化学物質による労働災害防止のための新たな規制について

 新たな規制の概要
 厚生労働省は、化学物質による労働災害を防止するため、労働安全衛生規則等の一部を改正しました。

 化学物質による休業4日以上の労働災害(がん等の遅発性疾病を除く。)の原因となった化学物質の多くは、化学物質関係の特別規則の規制の対象外となっています。本改正は、これら規制の対象外であった有害な化学物質を主な対象として、国によるばく露の上限となる基準の策定、危険性・有害性情報の伝達の整備拡充等を前提として、事業者が、リスクアセスメントの結果に基づき、ばく露防止のための措置を適切に実施する制度を導入するものです。

本改正の主なポイント
1.労働安全衛生規則関係

(1)リスクアセスメントが義務付けられている化学物質(以下「リスクアセスメント対象物」という。)の製造、取扱い又は譲渡提供を行う事業場ごとに、化学物質管理者を選任し、化学物質の管理に係る技術的事項を担当させる等の事業場における化学物質に関する管理体制の強化
(2)化学物質のSDS(安全データシート)等による情報伝達について、通知事項である「人体に及ぼす作用」の内容の定期的な確認・見直しや、通知事項の拡充等による化学物質の危険性・有害性に関する情報の伝達の強化
(3)事業者が自ら選択して講ずるばく露措置により、労働者がリスクアセスメント対象物にばく露される程度を最小限度にすること(加えて、一部物質については厚生労働大臣が定める濃度基準以下とすること)や、皮膚又は眼に障害を与える化学物質を取り扱う際に労働者に適切な保護具を使用させること等の化学物質の自律的な管理体制の整備
(4)衛生委員会において化学物質の自律的な管理の実施状況の調査審議を行うことを義務付ける等の化学物質の管理状況に関する労使等のモニタリングの強化
(5)雇入れ時等の教育について、特定の業種で一部免除が認められていた教育項目について、全業種での実施を義務とする(教育の対象業種の拡大/教育の拡充)を全業種に拡大
 
2.有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則、四アルキル鉛中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、粉じん障害防止規則関係
(1)化学物質管理の水準が一定以上の事業場に対する個別規制の適用除外
(2)作業環境測定結果が第三管理区分の事業場に対する作業環境の改善措置の強化
(3)作業環境管理やばく露防止対策等が適切に実施されている場合における有機溶剤、鉛、四アルキル鉛、特定化学物質(特別管理物質等を除く。)に関する特殊健康診断の実施頻度の緩和
 
3.施行日
公布日(一部令和5年4月1日又は令和6年4月1日施行)

本改正の概要
PDF 労働安全衛生法の新たな化学物質規制 [PDF:765KB]

 
対象物質の一覧

EXCEL労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付の義務化対象物質リスト(令和6年4月1日施行)[Excel]
EXCEL労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付の義務対象物質一覧(令和7年4月1日及び令和8年4月1日施行)[Excel]
  ※上記一覧には、令和7年3月31日以前からラベル表示・SDS交付の義務対象物質となっている物質を含みます。
EXCEL労働安全衛生規則第577条の2の規定に基づき作業記録等の30年間保存の対象となる化学物質の一覧(令和5年4月1日及び令和6年4月1日適用分)(令和5年3月1日更新)[Excel]
EXCEL労働安全衛生規則第577条の2第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める物及び厚生労働大臣が定める濃度の基準等(一覧)(令和6年5月8日更新、令和7年10月1日適用物質の追記)[Excel]
EXCEL皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2(令和6年4月1日施行))及び特別規則に基づく不浸透性の保護具等の使用義務物質リスト値を追記)[Excel]


化学物質管理規制関連HP

 

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について【厚生労働省HP】
ケミガイド/職場の化学物質管理の道しるべ
ケミサポ/職場の化学物質管理総合サイト【運営:独立行政法人労働者健康安全機構】
職場のあんぜんサイト【運営:独立行政法人労働者健康安全機構】

テキスト・マニュアル・リーフレット
PDF リスクアセスメント対象物製造事業場向け化学物質管理者テキスト(令和5年3月公表)[PDF]
PDF 皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル(令和6年2月第1版) [マニュアル] [リーフレット]
  
参考情報:耐透過性能一覧表[令和6年2月時点]
PDF リスクアセスメント対象物健康診断のしくみが始まります[リーフレット
PDF 化学物質による健康障害防止のための濃度の基準の適用等に関する技術上の指針(令和6年5月8日改正)

動画
当該動画は「労働安全衛生規則第十二条の五第三項第二号イの規定に基づき厚生労働大臣が定める化学物質管理に関する講習(令和4年厚生労働省告示第276号)」のカリキュラムに基づき作成した講義動画です。※受講者が単独で本動画の視聴では、上記告示に基づく講習を受講したことにはなりませんので、ご留意ください。
①化学物質の危険性及び有害性並びに表示等
②化学物質の危険性又は有害性等の調査
③化学物質の危険性又は有害性等の調査の結果に基づく措置等その他の必要な記録等
④化学物質を原因とする災害の発生時の対応
⑤関係法令

化学物質管理専門家等のリスト

よくあるお問合せ
化学物質による労働災害防止のための新たな規制に関するQ&A(令和6年2月28日更新)
化学物質対策に関するQ&A(リスクアセスメント関係)
化学物質対策に関するQ&A(ラベル・SDS関係)
リスクアセスメント対象物健康診断に関するQ&A(令和6年3月28日現在)

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