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菊池労働基準監督署管内における高年齢者に係る労働災害防止対策について(要請)
日頃より労働基準行政への格別の御理解、御協力を賜り、感謝申し上げます。
令和7年5月に改正労働安全衛生法が交付され、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業管理などの必要な措置を講ずることが事業者の努力義務となりました。
これを受け、令和8年2月に「高年齢者の労働災害防止のための指針」(以下「エイジフレンドリー指針」という。)が策定されたところです。
この高年齢者に係る努力義務規定は、令和8年4月1日から施行されておりますので、事業場における取組状況を確認していただき、必要な対策を進めていただきますようお願いします。
1.災害発生状況
(1) 60歳以上の労働者に係る労働災害発生件数の推移(全業種)
出所:労働者死傷病報告
死亡又は休業4日以上の労働災害の件数

(2) 60歳以上の労働者に係る事故の型別発生状況(令和3年~7年の合計)
出所:労働者死傷病報告
行動災害は「転倒」及び「動作の反動・無理な動作」の災害を指します

(3) 60歳以上の労働者に係る労働災害事例(令和7年)
出所:労働者死傷病報告
事業場の特定を避けるため、一部記載を修正しています
2.『高年齢者の労働災害防止のための指針』(エイジフレンドリー指針)について
策定されたエイジフレンドリー指針の主な内容は次のとおりです。
(1) 安全衛生管理体制の確立等
① 経営トップによる方針表明及び体制整備
経営トップが高年齢者の労働災害防止に取り組む方針を示し、対策の実施体制を明確化する必要があります。
参考:「企業の経営トップによる労働安全衛生方針や企業全他の労働安全衛生活動の事例」
(東京労働局HP)
:労働安全衛生管理体制のあらまし(菊池署)(PDF)
② 労働災害防止のためのリスクアセスメント実施
高年齢者の身体機能等の低下等による労働災害の発生リスクについて、そのリスクを洗い出して対策の優先順位を検討し、優先順位の高いものから取組事項を決めていく必要があります。
<リスクアセスメントの手順>
手順1:危険性又は有害性の特定
機械・設備、原材料、作業行動や環境などについて危険性又は有害性を特定すること。
危険性又は有害性とは労働者に負傷や疾病をもたらす物や状況のことで、作業者が接近することで危険な状態が生じることが予想されるものをいいます。
危険性又は有害性の特定が難しい場合は、災害事例やヒヤリハット報告等を見直し、改めて事業場内をパトロールするなどしてください。
手順2:危険性又は有害性ごとのリスクの見積もり
特定したすべての危険性又は有害性についてリスクを見積もること。
リスクの見積もりは特定された危険性又は有害性によって生ずるおそれがある負傷や疾病の重篤度と発生可能性の度合いの組み合わせで行います。

手順3:リスク低減のための優先度の設定・リスク低減措置内容の検討
危険性又は有害性について、それぞれ見積もられたリスクに基づいて優先度を設定すること。
~対策の優先順位~
①危険源そのものの除去や低減(危険性の低いものへの代替、自動化など)
②工学的対策(局所排 気装置の設置、安全カバーの取付けなど)
③管理的対策(作業手順の見直し、教育訓練など)
④個人用保護具の使用(呼吸用保護具や保護メガネの使用など)
手順4:リスクの低減措置の実施
リスクの優先度の設定の結果にしたがい、リスクの除去や低減措置を実施すること。
<リスクアセスメントシート(参考例)>
リスクアセスメント(高年齢者による労働災害防止対策)(Excel)
※生成AIを活用した参考例です。
必ず事業場実態を踏まえてリスクアセスメントを実施してください。
<リスクアセスメントシート(様式)>
<『エイジアクション100』の活用(中央労働災害防止協会)>
危険性又は有害性の特定にあたって、『エイジアクション100』に示されたチェックリストの活用も有効です。
(2) 職場環境の改善
リスクアセスメント結果に基づき、身体機能の低下を補う設備、装置の導入や高年齢者の特性を配慮した作業管理を検討すること(リスクアセスメント手順3及び4)。
参考:高年齢労働者に配慮した職場改善事例(製造業)(厚生労働省)(PDF)
:高年齢労働者の活躍促進のための安全衛生対策-先進企業の取組事例集-(2017年3月)
(3) 高年齢者の健康や体力の状況の把握
法定の健康診断の確実な実施、有所見者に対する医師の意見聴取のほか体力チェックの実施をすること。
参考:労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう(厚生労働省)(PDF)
:労働安全衛生法に基づく健康診断実施後の措置について(厚生労働省)(PDF)
体力チェックツールの活用
その他菊池署が推進しているチェック事項
(4) 高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応
個々の高年齢者の健康や体力の状況を踏まえた措置を講じること。
業務内容の決定に関しては、健康や体力の状況に応じて、安全と健康の観点を踏まえた適合する業務とのマッチングに努め、その際は、当該高年齢者と十分なコミュニケーションを重ねる必要があります。
(5) 安全衛生教育
① 高年齢者に対する教育
法令に基づく教育は確実に行い、当署の実施する講習会のほか外部資源の活用に努めること。
また、十分かつ丁寧な教育訓練を行う必要があることに留意してください。
② 管理監督者に対する教育
高年齢者の特性やそれに必要な安全対策に関して教育を行うこと。
3.エイジフレンドリー補助金の活用
令和8年度においても補助事業が始まっております。適宜、活用してください。
4.その他行動災害防止対策
増加する行動災害防止の取組として、上記エイジフレンドリー指針に基づく取組と相まって、次の取組も検討すること。
・転倒危険個所の洗い出し(ヒヤリハット、アンケートの実施)
・段差の解消、照明の確保
・転倒危険個所の見える化(「転倒注意」の表示など)
・適切な履物の検討と使用の徹底
参考:社内で実施可能な行動災害に向けた取組(厚生労働省)(PDF)







