労働時間等設定改善見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)

〇 定義
 労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)は、事業主等がその雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るに当たり、講ずべき措置を定めた指針です。
 
〇 改正点
 平成30年10月30日に指針が一部改正され、平成31年4月1日より改正適用となりました。
 
・時間外労働の上限規制の導入を踏まえつつ、労働基準法に基づく指針に基づき時間外労働・休日労働の削減に取り組むこと。
・年次有給休暇の時季指定義務に留意しつつ、計画的な年次有給休暇の取得促進に取り組むこと。
・年次有給休暇管理簿を作成した上で、その取得状況を労働者及びその上司に周知すること。
・深夜業の回数の制限、勤務間インターバル及び朝型の働き方の導入を検討すること。
・労働時間等設定改善企業委員会等による話し合いの機会を設けるに当たっては、その決議に関する特例の活用を図ること。
・特に中小企業等において時間外労働・休日労働の削減に取り組むに当たっては、長時間労働につながる取引慣行の見直しが必要であること。

 〇労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)のポイント

【基本的な考え方】
1 労働時間等の設定の改善を含めた仕事と生活の調和の実現に向けた取組は、少子化の流れを変え、人口減少下でも多様な人材が仕事に就けるようにし、我が国の社会を持続可能で確かなものとするために必要な取組であるとともに、企業の活力や競争力の源泉である有能な人材の確保・育成・定着の可能性を高めるものです。
 
2 労働時間等の設定の改善を図ることは、労働者にとって好ましいのみならず企業活動の担い手である労働者が心身共に充実した状態で意欲と能力を十分に発揮できるようにし、企業経営の効率化と活性化、国民経済の健全な発展にも資するものであり、企業にとっては、「コスト」としてではなく、「明日への投資」として積極的にとらえていく必要があります。
 
3 経営者自らが主導して、職場風土改革のための意識改革等に努めることが重要です。
 
4 「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(平成22年6月改定)や「少子化社会対策大綱」(令和2年5月29日閣議決定)で定められた社会全体の目標の内容も踏まえ、各企業の実情に応じて仕事と生活の調和の実現に向けて計画的に取り組むことが必要です。
(社会全体の目標値)
・令和7年(2025年)までに年次有給休暇取得率を70%に引き上げる
 
【事業主が取り組むべき一般的な事項】
1 労使間の話合いの機会を整備しましょう。
労働時間等の見直しを図るためには、それぞれの労働者の抱える事情や企業経営の実態を踏まえ、企業内において労使の自主的な話合いが行われることが重要です。
(具体的な取組例) 
・労働時間等設定改善委員会の設置、開催 など
 
2 年次有給休暇を取得しやすい環境を整備しましょう。
   年次有給休暇の取得は、労働者の健康と生活に役立つのみならず、労働者の勤労意欲の回復、生産性の向上など企業にとっても大きな意味を持つものです。
(具体的な取組例) 
・計画的な年次有給休暇の取得促進に取り組む
・年次有給休暇管理簿を作成する
・取得の呼びかけ等による取得しやすい雰囲気づくり
 
3 所定外労働を削減しましょう。
事業主は、労働者の健康で充実した生活のため、所定外労働の削減を図ることが重要です。
(具体的な取組例)
・深夜業の回数の制限、勤務間インターバル及び朝型の働き方の導入を検討する
・「ノー残業デー」、「ノー残業ウィーク」の導入・拡充
・長時間労働につながる取引慣行の見直す
・長時間労働の抑制(長時間労働が恒常的なものにならないようにする等) など
 
【特に配慮が必要な労働者】
1 特に健康の保持に努める必要があると認められる労働者
(具体的な取組例)
・健康診断や面接指導の結果に基づいた医師の意見を踏まえ、必要がある場合には、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少など労働者の健康に配慮した労働時間等の設定を行いましょう。
・労働者の健康を守る予防策として、メンタルヘルスケアの実施とあわせ、疲労を蓄積させない又は疲労を軽減させるような労働時間等の設定を行いましょう。
 
2 育児・介護を行っている労働者
(具体的な取組例)
・育児休業、介護休業、子の看護休暇、時間外労働の制限、深夜業の制限、短時間勤務制度の導入などにより、労働時間等の設定の改善を行うとともに、その内容を労働者に積極的に周知するなど制度を利用しやすい環境を整備しましょう。
・特に、子どもの出生時における父親の休暇制度の整備や男性の育児休業の取得促進等、男性が育児等に参加しやすい環境づくりに努めましょう。
 
3 単身赴任中の労働者
(具体的な取組例)
・単身赴任者の場合、休日は家族の元に戻って、共に過ごすことが極めて重要であるため、休日の前日の終業時刻の繰り上げや休日の翌日の始業時刻の繰り下げを行いましょう。
 
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