労働基準監督官に興味のある方へ

 晴れの国と言われる岡山県。
 あなたの力で、さらに晴れやかな県にしませんか?

 
 労働基準監督官は、
  ●働く人や事業主からの相談を聞いて、労働環境の改善を進める。
  ●仕事中にケガをしないように、安全・健康に働く職場環境を作り、命を守る。
  ●企業を違った角度から見ることができ、自分が行った結果を直接感じられる。
  ●何よりも社会とつながりが強い。
非常にやりがいのある仕事です。

労働基準監督官とは

 「労働基準監督官」は、厚生労働省の地方出先機関である「労働局」に所属する国家公務員です。

 「国家公務員」と聞くと全国転勤のイメージがありますが、各都道府県労働局で採用試験を行っているため、基本的に採用された労働局がある都道府県内で勤務します。異動の時期は、県外勤務は一度だけ(2年間のみ)です。このため、国家公務員ではありますが、採用当初から岡山県に定着・密着して業務を行うことになります。
 岡山労働局では、総勢 約70名(女性は約20%)の労働基準監督官が、労働分野のプロフェッショナルとして活躍しています。岡山県出身者はもちろん、県外出身(主に九州、隣県)の方も多く在籍しています。

 労働基準監督官の使命は「労働条件確保・向上、働く人の安全や健康の確保を図ること」です。
 フランクな表現をすると「働く人を守る、警察みたいな仕事」です。
 


 
 労働相談がどの程度あるか、ご存じでしょうか?

 岡山労働局・監督署には、年間約15,000件の労働相談が寄せられており、このうち約2,700件が労働基準法などの違反の疑いがあるものとなっております。(令和3年度)
 
 労働基準監督官は、これらの労働相談や各種情報を元に、製造業、建設業、サービス業など、全ての業種の企業に立ち入り、法に定める賃金・労働時間や安全衛生に関する基準などが守られているかを調査し、必要な指導を行います。また、「相談を受ける」という受け身の対応だけではなく、監督署が地域の実情、問題点を踏まえて、主体的に指導を行う企業を選定します。
 さらに、法違反を是正しないなどの重大・悪質な企業に対しては、司法警察官として、取調べ(被疑者調書、参考人調書)などの任意捜査を行うほか、捜索・差押えなどの強制捜査(いわゆるガサ入れ)を行い、検察庁への送検を行います(いわゆる書類送検)。
 
 このように、法律違反を指摘するだけでなく、司法警察官としての権限行使も行いますが、どのように改善してもらうか、改善された内容をしっかり根付かせてもらえるか、これこそが労働基準監督官としての腕の見せ所です。 
  
 このほか、事業主から相談を受けて、企業が抱える悩みごと、例えば、よりよい労働環境・作業環境となるにはどうすればいいか、仕事に関連した職場内のトラブルへの対応や未然防止について、アドバイスを行うこともあります。
 労働基準監督官は、働く人だけでなく、企業から感謝されることもあります。
   
 生活に直結する「働く」という観点から、よりよい岡山県になるために、あなたも労働基準監督官として一緒に働きませんか?

 ~コラム~【危険な箇所も知らぬ間に風景に】
 筆者が印象に残っている事例を1つご紹介いたします。

 工場内を調査して回ったところ、明らかに墜落するおそれのある危険な箇所があったため、手すりなどを設けて労働者が墜落しないようにしてほしいと、指導を行いました。その後、事務所で法違反の内容の説明など、企業の安全担当とやり取りをしていた際に・・・

■監督官
 危険な作業箇所であっても毎日見ていると日常的なものとなり、単なる風景になってしまいます。安全担当は、特に感覚がマヒしないように気を付けるようお願いします。
 例えば、新人や若手の方、別の部署の人を連れてきて、作業場所、作業方法を見てもらい、どう感じるか、危険と感じる場所はないか。作業に慣れていない人だからこそ気付く視点があるので、こういう方からの意見も大事にしていただきたい。

●企業担当者
 確かに私たちの感覚は、いつもどおりの状況とマヒしていたかもしれません。監督官に危険な箇所を見つけていただいて、従業員がケガをする前に対策をすることができて本当に良かった。改善します。
・・・「危険な箇所も風景になる」というフレーズ、とてもいい表現なのでいただいていいですか?標語として、工場内に掲示したいと思いまして。

■監督官
 そんな大層なものではありませんが、好きに使ってください!労働災害のない企業となることを願っています。

 「安全に対する意識」がしっかりと根付いたと感じた事例ですが、このように、企業の担当者から感謝されることもあります。
 労働基準監督官が客観的に作業場所、作業方法を確認することにより、労働災害につながるおそれのある、危険な「モノ」を洗い出す。大げさな表現ではなく、「人の命を守る」ことに直結した仕事となります。
 このように、労働条件関係だけでなく、労働災害防止も労働基準監督官の重要な仕事となります。

労働基準監督官のやりがい・魅力

●いろんな会社に行き、いろんな人と、いろんな話をするため、常に新鮮。
 監督指導を行う企業の業種も様々。各種製造業、運送業、造船業、サービス業など・・・働く人(労働者)がいる全ての企業を対象に業務を進めるため、常に新鮮。
広い視野を持った人間に「あなたも」なれます。
 
●自分が指導を行った結果を、直接感じることができる。
 給料の不払いや賃金不払残業(いわゆるサービス残業)の解消など、自分が仕事を行った結果、どのように企業が改善されたのか。結果が見えやすく、感じやすいため、社会とのつながりを強く感じることができ、やりがいやモチベーションアップにつながります。

●個人プレーだけど、チームプレー。
 基本的には1人で行動することが多い職種です。ただし、困難な事案には複数で対応したり、監督署の監督官全員で法違反の有無や指導の方向性を検討したりと、組織的な対応を行います。
悩んでいるときに助けてくれる、上司、先輩がたくさんいます。
 なんでも1人で抱え込むことはないので、ご安心ください。

「岡山で」労働基準監督官になるということは

 全国には約410万の事業場(本社、支店、工場などを含めた数)があり、約5,300万人が働いています。
 岡山県の事業場は約62,000、約76万人もの方が働いており、岡山労働局の下に6つの労働基準監督署があります。
 労働基準監督官として採用された場合、労働基準監督署または労働局で勤務します。
 
 岡山労働局の最大の魅力は、「全ての産業がある」ということ。

 化学コンビナートや各種製造業のほかに、造船業や林業、繊維関連の業種など、これほど幅広い業種がある県はとても珍しいです。業種が多いということは、より一層幅広い知識、視野を持った監督官になることができ、監督官としてのキャリアをしっかりと積むことができます。
 また、岡山県は県南と県北で主な産業、地域性が異なりますが、いずれも1つ1つの事案に集中して取り組むことができるます。このため、丁寧できめ細やかな指導を行うことにより、県内企業をよりよい労働環境に導くことができます。
 さらに、労働条件関係と安全衛生関係、どちらもしっかり身につけることができます。
 
 悪質な事案に対しては、強制捜査(いわゆるガサ入れ)により厳正に対処することとなりますが、強制捜査のノウハウも十分蓄積されているため、スムーズに権限を行使することができます。
 地図のとおり、異動があっても比較的通いやすい位置関係というのも、魅力の1つです。

 労働法が専門でない方、理工系の方もご安心ください。採用試験も「法文系」と「理工系」に分かれており、充実の研修体制が用意されているため、理工系(※)の方も多く活躍しています。
(※)岡山には化学、土木工学、機械工学、電気工学、生物を専攻していた監督官がおりますが、皆、第一線で活躍しています。

 岡山労働局では、自分自身のワーク・ライフ・バランスを保ちながら、労働基準監督官として県内の企業で働く人たちを守っていくことができます。



充実の研修体制で全力サポート

 採用後1年間は研修期間として、岡山労働局にて、監督関係業務にかかる基礎的な研修・実地研修(OJT)を行います。
 また、この間に労働大学校(研修施設@埼玉県朝霞市)で実施される中央研修で、全国の新任労働基準監督官が集まり、約3ヶ月間に渡って、労働基準関係法令に関する知識や、安全衛生に関する知識等を十分に習得できるカリキュラムとなっています。

 さらに、 岡山労働局では、理系・文系にかかわらず、労働法が専門でない方も着実にレベルアップできるよう、特に若手監督官の研修を充実させています。

【採用1年目】
  3か月の中央研修の内容がしっかり定着するようにフォローアップ
【採用2~4年目】
  1人でしっかり指導、捜査ができるよう、悩みやすい点を重点的にフォローアップ
 
 これ以降も、安全衛生業務や労災補償業務など、新しい業務を行う際にも研修があり、さらに専門官や管理職になる場合にも研修があり、研修体制が非常に充実しています。

異動ルール・キャリアパス

 岡山労働局で採用された場合、採用後2年間は、県内の労働基準監督署で勤務します。
 
 その後2年間は県外の労働局(労働基準監督署)で勤務しますが、県外勤務はこの2年間だけです(令和4年度の採用試験より変更)。
 他の労働局で勤務することにより、その地域の仕事の進め方を学ぶことができ、いろんな監督官と接するため、さらに広い視野を持つ監督官になることができます。
 
 5年目以降は、岡山県内の監督署、労働局で勤務することとなります。
 将来的には、本人の能力・適性等を考慮して、監督署の主任・課長や署長、労働局の課長、室長など、幹部等に登用されます。
 
 県外勤務に抵抗感がある方もいらっしゃるかもしれませんが、2年間はあっという間に終わります。
 長い出張、新しい世界を見る機会と捉えて、監督官の良さの1つと受け止めてはいかがでしょうか。


 

ワーク・ライフ・バランス

 岡山労働局全体の年次有給休暇の取得日数は年平均15.3日と平均以上(※)であり、非常に年次有給休暇が取得しやすい環境です。時間単位で取得できるため、趣味やプライベートだけでなく、病院などのちょっとした用事のときも助かります。
 また、マンスリー休暇(月1日の年次有給休暇の取得を促進)のほか、ゴールデンウイークや夏季休暇にさらに年次有給休暇を合わせて取得するなど、1週間以上の連続休暇取得者も多数います。
 
(※)年次有給休暇の取得日数
    国家公務員 14.8日(国家公務員給与等実態調査:人事院)
    地方公務員 11.7日(地方公務員における働き方改革に係る状況:総務省)
    民間企業  10.1日(就労条件総合調査:厚生労働省)
 
 
 女性の育児休業の取得率はもちろん100%であり、職場復帰後も時短勤務を活用する職員もいるなど、出産を理由として退職された方はいません。
 また、男性であっても、配偶者出産休暇(2日)、男性の育児参加休暇(5日間)や育児休業を取得することができ、近年の男性の育児休業取得率は100%に近い状況です。育児休業を1か月以上取得する男性職員もおり、「育児の楽しさ・大変さを知ることができた、妻に対する接し方が変わった、何よりも子供の成長を実感できたことがうれしい。」という声も寄せられています
 
 このように、子育て世代になっても働きやすい職場であり、非常にワークライフバランスが保たれた職場となっています。
 
 ~コラム~【男性の育休】
 筆者は2年前に第一子が産まれたため、男性の育児参加休暇などのほかに育児休業を1か月、しっかりと取得させていただきました。また、この秋に第二子が出産予定であるため、再度取得する予定です。

 育児休業を取って、妻と一緒に育児をする。
 育児の大切さ・責任だけでなく、どれくらい大変なのかを知る機会となりますが、なによりも子供の成長を間近に感じることができる、非常に貴重な時間です。
 また、子供だけでなく、妻のサポートもできるため、家族の絆がより一層深まるよい機会にもなると思います。例えば、妻に一人で外出する時間を作り、育児から完全に解放する時間を作ってリフレッシュしてもらうなど、年次有給休暇が取りやすいため、このような環境も作りやすい職場です。
(私の妻はカフェや美容室に行くことが多いですが、その後はご機嫌です)

 親になると、年次有給休暇や育児休業の取りやすい環境が非常にありがたく、いい職場を選んだと心から感じています。

最後に・・・

 いかがでしたか?「岡山労働局で」労働基準監督官として働くことについて、イメージいただけたでしょうか?
 時には難しい事案、大変な仕事と感じることもありますが、周りの職員が助けてくれるので大丈夫です。やりがい、社会とのつながりを強く感じる仕事であり、ワーク・ライフ・バランスも保たれていることもあり、
筆者は一度も辞めたいと思ったことはありません。
 
 わからないことがありましたら、岡山労働局総務課人事係(086-225-2011)まで遠慮なく、ご連絡ください。
 不安やわからないことはすぐに解消してください!ご連絡、お待ちしております!!

一般的な採用スケジュール

 過去の合格者数はこちら(人事院HP)
 
3月下旬~4月上旬 受験申込み
6月上旬 労働基準監督官採用試験 第1次試験日
6月末 労働基準監督官採用試験第1次試験 合格発表日

7月初旬 第1次試験合格者向け業務説明会(@岡山労働局)
7月中旬 労働基準監督官採用試験 第2次試験日
8月中旬 労働基準監督官採用試験 最終合格発表

8月下旬 岡山労働局 採用面接
10月 内定式
 

岡山県の紹介

その他関連情報

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