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治療と仕事の両立支援研修会を開催しました
岡山労働局
労働人口の1/3が病気の治療を続けながら就労している現在、治療を続けながらも安心して働ける環境づくりが大きな課題となっていることから、厚生労働省から平成28年2月に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を発出、岡山労働局でも平成29年7月に「岡山県地域両立支援推進チーム」を設置し、関係機関と連携を行いながら周知に努めています。
今年度の「岡山県地域両立支援推進チーム」の活動として、平成31年1月10日(木)おかやま西川原プラザにおいて、『治療と仕事の両立支援研修会』を開催しました。
当日は、 治療と仕事の両立にも携わる医師
医療ソーシャルワーカー(MSW)
岡山産業保健総合支援センターの両立支援促進員
などの講師から、両立支援にかかる事例・実務に則し、それぞれの立場から、課題とその対応策などを説明しました。
当日は、医師(産業医)、保健師・看護師、両立支援コーディネーター、労務管理担当者、衛生管理者など、約52社、70人が参加されました。
*治療と職業生活の両立支援研修会プログラム(PDF356KB)
開会にあたり、千葉労働局長から、
・働き方改革関連法に両立支援が明記されていること。
・治療と仕事を取り巻く現状と、その両立支援の必要性について、説明を行いました。
挨拶する千葉労働局長 研修会会場の様子
※講演
①両立支援制度について
岡山労働局労働基準部健康安全課の北村課長から、最新の「両立支援に係る調査結果」などについて、説明を行いました。
岡山労働局 北村健康安全課長
*治療と仕事の両立支援制度について(PDF1473KB)
*両立支援 「事業者向けリーフレット」(PDF1749KB)
*両立支援 「働く人(患者)向けリーフレット」(PDF1895KB)
②両立支援の進め方と課題について
岡山産業保健総合支援センターの成川両立支援促進員から、「両立支援の進め方、様式例の紹介」、「両立支援に係る問題点」、「岡山産 業保健総合支援センターの活用」などについて、説明がありました。
岡山産業保健総合支援センター 成川両立支援促進員
③肝臓病治療と仕事の両立に必要な支援とは
岡山大学病院消化器内科の池田講師(医師)から、「肝炎に係る治療の現状、肝機能検査と肝炎検査は違う他」と、「肝炎とは何か知ってもらうための研修会(出張肝臓病教室)の実施」、「職場におけるウイルス肝炎の取扱い」などについて、説明がありました。
岡山大学病院消化器内科 池田講師
④両立支援に関する診療報酬について
一般社団法人岡山県医療ソーシャルワーカー協会の石橋会長から、「第3期がん対策推進基本計画の概要(がんとの共生)」、「両立支援が求められる背景」、「治療と仕事の両立支援に関する診療報酬」などについて、説明がありました。
岡山県医療ソーシャルワーカー協会 石橋会長
⑤がん患者さんに対する両立支援について
岡山労災病院の石崎腹部外科部長から、「がんの5年相対生存率の向上、長く付き合う慢性病に変化していること」、「がん患者の職場復職や就業継続を支援するための手順(情報提供)」、「がん患者の職場復職事例」などについて、説明がありました。
岡山労災病院の石崎腹部外科部長から、「がんの5年相対生存率の向上、長く付き合う慢性病に変化していること」、「がん患者の職場復職や就業継続を支援するための手順(情報提供)」、「がん患者の職場復職事例」などについて、説明がありました。
岡山労災病院 石崎腹部外科部長
⑥おかやま若年性認知症支援センターについて
おかやま若年性認知症支援センターの安藤若年性認知症支援コーディネーターから、「若年性認知症に係る説明(対象:65歳未満で発症した場合)」、「就労支援、若年性認知症支援コーディネーターの役割」などについて、説明がありました。
おかやま若年性認知症支援センター 安藤若年性認知症支援コーディネーター
(参考)研修会後のアンケート結果(アンケート用紙は別添のとおり)
①治療と仕事の両立支援のトライアングル型サポート体制(事業場、医療機関、支援機関等)ごとにおける両立支援の取組状況
(5段階評価 1:検討していない⇒3:基本方針策定、相談窓口の設置など⇒5:十分取組を実施)
<事業場>
両立支援に取り組みたいと考えている事業場は約6割あるものの、実際に取り組む段階には至っていない。
<医療機関>
何等かの両立支援の取り組みを行っている割合が7割を超えており、制度の普及が進んでいる。
<支援機関等(社会保険労務士など)>
回答数は少ないものの、何等かの両立支援の取り組みを行っている割合が100%となっており、よく両立支援に取り組んでいる。
②主な両立支援に係る意見
・休職後、復職ではなく退職を選択する割合を減らしたい。
・衛生委員会・衛生管理者を効果的に活動させる必要がある。
・事業場内で制度を周知させることが難しい。
・同じがんでも個々で受けるショックや気持ち、仕事への意欲が違う。個人にあった支援が必要。
・患者と企業との橋渡しをするために、両立支援コーディネーターの活用が必要。
・意見書を作成するなどのシステム整備ができていない。
・患者の就労について配慮すべき事など主治医と話し合えていない。
・事業場の対応に課題、現実的に復職・職場転換が難しい(特に中小企業)。
など、両立支援に係る課題、導入に向けたご意見など、様々なご意見・ご要望がありました。
今後も治療と仕事の両立支援に係る周知に努めてまいります。