第2回 兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会議事録

日時  令和4年9月14日(水)    13時30分~14時24分
場所 兵庫労働局 16階第3共用会議室
出席者 公益委員 桜間委員、高階会長、庭本委員
労働者委員 天川委員、小西委員、堂園委員
使用者委員 田辺委員、平泉委員、𠮷川委員
事務局 木下労働基準部長、田中賃金室長、泉賃金指導官、今村労働基準監督官
議題 (1) 兵庫県鉄鋼業最低賃金に係る改正決定の審議等について
(2) その他 
議事録 庭本部会長  ただ今から、第2回兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会を開催します。
 まず、本日の会議について事務局から報告をお願いします。
泉賃金指導官  本日は、委員の皆様全員御出席ですので、最低賃金審議会令第6条第6項の規定による定足数を充足しておりますことを御報告します。
庭本部会長  それでは、議事に入りたいと思いますが、事務局から何かありますか。
田中賃金室長  まず、資料の差し替えをお願いします。
 お手元に「鉄鋼業関係最低賃金」と題した2枚ものの綴りがあると思いますが、これは前回8月23日にお配りした資料のインデックス11の岡山分についての差替えです。
 2点目は、兵庫の他部会の進捗状況です。
 塗料製造業については、9月12日に1,000円で答申をいただいております。
 電子についても9月12日に961円で答申をいただいております。
 その他については、はん用、輸送用、計量器は金額審議の1回目が終了し、継続となっております。
 私からは以上です。
 引き続きまして今村から調査資料について説明をさせていただきます。
今村労働基準監督官  賃金室の今村です。
 私からは、基礎調査関係の資料を説明させていただきます。
 お手元の資料「地域別最低賃金及び特定(産業別)最低賃金の特性値一覧(修正)」を御覧ください。
 
 (以下の資料について説明)
  1「地域別最低賃金及び特定(産業別)最低賃金の特性値一覧(修正)」
  2 令和4年度最低賃金に関する基礎調査結果(特定最賃)
 
 以上でございます。
庭本部会長  今までの説明で確認、質問等はありますでしょうか。
各委員 (特になし)
庭本部会長  前回8月23日の部会において、全会一致で改正の必要性有との決議を行いましたので、本日は、改正する金額についての審議となります。
 今までの審議の中でお話しいただいている部分もありますが、ここからは金額審議ということですので、まずは、労使から金額審議に当たっての金額提示及びその理由等を御発言いただき、そこから審議を進めていきたいと思います。
 最初に、労使それぞれで打合せの時間を設けた方が良いですか。

各委員

 お願いします。
庭本部会長  それでは、10分程度でお願いします。
  (労働者側委員、使用者側委員それぞれ別室での意見調整)
庭本部会長  それでは審議を再開します。
 申し出いただいた労働側委員から金額提示とその理由をお願いします。
小西委員  それでは、小西から労働側の説明をさせていただきます。
 前回の必要性審議の中で、我々労側からは、物価上昇に伴う特定最賃が適用されている非正規労働者や未組織労働者の生活への懸念や、生産年齢人口が減少していくなかでの優秀な人材の確保・定着に対する課題、今年の春闘における回答状況等を踏まえ、今年度の鉄鋼業の最低賃金改定の必要性を主張いたしました。
 使用者側からも、鉄鋼業の最賃改定について、日本経済、鉄鋼業における下振れリスクがみられるものの、消費者物価の上昇や、賃上げの実績、地賃の改定などを踏まえ、周辺地域の状況も見据えながら、慎重に検討しなければならないとの表明もあり、労使ともに最賃改定の必要性有となりました。
 そのもとで、具体的な金額改正額につきましては、現行の最低賃金額992円は年間2,000時間働くことでワーキングプアと呼ばれる年収200万円に届かない水準にあることや、昨今の物価上昇を踏まえた改定の必要があります。
 また、改正申出時の労働協約との差額プラス72円、1,064円を踏まえるとともに、今年の春闘結果、私の出身の基幹労連では、全体で80%以上の組合で有額回答が示され、回答額の平均が2,320円となり、連合の平均1,864円、金属労協では1,820円を上回る結果となっています。
 加えて、兵庫県では、県内の基幹労連、鉄鋼業においても、昨年の10%から今年は80%の組合で有額回答が示され、賃金改善額としては過去20年間で最高額が示された組織も多くありました。
 これは産業・企業の発展と強化に向けた「人への投資」の必要性に使用者側の一定の理解が示されたものであり、これを鉄鋼業の特定最賃にも波及させ、兵庫県における鉄鋼業全体を魅力あるものとし、現場力の強化、優秀な人材の確保・定着にも繋げる必要があります。
 以上を踏まえるとともに、今年度の兵庫県地域別最低賃金がプラス32円の960円となったことや同業他地域の水準等を考慮し、具体的な改正額につきましては、現行992円に対し、必要な積み上げ額をプラス36円として、合計1,028円を提示いたします。
 以上、今回の改正額について考え方を述べさせていただきました。
 鉄鋼業は、日本の基幹産業として、今後も経済・産業をリードしていく立場にあり、ここ兵庫県においても、鉄鋼業の中心都市として大きな役割を担っています。
 また、産業の魅力を高め、技術・技能の伝承、人材の確保・定着など将来にわたる発展と成長を見据えるとともに、鉄鋼業特有の専門性や厳しい環境での作業に見合う水準であることが必要と考えます。
 今回の改正額に対し、我々に与えられた責務を今一度労使で再認識するとともに、労使のイニシアティブを発揮し、議論を深めて参りたいと考えており、使用者側のより一層の御理解・御協力をよろしくお願いいたします。
庭本部会長  では次に使用者側委員から、お願いします。
田辺委員  それでは、使用者側からは田辺が主張を表明させていただきたいと思います。
 前回、必要性審議の中で労側と同様に使側としても最低賃金については事業を取り巻く経済環境の多分の下振れリスクはありながらも、  消費者物価指数の大幅な上昇、22年度の賃金動向等を踏まえながら改定の必要性有だと申し上げたところでございます。
 一方で多分の下振れリスクつまりはウクライナ情勢の長期化、原燃料価格の上昇、加えて半導体を主とした部品供給制約、サプライチェーンの混乱、こうした状況は決して軽視できるものではないと思います。
 したがって改定の幅については慎重に検討する必要性があると申し上げたところでございます。
 鉄鋼最賃は既に992円と4桁手前の水準となっております。現時点で地域最賃と優位な差があるということ、更に近接の同業種間の格差、これも地域の最賃と比べてみると相当に近似しているというのが実態であると考えております。
 この状況下、国内企業物価指数も大幅に上昇している中において、企業収益への影響、これを最大危惧するところでございまして大幅な金額改定は避けるべきと主張しております。
 本来、使側としましては2022年度春季交渉の賃上げ率1.92%に相当する19円程度の改定が妥当であろうと判断しております。
 ただ、昨年の金額審議にあたりまして先ほど申し上げました実態ですとか、プラスアルファで言うとカーボンニュートラルへの対応という鉄鋼業界の最重要課題への対応もこの先にあるということで、使用者側としては改定に慎重であるべきという見解を述べさせていただきましたが、ただこれまで築き上げてきた兵庫県鉄鋼業の良好な労使関係を今後も維持、継続するためにも三者合意を目指したいという気持ちもございます。
 そうした中でぎりぎりまで逡巡した結果として、昨年は28円に歩み寄ったと理解しております。
 こうした思いや経緯も含めまして使側として提示額を今、総合的に考えた場合、提示できるのは昨年の改定額である28円、ここまでが限界であろうと考えております。
 したがいまして、使側といたしまして本年度は992円プラス28円、結果として1,020円という金額を鉄鋼最賃として主張させていただきたいと思います。
 以上でございます。
庭本部会長  労使双方より、金額についての提示とその基本的な考えをお聞きいたしました。
 労働側は36円引上げの1,028円。使用者側は28円引上げの1,020円という御主張でした。
 今のこの段階では8円の開きがあるということで、双方の意見をこれから更に詰めて参りたいと思います。
 今から、申し出いただいた労働側から私たち公益がお話を伺うこととします。
 その後使用者側からお話を伺うという手順で進めて参りたいと思います。
  (以下 別室にて公労会議、公使会議)
庭本部会長  時間の関係もありますので、本日は、このあたりで一旦終了しまして、次回に引き続き審議したいと思っています。
 今日、労使双方からお話をお聞きしました。
 現時点での双方の御主張を今一度確認させてください。
 まず、労働者側としてはプラス36円の1,028円で、基本的な考え方は既に小西委員から言われましたが、地賃が32円上がっているということ、大阪、愛知、山口、広島等との他地域との関係を見ていかなければいけないというところでプラス36円を主張されていたと思います。
 加えて、御主張されていたところでは今回使用者側の春闘の回答状況とか、基幹労連組合の改善要求がかなり高かったこととか、労働者の定着率を上げ、離職率を下げていくということからも継続的に賃金を上げていくことが重要であるということだったかと思います。
 一方、使用者側ですが、プラス28円の1,020円が今日の時点での御主張でした。
 去年と同じ28円というのはかなり上げた額であるということ。プラス32円は地賃がいくらそうだからといって、これが特定最賃も32円にする合理的な根拠はないでしょうと。
 それから、企業収益の状況を鑑みると慎重に判断していく必要がある。
 なにより近接府県との関係もありますし、その状況が未だ見えていない以上ここはやはり慎重な回答になるというところだったかと思います。
 次回もこの双方からいただいた基本的な主張を踏まえまして金額審議を続けていきたいと思います。
 次回の日程ですが、事務局から御説明いただけますか。
田中賃金室長  次回、3回目については9月26日、月曜日10時でお願いしたいと思います。
庭本部会長  それでは次回は9月26日、月曜日午前10時からの開催とします。
 次回も金額審議となりますので、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合に該当すると考え、会議は非公開とします。
 本日はこれで終了となります。
 ありがとうございました。

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