第1回兵庫県最低賃金専門部会議事録

日時  令和4年7月29日(金)    11時10分~11時41分
場所  神戸地方合同庁舎1階 第4共用会議室
出席者 公益委員  梅野会長、桜間委員、山口委員
労働者委員 小西委員、堀井委員
使用者委員 倉本委員、松岡委員、𠮷川委員
事務局 木下労働基準部長、田中賃金室長、泉賃金指導官、今村労働基準監督官、木多専門監督官、大森専門監督官
議題    (1) 部会長及び部会長代理の選出について 
   (2) 兵庫県最低賃金の改正審議について 
   (3) その他 
議事録 泉賃金指導官  ただ今から第1回兵庫県最低賃金専門部会を開会いたします。
本日は岩﨑委員が欠席ですが、最低賃金審議会令第6条第6項の規定による定足数を充足しておりますことを御報告します。
本日は、第1回目の専門部会となりますので、部会長が選出されるまでの間、事務局で議事を進行させていただきます。
傍聴者の方には、受付でお渡ししております遵守事項に従い、円滑な議事進行に御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、審議に入ります前に労働基準部長の木下より御挨拶申し上げます。
木下労働基準部長  労働基準部長の木下でございます。
 今年度の第1回目の専門部会の開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 専門部会委員の皆様には、業務ご多忙の中、当部会へ御出席いただき誠にありがとうございます。
 今年度の兵庫県最低賃金の改正決定につきましては、去る7月4日に局長の鈴木より、新しい資本主義実行計画と骨太方針2022にご配意いただいた審議をお願いしているところでございます。
 しかしながら本来1回目の部会でお示しすべき目安額につきまして、中央において未だ審議の最中でございまして、来週前半までには答申予定であると伝えられるにとどまっているところでございます。
 ちなみに過去目安答申が8月に行われた例につきましては、4回あるところでございます。
 これから委員のみなさまにおかれましては、集中的なご審議を行っていただくわけでございますが、本日朝8時30分に解禁されました6月の兵庫県内の雇用情勢につきましては、2年ぶりに有効求人倍率が1倍台を回復して1.02倍になるなど持ち直しの動きが見られる一方で、3年目に入ります新型コロナウイルス感染症への対応、あるいはウクライナ問題に端を発する世界的な物価上昇が日本に及ぼす影響など問題も多く、これらを勘案しつつの大変難しいご審議になるかと思います。
 事務局といたしましては、専門部会の円滑な運営と委員の皆様の求めに応じました資料収集に精一杯努める所存でございますのでどうぞよろしくお願いいたします。
泉賃金指導官  それでは、議題1「部会長及び部会長代理の選出について」に移ります。
 部会長及び部会長代理の選出につきましては、最低賃金法第25条第4項の規定により、公益代表委員のうちから選挙等により選出していただくことになります。
 慣行によりますと、まず公益代表委員の皆様の御相談等により部会長及び部会長代理の候補者を御推薦していただき、その後御推薦いただいた委員を専門部会にお諮りするということにさせていただいておりますが、それでよろしいでしょうか。
各委員 (異議なし。)
泉賃金指導官  それでは、公益委員の方からの御推薦をお願いいたします。
梅野委員  部会長に桜間委員、部会長代理に山口委員を推薦いたします。
泉賃金指導官  ただ今、御推薦いただきましたとおり、部会長に桜間委員、部会長代理に山口委員とのことでありますが、よろしいでしょうか。
各委員  (異議なし。)
泉賃金指導官   異議なしとの声をいただきましたので、部会長に桜間委員、部会長代理に山口委員が選出されたものと確認します。
 それでは、この後の専門部会の議事進行につきましては、部会長にお願いいたします。

桜間部会長

 部会長に選出されました桜間でございます。
 今年度は未だ中央で目安が示されていないとうことで、例年とは少し違うところがあると思いますが、慎重審議に努めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それでは議事を進行したいと思います。
 まず専門部会の議事録の確認をいただく委員を指名したいと思います。
 部会長及び部会長が指名した委員2名が議事録の確認を行うこととしましたので、労使委員から1名ずつ指名したいと思います。
 労働側委員は、どなたにされますか。
堀井委員  堀井でお願いします。
桜間部会長  使用者側委員はどなたにされますか。
松岡委員  松岡でお願いします。
桜間部会長  それでは、当専門部会において議事録の確認をいただく委員は、私と堀井委員、松岡委員とすることといたします。
 また、この確認を行う委員が欠席された場合は適宜、代わりの委員を指名することにしたいと思いますが、それでよろしいですか。
各委員  (異議なし)
桜間部会長  それでは、議題2の「兵庫県最低賃金の改正審議について」に移ります。
 今年の中央での目安審議に関しましては、まだ目安の答申が示されていませんが答申が出た場合、その状況も参考にしながら、兵庫県の最低賃金について議論を進めていきたいと思います。
 このあたりについて、事務局の方から説明をいただけますか。
田中賃金室長  賃金室長の田中です。よろしくお願いいたします。
 中央の方で7月25日までに4回の小委員会が開催されてきましたが、本日までのところ、小委員会での報告がなく目安答申が出ていないという状況でございます。
 目安額の根拠について納得できるものにしてほしいという労使からの強い意見がございまして、再検討のため時間をかけているというところでございます。
 週明け目安の答申が我々の手元に入り次第、当専門部会におきまして伝達説明をさせていただきたいと思います。
桜間部会長  それでは、本日は第1回目の専門部会ですので、労使から審議に臨むにあたっての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
 先に労働側からお聞きしたいと思いますので、お願いします。
堀井委員  それでは労働側の代表として、堀井の方から述べさせていただきたいと思います。
 基本的な考え方につきましては、昨年までと大きく変わることはありません。
 誰でも1.000円を目指す上で、雇用戦略対話での合意であります全国最低賃金平均1.000円を目指すということになります。
 また政府もより早期に全国加重平均1.000円を目指すことを堅持しているということでございます。
 私たちは働いて得た賃金で家族とともに生活できる社会の実現を目指すべきであって、少なくとも連合が取りまとめていますリビングウェイジの金額へ早期に到達しなければならないというふうに考えています。
 現在新型コロナウイルス感染拡大は第7波が顕著となっていますが、社会経済活動を維持する方向となっています。
 引き続きマスク着用、うがい、手洗いによります消毒を継続することで恒常的な家計の支出になるということです。
 この支出については、最低賃金近傍で働いている人たちにとっては大きな影響を与えているということになります。
 さらには生活保護申請が今年度に入り減少傾向となっていますが今後、特例の貸付、雇用調整助成金の国の支援制度が終了すればさらに増加することも想定されます。
 働いていたにもかかわらず早々に生活保護を申請しなければならなかったとすれば、専門部会として、法が目的とします生活の安定や国民経済の発展に寄与することの解を示すことが求められているのだろうと考えています。
 現在コロナ禍によって世界的に停止していた経済活動が一斉に動き出したこと、またロシアによるウクライナ侵攻が行われたことから、エネルギー並びに原材料価格が高騰して県民の生活は従来以上に厳しくなっており、出口が見えない状況となっています。
 最低賃金は、社会のセーフティーネットであり労働条件改善、生活安定、労働力質的向上、公正競争確保とともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とされておりまして、従来以上に最低賃金の審議に注目が集まるものと考えています。
 今年度においても、私たちはお互いの立場と法の趣旨を理解しながら、兵庫県の最低賃金を決定していきたいと考えております。
 労側としましては以上です。
桜間部会長  それでは使用者側委員お願いいたします。
松岡委員  使用者側の考えを松岡より説明させていただきます。
 今年の最低賃金の審議が始まりましたが、なかなか収束しない新型コロナウイルスの影響は第7波に入り、いまだに予断を許さない状況にあります。
 経済を回す政策の実施によって、飲食業などを除けば、多くの業種で深刻な状況を脱しつつありましたが、中国のゼロコロナ政策による物流の混乱、ここに2月から続くロシアによる軍事侵攻が加わり、世界中がエネルギー価格をはじめとする急激な物価の上昇にさらされており、半導体不足、原材料高騰により、多くの企業が足元の業績悪化を招いております。
 わが国においても6月の生鮮食品を除く消費者物価指数は2.2%、一方国内企業物価指数は9.2%と前年より上昇し、生活者も企業も同様に苦境に立たされている現実がございます。
 今年4月に日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会の中小企業3団体は共同で最低賃金に対する要望を出されまして、最低賃金の審議においては中小企業、小規模事業者の経営実態を十分に考慮するとともに、法が定める3要素、生計費、賃金、支払能力に基づき、各種指標、データによる明確な根拠の元で納得感のある水準を決定すべきであると要望しております。
 当審議会でも使用者側はデータに基づく審議を心がけてまいる所存でございます。
 最低賃金の引上げがマクロ経済全体を活性化させる策の一つであることは承知しております。
 しかしながら、最低賃金は最低賃金法第1条の規定では、賃金の低廉な労働者に対するセーフティネットであり、平均的な賃金水準の引上げや消費の拡大といった経済政策が目的ではございません。
 最低賃金の引上げにマクロ経済の活性化の任を負わせるのは無理があります。
 また、繰り返しになりますが同法第9条には、地域別最低賃金の決定にあたっては、労働者の生計費、及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならないと明記されております。
 ところが近年の最低賃金は平成28年以降、令和2年度を除いて引き上げ率3%台の大幅な引上げが続きまして、消費者物価指数や賃金上昇率といった生計費、賃金支払能力に関する各種指標を見ても3%台引き上げの根拠が見当たらない状況であり、多くの中小企業からは経営実態を十分考慮した審議が行われていないのではないかと指摘をされています。
 兵庫県は五国に広がり、地域ごとに特色を持って産業を発展させてきました。
 逆に言うと、県下の地域ごとにその産業構成が大きく異なっており、現在のコロナ禍における状況も様々なものとなっております。
 北西播や但馬の飲食業、宿泊業、小売店などの業種の求人広告を見てみますと、実際に最低賃金ぎりぎりの時給928円から930円が提示されており、人材不足に悩む阪神地区などで1.000円以上の時給で求人しているような事情とは明らかに異なっております。
 実際これらの中小企業の経営者は大変苦しんでおります。最低賃金イコール実際の賃金というのが実態でございます。
 これらの企業は兵庫五国の地域経済や雇用を支えてきた企業であることを改めて考慮していただく必要がございます。
 県内の地場産業などにおいても、安定した賃金の上昇で事業の継続を可能なものとするべくデータに基づき、労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力の3要素をしっかりと考慮した丁寧な議論を重ね、苦しんでおられる中小企業の経営者また労働者の方にも納得感のある結論を求めていくことを望んでやみません。
 使用者側からは以上です。
桜間部会長  ありがとうございます。
 それぞれの基本的な考え方に対してのご質問、補足等はございますでしょうか。
各委員 (質問等なし。)
桜間部会長  ございませんか。
 労使それぞれの立場からの基本的な考え方をお伺いいたしました。
 今後、労使が共通の認識を持てる部分、認識が異なる部分等についてさらにご意見を交換していただき、議論を深めていきたいと考えております。
 また、中賃で示された目安の答申や。基礎調査結果の状況等を踏まえ、三者合意を目指して審議を進めていきたいと思いますので皆さんよろしくお願いします。
 ほかにご意見等はございませんか。
各委員

(意見なし。)

桜間部会長  それでは最後に今後の日程についてご意見はございますか。
各委員  (意見なし。)
桜間部会長  事務局の方から案を示していただけますか。
   (事務局(案)を配布)
田中賃金室長  (案)として下書きさせていただいたものです。
 先般、少しお話させていただいていた8月1日、8月3日、8月4日とございます。
 目安の答申自体が現時点ではいつでるのか示されていないことと、8月1日が月曜日ですので、目安の答申がまだ出ていない可能性が高いところでございます。
 委員のご意見はいかがでしょうか。
各委員  (意見なし)
田中賃金室長  特にないようでしたら、8月3日10時からというのはいかがでしょうか。
堀井委員  8月1日は行わずに8月3日ということですね。
田中賃金室長  8月1日は目安の答申が出ていない可能性が高いので、8月1日をなくして8月3日に開催することが妥当ではないかということです。
松岡委員  今、中賃の小委員会が招集されているのはいつですか。
田中賃金室長  まだわからないです。
桜間部会長  3日開いて、その後は3日の時点でそのあとの日程を考えるということになりますか。
田中賃金室長  3日、4日、5日は開催できるような状況でございますので、その都度確認いただければと思います。
 ということであれば、8月3日水曜日の10時、兵庫労働局の会議室で開催ということでお願いできればと思います。
堀井委員  中央の日程が見えてないのであまり言えないのですが、8月1日か2日に再設定して開催されると思っています。
 2日に開催されて、3日の朝方までずれ込んだ場合、3日の10時に入れておくと日程的に難しいと思うので、3日にやるなら午後からのほうが現実的な気がします。
田中賃金室長  会議室等の都合もございますので、確認をさせていただきます。
 午後2時ということでひとまずお願いできればと思います。ただ、最終確認が取れていませんので、もし変更等あれば速やかに伝達いたします。
堀井委員  第2回目は8月3日14時を予定として入れるのですが、下の方に「又は」で8月8日、9日を予定すると書いてあるのですが、今まで10月1日改正を目指して審議をやってきたわけです。
 それを考えると8月7日が10月1日発効のリミットだったと思います。
 そうすると8月6日、7日の土日を含めてでもやるかどうかという話はどうかなと労働側としては感じてるんですが。
田中賃金室長  事務局から補足をさせていただきます。
 予定書と合わせて効力発効日の一覧を入れております。
 10月1日発効ということで8月5日をリミットとご案内しておりましたが、先ほど堀井委員からもございましたが8月6日、8月7日でも発効日は10月1日で可能だということでございます。
 資料の方に書かせていただいているのは週末を除いて審議が伸びた場合の案内としまして8日、9日と書かせていただいていますが、日曜日までであれば10月1日発効が可能です。
 8日、翌月曜日であれば10月2日、9日であれば10月5日発効になるということでございます。
桜間部会長  10月1日発効ということであれば、土日も考えないと難しい日程になるのかなということですが、そのあたり皆さんいかがでしょうか。
倉本委員  月の途中で賃金が引き上げられると、今回法律的に引き上げられるわけですが、実際会社の中では月初めから変えないといけなくなるのが実態であると思っていますので、そんなに意味があるのかなという気がします。
堀井委員  そういう企業もあるし、引っ張って10月5日なら10月5日から引き上げることで影響する人もいると思います。
 過去の審議では10月1日にある程度こだわってやってきた経緯があるので、地方としては10月1日にこだわった審議をやって、結果はどうなるかわかりませんが、そういった努力はやらざるを得ないかなと思っています。
 審議の継続の中身で変わりますが、可能性としては残しておいた方がいいのではないかと思います。
桜間部会長  今後の審議がどうなるかは不透明ですけれども、そういう可能性を考えてみてはどうかというのが労側のご意見です。
松岡委員  使用者側もいたずらに審議を引き延ばすつもりはございませんので早く決めれば決めた方がいいとは考えていますが、8月1日がなくなって1日マイナスになってしまってるんですね。
 丁寧な審議をするのが重要なことだと思いますので、おしりありきで考えないようにすべきではないかと思います。
桜間部会長  日程については、今後の審議をにらみながらしか決められないのですが、労側としては10月1日にこだわって日程の方も考えたいということですので土日も含みとして考えていただければというお話ですね。
松岡委員  出席できる委員の皆さんの人数も変わってくると思います。
𠮷川委員  3日、4日でも目安が出ていないということも考えられるんですよね。
桜間部会長  3日の時点でどうなってるかが一番大事なので、そのうえで改めて日程については検討するということでよろしくお願いします。
田中賃金室長  改めて確認させていただきます。
次回につきましては、8月3日水曜日の14時から兵庫労働局の方で考えさせていただきます。
合わせまして、次の部会の公開、非公開についての判断をお願いします。
桜間部会長  それでは次回部会についての公開非公開についての判断でございますが、次回は労使で金額審議を行うことになりますので、「公開することにより率直な意見交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」に該当するものと考えられますので非公開としたいと思いますがいかがでしょうか。
各委員  (意見なし。)
桜間部会長  特に意見はございませんか。
各委員  (意見なし。)
桜間部会長  それでは次回は金額審議を行いますので非公開としたいと思います。
 そのほか事務局から連絡事項はございますでしょうか。
田中賃金室長  事務局からも特にございません。
桜間部会長  それではこれで本日の部会を終了いたします。お疲れさまでした。
桜間 裕章
堀井 説也
松岡 直哉

その他関連情報

情報配信サービス

〒650-0044 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 神戸クリスタルタワー14・15・16・17階

Copyright(c)2000-2011 Hyogo Labor Bureau.All rights reserved.