割増賃金に関する相談

Q1. 50時間は残業していると思いますが、残業手当がかなり低いと思います。何とかならないでしょうか。(労働者)

A1.割増料賃金は、1時間当たりの額について
・ 法定時間外労働の場合は1.25倍(大企業で月60時間超の場合は1.5倍)
・ 法定休日労働は1.35倍
・ 深夜労働は0.25倍
以上を支払うことになります。計算した結果、疑義が生じた場合は賃金明細等を持参の上、最寄りの労働基準監督署へご相談ください。

Q2. 定時は5時ですが、5時40分まで残業しても30分、6時15分まで残業しても1時間というように30分単位で残業になります。おかしいのではないでしょうか。(労働者)

A2.日々の残業時間を30分単位で端数切り捨てにすると、労働基準法違反になります。なお、月の合計時間の端数について、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる方法は労働基準法違反として取り扱わないことになっています。

Q3. 課長手当として月3万円が支給され、残業手当は付かないです。管理職手当等が支給されていれば残業手当はもらえないのでしょうか。(労働者)

A3.労働基準法第41条に基づく管理監督者であれば、労働時間等の規定は適用されないため、残業手当が支払われなくても違法とはなりません(深夜労働時間の割増賃金は必要です)。そのため、当該事業場における管理監督者に該当するか否かという点と、該当しない場合には月3万円の管理職手当等が時間外労働の割増賃金を含む残業手当なのか否かという点を、就業規則等により確認する必要があります。

Q4. 課長職以上には一定額の管理職手当を付けているので、時間外労働の手当は支払わなくていいのでしょうか。(使用者)

A4.課長職以上が、労働基準法第41条に基づく管理監督者であれば、労働基準法における労働時間等の規定は適用されません。管理監督者に該当しない場合には、法定時間外労働については割増賃金を支払わなければならず、現在支給されている管理職手当が法定時間外労働に対する割増賃金を含めたものであるか否か(就業規則等の定めによります)、また含む場合であっても法定額以上の支給になっているのか否かによって、判断することになります。

Q5. 職務手当として月4万円を支給し、残業手当代わりである旨雇用契約書に明記しています。それでも残業手当を追加支給しなくてはならないと聞いたことがありますが、本当でしょうか。(使用者)

A5.固定的に残業手当を支給する場合でも、その手当額を超える残業に対しては、追加支給が必要です。
 固定的に残業手当(時間外割増賃金)を支給する場合でも、時間外労働の実績を把握し、それに応じた賃金の支払いが不可欠です。
 なお、本来、職務手当と残業手当とでは意味が異なりますので、時間外割増賃金相当分が幾らなのかを明確にすることが必要です。
 一見合理的と思われる固定的残業手当は、運用を誤ると、賃金不払い残業や長時間労働を招くおそれがあることに注意しなくてはなりません。 

Q6. 一部の正社員に年俸制を採用していますが、この場合でも残業手当を支払わなければなりませんか。(使用者)

A6.年俸制であっても、残業手当は支払わなければなりません。年俸で決められた賃金は、所定労働時間に対する支払いですから、法定労働時間を越えた時間については、残業手当(割増賃金)を支払わなければなりません。

Q7. 時間外労働が合計8時間になったら、1日代休を取るように言われています。時間外としても手当は貰えませんか。(労働者)

A7.会社が代休を付与したとしても、そのことによって時間外労働を行った事実がなくなるわけではありませんから、時間外労働に対して法定の割増賃金を支払わなければなりません。なお、代休を取った場合、就業規則の規定等により、会社の賃金支払い義務は生じず、結果的には割増分のみが支払われることもあります。

Q8. 仕事が終わっても早く家に帰らず、社内でお茶を飲んだり新聞を読んだりして時間をつぶしている者がいるが、この時間も残業になるのですか。(使用者)

A8.単に社内に留まっているだけでは労働時間になりません。しかし社内の業務内容に関係なく使用者の指揮命令下におかれる時間は労働時間になります。本件が、実態として指揮命令の下で、社内で待機せざるを得ないようなものであるか確認する必要があります。場合によっては終業後の退社についてルールを定めるのがよいでしょう。
 

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