管内の皆様へ 屋根補修工事等を業者に依頼される際は、適切な安全対策へのご配慮をお願いします【和気労働基準監督署】


屋根の上など、高所作業が必要となる補修工事や設備設置工事、解体工事などを専門業者にお願いする際、無理なお願いをしていませんか?必要な情報を業者に提供していますか?
「もう少し安くならん?」  必要な墜落防止措置など安全対策には一定の費用がかかります。
「もっと早く工事終わらん?」  無理な工期設定は災害や事故の発生のリスクを高めます。
 無理な工事条件を強いると、工事をお願いした発注者にも責任が問われる場合もあります。
 無事に工事が完了するよう、適切な安全対策が講じられるよう、ご配慮をお願いします。


和気署管内では、令和3年、4年と建設業における墜落・転落災害が6件発生しています。
令和5年は、5月末時点で既に3件も発生しており、このまま増加傾向が続くと、年間7件を超えます。労働災害の統計外ですが、個人事業主の死亡災害が既に2件も発生しています。
墜落・転落災害は、死亡災害や重篤災害となるリスクが非常に高い災害です。
高さ2m未満の箇所からの墜落・転落災害でも長期休業を要する事案が発生しています。


工事種別で見てみると、屋根等の修繕工事解体工事などで多く発生しています。
最も墜落箇所として多いはしご・脚立は便利な用具ですが、他に安定した足場・作業床が確保できないか、作業前に作業内容を踏まえて安全性を検討する必要があります。
短時間で終わるからと屋根上の作業で墜落防止措置が講じられていなかった事例もあります。
コスト面、工期面を重視するあまり、危険な作業方法が選択されないようにしましょう。
無事故無災害で作業を終えるためには、ある程度の費用と時間を要します。


工場屋根の遮熱塗装工事において、エアー吹付による塗装面の土埃等の除去作業を行っていた作業者が、スレート屋根を踏み抜いて約5mの工場床面に墜落した。
 
≪工事業者が講ずべき措置≫
(1) 屋根等の高所作業では、作業内容、作業範囲を明確に示した作業計画を作成するとともに、危険個所への立入禁止措置や踏み抜きによる墜落防止措置をあらかじめ講じるよう定めた作業手順書を作成すること。
(2) スレート等、踏み抜きによる危険のおそれがある場所で作業を行う場合は「歩み板」を設けること。また、防網を張り、親綱を設置して要求性能墜落制止用器具を使用させる方法で、踏み抜き防止のための措置を講じること。
(3) 具体的に作業指示・安全指示を行うこと。




 操業中の工場で墜落・転落災害や落下事故が発生した場合、近辺で作業中の自社の労働者がけがする可能性もあります。
 工事内容等に応じて、工事業者との事前の打ち合わせ・連絡調整を適切に実施し、工事期間中は工事業者が作業を行う区域を明確にして、工事が行われる時間帯には立入禁止区域を設定するなどの対策を講じる必要があります。


【工事の発注・契約時】
☑ 必要な安全措置を講じることができる業者ですか?
☑ 工事箇所・周辺の状況や危険箇所等、作業の安全性を検討する上で業者が必要となる情報を提供していますか?
☑ 作業方法は作業の安全性についてきちんと検討されていますか?
☑ 安全措置を講じるための必要な経費が計上されていますか?
☑ 安全に作業を行う上で無理のない工期が設定されていますか?
 
【工事期間中】
☑ 当日の作業予定・作業箇所等の確認はできていますか?
☑ 作業時間帯・作業内容等に変更があった場合の連絡体制はできていますか?
☑ 工事が行われている区域への立入禁止等の措置はできていますか?


□ 厚生労働省HP「建設業における安全対策」
労働安全衛生法令(建設安全)の改正関連情報や通達・事務連絡等、参考リーフレット等の情報を掲載しています。
 
□ 厚生労働省  職場のあんぜんサイト 「各種教材・ツール」
 労働災害を起こさないための基本的な事項を学習することができます。
社内教育にご活用ください。
 


建設事業者向け(PDF:932 KB)


工事をお願いされる方向け(PDF:468 KB)




□この記事に関するお問い合わせ先
  和気労働基準監督署 監督・安衛課 0869-93-1358
 


 

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