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川口労働局長がベストプラクティス企業を訪問しました!
厚生労働省では、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすために「過重労働解消キャンペーン」を実施しています。
この取組の一環として、秋田労働局長(川口秀人)が、「ベストプラクティス企業」として選定した株式会社清水組様を訪問しました(以下敬称略)。
ベストプラクティス企業とは、地域の中で長時間労働削減に積極的に取り組んでいる企業で、平成28年から秋田県内で毎年1社選定しています。
●若者の採用に力をいれたきっかけは。 |
東日本大震災の復興支援の時です。船の乗組員が足りないため採用していたのですが、今会社にいる人達もあと10年したら60代だと気づきました。私は当時副社長でしたが、今後は若手の採用に力を入れないといけないと思いました。そしてインフラの老朽化が社会問題となり、命を守るための公共投資の重要性が認知されるよう
になりました。建設業は少し盛り上がりましたが人はいなくなる一方でしたから、人の採りあいの状況となりました。 |
清水代表取締役社長 |
●採用活動を始めて気づいたことはありますか。 |
私は建設業について、こんなに面白い仕事はないと思っていますが、私が建設業に就職したのは、「休みがある
と思うなよ」という時代でした。現場が始まれば休むのは工期が終わってから。就職氷河期世代なので、仕事があ るだけ有り難い時代でもありました。 私が子育て世代となり、迎えの時間である18時を過ぎると保育園に延長保育の電話をする必要があるのですが、 なんとか18時までに子どもを迎えに行きたいと思いました。これから先人を採用するに当たり、子育て世代がまと もに働けるような環境でないといけないだろうなというのは体感としてありました。子育てが終わった世代でも 家族を病院に連れていくなどで休む必要もあるでしょう。 |
●週休2日制や残業を減らす取組はすんなりと進みましたか。また、どのような取組をしていますか。 |
私はまだ社長になる前でしたし、働くのが当たり前の時代でしたから、思っていてもずっと言えませんでした。
しかし社長に就任した頃、国土交通省が働き方改革を開始し、秋田県でも「秋田県完全週休2日制モデル工事」を 開始しました。発注者がここまで危機感を持って建設業をバックアップすると言っているのであれば、まず取り組 んでみようと。現場担当者は現場が遅れるのが一番気になりますから、現場担当者には、それで文句言われたら私 が会社として謝りに行くからと伝えました。 今は、ある程度余裕を持った環境で仕事ができるよう、無理な受注を控えています。会社の利益を最大化するた めにとれそうな仕事は全部とるというのがこれまでの常識ですが、昔は1人でやっていたような現場でも若手をつ けたり 有資格者を2人つけたりしています。1人の方が楽だと思う人もいるでしょうが、5年後10年後を考えると 若い世代に育ってもらわないといけないですから。 また、電子小黒板など効率化につながる新しい技術を取り入れるようにしています。若手に新しいものを覚えさ せて、先輩から「これいいねか」(これいいな)となるように仕向けています。新しいものに切り替えてそれを覚 える作業は大変で、痛しかゆしのところもありながら、残業しないようにしようという取組の中ではやらざるを 得ないと思っています。 |
●株式会社清水組さんでは女性技術者の方も活躍されていますが、建設業で女性の採用が進まない原因は何だと思いますか。 |
女性は戦力です。しかし会社見学で現場に行っても、現場に女性がいないと女性が技術者をやれるイメージがつ
かないのが原因だと思います。いわゆるファーストペンギンがいないのです。 会社では以前1級土木施工管理技士を持った女性が働いていました。残念ながら旦那さんの転勤で辞めてしまいま したが、その方の働く姿を、会社見学に来た田村さんが見て入社しています。 |
●技術者の田村さんに伺います。現場の下請さんたちは、職人気質といわれるように、女性や若いということで従ってくれなくて大変だということはないですか。 |
私は現場で気になる作業があると、どれだけ労力を使う
のか、足腰に負担かかるのかを体感するため、職人さんに お願いして1回やらせてもらうようにしています。そして 教えてくれた職人さんを「師匠」と呼んでいます。 現場監督という仕事は、現場の仕事の割り振りをしない といけません。職人さんは、道を究めた人たちです。その ような尊敬する人たちに時間内で最大限の仕事をしてもら うためには、「これやってあれやって」というのではな く、わからないので教えてくださいという意識でいます。 そうすれば高圧的な方はいないですし、どんどん教えて くれるようになりますので、円滑に進みます。 |
本社土木部 田村さん |
●採用・広報主任の寺山さんに伺います。会社ではYouTube、Instagram、TwitterなどのSNSを活用されていますが、そのきっかけは。参考にしている他の人のアカウントなどはありますか。 |
秋田営業所 採用・広報主任 寺山さん |
私は秋田営業所の所属ですが、数年前から会社見学や企
業説明会に同行するようになりました。現場の仕事は初め て見るものばかりで、最初は自分の記録として写真を撮り 始め、興味本位でスライドショーを作成したりしていまし たが、社長がせっかくだからYouTubeに公開しないかと勧 めてくれました。本格的な動画作成はやったことがありま せんでしたが、いくつか作っては社長から「いいじゃな いか」と褒められ励みになりました。SNSも見るのが専門 でしたが、投稿もできるだけするように心がけています。 他の方のアカウントより、街で見かけるポスターや写真、 映画などを参考にしていることが多いですね。 |
●社長さん、SNSは実際に採用に繋がっていますか。 |
就職活動において応募を検討するときには会社のホー
ムページを確認するので、その流れでご覧になっている ようですね。SNSで発信するのは採用に向けて企業のイ メージアップが主たる目的です。でなければ内部情報を 公開していいことはありません。 入社した人の期待を裏切らないよう、会社の中をしっ かり変えていかないといけないと思いながらも、正直つ いていけていないところもあると思います。 期待感を裏切らない会社を目指している最中です。 |
会社のSNSの一部 |
●若い方々のお話をお伺いしましたが、会社には年配の方もいらっしゃいますか。 |
はい、会社には70歳過ぎで、最前線で営業バリバリでやっている方もいます。営業は、知識と経験がないとできません。建設業は70歳を過ぎても現場で現役の方も多いです。
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●最後に、今後どのような会社にしていきたいですか。 |
今までやっていない仕事もやれそうな気がしています。世の中の流れに身を委ねて流されるままいけば、思い描いた会社になっているんだと思います。無理に世の中の流れと違うことをやってもうまくいきません。今やらせていただいている仕事をしっかりやって、土木、建築、海関係と、今いる若者をしっかり育てて3本柱でやっていきたいと思っています。
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局長からは、「経営者として仕事への方針がある中で、働く方の環境を考え、社員がいきいきと働く結果、いい題材として広報につながり、社員のモチベーションにつながるといったいい循環ですね。」と話しました。
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秋田労働局では引き続き、県内企業の過重労働解消に向けた取組を推進していきます。
株式会社清水組の皆様、ありがとうございました! |