労働時間に関する相談

Q1. 早朝から夜遅くまで働いているのに、お昼に休憩があるだけで、夕食を食べる時間もありません。また、お昼もお客が来ると取れません。休憩の制度はどうなっていますか (労働者)

A1.労働基準法第34条により、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも60分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないことになっています。なお、休憩時間とは労働から離れることを保障されている時間で、自由に利用できる時間であり、いわゆる手待ち時間は労働時間となります。

Q2. 年間カレンダーにより休日が決まっているのに、会社の都合で振替になることが多く、また振り替えられて休みになった日も結局忙しくなって休めないことが多いです。何とかならないでしょうか。 (労働者)

A2.1年単位の変形労働時間制はあらかじめ所定休日を定めることにより、1週平均40時間制を実現するものです。ですから、業務の都合による頻繁な休日の振替は認められるものではありません。
 しかしながら、就業規則・労使協定に定める等の要件により、突発的な事由の場合、やむを得ず振替をする場合がありえます。休日の振替が行われ、全体としての所定労働時間は変わらなくても、振り替えたことにより一週間の労働の40時間超えが生じた場合は割増賃金の支払いが必要となります。

Q3. 週40時間制とは、どのように考えればいいのでしょうか。(使用者)

A3.基本的に暦週(日~土)で所定労働時間を40時間以内にすることです。週によって40時間超えがあっても、他の週で40時間未満があり、結果的に週平均40時間以内にする方法も認められています(変形労働時間制)。その場合は労使協定の締結・届出等が必要になってきます。

Q4. 労働者に「休日は、急な呼び出しに備えていつでも会社に来られるよう、できれば自宅にいてくれ。」と言ったところ、労働者から「そのような待機は労働時間になるのではないか。」と言われました。自宅待機を命じた場合でも労働時間として取り扱わなければなりませんか。(使用者)

A4.労働時間は、使用者の指揮命令下にある時間を言います。自宅での自由が保障されている以上、指揮命令下にある時間とみなすことは難しいと思われます。しかし、休日になっている労働者に、行動を制限させることになりますから、何らかの手当を支払うことが望ましいでしょう。

Q5. 36協定を締結する労働者代表を、会社が勝手に選んでいます。労働者が選ぶべきではないですか。(労働者)

A5.労働組合がない場合、労働者の過半数を代表する者が締結することになりますが、協定の当事者は、労働者の間で、明らかにした上で選出しなければなりません。なお、管理監督者が協定当事者になることはできません。

Q6. 毎年、36協定を締結する労働者代表を親睦会の会長にお願いしていますが、問題ないでしょうか。(使用者)

A6.親睦会の会長を自動的に労働者代表とすることはできません。36協定を締結する労働者代表、①管理監督者でないこと、②あらかじめ協定の当事者になることを労働者の間で明らかにした上で選出された者であること、の2つの要件が必要です。

Q7. 社内で行う自主的な勉強会の時間も労働時間になるのでしょうか。(使用者)

A7.労働時間は、使用者の指揮命令下にある時間を言います。
 指揮命令下とは、使用者がその場に居なかったり、命令していなくとも、実態として指揮命令下にあるとものと同等の状態を含みます。
 したがって、勉強会が「自主的」と銘打っていても、使用者の関与が強く、出席が事実上強制されている実態にある場合には、労働時間となります。

Q8. 36協定の新様式について、有期事業で、事業が完了するまで期間が1年未満なのですが、それでも36協定の対象期間は1年としなければならないのですか。(使用者)

A8.労働基準法第36条第2項第2号で、対象期間(36協定により労働時間を延長し、休日の労働させることができる期間)は1年間に限ると明記されており、1年未満の事業や業務の場合も、対象期間は1年間にする必要があります。

Q9. 時間外労働が多く、36協定の特別条項の運用回数が6回を超えそうな労働者が出てきたため、労使合意の上で、対象期間の途中で協定を破棄し、再締結しようと考えています。対象期間の起算日は再締結の日からとしてもよいですか。(使用者)

A9.時間外労働の上限規制の実効性を確保するため、1年についての限度時間(原則360時間)及び特別条項により月45時間を超えて労働させることができる月数の上限は厳格に適用すべきものです。そのため、ご質問のような場合に対象期間の起算日を変更することは認められません。

Q10. 当社の所定休日は土曜日と日曜日で、日曜日を「法定休日」と定め、日曜日に出勤した場合には休日労働として3割5分増の割増賃金を支払っています。時間外労働の上限(月45時間、年360時間)を超えないようにするため、平日の残業を抑制するほか、土曜日の出勤を禁止し、休日出勤は日曜日しか認めないようにしていますが、問題はあるでしょうか。(使用者)

A10.労働基準法上の「休日」とは1週1日又は4週4日の休日のことで、こうした休日に労働した時間のことを「休日労働」と言い、時間外労働とは別のものとして取り扱われます。1週の中で1日休日が確保されていれば、労働基準法上の休日労働は発生していないことになりますので、仮に日曜日を「法定休日」として3割5分の割増賃金を支払っていても、その日の労働時間は休日労働ではなく、週40時間を超えているならば時間外労働に該当します。そのため、日曜日における時間外労働も含めて、時間外労働の上限を超えないような管理を行う必要があります。なお、所定休日における時間外労働の時間は、36協定で定める1日の時間外労働の限度時間を超えないようにする必要がありますので、この点も注意が必要です。

Q11. 長時間労働が法違反として労働基準監督署から指導されましたが、元請企業からの短納期発注などに応じた結果として長時間労働となっていたものです。下請企業としては元請からの指示があれば応じざるを得ません。そのような元請企業に対して労働基準監督署は何の指導もしないのですか。(使用者)

A11.厚生労働省は、中小企業庁・厚生取引委員会と連携し、「大企業・親事業者の働き方改革に伴う下請等中小事業者への『しわ寄せ』防止のための総合対策」を策定し、大企業・親事業者の働き方改革による下請当中小事業者への「しわ寄せ」の防止のため以下のような取り組みを推進しています。
 ①関係法令の周知徹底
 ②「しわ寄せ」情報の地方経済残業局への情報提供
 ③下請法等違反の疑いがある場合の公正取引委員会・中小企業庁への通報制度
  関係機関への情報提供、通報制度により問題解決に至る可能性もありますので、長時間労働の背景にある取引環境の問題などについては労働基準監督署の担当者にも相談してみてください。
 (参考:しわ寄せ防止特設サイト
    https://work-holiday.mhlw.go.jp/shiwayoseboushi/ )

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