建設業のみなさまへ 墜落転落災害が増加しています【和気労働基準監督署】

 和気労働基準監督署管内における建設業の労働災害は、昔と比べると大きく減少しましたが、ここ数年はほぼ横ばい状態が続いています。
 懸念されるのが、死亡災害や重篤災害となることが多い墜落・転落災害が増加傾向にあることです。令和4年には死亡災害も発生しています。
 高さ2m未満の位置からの墜落・転落災害も増加しており、長期休業が必要となる事案や体に障害が残る事案も発生しています。
 
令和5年も増加傾向が続いています。
「ちょっとで終わる作業だから」と油断をせずに、万全の墜落・転落災害防止対策を講じた上で作業を行っていただきますようお願いします。               



 工事種別で見てみると、修繕工事解体工事での発生が目立ちます。
 死亡災害や重篤災害も発生しています。
 スレート屋根材や腐食した梁や下地、柱が割れたり、折れたりして発生している事案も見られます。
 事前に施主から作業場所の情報を入手し、現地の状況を確認した上で、安全な作業方法等を検討し、必要な対策を講じましょう‼

「はしご・脚立」が最も多くなっています。
容易に使用できる便利な道具ですが、適切に使用していないことで災害が多発しています。 
下のチェックリストで再点検しましょう‼
「はしごを使う前に/脚立を使う前に」(PDF:1.06 MB)
 
「トラックや重機」からの昇降時も、必ず3点支持しましょう‼


工場屋根の遮熱塗装工事において、エアー吹付による塗装面の土埃等の除去作業を行っていた作業者が、スレート屋根を踏み抜いて約5mの工場床面に墜落した。
 
≪同種災害を防ぐためには≫
(1) 屋根等の高所作業では、作業内容、作業範囲を明確に示した作業計画を作成するとともに、危険個所への立入禁止措置や踏み抜きによる墜落防止措置をあらかじめ講じるよう定めた作業手順書を作成すること。
(2) スレート等、踏み抜きによる危険のおそれがある場所で作業を行う場合は「歩み板」を設けること。また、防網を張り、親綱を設置して要求性能墜落制止用器具を使用させる方法で、踏み抜き防止のための措置を講じること。
(3) 具体的に作業指示・安全指示を行うこと。




クレーン仕様のドラグショベルを使って、コンクリート製側溝を撤去する作業をしていたところ、玉掛者が荷下ろし位置を移動させようと吊りクランプ付近を触った途端、クランプが外れて被災労働者の左手にあたって骨折したもの。

参考:【視聴覚教材】
まんがでわかるクレーン・玉掛け作業の安全衛生
 
テキスト版(PDF:20.6 MB)
 
動画版
(※厚生労働省の動画教育チェンネルMHLWanzenvideo (YouTube)へリンクします。)



 刈払機での歩道の草刈作業中、車を避けるために車道から歩道に慌てて入ってきた別作業者の足首に刃が接触したもの。
 
⇒周囲の安全確認、並びに保安設備や交通誘導者配置等での作業区域の安全確保

【参考】
国土交通省 近畿地方整備局
 肩掛け式草刈機の安全対策マニュアルPDF:2.79MB)



 ユニック車(トラッククレーン)での資材運搬作業中、誘導者がその場を離れていた為、ユニック車の運転者が誘導者の合図なしにバックさせていたところ、別作業を行っていた被災者がバックしてきたユニック車と資材置場の資材にはさまれたもの。
 
作業指揮者による作業計画に基づいた作業指揮、誘導者の配置、関係請負人間の連絡・調整の徹底 など

法令上、作業計画の策定を要する作業
参考: 厚生労働省 職場のあんぜんサイト
「安全衛生キーワード」>「作業計画」


解体工事で、コンクリート柄等の集積作業を行っていた作業者が床から出ていた鉄筋に躓き転倒し、肋骨、腓骨等を骨折したもの。
 
⇒「滑り」、「つまづき」、「踏み外し」を無くす為、整理・整頓、清掃、転倒予防運動などを。

【参考】
京都労働局HP転倒災害防止対策事例集(PDF:1.18MB)
様々な転倒災害防止対策事例を紹介しています。 


☑ 工事着手前に、工事する場所の状況、使用する機械の特性・能力等を踏まえて
 安全な作業方法、作業配置等を決め、工事関係者に周知しましょう。
☑ 雇入れ時教育職長教育能力向上教育を実施しましょう。
☑ 毎朝の作業指示、安全指示は具体的に行いましょう。
☑ KY活動は、実際の作業場所で行いましょう。
☑ 作業方法等を変更する場合には、安全性を確認するとともに
 工事関係者に変更内容を周知しましょう。
☑ 現場の安全衛生管理を現場責任者任せにせず、経営トップ、会社の
 安全衛生担当者も現場パトロール等で管理状況の確認
をしましょう。



□ 厚生労働省HP「建設業における安全対策」
労働安全衛生法令(建設安全)の改正関連情報や通達・事務連絡等、参考リーフレット等の情報を掲載しています。
 
□ 厚生労働省  職場のあんぜんサイト 「各種教材・ツール」
 労働災害を起こさないための基本的な事項を学習することができます。
社内教育にご活用ください。


建設事業者向け(PDF:932 KB)       工事をお願いされる方向け(PDF:468 KB)
 



□この記事に関するお問い合わせ先
  和気労働基準監督署 監督・安衛課 0869-93-1358



 

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