パートタイム労働法では、事業主は通常の労働者（正社員）への転換を推進するため、パートタイム労働者に、「正社員を募集する場合、その募集内容を既に働いているパートタイム労働者に周知する」、「正社員のポストを社内公募する場合、既に働いているパートタイム労働者にも応募する機会を与える」「パートタイム労働者が正社員へ転換するための試験制度を設けるなどの転換制度を導入する」などの措置を講じることが義務化されています。
   ただし、これらの措置は、正社員として働くことを希望するパートタイム労働者に正社員になるチャンスを提供することが目的であり、会社にパートタイム労働者を優先的に採用することまでは求めていません。採用するかしないかの判断は、公正な採用選考である限り事業主の判断に委ねられることになります。
   もし、会社の転換の要件として、勤続期間や資格などが条件となっていた場合、会社の実態に合ったものであれば問題ではありませんが、必要以上に厳しい条件が設けられていた場合（例えば、正社員の誰も持っていない資格を取得していることが転換の要件である等）は、会社は転換措置を講じたことにはなりません。
   転換制度は会社によって異なりますので、まずは自社の制度がどのようなものなのかを調べてみましょう。