兵庫地方最低賃金審議会 第1回輸送用機械器具製造業最低賃金専門部会議事録

日時  令和4年8月22日(月)   10時00分~10時45分
場所 兵庫労働局16階 第3共用会議室
出席者 公益委員 岡崎委員、三上委員、山口委員
労働者委員 遠藤委員、小西委員、多禰委員
使用者委員 金子委員、鈴木委員、松岡委員
事務局 木下労働基準部長、田中賃金室長、泉賃金指導官、今村労働基準監督官、箕笹労働基準監督官
議題 (1) 部会長・部会長代理の選出について
(2) 兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金に係る改正決定の必要性の審議について
(3) その他
議事録 泉賃金指導官  ただ今から、第1回兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金専門部会を開会します。
 本日は、鈴木委員がご欠席ですが、最低賃金審議会令第6条第6項の規定による定足数は充足しておりますこと、ご報告します。
 また、本日の審議は議事を公開することとしておりましたが、傍聴希望の申し出はありませんでした。
 本日は、第1回目の専門部会となりますので、部会長が選出されるまでの間、事務局で、議事を進行させていただきます。
 それでは、審議に入ります前に、労働基準部長の木下より、ご挨拶を申し上げます。
木下労働基準部長  令和4年度兵庫県特定最低賃金輸送用機械器具製造業の専門部会の開催にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 委員の皆様におかれましては、業務のお忙しい中で、本日の専門部会のご出席、誠にありがとうございます。また、日頃より賃金行政へのご尽力に関しまして、感謝を申し上げたいと思います。
 さて、本年度の兵庫県特定最低賃金でございますが、労働者代表の方から、本輸送用機械器具製造業、他6業種の改正の申し出が行われており、7月15日付けの本審において、兵庫労働局長の鈴木から当該7業種の改正の必要性の審議および改正決定、金額に係る審議を諮問させていただいたところでございます。
 委員の皆様におかれまして、これから必要性の有無を含めまして集中的なご審議をしていただくこととなりますが、特定最低賃金につきましては特に労使のイニシアティブによって決定されるものと理解しているところです。
 是非、審議におきましては全会一致に向けての御努力をお願いいたします。
泉賃金指導官  次に、各委員と事務局の紹介をさせていただきたいのですが、時間の関係もありますので、各委員につきましては、次第に添付してある委員名簿にてご確認お願いいたします。
 それでは、部会長の選出に移らせていただきます。
 部会長、部会長代理の選出につきましては、慣行により、公益代表委員のみなさまのご相談により候補者をご推薦していただき、その後、ご推薦いただいた委員を専門部会にお諮りするということにさせていただいていますが、それで、よろしいでしょうか。
 ご異議ありませんか。
各委員  異議なし。
泉賃金指導官  それでは、そのようにさせていただきます。
では公益委員の方から部会長と部会長代理の推薦をよろしくお願いします。
三上委員  公益で事前に打合せいたしましたので、部会長に山口委員、部会長代理に岡崎委員を推薦したいと思います。
泉賃金指導官   ただいま部会長に山口委員、部会長代理岡崎委員とのご推薦がございましたが、ご異議ありませんか。
各委員  異議なし。
泉賃金指導官  異議なしとの声がありましたので、部会長に山口委員、部会長代理に岡崎委員が選出されたものと、確認いたします。
 それでは、この後の議事進行につきましては、部会長にお願いいたします。よろしくお願いします。
山口部会長  部会長に選出されました山口です。
  慎重審議に努めたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、まず専門部会の議事録の確認をいただく委員を指名したいと思います。
 部会長及び部会長が指名した委員2名が議事録の確認を行うこととしましたので、労使委員から1名ずつ指名したいと思います。
 労働側の委員は、どなたにされますか。
小西委員  小西でお願いします。
山口部会長  使用者側委員は、どなたにされますか。
松岡委員

 松岡でお願いします。

山口部会長  それでは、当専門部会において議事録の確認をいただく委員は私と小西委員、松岡委員とすることとします。
 また、この確認を行う委員が欠席された場合は適宜、代わりの委員を指名することにしたいと思いますが、それでよろしいですか。
各委員  異議なし。
山口部会長  それでは、審議に入ります。本日の議題は「兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金に係る改正の必要性の審議について」となっています。
 今年も昨年同様に、「改正必要性の有無について」も、業界事情に通じた専門部会委員で判断を委ねるべきとの意見を踏まえ、各専門部会において審議することとなったものです。
 この辺りの経過等は労使それぞれお聞きいただいているとは思いますが、確認のため、今年の経過や改正の流れも含めて事務局から説明してください。
田中賃金室長

 賃金室長の田中です。
 よろしくお願いいたします。
 私から簡単に経過並びに最低賃金審議の運び等について確認させていただきたいと思います。
 兵庫県の最低賃金につきましては、9件の特定最低賃金の設定がございます。
 そのうち今年は、7月5日、6日にかけまして、7件の特定最低賃金について、改正の申出を労側の方からいただいております。
 資料1のところに一覧としてまとめておりますので、御覧いただければと思います。
 今回、申出をいただきました7件の特定最低賃金の改正につきましては、いずれも形式的要件を具備されているものと判断いたしまして、7月15日の本審におきまして、改正必要性の有無についての諮問をさせていただいております。
 昨年令和3年につきましては、小委員会において個別に専門部会を設置して審議をするという方向性がまとめられ、そのあと本審議会において、改正必要性の諮問と同時に専門部会の設置の決議をいたしまして、本年につきましては早い段階から本審の方で早期に専門部会を立ち上げて改正必要性審議並びにそのあとの金額審議を行うということがあらためて確認できたということでございます。
 令和元年より前につきましては、本審で一括して改正の必要性ありということで金額審議のみを専門部会でしておりましたが、令和2年3年に続きまして、令和4年度においても専門部会の方で改正必要性の審議から行うということになっております。
 特定最低賃金の改正につきましては、金額の改正を行うことの必要性に係る諮問答申、そして金額をいくらにするかという金額改正の諮問答申の2つの階段を経て金額改正に至るという形式になっております。
 その辺りについても説明させていただきます。

(次に資料について説明)
 説明資料 特定最低賃金編 (兵庫労働局労働基準部賃金室)
 資料No.1 令和4年度 特定最低賃金改正の申出状況
 資料No.2 兵庫県塗料製造業最低賃金外6件の改正決定の必要性の有無について(諮問)(令和4年7月15日)(写)
 資料No.3 兵庫県最低賃金の改正決定について(答申)(令和4年8月5日)(写)

 私の方からは以上でございます。 

山口部会長  ただ今の説明について、ご意見、ご質問はありませんか。
各委員  (特になし。)
山口部会長  それでは、兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金の改正必要性の有無についての審議に入りたいと思います。
 では事務局から、本日お配りいただいている各種資料の説明をしてください。
田中賃金室長  引き続きまして、お配りさせていただいております資料4からの説明をさせていただきたいと思います。

(以下の資料について説明)
 資料No.4 一般職業紹介状況(令和4年6月分)抜粋(兵庫労働局職業安定部職業安定課 令和4年7月29日公表)
 資料No.5 管内金融経済概況(日本銀行 神戸支店 2022年7月7日)
 資料No.6 毎月勤労統計調査地方調査月報(令和4年5月)抜粋 (兵庫県)
 資料No.7 兵庫県の経済・雇用情勢(産業労働部政策労働局産業政策課 令和4年8月2日公表)抜粋
 資料No.8 兵庫県鉱工業指数月報(令和4年5月速報)
 資料No.9 連合兵庫2022春季生活闘争 平均賃金方式 第6回 回答集計 (連合兵庫2022年5月31日)
 資料No.10 2022年度 春季賃上げ状況(兵庫県経営者協会2022年6月21日)
 資料No.11 輸送用機械器具製造業関係最低賃金(令和2年度,令和3年度,全国)

続きまして、担当より基礎調査の関係について、説明させていただきます。 
今村労働基準監督官  監督官の今村です、私からは基礎調査結果について説明させていただきます。

(以下の資料について説明)
  令和4年度最低賃金に関する基礎調査結果
山口部会長   ただ今の説明について、ご意見、ご質問はありませんか。
各委員  (特になし。)
山口部会長  それでは、審議を続けます。今回は、改正の必要性の有無から専門部会で審議を行っていくということです。
 事務局の説明にもありましたが、必要性の有無に関しては全会一致が原則ということになり、全会一致に至らない場合は必要性が認められないということになります。
 また、全会一致で決議された場合は、最低賃金審議会令第6条第5項の適用により、専門部会の決議をもって、審議会の決議となります。
 限られた時間の中で、大変ご苦労をおかけいたしますが、よろしくお願いします。
 それでは、まず労使双方から、兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金の改正必要性の有無の審議に当たっての基本的な考え方を伺わせていただきたいと思います。
 その段階で、双方が御意見を同じくするのであれば、改正必要性についての結論が出たこととなり、答申を行い、御意見が異なる場合は、審議を続けていくこととしたいと思います。
 では最初に労使双方、それぞれで意見調整をされますか。
労使各委員  意見調整は必要ありません。
山口部会長  それでは、審議を再開します。
 では改正の申出をされた労側委員から金額改正の必要性に係る考え等をお聞きしたいと思います。
 それではお願いします。
小西委員

 委員の小西です。よろしくお願いします。
 輸送用機械器具製造業の審議の必要性を説明したいと思います。
 これまで、輸送用機械器具製造業の特定最賃につきましては、産業の魅力、技術・技能の伝承、人材の確保・定着など将来にわたる発展と成長を見据え、労使のイニシアティブを発揮し導き出したものと認識しております。
 また、輸送用機械器具製造業は専門性が求められる作業も多く、それに見合う水準として地賃によりも優位性の必要性ある水準であると考えます。
 したがって、今年度においても輸送用機械器具製造業における特定最賃の改正を行うスタンスであると表明していきたいと思います。
 その上で改正の必要性でございますが、今年度につきましては、引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響やウクライナ情勢、資源価格高騰の懸念もあるものの各種政策の効果や個人消費、設備投資、海外経済の動向から、国内をはじめ、兵庫県においても持ち直しの動きが続いており、輸送用機械においても各種政策の強化や一定の需要が見込まれております。
 一方で2022年7月の消費者物価指数では、持ち家帰属家賃を除く総合では、前年度月比3.1%上昇傾向にあり、家計に影響を与えております。
 これらは労働者の生活を直撃するものであり、特に特定最賃が適用されている非正規労働者や未組織労働者は特定最賃の引き上げがなければ、生活が立ちいかない懸念もあります。
 加えまして生産年齢人口が減少する中で、輸送用機械器具製造業の発展のためには優秀な人材確保と定着は欠かせないものとなっております。
 そうした状況のもと兵庫県の輸送用機械器具製造業の最低賃金1,002円は全国的に高い水準であるものの年間2,000時間、働くことができるワーキングプアと呼ばれる年収200万にようやく届く水準であり昨今の物価上昇傾向にある中では、十分な水準とは言えません。
 また、今年度の兵庫県地域別最低賃金がプラス32円、960円となりました。
 昨今の継続的に地域別最低賃金が上昇していくことを踏まえれば、兵庫県輸送用機械器具製造業の魅力を高めるとともに優秀な人材の確保、定着に向けた特定最賃の水準引上げが必要不可欠と考えます。
 加えまして、今年の春闘におきましては、兵庫県製造業の賃上げ率は2.13%アップ率の回答を得ています。今次の引き上げについて前向きに答えないとならないと考えます。
 なお、輸送用機械器具製造業の必要性審議について、現時点で京都、広島で必要性ありの回答を既に得られております。
 これらの状況を勘案すると共に当該労使がイニシアティブを発揮して、その産業に相応しい水準を設定する特定最低賃金の趣旨を踏まえ、今年度の輸送機械器具製造業の最低賃金改定につきましては、必要性ありが妥当であるとの判断に至りました。
 よろしくお願いします。

山口部会長  それでは次に使側委員から、お願いします。
金子委員

 使側委員の金子でございます。
 労働者側からもありましたとおり、長引く新型コロナウイルス感染症の影響、ウクライナ侵攻問題、国際情勢の変化が大きな痛手、先行きの不透明化が続いている状況でございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済も全体として回復の基調が見られますが、決して逸々はなく企業規模、業種によって格差が大きく生じている状況にあります。
 この中で輸送用機械器具製造業においては旅客、物流等の回復を背景とした明るい材料がある一方で、依然、新型コロナウイルス前の状況に至ってないといった認識でございます。
 このように明るい好材料もありますが鋼材価格の上昇、それを価格に転嫁しきれてない状況の中で、国際的競争がますます激しくなり、業界としては厳しい状況が続いています。
 労働側からもありましたとおり、兵庫県輸送用機械器具製造業は昨年度1,000円の大台を超えて、1,002円の高水準であるという状況もございます。
 このような状況において、最低賃金の引上げについては慎重な態度を取らざる得ないことにご理解ください。
 とは言うものの今年度の中央最低賃金審議会、兵庫県地方最低賃金審議会共に31円、32円の最低賃金引上げを答申している状況、各業種における賃金上昇率、その他の事由等を総合的に鑑みますと、つまり、必要性ありと判断いたします。

山口部会長  労使の意見をお聞きしたところ、必要性ありで意見が一致したように思われますので、本専門部会としての意見をまとめさせていただきたいと思います。
 7月15日の本審において、専門部会が全会一致で決議した場合は、最低賃金審議会令第6条第5項を適用することを議決していますので、まずは全会一致の確認をさせていただきます。
 兵庫県輸送用機械器具製造業の最低賃金の改正の必要性の有無について、本専門部会として「兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金については改正決定することを必要と認める」との内容で報告書を作成することについて異議はございませんか。
各委員  異議なし。
山口部会長  出席者全員の御賛同をいただきましたので、本専門部会におきましては、全会一致により「兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金については改正決定することを必要と認める」との結論に至った、ということを確認いたしました。
 では事務局は、「兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金については改正決定することを必要と認める」との専門部会報告及び答申文についてそれぞれ(案)を作成していただけますか。
田中賃金室長  それでは、準備をいたしますので、お待ちください。
山口部会長  では、まず、報告文案から確認をしたいと思いますので、事務局で、報告文案を読み上げてください。
泉賃金指導官

 それでは、報告文案を読み上げます。
 


 

令和4年8月22日

兵庫地方最低賃金審議会
会長 梅野 巨利 殿
 

兵庫地方最低賃金審議会

兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金専門部会

部会長 山口 隆英

 

兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金の改正決定の必要性の有無について(報告)


 当専門部会は、令和4年7月15日、兵庫地方最低賃金審議会において付託された標記について、慎重に審議を重ねた結果、兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金について改正決定することを必要と認めるとの結論に達したので報告する。
なお、本件の審議に当たった専門部会の委員は下記のとおりである。
 


 公益代表委員
  岡崎 利美
  山口 隆英
  三上 喜美男
 労働者代表委員
  遠藤 義一
  小西 啓介
  多禰 貴之
 使用者代表委員
  金子 敏之
  鈴木 健朗
  松岡 直哉

以上です。

山口部会長  ただ今読み上げていただいた、報告文案の内容でよろしいですか。
各委員

 はい。

山口部会長  それでは、報告文案から案を消したものを報告文とします。続いて、今回は全会一致での議決となりますので、局長あての答申を行います。
 それでは事務局で、答申文案を読み上げてください。
泉賃金指導官

 それでは、答申文案を読み上げます。
 


 

令和4年8月22日

兵庫労働局長
鈴木 一光 殿
 

兵庫地方最低賃金審議会

会長 梅野 巨利


兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金の改正決定の必要性の有無について(答申)


 当審議会は、令和4年7月15日付けをもって最低賃金法第21条の規定に基づき貴職から諮問のあった兵庫県輸送用機械器具製造業最低賃金の改正決定の必要性の有無について、慎重に審議した結果、兵庫県鉄鋼業最低賃金について改正決定することを必要と認めるとの結論に達したので答申する。

以上です。

山口部会長

 ただ今読み上げていただいた、答申文案の内容でよろしいですね。

各委員  はい。
山口部会長  それでは、答申文案から案を消した文を答申文として、審議会長名で局長あてに答申することとします。
 では労働基準部長に答申文をお渡しすることとしますので、事務局で準備してください。
  (部会長から基準部長に答申文を渡す。)
木下労働基準部長  ただ今、山口部会長から、「兵庫県輸送用機械器具最低賃金について全会一致の必要性あり」との答申をいただきました。
 ありがとうございます。
 引き続き金額の審議につきましても労使のイニシアティブのもと円滑な審議と全会一致での答申をお導きいただくよう、よろしくお願いします。
山口部会長  では、事務局から、ほかに何かありませんか。
田中賃金室長  次回の日程ですが、次回は9月13日火曜日午後2時からの開催とします。
 本日、改正必要性有の答申をいただきましたので、金額改正について意見聴取の公示を9月6日まで行うこととなります。
 あと、次回の公開、非公開についての確認をお願いいたします。 
山口部会長  では、次回は9月13日火曜日午後2時からの開催とします。
 次回は金額審議となりますので「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」に該当し、会議は非公開としたいと思います。
 それでは本日はこれで終わります。ご苦労様でした。
 

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