対策ガイドライン」に基づく安全衛生管理体制の確立、墜落・転落災害や転倒災害等の防止措置、保護帽の着用、安全衛生教育の実施等、荷主も含めた荷役作業における安全対策に取り組む。
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・陸上貨物運送事業における死傷災害の約7割荷役作業時に発生しており、トラックからの墜落・転落災害が多数発生していることから、トラックからの荷の積み卸し作業における墜落・転落防止対策の充実強化を内容とする改正労働安全衛生規則の周知・指導を図る。

「職場における腰痛予防対策指針」(平成25年6月18日付け基発0618第1号)を参考に、作業態様に応じた腰痛予防対策に取り組む。

・陸上貨物運送業の荷役作業における労働災害の多くが荷主事業者の敷地等において発生している実態等に対応するため、荷主事業者対策に取り組む。

  ・陸上貨物運送業等の事業場(荷主となる事業場を含む。)に対して、「荷役作業の安全対策ガイドライン」の周知徹底を図る。
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安全衛生パトロール

 東京労働局・陸災防東京都支部会合同による安全衛生パトロールを行いました
 令和7年1月28日(火)、陸上貨物運送事業労働災害防止協会東京都支部会と合同で、東京都内に所在する物流施設に対して安全衛生パトロールを実施しました。詳細は↑のリンクをご確認ください。
 

労働安全衛生規則の改正

 全国的に陸上貨物運送事業における労働災害が増加傾向にある中、荷役作業時における労働災害は休業4日以上の労働災害の7割を占め、また、その多くが荷主等の事業場で発生している状況のため、厚生労働省では、貨物自動車を使用した荷役作業における安全対策の強化を目的として、労働安全衛生規則の規定を改正しました。

 改正の内容は、以下の①から③までの事項で、①と③は令和5年10月1日に施行され、②は令和6年2月1日に施行されました。
 ①昇降設備の設置や保護帽の着用を義務付ける貨物自動車の範囲の拡大
 ②テールゲートリフターの操作の業務について、特別教育の義務化
  ※ 特別教育を実施している団体等をお探しの方はこちら(東京労働局ホームページ)
 ③運転位置を離れる場合の措置を、テールゲートリフター取扱時の一部の適用除外

 改正労働安全衛生規則や荷役作業の安全対策ガイドラインの改正内容の詳細は、↓のリーフレットなどをご確認ください。

関係資料等

 

ダウンロード

リーフレット

トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます。[PDF形式:約2.0MB]

資料

陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン[PDF形式:約319.0KB]

施行通達

令和5年3月28日付け基発0328第5号[PDF形式:約47.0KB]

関係問答

令和5年8月1日付け建設安全対策室長事務連絡[PDF形式:約223.0KB]

説明資料

改正労働安全衛生規則等説明会資料(東京労働局作成)[PDF形式:約3.0MB]

「荷役作業の安全対策ガイドライン」の改正

 厚生労働省では、陸上貨物運送事業の労働災害の状況を踏まえ、荷役作業時の労働災害を減少させるため、「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(平成25年3月25日付け基発第1号)を策定し、陸上貨物運送事業者及び荷主等(荷主、配送先、元請事業者等)がそれぞれ取り組むべき事項を示しています。
 「荷役作業の安全対策ガイドライン」は、改正労働安全衛生規則の施行に伴い発出された通達(令和5年3月28日付け基発第0328第5号)により改正され、改正労働安全衛生規則の内容が反映され、テールゲートリフターやロールボックスパレットなどの機械器具の取扱い時における留意事項などについて変更されています。
 「荷役作業の安全対策ガイドライン」の詳細や改正内容は、↓の関係資料等をご確認ください。
 

※表を左右に動かしてご覧ください。
 

 

改正労働安全衛生規則等説明会

 「陸上貨物運送事業労働災害防止協会東京都支部会」が開催した「改正労働安全衛生規則等説明会」に、東京労働局労働基準部から講師を派遣しました。
 本説明会は、厚生労働省の令和5年度の補助事業として、労働安全衛生規則や荷役作業の安全対策ガイドラインの改正内容を広く周知することを目的に開催され、東京都内に所在する陸上貨物運送事業で安全衛生業務を担当される方々が多数出席されました。
 本説明会では、改正労働安全衛生規則等の内容に加え、令和6年4月から適用される「自動車運転者の労働時間の上限規制」や「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」の改正に関する内容を説明しました。詳細は以下の説明資料等をご参照ください。
 
改正労働安全衛生規則等説明会(厚生労働省令和5年度補助事業)
日程
会場
説明会の様子
説明資料
第1回
(R5/7/24)  
第2回
(R5/8/3) 
東京都トラック総合会館
7階大会議室
(東京都新宿区四谷3-1-8)          

(第2回の様子)

労働基準部安全課     
 説明資料
[PDF形式:約3.0MB]
労働基準部監督課         
 説明資料      
[PDF形式:約3.0MB]

※表を左右に動かしてご覧ください。

荷役作業における総合的な安全衛生対策

 東京労働局管内の労働基準監督署での監督指導、安全衛生指導等において、労働安全衛生法令に基づく対策の徹底等を図ることにより、陸上貨物運送事業における安全衛生対策を推進しています。
 近年では、荷役作業中の労働災害が増加傾向にあることから、それらを防止するため、↓のリーフレットなどをご活用ください。
 

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転倒防止、腰痛予防

 全国的に、転倒腰痛が多発し、陸上貨物運送事業では、休業4日以上の死傷者数のうち、「転倒」が令和4年に2,917人(平成29年比677人、30.2%増)腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が令和4年に2,940人(平成29年比737人、33.5%増)発生し、いずれも増加傾向です。

 転倒はについては、事務所や作業場等に、転倒のリスクのある場所がないかを点検し、段差や障害物等を解消して、継続的な4S活動(整理・整頓・清掃・清潔)に努めましょう。また、梅雨の時期の雨や冬季の積雪、路面凍結にも注意が必要です。
 
 腰痛は、重量物取扱作業車両運転等の作業で発生しやすいため、腰痛予防対策指針に基づく3管理(作業管理、作業環境管理、健康管理)に努め、正しい作業姿勢等の知識習得のために労働者に対する労働衛生教育を行いましょう。

 厚生労働省では、転倒防止や腰痛予防のための取組を推進するため、以下の資料や動画教材を作成していますので、是非ご活用ください。  
 
関係資料等
 
ダウンロード・関連リンク
転倒災害防止
転倒予防・腰痛予防の取組(厚生労働省HP)
転倒防止・腰痛予防の啓発動画
(外部サイト:厚生労働省公式YouTubeアカウント)
【事業者向けリーフレット】
転倒災害(業務中の転倒による重傷)に注意しましょう[PDF形式:約1.0MB]
【労働者向けリーフレット】
転倒災害(業務中の転倒による重傷)に注意しましょう[PDF形式:約754KB]
転倒災害防止対策の推進について(職場のあんぜんサイト)
腰痛予防
陸上貨物運送事業における腰痛の予防(厚生労働省HP)
職場における腰痛予防対策~陸上貨物運送事業~
(外部サイト:厚生労働省公式YouTubeアカウント)
重量物取扱いや運転業務による腰痛を予防しましょう[PDF形式:約778KB]

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交通労働災害の防止

 陸上貨物運送事業における死亡災害のうち、交通労働災害は4割程度を占める(令和4年)ため、陸上貨物運送事業における労働災害を防止する上で、それらの防止は重要な課題です。
 厚生労働省では、労働者に自動車等を運転させる事業者が、交通労働災害防止対策の積極的な推進を目的に、「交通労働災害防止のためのガイドライン」(平成20年4月3日付け基発0403001号)を策定し、事業場における交通労働災害防止のための管理体制の確⽴、適正な労働時間等の管理や⾛⾏管理等の実施を積極的に推進しています。
 また、「交通労働災害防止のためのガイドライン」は、労働安全衛生関係法令や「⾃動⾞運転者の労働時間等の改善のための基準」とともに、交通労働災害の防止を図るための指針となるものです。「交通労働災害防止のためのガイドライン」に基づく適正な管理等が求められます。
 

その他関連情報

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