第654回兵庫地方最低賃金審議会議事録

日時  令和4年7月29日(金)    9時30分~10時50分
場所  神戸地方合同庁舎1階 第4共用会議室
出席者 公益委員  梅野会長、桜間委員、庭本委員、山口委員
労働者委員  岩﨑委員、日下委員、小西委員、廣澤委員、堀井委員
使用者委員 倉本委員、瀬川委員、松岡委員、松下委員、𠮷川委員
事務局  鈴木労働局長、木下労働基準部長、田中賃金室長、泉賃金指導官、今村労働基準監督官、木多専門監督官
議題    (1) 地域別最低賃金の目安に係る中央最低賃金審議会の答申について
   (2) 最低賃金基礎調査結果等について
   (3) 意見陳述について
   (4) その他
議事録 梅野会長  ただ今から、第654回兵庫地方最低賃金審議会を、開会します。
まず本日の会議について、事務局から報告をお願いします。
泉賃金指導官  本日は、坂本委員、岩﨑委員がご欠席ですが、最低賃金審議会令第5条第2項の規定による定足数を充足しておりますことを、ご報告させていただきます。
 審議に入ります前に、傍聴者の方々には、受付でお渡ししております遵守事項に記載してある注意事項に、ご留意いただきますようお願いします。
それでは、審議に入ります前に、兵庫労働局長の鈴木より、ご挨拶を申し上げます。
鈴木局長  本日も、暑い中お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
報道でご承知のとおり、本年度の最低賃金額改定にかかる中央最低賃金審議会での目安審議については、まだ答申が出されておりません。
 示される目安額の根拠や理由について、労使からより納得感のある審議を尽くしてほしい等の意見があり、時間を要していると聞いているところであります。
 本日も、最低賃金の改正審議が進められていきますが、公労使三者が、それぞれの立場や考え方の違いはあっても、審議においては、真摯に議論を積み重ねて、全会一致へ向けての御努力をいただくようよろしくお願い申し上げます。
 本日もよろしくお願いいたします。
泉賃金指導官  それでは会長、議事進行をお願いいたします。 
梅野会長  それでは、本日の議題を確認したいと思います。
本日の議題は、
  1. (1) 地域別最低賃金の目安に係る中央最低賃金審議会の答申について
  2. (2) 最低賃金基礎調査結果等について
  3. (3) 意見陳述について
  4. (4) その他

となっています。

 では、最初の議題である(1)「地域別最低賃金の目安に係る中央最低賃金審議会の答申について」事務局から説明をお願いいたします。
田中賃金室長  賃金室長の田中です。
 先程局長からのお話にもありましたが既に新聞やテレビ等で中央での目安審議の状況についてご承知かとは思いますが、あらためて現在の状況について報告させていただきます。
 中央の方で、先日7月25日までに合計4回の目安小委員会が開催されてきましたが、本日までのところ目安小委員会報告がなされず、目安答申が出ておりません。
 理由としては、目安額の根拠や理由等について明快で納得できるものとして欲しいとの労使からの強い意見を踏まえ、公益委員が再度検討する時間が必要となり、時間をおいて議論を再開することとなっている旨、連絡を受けているところです。
 そのため、本来であれば本日この場において、地域別最低賃金の目安に係る中央最低賃金審議会の答申について伝達させていただくところでしたが、それができないことを報告させていただきます。
梅野会長  只今の説明についてご質問ありますか。
  (各委員からの質問なし。)
梅野会長  例年であれば本審で目安の伝達をした上で専門部会で金額審議を進めていました。
 今後目安答申が出た場合、本審の場で目安伝達ができないとしても審議に支障はないのか事務局から説明をお願いします。
田中賃金室長  目安額の伝達報告は、従来、本審において行ってきておりますが、特段の定めはありません。
 目安答申後、本審ではなく専門部会の方で伝達報告した上で、審議運営していくことに問題はないと考えます。
梅野会長  そういうことであれば、本日、目安伝達はできませんので、今後目安が出たあと開催される専門部会の場において、目安に係る中央最低賃金審議会の答申について伝達していただくことで、よろしいでしょうか。
  (各委員からの異議はなかった。)
梅野会長  それでは、今後目安が出た後の専門部会において目安額の伝達を行っていただくこととします。
 では、次の議題(2)の「最低賃金基礎調査結果について」に移ります。
 事務局から説明をお願いします。
田中賃金室長  それでは、私から目安小委員会の資料にもある賃金改定状況調査結果、最低賃金と生活保護との乖離の結果について説明を行います。
(資料No1及びNo3について説明)
 基礎調査結果については担当の今村から説明をさせていただきます。
 
今村労働基準監督官  賃金室の今村です。私の方からは基礎調査の結果について説明いたします。
 資料4の1ページをご覧ください。
 基礎調査の目的は、最低賃金審議会における最低賃金決定又は改正のための審議資料に資するため、労働者の賃金分布を把握することによって、特に低賃金労働者の賃金実態を明らかにするため、統計法に基づく一般統計調査として実施するものです。
 調査の範囲、調査事項につきましてはⅡの通りです。
 兵庫局では、本年、県最賃対象1,239事業所、特定最賃対象1,588事業所の合計2,827事業所に調査票を郵送し、調査を実施しました。
 集計においては、事業所の労働者数を1から9人規模を規模1、10から29人規模を規模2、30から99人規模を規模3とし、また、事業所所在地を阪神、播磨、県北・淡路の3地域に区分しております。
 集計結果は5ページとなりまして、6ページから9ページは集計結果を、地域別最低賃金適用産業について労働者規模、地域別に区分し、特性値を一覧にしたものです。
 特性値とは数値分布の特性を示す数値です。
 10ページでは図とともに説明を記載しておりますが、ここで用いている第1・二十分位数、第1・四分位数、中位数とは低いものから高いものへと順に並べて等分したときの区切値となります。
 すなわち第1・二十分位数とは数値を低いものから並べ20分の1に当たる、下5パーセントの順位に該当する数値となります。
 6ページの地域別最低賃金全産業の特性値をみますと全数では第1・二十分位数、第1・十分位数が共に930円、第1・四分位数が970円、中位数が1,200円となっており、前年度対比ではいずれも増加となっております。
 規模別でみたときの30から90人規模の第1・十分位数、第1・四分位数、中位数は前年度比減となっております。
 こちらは7ページ以降を見ますと、卸売業・小売業、サービス業のほとんどが前年度比増となっているところ、製造業が前年度比減となっていることの影響が大きいかと思われます。
 ただし、製造業につきましては他の年や産業では前年度比が多くは一桁増であるところ、令和3年度における前年度比は15パーセントから30パーセント増となっており、突出して大きく前年度比増という結果でしたので、今年度が前年度比減になっているのは、前年度の大幅な増大が一定程度落ち着いたものと思われます。
 11ページでは集計全数に係る特性値の推移を表とグラフにしております。
 同ページ下段には未満率と影響率を表とグラフにしております。
 ここにある未満率とは現在設定されている最低賃金額を下回っている労働者の割合、影響率とは最低賃金額を改定した場合、その改定後最低賃金額を下回る労働者の割合を言います。
 今年度調査における現在の地域別最低賃金928円に対する未満率は1.4パーセントとなっております。
 12ページは阪神地域の特性値を100として播磨、県北・淡路地域の特性値を比較して地域間格差を表したものです。
 13ページ以降は地域別最低賃金適用産業の基礎調査結果の総括表です。
 総括表1は規模別・地域別・年齢別のもの、総括表2は男女別のものとなります。
 また、21ページには地域別最低賃金適用全産業総括表から算出した最低賃金引き上げ額・率と影響率の関係表となります。
 現在の地域別最低賃金928円を1円から50円の範囲で引き上げた場合に対応する影響率を示しております。
 関係表を見ますと、例えば、1円の引き上げがされた場合の影響率は4.11パーセント、10円の引き上げがされた場合の影響率は13.93パーセントとなります。
 23ページ、24ページは時間額に対する該当労働者、また当該労働者の累積度数の分布グラフです。
 930円や950円の賃金に該当する労働者が一定数おり、そのため引き上げ後賃金額が930円、950円を境に影響率も大きくなることが認められます。
 私からは以上となります。
梅野会長  ただ今の説明について、何かご質問、ご意見等はございませんか。
堀井委員  資料7の地域別最低賃金適用製造業の県北・淡路地区の第1・四分位数の数値が入っていない理由は何ですか。
今村労働基準監督官  資料作成時に消したままで残っているもので、ここで口頭で申し上げますと、令和2年度の空白の箇所は950円、同じく県北・淡路地区の第1・四分位数の令和3年度の前年比は100円増、10.5パーセント増です。
梅野会長  それでは只今ご説明いただいた調査結果が今後の金額審議の判断材料となります。
 労使双方よく検討いただきたいと思います。
 では次に、議題(3)の「意見陳述について」に移りたいと思います。
 事務局から説明をお願いします。
田中賃金室長  兵庫県最低賃金の改定決定に係る関係労使の意見聴取について、7月19日まで公示を行ったところ、関西合同労働組合、不二家神戸労働組合、兵庫県労働組合総連合、兵庫県パート・ユニオンネットワークの4団体から意見書の提出がなされ、いずれの団体からも口頭による意見陳述の希望がありましたので、本日来ていただいております。
 各団体の意見書は本日の資料に資料No.4,5、6、7としてつけております。
 また、7月20日と7月26日、兵庫県労働組合総連合、国民春闘兵庫県共闘委員会から、「兵庫地方の最低賃金を直ちに、1,000円以上に、1500円に引き上げ、中小企業支援の拡充、地域間格差の解消、全国一律最低賃金制度を求める要請書」として合計969筆の個人署名が、兵庫労働局長、兵庫地方最低賃金審議会会長あてに提出されていますので、併せてご報告させていただきます。
 では意見陳述の準備をさせていただきます。
 順番は、関西合同労働組合、不二家神戸労働組合、兵庫県労働組合総連合、兵庫県パート・ユニオンネットワーク、の順とさせていただきます。
 意見陳述の時間はおおむね10分以内、意見交換を含め、各15分以内でお願いしております。
 それでは、準備が整いますまで、少しお待ちください。
  (事務局側で準備)
梅野会長  それでは、最初の方をお呼び下さい。
泉賃金指導官  それでは、最初の方を紹介いたします。
 関西合同労働組合の佐々木様と石田様です。
  (陳述人着席)
梅野会長  審議会長の梅野です。
 早速ですが、提出された意見書に基づいて10分以内で意見陳述をお願いいたします。
意見陳述人  本日は陳述書を書面で用意しており、これを読み上げて陳述します。
 私は関西合同労組の執行委員長をしております佐々木伸良と申します。
 私たち関西合同労組は1995年阪神淡路大震災の直後に結成され、震災で職を失い、事業主が雇用保険未加入だった約1,800名の労働者に対する失業給付を実現してきました。
 また争議をはじめ、労働相談も受け個人加盟形式の地域ユニオンとして活動してきました。
 本日は兵庫地方最低賃金審議会の皆様にご理解いただくための陳述をさせていただきたく参りました。
 はじめに最低賃金法について少し触れさせていただきます。
 最低賃金法には第9条に「地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。」とありますが、私には中央最低賃金審議会を含めた全国の最低賃金審議会の審議内容、労働者の生計費よりも通常の事業の賃金支払能力に重きが置かれているような気がしてなりません。
 昨年7月28日に開催されました第647回兵庫最低賃金審議会議事録を拝読しました。
 この中で最賃引上げによる失業の増大の懸念、企業の支払い能力が労働者の生活よりも優先されるものであるかのような論議がなされていることに驚きました。
 まず失業の増大の懸念ですが、意見書に記述したとおり欧米諸国は10から20パーセントの賃金の底上げ1,500円以上の最低賃金を決めましたが、もし最低賃金の引き上げが失業の増大に直接的につながるとすればこれらの諸国は雇用が保証されている者だけが恩恵にあずかり失業者が巷にあふれる悪政を選択したということになるのでしょうか。
 また現在の日本には建設、介護等低賃金による人手不足に悩む業界がいくつかあると思いますが、賃金の底上げによりむしろこれらの業界への雇用の増大が見込まれるのではないでしょうか。
 次に支払い能力についてですが、私は国民の幸せを、企業は労働者の幸せを第一に考えているものと信じております。
 しかし非正規雇用労働者は全雇用労働者の36.7パーセント、その平均年間賃金は176万円という所謂ワーキングプアにおかれている現在この存在をあざ笑うかのように大企業の内部留保は466兆円を超え、また自公政権は軍事費をGDPの2パーセント5兆円もの増額を画策しています。
 この現実をみるとき先の確信に疑義をいだかざるを得ません。
 企業の内部留保は労働者が働くことによって得られた利潤ですし、軍事費は国民が支払った税金で賄われていることは論を待ちません。
 これらのお金を生活苦に置かれている労働者の賃金底上げに使うべきです。
 私たち労働者にも生存権、幸福追求権が憲法で認められているはずです。
 結婚し、子供を育て、家庭を持つことがその実現のひとつの要素であることは間違いありません。
 現在の最低賃金でそれは可能なのでしょうか。
 また都市部と地方で生計費の差も認められません。
 私たちが要求する全国一律1,500円の最低賃金はそれを可能とする最低限の要求なのです。
 確かにこれが実現されれば支払い困難な企業が出で来ると思われますが、そのような中小零細企業に的確な支援を実施し、誰もがどこで働いていても幸福でいられる、これを実現してこそ国民のための国家、労働者のための企業といえるのではないでしょうか。
 さらに光熱費、食料品等で3パーセントもの価格高騰があります。
 言うまでもないことですが、生活必需品の価格高騰は低所得者ほど打撃が大きいです。
 政府も物価対策を行っているようですが、当分これは治まる見込みがないとの見方が多数を占めています。
 またコロナ渦で特に大きなダメージを受けた観光、飲食業の再生のためにも賃金の底上げは不可欠だと考えています。
 厚生労働省の毎月勤労統計調査をみても労働者の平均賃金は、1998年以降多少の変動はありますが下落を続けております。
 2020年には2009年リーマンショックで底を打ったかのように見えた水準の賃金に近づきつつあります。
 このままではコロナ禍で緊縮した経済の活性化などおぼつくはずもありません。
 一方で、年間報酬1億円を超える役員は500名以上にもなり、昨日の朝日新聞の報道ですが株主配当金にいたってはこの20年間で4.8倍にも増加しています。
 これは正に異常な事態といってもよい状況ではないでしょうか。
 兵庫地方最低賃金審議会の委員の皆様におかれましては、以上の事情に鑑み全国一律最低賃金1,500円の実現のためにご尽力くださいますようお願い申し上げる次第であります。
 以上陳述いたします、ありがとうございました。
意見陳述人  関西合同労組の副委員長をしております石田です。
 意見書に書きました点で強調したい点、3点を述べさせていただきます。
 2013年に国連の社会権規約委員会が日本の最低賃金は最低生存水準を下回っているという衝撃の勧告を出しています。
 この構造は今なお同じ事態であると思います。
 日本の最低賃金はOECD諸国の中でも最低で、何故日本だけがこれほど最低賃金が低いのか、私たちは失われた20年等々色々原因はあるのでしょうが、異常な事態であると思います。
 そして、重要なことは最低賃金に張り付いている労働者が一体いくら居るのかということで、様々な指標がありますが最低賃金の平均の1.1倍以下の労働者は約850万人、1千万人は下らないと思います。
 だから最低賃金の動向というのは本当に大勢の労働者の生活・生存にとって徹底的な深刻な問題であるということを強調したいと思います。
 先ほど委員長も言いましたが最低賃金が引き上げられると雇用が悪化するという定説に対して最賃の研究が色々進んでいるようです。
 アメリカやヨーロッパでも最賃を上げることによって雇用が良くなっているケースが幾つも報告されています。
 日本の経済の二重構造、中小零細企業が大変であることは重々承知しておりますが、一方で大企業が下請けの中小零細企業を収奪している様々な制度や実態について、政府が援助をすべきだと思います。
 そのことが最低賃金を上げない理由にはしてはならないと思います。
 かつてはジャパンアズナンバーワンと言われていた国が国連からこのような勧告を出されるのは本当に恥ずかしい。
 時の政府はこの間はパーセンテージを上げてきました。
 3パーセント近く上がっても物価は3パーセント上がっております。
梅野会長  そろそろ10分経過していますので纏めてください。
意見陳述人  先ほど委員長も言いましたが大企業の内部留保が500兆円もある一方で底辺の労働者の生活実態は厳しいのでこれを何とかしていただきたい。心から願っております。
 以上です。
梅野会長 ありがとうございます。それでは只今の意見に関しまして何かありましたらどうぞお願いします。
  (各委員からの質問は無かった。)
梅野会長  無いようですので意見陳述は終わります。ありがとうございました。
 それでは次の方お願いいたします。
泉賃金指導官 それでは次の方を紹介いたします。不二家神戸労働組合の藤原様です。
  (陳述人着席)
梅野会長 おはようございます、審議会長の梅野です。それではこの資料に基づいて10分以内でお願いします。
意見陳述人  それでは提出させていただいている意見書に基づいて陳述をさせていただきます。
 意見の要旨としては1ページに書いてあるとおり、兵庫県最低賃金を労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができる賃金、労働者の生活の安定、労働力の質的向上に値する最低賃金に引き上げること。
 そのために、時間給1500円を目指し、1200円以上にすること、時間給1500円を目指し、1200円以上にするために、必要と思われる政策についての建議を行うこと、ということで、昨年の意見の要旨と同じということになります。
 その上で2ページを見ていただくと3点、「引き上げ額の議論の前に」、「額の議論にあたって」、「建議のために」と提案させていただています。
 4ページ目の「はじめに」では「最低賃金大幅引き上げキャンペーン」のチラシ、日本弁護士連合会と兵庫県弁護士会の会長声明を取り上げさせています。
 兵庫県弁護士会は昨年とは違って中小企業に対する十分な支援が入っていることに注目していただきたい。
 兵庫県弁護士会は、以下のことを求めています。
 厚生労働省に対し、地域間で格差のない全国一律最低賃金制度を実現するとともに、最低賃金引上げに伴う中小企業への充分な支援を直ちに講じるよう求める。
 兵庫県地方最低賃金審議会に対し、中央最低賃金審議会の答申にかかわらず、兵庫県地方最低賃金の大幅な引き上げを答申することを求める。
 基本的に弁護士会の意見は私達の主張に近いものがあるので紹介させていただきました。
 5ページを見ていただくと、例年言っていますが審議会委員や労働局長が最低賃金で生活していれば、今の最低賃金では生活できない、直ちに1500円に引き上げようといった議論が起こるのではないかと思います。
 6ページでは兵庫県の人口流出問題を取り上げています。
 グラフを見ていただくと分かるように、全国でワースト、20歳から24歳が占める割合は80パーセント近くになっています。
 最低賃金の低い所からの人口流出が結構あることが分かっていますので最低賃金の引き上げが課題となります。
 昨年まで兵庫県弁護士会は大阪を上回る答申をとされていましたが、今年は大阪だけではなく首都圏を意識して会長見解が出ていると思います。
 ですので東京を上回る額での答申をと思っています。
 7ページを見ていただくと、答申とともに建議をし、労働局の広報でも額だけでなく建議について取り上げるよういつもお願いしています。
 建議は審議会の重要な役目だと考えていますし、審議会からも労働局に建議の広報を行うよう意見を言っていただきたい。
 9ページでは国連・社会権規約委員会の勧告を取り上げています。
 11ページは生活保護との関係ですが、2008年から議論になっている問題を紹介しています。
 生活保護との比較対象者として単身、若年の労働者で週40時間、正月休み、夏休み、ゴールデンウィークも無くコロナにかかっても働き続けるモデルをベースにしていますが、現実社会ではあり得ない観念的な比較対象ですので、審議会の方からもこういう資料を作って欲しいと言っていただき、そういったものをベースに最低賃金の議論をしていただきたいと思います。
 続いて額の議論ですが、最低賃金1,500円を求める声は強まっていおり、ワーキングプアは年収200万円、「結婚の壁」は年収300万円といわれていますが、これらの額を時給にするとワーキングプアを脱するためには1,200円、結婚の壁を超えるには1500円の時給が必要だと思っています。
 また国際的にも先進国の中では低すぎると思っています。
 15ページでは、兵庫県のパートの募集賃金の平均が1,150円になっているので、そういったことも勘案しながら最低賃金を決めていただきたい。
 16ページでは物価上昇についてですが、物価上昇がありますので5パーセント以上の最低賃金の引上げが必要だろうと思います。
 17ページ以降もこういったことを考慮していただきたいということで書かせていただきました。
 20ページは中小企業への賃金助成制度、社会保険料の免除・軽減制度について考えていただいたらと書かせていただいています。
 21ページでは全国一律最低賃金についての要望です。
 以上簡単ですが意見とさせていただきます。
梅野会長 ありがとうございました。ご意見等ございましたらどうぞ。
  (各委員からの質問は無かった。)
泉賃金指導官  それでは次の方を紹介いたします。
 兵庫県労働組合総連合の中村様です。
 資料は6です。
意見陳述人  兵庫労連で副議長をしています中村です。
 6の資料をご覧いただいて、全労連では全国の最低生計費試算調査を行っています。
 兵庫においても2020年夏から調査を行ってきました。
 今年の6月に結果が出ましたので報告を兼ねて資料を付けています。
 結果、女性は1,582円、男性は1,626円の賃金が必要であるとの結果になりました。
 2ページは結果報告書で、生活実態調査と価格市場調査です。
 詳しくは読んでいただければよいのですが、3ページには算定方法が書かれています。
 ひとつひとつ必要な物を決め、価格調査をして積み上げています。
 モデルとしては神戸市須磨区の板宿に住んで、勤め先は中央区との設定です。
 若者の意見も採用しながら、もし一人暮らしだったら何処に住むだろうといったことも考慮しました。
 現在の最低賃金928円では足りないことは明らかで、22ページの図1では最低生計費が実線、最低賃金が点線で、最低生計費の格差は全国的に余りなく、最低賃金の格差は大きいことを表しています。
 男性1,626円、女性1,582円の計算の元となっている労働時間は人間らしい生活と両立できる労働時間月150時間の設定にしていますが、仮に法的に許される最長の所定内労働時間である173.8時間にしても男性1,404円、女性1,365円となります。
 ここまで引き上げる654円から698円必要で1.5倍以上となりますので中小企業支援が必要です。
 弁護士会の意見書に社会保険料の免除・軽減制度、消費税率の軽減等がありましたが、今のところ手付かずです。
 私の場合扶養家族2名で、社会保険料は39,872円ですが、一人暮らしの若者はもっと払っているので大変だと思います。
 社会保険料は同じ額を企業も負担しているはずなので、それを全部免除したらかなりの額になるので中小企業も助かると思いますので審議会にはそれを求めていただきたい。
 また調査結果からも分かるように最低生計費に違いはありませんので、全国一律最低賃金制度を求めていただきたいと思います。
 今日は意見を言わせていただきありがとうございました。
 今後も専門部会、審議会の全面公開を求めてゆきますのでよろしくお願いします。
 以上です。
梅野会長  ありがとうございました。
 ご意見ございますか。
  (各委員から意見は無かった。)
梅野会長  どうもありがとうございました。
 それでは次の方お願いします。
  (陳述人着席)
泉賃金指導官  それでは最後の方をご紹介します。
 兵庫県パート・ユニオンネットワークの山本様と森口様です。
意見陳述人  兵庫県パート・ユニオンネットワークの事務局長の森口です。
 初めに一言お話ししますと、兵庫県パート・ユニオンネットワークは30年にわたって非正規労働者の地位と権利の向上のための活動を行っている団体です。
 今回、最低賃金をいますぐ1,000円に引き上げること、全国一律最低賃金にすることを要望し、意見書として提出しています。
 1,000円になったとしても1日8時間週5日働いても年収は200万円ほどにしかなりません。
 またコロナ禍や物価上昇も続いており、健康で文化的な生活を営むには足りないので1,000円以上に引き上げる必要があります。
 私達は昨年から非正規労働者の声を意見書に載せており、今年も山本三千子さんから申述をしていただきますので、実際の生の声を聴いて審議をお願いします。
意見陳述人  兵庫県パート・ユニオンネットワーク代表委員で、自治労兵庫県本部臨職協議会事務局長の山本と申します、よろしくお願いします。
 昨年も意見書を提出しましたが、一部昨年の内容を含んでいることをご了承ください。
 私は市役所の事務補助として30年近く働いています。
 公務職場は行財政改革で正規職員が減らされて新規採用が抑制され、臨時・非常勤職員、嘱託職員に置き換えられてきました。
 消費生活相談員、学童指導員は約9割、図書館、学校給食、保育士、学校用務員は半数を超えて基幹的恒常業務を担っています。
 その6割以上が正規職員に準じた勤務時間で働いています。
 この実態をみると私達は公共サービスの重要な担い手となっています。
 しかし私達は公務職場で働きながら地方公務員法、パートタイム労働法、労働契約法の何れも適用除外とされ法の谷間に置かれ、処遇においても多くは年収200万円以下の官製ワーキングプアといわれる低い賃金で働いていました。
 その中で2017年5月に地方公務員法と地方自治法の一部が改正され、2020年4月から会計年度任用職員制度が施行されました。
 この法改正の趣旨は、処遇改善、正規職員との均等・均衡であり、賃金や労働条件の見直しがありました。
 多くの臨時・非常勤職員は時給から月給になり、昇給や経験加算もつくようになりました。
 しかし、給料表においては上限があったり、また昇給も正規と同じというのは中々厳しいものがあり、初任給も高卒よりも低く、正規職員との均等・均衡からはかけ離れた内容となっています。
 当時、会計年度任用職員給与表は先程申し上げたように正規との均等・均衡の観点から正規の給与表に準ずる自治体が殆どです。
 当局は2019年7月の交渉で、私は事務補助として働いていますので当時初任給を144,100円、これはフルタイムになるのですが、の提示がありました。
 時給換算すると7時間45分掛ける月の勤務日数21日とすると885円となります。
 当時の最低賃金は871円でした。
 最低賃金が10月の改正により899円となり、給与表も人事院勧告を受けて146,100円となりました。
 時給換算すると897円です。
 組合では897円は最低賃金を下回っていると抗議しましたが、当局は最低賃金のことは全く頭にありませんでした。
 交渉により最終的にフルタイムで147,200円、時給換算で904円となりました。
 昨年10月に兵庫県地域別最低賃金が見直され928円に改定され、時給の会計年度任用職員の時給が904円から932円に改正されました。
 ところが月給の会計年度任用職員の場合、時給換算すると最低賃金を下回ることが分かりました。
 初任給月額が132,954円、時給換算では904円と最低賃金を下回りますが、これについて当局は年間所定労働日数243日、1日7時間で計算すると時給937円で最低賃金は下回っていないと主張しました。
 給与条例では会計年度任用職員の時給計算は月平均所定労働時間で定められていますが、正規職員の給与条例では年間所定労働日数とされ、考え方がダブルスタンダードになっています。
 厚生労働省の最低賃金額の計算方法でもホームページで両方の計算が示されています。
 時給で働いている者は賃金を上げるが、月給者にはこの考え方により月給給料表は据え置きのままという納得できないことが起こりました。
 会計年度任用職員の給与表の実態と、実際に最低賃金が上がっても月給が上がらないという理不尽な状況を今年意見書に提出させていただきました。
 月の計算であれ、年間の計算であれ最低賃金を下回る額が出るのはおかしいのではないか。
 最低賃金はいますぐ1,000円に引き上げていただくことを求めていきたいと思います。
 どうかよろしくお願いします。
梅野会長  ありがとうございました。
 ご意見等ありますでしょうか。
日下委員  日下と申しますが、引き上げの話はよく分かったのですが、月給職場での月給者の計算方法について時給を上げることによって解決するというよりも、計算方法や取扱のルールの方に課題があるとの受け止めでよろしいでしょうか。
意見陳述人  それもありますが、やはり最低賃金、両方の計算があっても、本来最低賃金は上回るべきではないかというのがあって、今の最低賃金はもっと上げていただきたい。
日下委員  額としては引き上げるべきものだと思っていますが、飽くまで計算ルールが課題であって、額が上がったからといって計算のルールが変わらなければ下回ることもあるという印象です。
意見陳述人  計算ルールは勿論そうですが、最低賃金が上がればどちらの計算であっても下回るということがなるじゃないですか。
 上がるじゃないですか。
 この例でいうと丁度間になっていますが、当局との間で計算ルールの交渉をすればよいのですが、でも上がれば自分たちの生活の収入は増えるわけですよね。
 上がるわけですよね。だから大幅に上げて欲しいということです。
 どこでも最低賃金すれすれのところで働かされていることを分かって欲しい、最低賃金が上がらないと非正規で働いている者の収入が上がらない。
 皆ぎりぎりで、まあ経営者側の人はそうなんでしょうが、そういうふうになっている実態があるので大幅に上げて欲しいということなのです。
梅野会長  はい、ありがとうございました。
 他よろしいですか。
山口委員  計算方法は取り敢えず置いておいてもよいということですか。
 我々は最低賃金の審議をしていますが、一定程度は計算方法のところも理解しておいた方が良いとのことですか。
意見陳述人  厚労省のホームページには何種類か計算方法が出ていますが、私たちの計算では下回るが相手の計算方法はこっちだから下回っていないという、それが今回は公務職場で起こったのですが、民間の職場でもあるのではと思います。
梅野会長  他ありますか。
 それではこれで意見陳述は終了とします。
 では最後の議題(4)その他ですが、事務局から説明してもらえますか。
田中賃金室長  次回の日程について説明いたします。
 次回は8月5日金曜日午後2時となります。
 また、次回本審についての公開・非公開の判断についてのご確認をお願いいたします。
梅野会長  では次回本審は、8月5日金曜日午後2時からとしたいと思います。
 次に、公開・非公開ですけれども、審議会については、原則公開ということでありまして、今年度の地賃の答申も、昨年同様非常に注目を浴びているところでもあります。
 昨年も公開としましたので、今年も本審は公開でも構わないかなと思いますが、いかがですか。
  (各委員異議はなかった。)
梅野会長  では次回は、8月5日金曜日午後2時から、公開ということで審議会を行いたいと思います。
 他に事務局からは何かありますか。
田中賃金室長  次回の本審日程ですが、今後予定される専門部会の審議進捗によっては調整が必要になる場合もあろうかと思います。
 また、8月5日午前の専門部会開催状況により、開始時刻がずれこむ場合もあると思います。
 その場合は、本審の委員の方には開始時刻まで待機いただく場合もございますが、ご理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
泉賃金指導官
 
 本日は、この後引き続き、兵庫県最低賃金専門部会第1回専門部会を、この会場で開催します。
 ご案内は、11時15分とさせていただいておりますが、会場準備のため、出席いただく委員の皆様は、会場周辺でしばらくお待ちいただきますようお願いします。
 また、傍聴の皆様で、引き続きの方もいらっしゃると思いますが、いったん退出いただきますようお願いいたします。
 傍聴者の退席後、事務連絡もございますので、委員の方は少しだけ着座のままでお願いいたします。
梅野 巨利
日下 修次
松岡 直哉

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