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令和6年の労働災害が6月末現在で大幅増加し,平成10年以降最多に! 労働災害多発を受けて緊急要請を発出
労働災害防止団体等に対しての緊急要請文
宇都宮基署発0730第1号
令 和 6年 7月30日
各労働災害防止等団体長 殿
宇都宮労働基準監督署長
労働災害急増に対する緊急要請
時下,貴職におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
日頃より労働災害防止及び労働基準行政の運営につきまして,特段の御理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
宇都宮労働基準監督署では、安全文化の構築を目指し、平成26年度から「宇都宮労働基準監督署管内『安全文化』推進運動」を展開し、本年度においては、この運動の取組として‘STOP!労働災害2024’を推進しているところですが、令和3年以降、全産業におけるコロナ疾患を除く休業4日以上の労働災害による死傷者数(以下「死傷者数」という。)は年間600人を超えており、平成9年以前の水準まで逆戻りしている状況です。
こうした状況の中、本年の死傷者数は6月末現在で274人となり、前年同期より35人の大幅増加、かつ、平成10年以降で最多となる非常事態とも言うべき状況となっています。加えて、7月は猛暑等による熱中症の労働災害の報告が後を絶たない状況が続いています。
このため、当署におきましては、下記1の「労働災害増加要因」を踏まえ、下記2の『重点的に取り組むべき対策』の取組について指導、推進を図ることとしました。
つきましては、貴団体におかれましても、この取組の趣旨を御理解いただき、労働災害増加要因を踏まえた『重点的に取り組むべき対策』の取組について、会員事業場に対する周知・指導に御協力いただきますようお願い申し上げます。
記
1 労働災害増加要因(1) 「転倒」、「動作の反動・無理な動作(腰痛、捻挫など)」及び「墜落・転落」といった作業行動に起因する災害(行動災害)が長期的に大幅増加
(2) 在来型災害が長期的に減少してないこと
(3) 30歳代以下で経験3年未満の未熟練労働者の災害が増加
(4) 60歳代労働者の災害が増加
(5) 本年7月、熱中症の労働災害報告が後を絶たない
2 重点的に取り組むべき対策
(1) 経営トップ自らが「安全第一」を宣言し、かつ、その姿勢と行動を示す
(2) 作業行動に起因する「転倒」災害及び「墜落・転落」災害の防止対策
(3) 「動作の反動・無理な動作(腰痛、捻挫など)」災害の防止対策
(4) 在来型災害の防止対策(業種特性に対応した災害防止対策)
(5) 30歳代以下の未熟練労働者災害の防止対策
(6) 高年齢労働者災害の防止対策
(7) 熱中症予防対策
(※) 上記(2)~(7)の各対策の具体的取組等は別紙をご参照ください。
別紙
1 作業行動に起因する「転倒」災害及び「墜落・転落」災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 全業種
「転倒」災害は筋力等が低下する50歳以上の高年齢労働者に多く、何もないところで躓いて転倒する、バランスを崩して転倒するなどの災害が発生しています。また、転倒時の負傷の重症化は骨密度の低い女性労働者に多くなっています。
「墜落・転落」災害は梯子や脚立の使用時に、転倒災害と同じ要因のバランスを崩して墜落又は転落する災害が増加しています。
何もないところで躓く、バランスを崩すなどによる「転倒」災害や「墜落・転落」災害を防止するためにはハード面の対策に加えて、ソフト面の対策に取り組むことが重要です。
右記の①「転倒災害防止≪リンク≫」、②「ころばNice(ないっす)とちぎ≪リンク≫」及び③「梯子や脚立からの墜落・転落防止≪リンク≫」を活用してソフト面の対策に取り組みましょう。
なお、高年齢労働者災害を防止する観点からは、⑪「エイジフレンドリーガイドライン≪リンク≫」も活用して効果的な対策に取り組みましょう。
2 作業行動に起因する「動作の反動・無理な動作(腰痛、捻挫など)」災害の防止対策
≪重点対象業務≫ 看護業務、介護業務、その他重量物を取扱う業務
「動作の反動、無理な動作」災害とは、腰痛や捻挫などの負傷をいいます。その被災状況は年齢や性別に大きな差はありません。
(1) 「腰痛」災害は、身体が十分に解(ほぐ)れてない状態で腰部に負担がかかる動作をした際に被災するケースが多く、休み明けの午前中に多く発生しています。
作業開始前の準備運動、ストレッチなどに取り組みましょう。
また、④「腰痛予防事例集≪リンク≫」を活用して、腰部に負担のかからない作業方法を導入しましょう。
(2) 「捻挫等」の災害は整理整頓されていない作業環境や、階段や昇降設備を使用しないで飛び降りる、足元をよく確認しないなどの不用意な行動で多く発生しています。
4S(整理・整頓・清掃・清潔)活動に取り組み、職場の整理・整頓・清掃・清潔に取り組みましょう。
また、不用意な行動は‘あわてる’‘あせる’‘あなどる’ことが原因となります。⑤「Aない声かけ運動!≪リンク≫」で‘あわてず’‘あせらず’‘あなどらず’に取り組みましょう。
3 在来型災害の防止(業種特性に対応した災害防止対策)
(1) 「挟まれ・巻き込まれ」災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 製造業
機械の掃除、給油、検査、修理又は調整(以下「掃除等」という。)の作業は、機械の運転を停止させてから行わなければなりません。また、作業員が掃除等の作業を行っているときには、当該機械の起動装置に錠をかける、起動装置に「点検中のため運転禁止」を表示するなど、他の作業員が当該機械を運転させることがないようにする措置を講じなければなりません。
しかしながら、機械の運転中に、切屑、目詰まりなどを除去しようと、思わず手を出してしまうなどの誤った作業方法で負傷する、機械による「挟まれ・巻き込まれ」災害が未だ多く発生しています。こうした「挟まれ・巻き込まれ」災害は後遺症を残す怪我になりやすく、最悪は死亡災害にもつながります。
⑥「STOP!はさまれ・巻き込まれ災害≪リンク≫」に取り組みましょう。
(2) 「建設三大」災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 建設業
建設三大災害と言われる「墜落・転落」災害、「建設重機」災害、「倒壊・倒壊」災害は、ひとたび発生すると、死亡災害につながるおそれの大きい災害です。また、一度に複数の死亡者(犠牲者)を出す災害に発展するおそれのある災害です。
⑦「STOP!建設三大災害≪リンク≫」に取り組みましょう。
(3) 「荷役作業」災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 道路貨物運送業
陸上貨物運送業の労働災害は、約3分の2が荷役作業中に発生しています。
このため、トラックの荷の積み卸し作業時の昇降設備の設置義務及び保護防着用義務が最大積載量5トン以上から2トン以上に改正され、テールゲートリフターを使用させる労働者に対して特別教育が義務化されるなど、トラックの荷役作業時の安全対策が強化されました。
⑧「トラック荷役作業時の安全対策強化≪リンク≫」を遵守するとともに、⑨「荷役作業の安全確保≪リンク≫」に取り組みましょう。
4 30歳代以下の未熟練労働者災害の防止対策
≪重点対象業種≫製造業、陸上貨物運送業、商業
人手不足の対応やコロナ禍以降の持ち直しなどへの対応のため、正規社員、パートタイム労働者、外国人労働者の新規採用や派遣労働者の新規受入れが増え、その一方で、30歳代以下で経験年数3年未満の未熟練労働者の労働災害が増加しています。
雇入れ時や作業内容変更時の安全衛生教育を確実に実施し、教育実施後は遵守状況を確認するなど、その理解度を確認の上、必要に応じて再教育を実施するなどに取り組みましょう。
また、外国人労働者に対する安全衛生教育は、必要に応じて⑩「外国語安全衛生教育マニュアル≪リンク①≫ ≪リンク②≫ ≪リンク③≫ 」を活用するなど、母国語によるわかりやすい安全衛生教育に取り組みましょう。
5 高年齢労働者災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 全業種
50歳以上の高年齢労働者の労働災害は、急速に進む少子高齢化社会を背景として長期的に増加し、今後ますます増加が懸念される災害です。
高年齢労働者災害の防止のためには、管理者に高年齢労働者の身体機能の低下による労働災害リスクを理解させ、労働者自身も身体機能の低下による労働災害リスクを理解することが必要です。
⑪「フレンドリーガイドライン≪リンク≫」を活用して、高年齢労働者の特性に応じた対策に取り組みましょう。
6 熱中症予防対策
≪重点対象業務≫ 暑熱の環境下の屋外業務及び屋内業務
熱中症による労働災害は年々増加しています。昨年は、当署管内で死亡災害も発生しています。死亡災害事例をみると、熱中症は、症状発症から意識障害等の重症化、重症症状から心肺停止までが早く、朝、普通に出勤した作業員がその日の夕方には死亡するという怖い疾病です。
熱中症が疑われたときは一人きりにすることなく病院へ連れていく。意識障害が疑われたときは躊躇することなく救急要請するなどの適切な措置をとりましょう。
⑫「STOP!熱中症≪リンク≫」に取り組みましょう。
≪重点対象業種≫ 全業種
「転倒」災害は筋力等が低下する50歳以上の高年齢労働者に多く、何もないところで躓いて転倒する、バランスを崩して転倒するなどの災害が発生しています。また、転倒時の負傷の重症化は骨密度の低い女性労働者に多くなっています。
「墜落・転落」災害は梯子や脚立の使用時に、転倒災害と同じ要因のバランスを崩して墜落又は転落する災害が増加しています。
何もないところで躓く、バランスを崩すなどによる「転倒」災害や「墜落・転落」災害を防止するためにはハード面の対策に加えて、ソフト面の対策に取り組むことが重要です。
右記の①「転倒災害防止≪リンク≫」、②「ころばNice(ないっす)とちぎ≪リンク≫」及び③「梯子や脚立からの墜落・転落防止≪リンク≫」を活用してソフト面の対策に取り組みましょう。
なお、高年齢労働者災害を防止する観点からは、⑪「エイジフレンドリーガイドライン≪リンク≫」も活用して効果的な対策に取り組みましょう。
2 作業行動に起因する「動作の反動・無理な動作(腰痛、捻挫など)」災害の防止対策
≪重点対象業務≫ 看護業務、介護業務、その他重量物を取扱う業務
「動作の反動、無理な動作」災害とは、腰痛や捻挫などの負傷をいいます。その被災状況は年齢や性別に大きな差はありません。
(1) 「腰痛」災害は、身体が十分に解(ほぐ)れてない状態で腰部に負担がかかる動作をした際に被災するケースが多く、休み明けの午前中に多く発生しています。
作業開始前の準備運動、ストレッチなどに取り組みましょう。
また、④「腰痛予防事例集≪リンク≫」を活用して、腰部に負担のかからない作業方法を導入しましょう。
(2) 「捻挫等」の災害は整理整頓されていない作業環境や、階段や昇降設備を使用しないで飛び降りる、足元をよく確認しないなどの不用意な行動で多く発生しています。
4S(整理・整頓・清掃・清潔)活動に取り組み、職場の整理・整頓・清掃・清潔に取り組みましょう。
また、不用意な行動は‘あわてる’‘あせる’‘あなどる’ことが原因となります。⑤「Aない声かけ運動!≪リンク≫」で‘あわてず’‘あせらず’‘あなどらず’に取り組みましょう。
3 在来型災害の防止(業種特性に対応した災害防止対策)
(1) 「挟まれ・巻き込まれ」災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 製造業
機械の掃除、給油、検査、修理又は調整(以下「掃除等」という。)の作業は、機械の運転を停止させてから行わなければなりません。また、作業員が掃除等の作業を行っているときには、当該機械の起動装置に錠をかける、起動装置に「点検中のため運転禁止」を表示するなど、他の作業員が当該機械を運転させることがないようにする措置を講じなければなりません。
しかしながら、機械の運転中に、切屑、目詰まりなどを除去しようと、思わず手を出してしまうなどの誤った作業方法で負傷する、機械による「挟まれ・巻き込まれ」災害が未だ多く発生しています。こうした「挟まれ・巻き込まれ」災害は後遺症を残す怪我になりやすく、最悪は死亡災害にもつながります。
⑥「STOP!はさまれ・巻き込まれ災害≪リンク≫」に取り組みましょう。
(2) 「建設三大」災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 建設業
建設三大災害と言われる「墜落・転落」災害、「建設重機」災害、「倒壊・倒壊」災害は、ひとたび発生すると、死亡災害につながるおそれの大きい災害です。また、一度に複数の死亡者(犠牲者)を出す災害に発展するおそれのある災害です。
⑦「STOP!建設三大災害≪リンク≫」に取り組みましょう。
(3) 「荷役作業」災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 道路貨物運送業
陸上貨物運送業の労働災害は、約3分の2が荷役作業中に発生しています。
このため、トラックの荷の積み卸し作業時の昇降設備の設置義務及び保護防着用義務が最大積載量5トン以上から2トン以上に改正され、テールゲートリフターを使用させる労働者に対して特別教育が義務化されるなど、トラックの荷役作業時の安全対策が強化されました。
⑧「トラック荷役作業時の安全対策強化≪リンク≫」を遵守するとともに、⑨「荷役作業の安全確保≪リンク≫」に取り組みましょう。
4 30歳代以下の未熟練労働者災害の防止対策
≪重点対象業種≫製造業、陸上貨物運送業、商業
人手不足の対応やコロナ禍以降の持ち直しなどへの対応のため、正規社員、パートタイム労働者、外国人労働者の新規採用や派遣労働者の新規受入れが増え、その一方で、30歳代以下で経験年数3年未満の未熟練労働者の労働災害が増加しています。
雇入れ時や作業内容変更時の安全衛生教育を確実に実施し、教育実施後は遵守状況を確認するなど、その理解度を確認の上、必要に応じて再教育を実施するなどに取り組みましょう。
また、外国人労働者に対する安全衛生教育は、必要に応じて⑩「外国語安全衛生教育マニュアル≪リンク①≫ ≪リンク②≫ ≪リンク③≫ 」を活用するなど、母国語によるわかりやすい安全衛生教育に取り組みましょう。
5 高年齢労働者災害の防止対策
≪重点対象業種≫ 全業種
50歳以上の高年齢労働者の労働災害は、急速に進む少子高齢化社会を背景として長期的に増加し、今後ますます増加が懸念される災害です。
高年齢労働者災害の防止のためには、管理者に高年齢労働者の身体機能の低下による労働災害リスクを理解させ、労働者自身も身体機能の低下による労働災害リスクを理解することが必要です。
⑪「フレンドリーガイドライン≪リンク≫」を活用して、高年齢労働者の特性に応じた対策に取り組みましょう。
6 熱中症予防対策
≪重点対象業務≫ 暑熱の環境下の屋外業務及び屋内業務
熱中症による労働災害は年々増加しています。昨年は、当署管内で死亡災害も発生しています。死亡災害事例をみると、熱中症は、症状発症から意識障害等の重症化、重症症状から心肺停止までが早く、朝、普通に出勤した作業員がその日の夕方には死亡するという怖い疾病です。
熱中症が疑われたときは一人きりにすることなく病院へ連れていく。意識障害が疑われたときは躊躇することなく救急要請するなどの適切な措置をとりましょう。
⑫「STOP!熱中症≪リンク≫」に取り組みましょう。