女性活躍推進法(女活法)一般事業主行動計画とは

 

「女性活躍推進法の計画づくり、何から始めればいいのか分からない……」 「難しそうな計算や分析を自力でやるのは大変そう……」

そう不安に思う必要はありません!国が提供する無料の便利ツールを使えば、自社のデータを入力するだけで、現状分析から計画書の文面案まで自動で作成できます。 本ページでは、初めて担当になった方でも、上から順番に進めるだけで確実に労働局への届出と情報公表まで完了できるよう、実務手順に徹して優しく解説します。
 

01.【まずは確認】あなたの会社は?企業規模別のやることリスト

女性活躍推進法は、「常時雇用する労働者数」(※正社員だけでなく、パートやアルバイト、有期雇用労働者なども含みます)の人数によって、対応義務の範囲が変わります。まず自社の人数をカウントしてみましょう。
 
「常時雇用する労働者」の定義(正社員以外も含みます)
 1. 期間の定めなく雇用されている者
 2. 過去1年以上の期間引き続き雇用されている者、または雇入れ時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者

企業規模別の義務・努力義務一覧(令和8年度法改正対応版)


専門用語のプチ解説
一般事業主行動計画: 企業が「女性の活躍をさらに進めるために、これから何を(目標)、いつまでに達成するか(計画期間・取組内容、取組の実施時期)」をまとめた作戦計画書のことです。
情報公表: 自社の女性管理職の割合や男女の賃金の差異などの実態を、求職者や社会に向けてインターネット等で年1回公開することです。
 

02.【実践】行動計画をつくる4つのSTEP

原則として「直近の1事業年度」のデータを元に、以下の4つの手順に沿って進めれば、初めてでも確実に計画を作成できます。
 
STEP1 自社の現状を「見える化」して分析する(基礎5項目)
まずは以下の4つの「基礎項目」について、自社の数値を算出・把握します。
1. 採用者に占める女性の割合
計算式:(直近1年間の女性採用者数 ÷ 直近1年間の全採用者数)× 100 % ※中途採用も含みます。男女で採用の競争倍率に大きな開きがないかも確認します。
2. 男女の平均継続勤務年数の差異
正社員等の男女別平均勤続年数を算出して比較します(例:男性10年、女性6年の場合、差異は4年)。
※女性の数値が男性の8割を下回る場合は、仕事と家庭の両立環境に課題がある目安となります。
3. 各月ごとの平均残業時間等
全労働者の各月ごとの(法定時間外労働+法定休日労働)の平均時間を算出します。長時間労働が定着していないかを確認します。
4. 管理職に占める女性の割合
計算式:(女性の管理職数 ÷ 全管理職数)× 100 % ※管理職は「課長級以上」が目安ですが、手前の「係長級」の割合も調べると育成状況(管理職候補が育っているか)が分かります。
5. 男女間賃金差異
令和8年4月1日施行の改正女性活躍推進法により、常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主についても、新たに「男女間賃金差異」が情報公表の必須項目になりました。
「全労働者」、「正規雇用労働者」、パート・有期社員の「非正規雇用労働者」の3区分での公表が必要です。詳しくは、栃木労働局「2026年4月1日 女性活躍推進法が改正されました!」をご覧ください
 
STEP2 行動計画を組み立てる(目標とやることを決める)

分析結果をもとに、課題を解決するための計画書を作ります。以下の4つの要素を必ず盛り込んでください。
・ 計画期間:えるぼし認定を視野に入れる場合は2年~5年間で設定します。
・ 数値目標: 「〇%以上」「〇人以上」など、必ず具体的な数値を設定します。
常用労働者数301人以上の場合は、2項目以上
常用労働者数101人以上の場合は、1項目以上
・ 取組内容: 目標達成のために会社が行う具体的な施策・内容を記述します。
・ 実施時期: その取組をいつから開始するかを明記します。

💡 令和8年4月法改正に伴うポイント
行動計画の策定にあたっては、女性の健康上の特性(月経、更年期、妊娠・出産等)に係る相談窓口設置や休暇制度の整備といった、「女性の健康支援に関する取組」を盛り込むことが望ましいとされています。
 
STEP3 社内に知らせて、社外に公表する(周知・公表)

労働局への届出前に、作成した計画を「周知」し「公表」するのがルールです。
 
社内周知: 電子棚(イントラネット)への掲載、社内グループウェアでの配信、事業所への書面掲示、書面配布など、全労働者がいつでも見られる状態にします。
外部公表: 自社ホームページへの掲載、または厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」等に掲載(無料)します。
 
※ えるぼし認定を目指す場合は、必ず「周知」「公表」の疎明資料が必要なため、印刷、スクリーンショット等記録に残して下さい
STEP4 労働局へ届け出る(最後の手続き)

指定の様式(届出書)に記入し、本社の所在地を管轄する都道府県労働局(雇用環境・均等部または室)へ提出します。
電子申請: 政府の電子申請ポータル「e-Gov(イーガブ)」から24時間オンライン提出が可能です。
郵送・窓口持参: 書面を印刷し、郵送(返信用封筒同封)または労働局窓口へ持参します
 
 

03. 計画づくりをガッチリ支える「役立ち支援ツール」


「計算や分析を自力でやるのは大変そう……」という担当者の方のために、無料の便利ツールを用意しています。現在掲載されているツールはR5年度板のため、改正に伴っていない箇所がございます。参考までにご使用下さい。
一般事業主行動計画策定支援ツール&マニュアル
画面の案内に沿って自社の基本データを入力するだけで、STEP 1の状況把握・課題分析を一貫してサポートしてくれる強力なツールです。初めての方は、まずこれをダウンロードして手順通りに進めましょう。
ツール
・マニュアル:「一般事業主行動計画策定支援マニュアル」を参照してください。 中小企業等の簡易な要因分析を支援するためのExcelツールです。自社の基本労務データを入力すると、同業種や同じ従業員規模の「全国平均データ」との差異が可視化され、どこに男女の賃金差異の原因(例:女性の採用はできているが、継続就業できていない等)があるかを客観的に突き止められます。
他社の計画をヒントにする「データベース検索機能」
厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」を活用するのをお勧めします。
「業種」「企業規模」「取得認定(えるぼし・くるみん)」等で絞り込み検索ができるため、「同業のライバル企業はどんな目標や行動計画を立てているんだろう?」と調べることで、自社の計画づくりの大きなヒントになります。

  一般行動計画策定例

04. 届出書(策定届)を書く際の実務ポイントと落とし穴対策



管轄の労働局へ提出する「一般事業主行動計画策定・変更届(様式第1号)」を記入する際、企業の従業員数(企業規模)によって記入欄の必須ルールが異なります。以下のポイントを確認しながら記入してください。

【常用労働者301人以上】のルール:目標は「2つの異なる区分」から

301人以上の企業は、届出書の「9(1)目標」欄に記入する際、次の(ⅰ)欄と(ⅱ)欄の両方に1つ以上ずつ数値目標を記入しなければなりません。
(ⅰ) 欄(機会の提供): 採用比率や管理職比率、配置などの区分(分類番号①)から目標を記入。
(ⅱ) 欄(雇用環境の整備): 残業削減、年次有給休暇取得率、育児休業取得率などの区分(分類番号②)から目標を記入。

【常用労働者101人~300人】のルール:数値目標は「1つ以上」でOK

301人以上の企業とは異なり、目標の区分(分類番号①・②)の双方から選ぶ必要はありません。自社の課題に合わせて、どちらか一方の区分から最低1つの数値目標を定め、記入すれば要件を満たします(記入欄の選択は自由です)。

【常用労働者100人以下】のルール:できる範囲の目標で柔軟に提出可能

100人以下の企業にとって届出は「努力義務」ですが、企業のイメージアップや優秀な人材の採用を見据えて先んじて届け出る企業が増えています。目標は1つ以上、自社が本当に改善したい項目(例:「女性の採用を1名以上にする」「有給休暇取得率を5%上げる」など)を柔軟に設定して提出できます。

⚠️ 全企業規模共通:届出書の「実務上の落とし穴」チェック

・「労働者数」の時点は最新か: 届出書に記入する従業員数は、「届出書を提出する日」または「提出前1ヶ月以内のいずれかの日の時点」の数字を記入してください。古いデータはNGです。
・日付の前後関係は正しいか: 行動計画は、「社内周知」および「外部への公表」を済ませてから労働局へ届け出るのがルールです。そのため、計画期間の開始日よりも前に、社内周知・外部公表の日付が来ているか(または同日か)を必ず確認してください。
・次世代法(くるみん関係)との「一体型届出」も可能: 子育て支援に関する「次世代育成支援対策推進法」の行動計画と、今回の計画期間が同じである場合、1枚の届出書で同時に提出できる「一体型様式(様式第2号)」を利用すると、手間が1回で済みます。
 

05. 提出前の最終確認チェックリスト

すべての手続きを漏れなく進めるためのセルフチェックリストです。上から順番に実施できているか、確認しましょう!
•  自社の女性活躍に関する状況把握・課題分析を(ツール等を使って)行ったか
•  行動計画に「計画期間」「数値目標」「取組内容」「実施時期」が含まれているか
•  常用労働者数に応じた項目数(301人以上企業の場合2項目、101人~300人企業の場合は1項目)の数値目標があるか
•  作成した計画を、社外へ公表したか(自社HPや国のデータベースなど)
•  自社の企業規模(常用労働者数101人以上)に応じた「実績データの情報公表」を適切に行っているか
•  本社の所在地を管轄する都道府県労働局へ「届出書(様式1号または2号)」を提出したか
申請様式について
一般事業主行動計画
Q&A

<よくある質問(女性活躍推進法における管理職の定義)> ※従来の定義から変更はありません。
 
※「管理職」とは、「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者の合計をいいます。  
※「課長級」とは、以下のいずれかに該当する者です。
・事業所で通常「課長」と呼ばれている者であって、2係以上の組織からなり、若しくは、その構成員が10人以上(課長含む)の長・同一事業所において、課長の他に、呼称、構成員に関係なく、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者(ただし、一番下の職階ではないこと)

なお、一般的に「課長代理」、「課長補佐」については、「課長級」に該当しません。

関連リンク
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
女性の活躍推進企業データベース


 

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TEL:028-633-2795
 

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