賃金の支払いは足りていますか?賃金台帳は整備されていますか?

助成金の申請に際し、賃金の支払いが不足している事例が見受けられます。
主だった事例を紹介いたしますので、適正な賃金支払いが行われているか確認をお願いします。
また、申請の際の添付書類「賃金台帳」が正しく作成されていない場合は、助成金の支給ができないことがありますので確認をお願いします。

事例1

1日の所定労働時間が7時間30分の労働者に、8時間の技能講習(講習には試験時間や開校式を含みます。)を受講させた場合
  • 所定労働時間を超えた30分に対して賃金の支払いが必要となります。
  • 就業規則等により所定労働時間を超えた分について割増賃金を支払うこととしている場合は、割増した賃金の支払いが必要となります。
  • また、1日については法定時間内ですが、週の法定労働時間(就業規則等により40時間を超える時間を定めた週はその時間)を超えた分に対して賃金の支払いが必要となります。

事例2

法定休日の日曜日に、6時間の技能講習を受講させた場合
  • 休日の振り替えを行うかまたは6時間に対して3割5分以上の割増した賃金の支払いが必要となります。

事例3

法定休日ではない公休日の土曜日に、6時間の技能講習を受講させた場合
  • 休日の振り替えを行うかまたは6時間に対して賃金の支払いが必要となります。
  • ただし、週の法定労働時間の40時間(就業規則等により40時間を超える時間を定めた週はその時間)を超える時間に対しては2割5分以上の割増した賃金の支払いが必要となります。
  • また、法定休日であるか否かを問わず休日に対し全て3割5分以上の割増賃金を支払うこととしている場合は、3割5分以上の割増した賃金の支払いが必要となります。

【労働時間(法第32条)】

 休憩時間を除いて1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはなりません。
 変形労働時間制の採用により、平均した1週間の労働時間が40時間以内の範囲で、特定の日や週について1日及び1週間の法定労働時間を超えて働かせることができます。詳しくは労働基準監督署にご相談ください。

【休日(法第35条)】

毎週少なくとも1日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。
休日とは、労働契約において労働義務がないとされている日をいいます。また、原則として午前0時から午後12時までの24時間をいいます。
☆「休日の振替(振替休日)」と「代休」の相違点
休日の振替とは、休日である日曜日を勤務日に変更する代わりに、勤務日である水曜日を休日するように休日と他の勤務日をあらかじめ振り替えることをいいます。
代休とは、休日の振替手続きをとらず、本来の休日に労働を行わせた後に、その代わりの休日を付与することをいいます。
 
項目 振替休日 代休
どんな場合に行われるか 36協定が締結されていない場合などに、休日労働をさせる必要が生じたとき 休日労働や長時間労働をさせた場合に、その代償として他の労働日を休日とするとき
行われる場合の要件 (1)就業規則に振替休日の規定があること
(2)振替休日の特定
(3)振替休日は、できるだけ近接した日が望ましい
(4)振替は前日までに通知
代休自体は任意に与えることができますが、法定休日労働の場合には36協定が必要となります
振替後の日又は代休の指定 あらかじめ使用者が指定します 使用者が指定する場合や、労働者の申請によって与える場合があります
賃金 振替休日が同一週の場合、休日出勤日については通常の賃金を支払えばよく、振替休日に賃金を支払う必要はありません
※振替休日が週をまたがった場合、週の法定労働時間(変形労働時間制により40時間を超える週の所定労働時間を設定している場合には、その所定労働時間)を超えて労働させた時間については割増賃金の支払いが必要となります。
休日の出勤日については割増賃金を支払わなければなりません

【割増賃金(法第37条)】

時間外、深夜に労働させた場合には1時間当たりの賃金の2割5分以上、法定休日に労働させた場合には1時間当たりの賃金の3割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません。
☆割増賃金の算定方法
(1)月給制の場合
月決め賃金(+諸手当)支給総額 年間平均1か月所定労働時間 ×1.25(1.35)
(2)日給制の場合
日決め賃金(+諸手当)支給総額 1週間平均の1日所定労働時間 ×1.25(1.35)
(3)出来高払制の場合
当該期間中の出来高給賃金総額 当該期間中の総労働時間 ×0.25(0.35)
 
  • (1)~(3)のうち2以上の賃金からなる場合には、(1)~(3)によってそれぞれ算出した賃金の合計額となります。
  • (+諸手当)の中で割増賃金の基礎に参入しなくてもよい手当は、①家族手当、②通勤手当、③別居手当、④子女教育手当、⑤住宅手当、⑥臨時に支払われた賃金、⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7種類のみです。どのような名称を付けた手当であっても、実態がこの7種類以外の手当である場合には、必ず割増賃金の基礎に参入しなければなりません。

【賃金台帳(法第108条、施行規則54条)】

助成金の申請の際に賃金台帳として、給与明細や源泉徴収簿などを提出される事業所があります。
賃金台帳は給与明細や源泉徴収簿などとは異なり、記載すべき事項が次のように定められています。
賃金を支払う都度、遅滞なく、各労働者ごとに、

①賃金計算の基礎となる事項 ②賃金の額 ③氏名 ④性別 ⑤賃金計算期間 ⑥労働日数 ⑦労働時間数 ⑧時間外労働・休日労働及び深夜労働の労働時間数 ⑨基本給・手当その他の賃金の種類ごとにその金額 ⑩労使協定により賃金の一部を控除した場合はその金額

を記載した賃金台帳を作成しなければなりません。

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