過重労働・過労死
A:どうして時間外労働時間を規制するのですか。 | |
B:長時間労働を行うと、身体に悪影響があるからなのです。 具体的にいうと、脳血管疾患(脳卒中など)、心臓疾患(心筋梗塞など)、精神障害(うつなど)を発症するリスクが高くなるといわれているからなのです。 1か月の労働時間が45時間を超えると健康被害のリスクが徐々に高くなり、2か月から6か月の平均で60時間から80時間でリスクは相当程度高くなり、100時間になると非常に大きなリスクがあるといわれています。 長時間労働によって心身に悪い影響が出る原因の一つは睡眠時間だともいわれています。 つまり、誰にとっても1日は24時間ですから、時間外労働時間が長くなると、必然的に睡眠時間が短くなる、睡眠時間が短くなると心身の健康に影響が出る、というわけです。 |
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A:でも、時間外労働をたくさんしても健康な人もいますよね。 | |
B:個人差もありますし、個別の素因というものもあります。 また、長時間労働をした場合、必ず、すぐに心身の健康に被害が出る、というわけではないのですが、健康被害のリスクは高くなっていると考えられています。 時間外労働をたくさんしても健康、という人は、「たまたま、きょうはまだ健康」、なのかもしれません。 誰しも、自分だけは大丈夫と考えがちですが、この大丈夫という考えに絶対はありません。 また、健康そうに見えるから長時間の時間外労働時間をさせても大丈夫、ということにも「絶対」はないのです。 会社は、労働者の健康と安全を守る義務(=安全配慮義務)があるのですから、長時間の時間外労働をさせて健康被害を生じさせることは、安全配慮義務違反であることを認識していただきたいと思います。 健康診断を受診させる、というのも、健康管理には重要なことです。 |