就職差別につながるおそれがある14事項の考え方

本籍/戸籍謄(抄)本・住民票(写し)

  人を雇う際に「戸籍謄(抄)本」を提出させるなどにより本籍を把握する習慣は、我が国の資本主義発達段階の初期において、身元を確認するための手段として生まれたものだと言われています。その後、この習慣は踏襲され続け、今となっては何のために本籍を把握するのかが明確でないにも関わらず、従来の慣行として「戸籍謄(抄)本」の提出を求めている場合があります。
しかしながら、応募者の本籍を把握することは、出自を理由とした差別や偏見を招くおそれがあることから、これが多くの人々を不安にさせる行為であることを認識する必要があります。たとえ、「本籍によって差別するつもりはなく、採否の決定にも特に利用していない、ただ慣習として戸籍謄(抄)本の提出を求めていた」といった場合でも、本人を不安にさせる行為であることには変わりありません。本籍が記載された「住民票(写し)」も同じです。
 また、外国人(在日韓国・朝鮮人を含む)の場合、採用選考段階において、応募者から「在留カード」や「特別永住者証明書」などを提示させることは、国籍など適性・能力に関係のない事項を把握することにより、採否決定に偏見が入り込んだり、応募機会が不当に失われたりするおそれがあります。在留資格や資格外活動許可の有無等の確認については、採用選考時は口頭または書面による確認とし、採用内定後に「在留カード」の提示を求めるという配慮が必要です。
※ 特別永住者は就労活動に制限はなく、また、外国人雇用状況の届出の対象にはなりません。
 なお、応募用紙の「本籍」欄については、「(中卒用)職業相談票(乙)」「全国高等学校統一応募用紙」は平成8年4月より削除されています。

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