第655回兵庫地方最低賃金審議会議事録

日時  令和4年8月5日(金)    14時34分~14時54分
場所  神戸地方合同庁舎1階 第4共用会議室
出席者 公益委員  梅野会長、桜間委員、庭本委員、山口委員
労働者委員  岩﨑委員、小西委員、廣澤委員、堀井委員
使用者委員 倉本委員、瀬川委員、松岡委員、松下委員、𠮷川委員
事務局  鈴木労働局長、木下労働基準部長、田中賃金室長、泉賃金指導官、大森専門監督官
議題 (1) 兵庫県最低賃金の改正に係る審議について
(2) その他
議事録 梅野会長  ただ今から、第655回の兵庫地方最低賃金審議会を開会いたします。
 本日の会議について、事務局から報告をお願いします。
泉賃金指導官  本日は、坂本委員、日下委員が御欠席ですが、審議会令の規定による定足数を充足しておりますことを御報告させていただきます。
梅野会長  では、議事を始めますが、労側日下委員が議事録確認の担当なのですが、今日はどなたが確認されますか。
堀井委員  はい、私が。
梅野会長  それでは、堀井委員が議事録確認ということでお願いします。
 本日の議題は、
 (1)兵庫県最低賃金の改正に係る審議について
 (2)その他
の2点です。
 では、兵庫県最低賃金の改正に係る審議です。
 今年の地域別最低賃金の専門部会は、7月29日に開始し、金額審議につきましては、8月3日、4日、そして、本日つい先ほどまで、行ってまいりまして、各委員の御協力によりまして、先ほど全会一致で結審することができました。
 したがって、本日の議題(1)につきましては、その専門部会での審議経過、結果を報告するということになります。
 これにつきましては、部会長桜間委員から報告をお願いいたします。
桜間委員  部会長の桜間でございます。
 先ほど会長から御説明がありましたとおり、7月29日から4回にわたり、慎重に審議を重ねてきたところでございます。
 本日も午前中から議論を重ね、昼に結論が出たということでございます。
 結果につきましては、お配りしております報告にあるとおりでございますが、金額はプラス32円、960円ということで全会一致でまとめていただくことができました。
 それでは、専門部会での審議の経過について、御報告いたします。
 当初、労働者側の主張は、プラス35円、963円ということでございました。
 これに対して、使用者側の主張は、プラス12円の940円というかなり開きにある中で始まりました。
 労働者側の主張といたしましては、コロナ禍が続いてはおりますが、ウィズコロナといわれる中で、兵庫県内でも日本経済と同様、個人消費、設備投資等持ち直しがみられる中、経済回復と自立的な成長軌道に乗せるために人への投資が必要であり、その重要な要素の一つが最低賃金の引上げである。
 また、消費者物価の上昇によって実質賃金が目減りする中、それを維持するため、物価に考慮した賃金の引上げが必要である。
 一方で、兵庫県の最低賃金は全国加重平均930円を2円下回っているのが現状であり、地域格差をなくすことを目指し、目安額31円に4円プラスした963円を目指したいという御主張でございました。
 これに対して、使用者側は、最低賃金の引上げ自体は必要だという認識はある。
 そうではあるが、コロナ禍で企業物価指数は消費者物価指数以上に上昇しており、中小企業の多くでは、原材料費の高騰等もあって、経営を圧迫するなど厳しい状況にあって、雇用の維持が精一杯である。
 法の定めるところの賃金の支払能力に着目すれば、目安額の賃上げは非常に困難であり、賃金改定状況調査結果の第4表、それのBランク1.3%に相当するプラス12円、940円が適当であるということで、当初労使で非常に大きな開きがあった状況でございました。
 その後、公益委員が労働側、使用者側と議論を積み重ねまして、労働者側としては、中賃の目安31円と出ている以上、この31円をベースにプラスアルファが必要であるということで続いて出てきた主張が目安プラス2円引上げということでございました。
 それに対して、使用者側は過去の地域別最低賃金の引上げについての影響率をみた上で、2回目に出てきたのがプラス21円引上げという数字でございました。
 少し歩み寄っていただいたわけですが、まだ隔たりがあるという中で本日の審議を迎えたということでございます。
 今年の審議で公労使ともに一致していたのは三者合意を目指すという点でございました。
 昨年は残念ながら全会一致とはならない形となりました。
 一昨年もそうでございますが、これまで兵庫の審議の経過を見ていきましたら、過去三者合意を目指す中で審議を積み上げていくという取組がなされてきたところでございます。
 今年は中央でも合意が図られたところでございますので、兵庫でも何よりも三者合意を目指そうというところで審議を重ねてまいりました。
 最終局面におきましては、目安31円これにプラスアルファをするかどうかというところでなかなか意見の一致をみるのが難しいところになって、平行線の議論が続いたところでございます。
 確かに目安の31円という数字自体は非常に大きなものでございまして、中央でも納得感のある額を示すということで議論を重ね、通常よりも長期間にわたる議論をした上で出た結論でございます。
 物価上昇率プラス0.3%という中で3.3%プラスの31円ということで30円を超える過去最大の上げ幅ということになりました。
 兵庫におきましても、影響率が20%を超えるという非常に大きな額になったわけでございまして、これは公益側としましても非常に重い数字であると認識しております。
 使用者側委員の皆様は当初目安額自体が限界を超える額ということで非常に難しいという御意見を述べられていたわけですが、最終局面では目安額がデッドラインであるとの御認識に至りました。
 それに対して、労働者側は全国加重平均とは2円の差があり、近隣の大阪、京都と比べましても、最低賃金の差は大きいということで過去の審議の経過を振り返りましたら、その差を埋めるために努力を重ねてきて、目安額を上回る額で合意したという経過もありました。
 最終的に本日、過去の経過を踏まえて、今後の議論をどうするのかというところも含んだ中で労使で長時間にわたり、非常に真摯な御議論をしていただいた結果、最終的に労使で意見は一致しなかったのですが、公益側に一任という形で労使の意見がまとまったということになりました。
 ということで、公益側でどうするか、31円にするのか、それを上回る額にするのかというところで議論をしたわけですが、結果といたしまして、目安の31円プラス1円、32円という結論に達しまして、それを労使の皆さんにも合意をしていただいたという経過でございます。
 過去のこの審議会での議論を振り返りましたら、まず何よりもこれは政府も言っているわけですが、全国加重平均1,000円を目指していくということで、兵庫でも経済情勢が当然あるわけですが、将来的には1,000円を目指して、積み上げていこうという中で建設的な議論が行われ、三者合意を尊重してきたという経緯がございました。
 そういう中でこの31円という額の重さは公益側も十分認識しているところではございますが、格差を縮めていく努力をしながら、さらに1,000円に賃金を押し上げていく姿勢を兵庫からも示していきたいということで、格差を縮めるためのプラス1円を乗せて、32円という結果になったわけでございます。
 さらに、本日の報告書にございますが、最低賃金が非常に大きな上がり幅になりますので、残念ながら中小零細企業に対する影響は現状やはりございますので、そこに配慮した対策を政府に対して要望するということで各項目を並べているところでございます。
 とりわけ中小零細・小規模事業者が下請けでそれをなかなか反映しにくいというところもありますので、賃上げ原資が確保できるように環境整備をしていただきたいということも強く項目に付け加えているところでございます。
 以上報告とさせていただきます。       
梅野会長  ただ今の説明について、専門部会の委員から何か補足説明がございますか。
松下委員   専門部会の委員ではないのですけれども、一言だけ。
梅野会長  はい、どうぞ。
松下委員  使用者側の松下と申します。
 専門部会で十分議論された結果、この要望が3件ついているということで、繰り返しにはなるのですけれども、私の方からも一言申し上げたいと思います。
 今回賃上げの必要性というのは十分認識している一方で、やはり影響率の高さが中小企業に与える影響の大きさを表しているので、非常に懸念しております。
 企業からの意見聴取、実地視察などが行われて企業の方から賃上げの重要性は認識しているので、本来は企業が主体的に行うべきものであり、景気が良ければ従業員のために賃上げしたい気持ちはあるのだけれども、体力的に厳しいという声を聞いておりました。
 特に今回印象に残っているのが、売上げが急激に減少して、リストラを実施した製造業の中小企業の方に持続化給付金、又は雇用調整助成金等の申請をされたかを尋ねたところ、リストラか何か分からないけれども、支給要件を満たさないということで受給ができていないという御回答でした。
 最近不正受給のニュースが聞かれる状況ではありますけれども、一方で、本当に必要な企業に対して、企業継続、雇用継続のための支援をしていただきたいと思います。
 また、自発的に賃上げできる原資を確保できる経営環境の整備をしていただけることが急務であり、支援策の強化をお願いいたします。
 以上です。
梅野会長  それでは、兵庫県最低賃金改正にかかる審議結果についての議論は以上といたします。
 専門部会の委員の皆様方につきましては、大変長時間真摯に御議論いただき、誠にありがとうございました。
 それでは、答申に入ります。
  (梅野会長より、鈴木労働局長に答申文を手渡す。)
鈴木労働局長  ありがとうございました。
梅野会長  それでは、局長から一言お願いいたします。
鈴木労働局長  労働局長の鈴木です。
 兵庫県最低賃金改正決定につきまして、7月4日に諮問させていただき、本日専門部会において、全会一致で決議となり、先ほど答申をいただきました。
 今年は中央の目安答申が遅れた上にこれまでの最高額でのBランク31円での目安となり、多大な御苦労を皆様にはお掛けいたしました。
 コロナ禍やウクライナ問題等の影響による消費者物価、企業物価高騰等の状況の中、7月29日から始まりました専門部会では実質3日しかない中で公労使の委員の方がそれぞれの立場や考え方の違いはあっても、真摯に議論を積み重ねていただき、本日の答申をいただきました。
 各委員皆様方の御苦労に感謝申し上げます。
 本当にありがとうございます。
梅野会長  では、次議題(2)その他です。
 事務局から連絡事項ございますか。
田中賃金室長  賃金室長の田中です。
 ありがとうございました。
 次回本審の日程と特定最低賃金の専門部会の関係につきまして、連絡をさせていただきます。
 まず、本日答申をいただきました地域別最低賃金につきましては、本日異議申出の公示を行います。
 異議申出の締切りにつきましては、8月22日月曜日となってございます。
 よって、次回本審につきましては、その翌日8月23日火曜日10時ということを予定しております。
 場所はこちらの会議室ということでございます。
 議題については、御承知のとおり、異議申出があれば、異議申出にかかる諮問をさせていただきますので、それを受けての審議をお願いするということになります。
 つきましては、公開非公開の確認と異議申出の場合の意見陳述を認めるかどうかの確認をいただければと思っているところでございます。
 また、特定最低賃金の専門部会委員につきましては、8月1日までに御推薦いただいておりますので、今各部会委員の任命手続きを行っているところでございます。
 特定最低賃金に係る部会の開催日程案につきましては、まだ少し調整の必要がございますので、関係委員の方には追って連絡をしたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
梅野会長  では、次回は8月23日火曜日午前10時からといたします。
 意見陳述につきましては、関係者からの希望があるようでしたら、昨年どおり認めることにしたいと思います。
 併せて、次回の審議会の公開非公開についても、昨年同様公開としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
各委員  異議なし
梅野会長  では、次回8月23日審議会は公開といたします。
 本日はこれで終了いたします。
 皆様本当にありがとうございました。
 お疲れ様でございました。

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