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※ はじめに注意!
  最高裁判所などでの主要な判決例のポイントとなる部分または要旨だけを記述しています。
  事件の背景等一切が省略されていますので、正確さは欠けています。
  参考にしたい事件等がある場合には、最高裁判所の裁判例集等を直接参照してください。
  また、裁判例は、ひとつひとつの事件について審理した結果であり、そもそもケースバイケースであること、また、次の裁判例とは異なる裁判例も少なからず見られるということに十分に留意してください。

2 労働契約と解雇/退職


【解雇のルール】

(1)使用者の解雇権行使は、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効である。
(最高裁判所判決で確立された「解雇権濫用法理」)
参考判例;日本食塩製造事件 最二小判昭50.4.25

(2) 就業規則に解雇事由が明示されている場合には、解雇は就業規則の適用として行われるのであり、解雇の効力は就業規則所定の解雇事由に該当する事実があれば有効である。  
参考判例;東芝柳町工場事件 最一小判昭49.7.22

(3) 解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認できない場合には、使用者の解雇権行使は、権利濫用として無効である。  
参考判例;高知放送事件 最二小判昭52.1.31

(4) 労働者の労務提供や労働能力等の個別的な事情を理由とする解雇については、特定のポストや職務のために採用された者でない限り、使用者は教育訓練や本人の能力に見合った配置をする等の解雇回避の措置を尽くしたか、解雇理由に合理性・相当性が認められるか等が問題とされ、これらが認められない場合には、解雇は無効である。   
参考裁判例;三井リース事件 東京地決平6.11.10 など

(5) 整理解雇の場合は、原則として、次の4要件を満たさない解雇は無効である。
・企業経営上の理由による人員削減の必要性が認められること
・解雇回避努力義務を尽くしたことが認められること
・被解雇者選定基準とこれに基づく選定に合理性が認められること
・労働者・労働組合に対する説明協議等の整理解雇手続に妥当性が認められること   
参考判例;あさひ保育園事件 最一小判昭58.10.27 など多数


【「雇止め」のルール】

次の6つの判断要素を用いて当該契約関係の状況を総合的に判断しており、民法の原則どおり契約期間の満了により当然に契約関係が終了するものと判断した事案ばかりではなく、契約関係の終了に制約を加え、解雇に関する法理の類推適用等により雇止めの可否を判断し、結果として雇止めが認められなかった事案も少なくありません。

6つの判断要素
1 業務の客観的内容 … 従事する仕事の種類・内容・勤務の形態 ( 業務内容の恒常性・臨時性、業務内容についての正社員との同一性の有無等)
2 契約上の地位の性格…  地位の基幹性・臨時性(嘱託・非常勤講師等) 労働条件についての正社員との同一性の有無
3 当事者の主観的態様… 継続雇用を期待させる当事者の言動・認識の有無・程度等 (採用に際しての雇用契約の期間や、更新ないし継続雇用の見込み等についての雇主側からの説明等)
4 更新の手続・実態 …  契約更新の状況(反復更新の有無・回数、勤続年数等) 契約更新時における手続の厳格性の程度(更新手続の有無・時期・方法、更新の可否の判断方法等)
5 他の労働者の更新状況  同様の地位にある他の労働者の雇止めの有無等
6 その他       有期労働契約を締結した経緯
勤続年数・年齢等の上限の設定等
参考判例; 東芝柳町工場事件 最一小判昭49.7.22        
日立メディコ事件 最一小判昭61.12.4 ほか


【任意退職のルール】

労働者の方から行う労働契約の解約(退職)は、期間の定めのない契約の場合には申入れの日から二週間を経過することによって終了する。(民法第627条第1項)   
        参考裁判例;高野メリヤス事件 東京地判昭51.10.29


【退職勧奨】

繰り返してなされる執拗かつ半強制的な退職の勧奨は違法である。 執拗かつ反復した暴言・暴行などによる「退職の勧め」は、違法な退職強要である。   
        参考判例;下関商業高校事件 最一小判昭55.7.10 ほか
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