労働時間の適正把握

熊本労働局・各労働基準監督署

 労働基準法では、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は、労働時間を適正に管理する責務を有しています。
 しかしながら、一部の事業場において、自己申告制の不適切な運用に伴い、割増賃金の未払いや過重な長時間労働といった問題が生じているなどの状況がみられるところです。
 このため、使用者(使用者から労働時間を管理する権限の委譲を受けたものを含みます。)が、労働時間の適正な把握のために、講ずべき措置を次のとおり定めました。 使用者の方々におかれては、本基準を尊重し、労働時間を適正に把握するなど適切な労働時間管理を行って下さい。

始業・終業時刻の確認及び記録

使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録しなければなりません。

始業・終業時刻の確認及び記録の方法

使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、次のいずれかの方法によらなければなりません。

原則
 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること(該当労働者からも併せて確認することが望まれます)。
 タイムカード、ICカード、IDカード、パソコン入力等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。

自己申告制による場合の措置
上記の方法によることなく、自己申告制により始業・終業時刻の確認を行わざるを得ない場合は、使用者は次の措置を講じなければなりません。

  1. 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、以下の点について十分な説明を行うこと。
    • 労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うこと
    • 自己申告制の具体的内容
    • 適正な自己申告を行ったことについて不利益な取扱いを行わないこと
  2. 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて(定期的な調査のほか、必要に応じて)実態調査を実施すること。
  3. 時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。
    次のような措置がとられていないか確認し、当該措置が労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっている場合は、改善のための措置を講じること。
    • 時間外労働時間数を削減させるための社内通達
    • 時間外割増賃金の定額払い

労働時間の記録に関する書類の保存
使用者は、労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存しなくてはなりません。

  • 労働時間の記録に関する書類:使用者が自ら始業・終業時刻を記録したもの、タイムカード等の記録、残業命令書及びその報告書、労働者自ら労働時間を記録した報告書などが該当します。
  • 起算点:保存期間である3年間の起算点は、それらの書類ごとに最後の記載がなされた日となります。

労働時間を管理する者の職務
事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握等労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図る必要があります。

本基準の適用の範囲

対象事業場: 労働基準法のうち労働時間に係る規定が適用されるすべての事業場(労働基準法が適用される事業場のうち、農業、畜産業、水産業に属する事業場には労働時間に関する規定が 適用されません。)
対象労働者: 次の者を除くすべての労働者
  • 労働基準法第41条に規定されている管理・監督者管理 監督者とは、一般的には部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、役職名にとらわれず職務の内容等から実体的に判断されます。
  • みなし労働時間制が適用される労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限って本基準の対象から除かれます。) みなしの労働時間制とは、
    1. 事業場外で労働する者であって、労働時間の算定が困難なもの(労働基準法第38条の2)
    2. 専門業務型裁量労働制が適用される者(労働基準法第38条の3)
    3. 企画業務型裁量労働制が適用される者(労働基準法第38条の4) をいいます。
 なお、使用者は、本基準の適用から除外する労働者についても、健康確保を図る必要があることから、適正な労働時間管理を行う責務があります。


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