- 岡山労働局 >
- ニュース&トピックス >
- 労働基準監督署のコーナー >
- JFEスチール(株)西日本製鉄所(倉敷地区)安全健康室へルスサポートセンターが「SAFEアワード」を受賞されました ~厚生労働省より中央産業安全専門官が事業場を表敬訪問~
JFEスチール(株)西日本製鉄所(倉敷地区)安全健康室へルスサポートセンターが「SAFEアワード」を受賞されました ~厚生労働省より中央産業安全専門官が事業場を表敬訪問~
近年、労働災害、特に、日常生活でも発生しうる転倒や腰痛などの災害(以下「行動災害」)が増加しています。背景として、産業構造の変化、成長産業における人手不足、働き方の多様化、顧客第一の文化、従業員の安全を守る視点の欠如、対策に取り組むメリットが見えないなど様々な問題があり、これまでの取組だけではこれらの災害を減少させることが難しくなっています。
こうしたことから厚生労働省は、従業員の幸せのための安全アクションを推進するため SAFE(Safer Action For Employees)を推奨し、安心安全な職場づくりに取り組む事業者(SAFEコンソーシアムメンバー)を募っています。
また、全国47都道府県において上記の推進を図るため、小売業及び介護事業者を中心とした協議会を立ち上げています。
令和5年3月、安全・健康の増進のための優れた取組を表彰する「SAFEアワード」の受賞事例が発表され、岡山県内からは、
様の取組事例が「転倒災害防止部門」でブロンズ賞を受賞されました!
SAFEコンソーシアムのHPはこちら
この取組を実際に視察するため、令和5年4月20日、厚生労働省より澤田京樹中央産業安全専門官がJFEスチール(株)西日本製鉄所を表敬訪問しました。
JFEスチール(株)西日本製鉄所(倉敷地区)においては、労働者の高齢化等による行動体力の低下を原因とする転倒災害や筋骨格系疾患が多発したことを契機に、作業環境管理や作業管理の改善を推進してきました。
しかし、それだけでは加齢による行動体力の低下を防止することができないため、安全に働くために必要な体力を「安全体力🄬」と定義し、作業環境管理や作業管理の改善と並行してその向上を図ってきました。
まず改善の第1歩として、一人ひとりの「安全体力🄬」の把握を行うためのスクリーニングテスト「安全体力🄬機能テスト」を開発しました。
この「安全体力🄬機能テスト」は、労働者全員が定期健康診断と共に毎年行うことにより、労働者自身の気付きに加え、現在の能力を数値化することにより、中長期的な体力の変化(衰え)を的確に把握することを可能としました。
次のステップとして、腰痛など筋骨格系疾患を防ぐための「アクティブ体操®」partⅠ、転倒災害を防ぐための「アクティブ体操®」partⅡを開発・導入し、労働者一人ひとりの状態に合わせて筋力増加や関節を柔軟にする等により「安全体力🄬」を向上させ、行動災害の減少を図ったところ、実際に労働災害(行動災害)が年々減少しており、これらの効果がはっきりと示された形になりました。
安全健康室へルスサポートセンターの乍智之氏から説明を受けた後、澤田京樹中央産業安全専門官が「安全体力🄬機能テスト」を実践されました。
JFEスチール(株)西日本製鉄所(倉敷地区)におかれましては長きにわたり「安全体力🄬機能テスト」「アクティブ体操🄬」を実施され、労働者にもすっかり定着しているそうです。
令和4年における岡山県内の休業4日以上の労働災害を事故の型別で見ると、“転倒”は505件発生しており、新型コロナウイルス関係を除くと全体の約23%を占めています。また、腰痛等の“動作の反動”は358件発生しており、新型コロナウイルス関係を除くと全体の約16%を占めています。
こうしたことから、各事業者におかれましても労働災害全体の約4割を占める行動災害を減らすために作業環境管理や作業管理の改善を進め、また、高年齢労働者を中心に安全体力の向上を図り、行動災害防止対策を講じていただきたいと思います。